魔女の条件
『魔女の条件』(まじょのじょうけん)はTBS系列で1999年4月8日から6月17日まで放送されたテレビドラマ。全11話。主演は松嶋菜々子 と滝沢秀明。放送時間は木曜日22:00-22:54(第1話のみ22:00-23:09)。平均視聴率は21.5%、最高視聴率29.5%(最終回)。
魔女の条件 | |
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ジャンル | テレビドラマ |
脚本 | 遊川和彦 |
演出 |
土井裕泰 難波一弘 片山修 |
出演者 |
松嶋菜々子 滝沢秀明 別所哲也 緒沢凛 西田尚美 山田麻衣子 山口祐一郎 田山涼成 温水洋一 角替和枝 白川由美 黒木瞳 |
音楽 | 島健 |
オープニング |
宇多田ヒカル 「First Love」 |
製作 | |
プロデューサー | 八木康夫 |
制作 | TBS |
放送 | |
放送国・地域 | ![]() |
放送期間 | 1999年4月8日 - 6月17日 |
放送時間 | 木曜日22:00 - 22:54 |
放送枠 | TBS木曜10時枠の連続ドラマ |
放送分 | 54分 |
回数 | 11 |
特記事項: 放送時間は木曜日22:00-22:54(第1話のみ22:00-23:09)。 |
女教師と男子生徒の禁断の愛を描いた物語。タイトルの「魔女」とは魔女狩りを意識したもので、内容も2人の恋愛を甘く描くというものではなく、周囲からの辛辣な攻撃を描くシリアスなものである。
ストーリー編集
私立高校の数学教師である広瀬未知は、落とした指輪に気を取られてバイクを運転する少年にひかれそうになる。
その日、転校生の問題児として押しつけられた生徒がバイクを運転していた黒澤光だった。
数日後、未知は敵視されてる女子グループからの嫌がらせで水浸しになったショックで授業に出られなくなってしまうが、光に連れられて共に校外へフケる事に。前代未聞の事態に驚く未知だが、今まで体験した事の無い自由なひとときに幸せを感じるのだった。
心を開ける相手を見つけた事で、光は旧友と縁を切り自らの過去に決着をつけた。一方で未知は進んでいく結婚にズレを感じて両家の挨拶をサボってしまうが心は前向きであった。
後日、光は鏡子が多額の寄付と引き換えに何をしても退学にならない条件を突きつけていた事を知り、相変わらずの束縛に加えて愛人との現場に出くわした事から心が不安定になり、わざとグレた行動を繰り返してしまう。クラブで飲酒してる所を未知に連れ戻されるが、自分を支配する大人たちへの反抗として目の前で万引きをする。その光の姿に色々な事に縛られてる駄目な自分を投影した未知は、万引きに加担して共に逃走する。
道を踏み外す行為をした自分にショックを受ける未知。慰めようとした光は思わずキスしそうになるが、未知はそれを拒否する。
その後も自分自身の想いに目を背けていた未知だが、父親の言いなりになっている現状に対する不満や婚約者への不信感を抱いた事で遂に本音を告白し、図書館で一夜を共にした。
互いの気持ちを確かめ合った末に周囲に隠れて逢引きを続けていた二人だが、次第に噂が知れ渡ってしまい担任を外されてしまう。
事態が悪化するのを恐れた学校と父親によって強引に結婚退職させられそうになった未知は、全校集会の退職挨拶で光への想いを暴露する。
この件で未知と光は学校中から軽蔑の眼差しを向けられてしまうが、本当の想いを貫く覚悟で堂々と交際を続けるのだった。
しかし、光や身近な人が自分のせいで犠牲になっていくのを見ていられなかった未知は結局自ら退職してしまう。
ところが同じ日に光も鏡子によって退学。留学の手続きを進められていた。ヤケになった光はこれからも母親のいいなりになって人生を送る、自由の国なんてありはしないと吐き捨てる。
その言葉に触発された未知は手を差し伸べて共に学校を飛び出すのだった。
登場人物編集
この節の加筆が望まれています。 |
- 広瀬未知(26) - 松嶋菜々子
- 私立高校の数学教師。生徒に対して優柔不断な言動を取ったりする為に舐められがちで一部の女子生徒からはいじめられてしまう。光との出会いにより触発され、父に支配されていた人生を見つめ直し、自力で生きようと決心。学校を辞めた日に光と駆け落ちするが、鏡子が警察に届け誘拐容疑で逮捕されて精神鑑定まで受けさせられる。光がアメリカ留学する事で起訴を取り下げられたが、直後に妊娠が発覚。お腹の子と一人で生きてこうとするが、勤務先の寮で店長に襲われそうになり絶望。その日に光と運命の再会を果たすが、鏡子と未知の間で苦しむ光を想って再び別れる。中学の教師に再就職するも流産。手術の後遺症で昏睡状態になるが、光に看取られ続けたのちに目を覚ました。
- 黒澤光(17) - 滝沢秀明
- 父の死、周囲からの期待、母への不満などで心のバランスを崩した事と、前の学校でのトラブル等もあり転校。味方になってくれた友人もいたが、我が身を守る為に友人を結果的に裏切って当人が退学してしまった過去がある。その事などから転校先の高校でも上手く人とコミュニケーションが取れずに変わり者扱いされていた。クラス担任になった未知に心惹かれる。学校を辞めた日に駆け落ちして連れ戻された後、未知の為に未知を裏切る芝居をして留学してしまうが、妊娠を知り帰国。度重なる不幸で心が壊れた鏡子を心配する余り、未知との間にすれ違いが起きて別れる事に。彼女の心の中がわからない事もあり意地を張ってしまうが、未知を理解した鏡子や周囲の人々の後押しもあり、再び追いかけて支える。夜間の高校に通い直し、将来は父の様に医者になって未知を目覚めさせる決意を固めた。未知を看取る途中で眠りそうになり、それと同時に目を覚ました彼女と笑顔で見つめ合い共に就寝する。
- 北井大(30) - 別所哲也
- 未知の婚約者でエリート銀行員。出身大学が一流じゃない無いコンプレックスをバネにして成績を上げた。ポジティブで熱血だがどこかズレていて気合いや期待が空回りしがち。その裏では強い不安と執着心を抱えており、光の存在を知る前からも未知が別れ話を切り出すのを阻止したり、隠れて尾行していた。その後、婚約を破棄されて自暴自棄になる。未知が光と駆け落ちした際は鏡子と組んで追跡。揉み合いの末に光に怪我を負わせた。悲しみを紛らわせる為に桐子と関係を持ったりするが、それでもなお未知に対する執着は収まらず何度も復縁を迫るが、のちに身を引いた。婚約破棄を職場に報告して支店に飛ばされたが、銀行員としての夢を抱き仕事に一生懸命になる。報われはしなかったが多くの幸せをくれた未知と出会えた事に心から感謝しており、最後は光の事を認める。
- 菅井美春(21) - 緒沢凛
- 大学生。鏡子の依頼で光の家庭教師兼見張り役を引き受ける。鏡子の命令で光に色仕掛けをした事もある。小さい頃に両親を亡くし、親戚をたらい回しにされた過去もあり性格に歪みがある。鏡子に従っていたのは金の為でなく、恵まれた家庭が崩壊する所を見たかったという理由だった。鏡子が全てを失った所を見届け、給料を投げ捨て黒澤家を去る。鏡子へのダメ押しで二人を再会させる為、留学した光の住所と連絡先のメモを広瀬家に投函した。
- 宇田桐子(26) - 西田尚美
- 未知の親友で銀行員。同僚の北井に片想いしていたにもかかわらず未知に彼を紹介してしまった。未知を奪われて傷心中の北井と寝た事もあるが結局報われはしなかった。親友として何度か未知と光を手助けしたものの、誰からも必要としてもらえない自分と違って昔から周囲にチヤホヤされていた未知を妬み、土壇場で裏切って密会現場を通報してしまう。一方的に縁を切り、無気力な状態のまま退職して帰郷しようとするが追いかけてきた未知に引きとめられたことで自分を大切に思ってくれている存在がいた事を理解して和解。その後は調理師になって店を持つ夢を持ち、光と別れた未知を部屋に居候させた際に未知とお腹の子をまとめて面倒を見る事を約束した。
- 木下純(17) - 山田麻衣子
- 光のクラスメイトでサボり仲間。誰とも交流を持たずにあらぬ噂を立てられていた。一年前に大蔵省の父親が不正に金を受け取っていたのがバレて夜逃げする形で転校して来たが、未知の余計なお世話のせいで益々浮いてしまい、優柔不断で役に立たない彼女を毛嫌いしていた。そんな未知が公衆の面前で想いを貫いた時は若干見直しており、駆け落ちしていなくなった未知に電話で助けを求めた事がある。そして駆けつけた未知に救出された事で彼女を信頼する様になり、光との仲を取り持つ為に幾度となく奮闘。未知と光が愛し合う事(世間から偏見を持たれる恋愛をしている者たちを広く指していると思われる)をおかしいと思わない世の中に変えていくと宣言し、検事を目指す為に東大受験に向けて勉強を開始する。父から逃れた後は広瀬家に居候しており、未知の両親が親代わりになっていたが実家に帰る事を決め、暖かく送り出された。
- 純の父親 石丸謙二郎
- 大蔵省で働いていたが、贈収賄が発覚して免職になり、マンションに夜逃げする形で転居。アルコール依存症になって娘に暴力を振るっていた。些細な事でカッとなり当たり散らしたかと思いきや、途端に泣き出して相手にすがるDV気質。駆けつけてきた未知に対して暴行を否定するが、純が証拠の全身のあざを露出した為に認めざる得なくなり屈服。その後は不明。ちなみに純の母は夫の問題が発覚した事で世間から嫌がらせをされてノイローゼになってしまい、純とは離れて暮らしている。父親の発言から純は何度か母に電話してたらしい。
- 五代優(42) - 山口祐一郎
- ドクター。夫を亡くした鏡子に接近して誘惑、愛人となる。口では再婚を迫る事を言うものの彼女の頭には息子しかいない事を理解していた。鏡子の評判が悪くなる様に仕向けて黒澤総合病院の理事長に就任するが、保険金水増し請求などの不正が発覚し警察に逮捕される。実はいずれこの問題が発覚することは予測していたらしく、鏡子を失脚させたのは逮捕時の理事長が自分であれば鏡子には責任が及ばないという歪な愛情行動であった。光と対峙した際は自身の歪な愛情に自嘲しており、光の選ぼうとしている未来は自分以上に壮絶なものになると曖昧ながら予言めいた皮肉を投げかける。鏡子を意味深な表情で見つめて警察に連行されていった。
- 岡島教頭(50) - 田山涼成
- 未知の上司。憲一とはプライベートでゴルフをする仲。憲一の指示で光と噂になった未知を強引に結婚退職させようとした。
- 松岡教諭(35) - 温水洋一
- 未知にいちいちアプローチしてくる。自分は未知の味方であると豪語するが、彼女と光の恋愛関係が発覚してからは避ける様になる。
- 下田主任(45) - 角替和枝
- 未知を姑のようにいびる。
- 広瀬憲一(59) - 辻萬長
- 未知の父親で、未知の高校の校長会の会長。聖職者としての教師の振る舞いを重んじるあまりに妻子を無自覚に支配していた。素子との離婚騒動の際に初めて自分を見つめ直した事で和解。純が広瀬家を出る際、いつでも帰ってきていいと言って送り出す。
- 進藤 - 松田美由紀
- 精神科医。中盤で逮捕された未知に対して精神鑑定をおこない、ぶしつけな質問を容赦なく投げつけた。
- 広瀬素子(54) - 白川由美
- 未知の母。若い頃にピアノの才能を認められて音楽留学が出来る事になっていたが、妊娠した事で夢を諦めて家庭に入った。未知には自分の様な後悔をさせない気持ちでずっと味方をしていて、北井と結婚する事にも賛成はしていたが娘の本心には薄々気づいていた。己の姿勢を試みない憲一に対して離婚を決意したが、憲一が自分の傲慢さと向き合ったことでよりを戻す。純を保護した際は母親がわりになり、最後は暖かく送り出した。
- 黒澤鏡子(39) - 黒木瞳
- 光の母。黒澤総合病院の理事長。元看護師。愛していた夫を失い母子家庭になった事などもあり、光に固執して束縛する。息子を男として意識している節があり、未知の事は最初から警戒して嫉妬で憎んでいた。息子の事ばかりに気を取られて病院の経営面でろくに動こうとしなかった為に取締役会で解任され病院から追い出された。全てを失った際、海で自殺を図るが未知に救出された。退院して五代の逮捕後に心が落ち着き、夢の中で亡き夫から自分の側に置くのでは無く手放して見送くるのも愛なのだと論され、身を引こうとした未知の愛が本物であるのを理解。後を追いかける事が出来ない光の背中を押した。その後は看護師として社会復帰する。
- 黒澤徹 - 塩見三省
- 光の叔父。孤児院を経営している。亡き父親の事を知りたい光が駆け落ちした先で訪ねた相手。元々は中学教師だったが息子がいじめで自殺してしまい妻も後を追う様に自殺してしまった。その事を教師でありながら肝心の家族を何もわかってなかった自分に対する抗議だったと受け止め自分自身を責め続けている。一度は自殺を考えたが、どんな人生にも意味のない事は無いと信じて施設を造った。二人の関係を知った際は子を失う鏡子の気持ちがわかる故に安易に応援はしなかったが苦しい事の先に幸せがあるのだと語り、どんなに辛くてもそれを乗り越えて生き続けることを約束させて二人の逃亡を手助けした。
サブタイトル編集
各話 | 放送日 | サブタイトル | 演出 | 視聴率 |
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第1話 | 1999年4月8日 | 彼が生徒じゃなかったら… | 土井裕泰 | 19.7% |
第2話 | 1999年4月15日 | 初めてのあやまち | 難波一弘 | 19.3% |
第3話 | 1999年4月22日 | 二人が結ばれた夜 | 土井裕泰 | 21.0% |
第4話 | 1999年4月29日 | 二人だけの秘密 | 難波一弘 | 20.8% |
第5話 | 1999年5月6日 | 先生さよなら | 片山修 | 20.5% |
第6話 | 1999年5月13日 | 逃避行 | 土井裕泰 | 22.3% |
第7話 | 1999年5月20日 | 逮捕 | 18.2% | |
第8話 | 1999年5月27日 | 15分だけの幸せ | 難波一弘 | 21.4% |
第9話 | 1999年6月3日 | 妊娠 | 土井裕泰 | 23.1% |
第10話 | 1999年6月10日 | 先生はすべてを捨てた | 難波一弘 | 21.2% |
最終話 | 1999年6月17日 | 自由の国へ | 土井裕泰 | 29.5% |
平均視聴率21.5%・視聴率は関東地区・ビデオリサーチ社調べ。 |
スタッフ編集
主題歌編集
- クレジット表記は無いが、挿入歌として宇多田の「Never Let Go」が使用されている
評価編集
2019年8月に行われ、300人が投票に参加した「滝沢秀明の歴代出演ドラマ人気ランキング」では、『せいせいするほど、愛してる』や『アンティーク 〜西洋骨董洋菓子店〜』らを凌ぎ1位を獲得した[1]。
受賞歴編集
- 第21回ザテレビジョンドラマアカデミー賞
- 最優秀作品賞
- 主題歌賞(宇多田ヒカル)
- キャスティング賞
脚注編集
- ^ “300人に聞いた!滝沢秀明出演の歴代ドラマ人気ランキング!ベスト15”. TVマガ (2019年8月7日). 2021年3月27日閲覧。
外部リンク編集
- 公式サイト - ウェイバックマシン(2002年8月2日アーカイブ分) - TBS
- TBS Drama Archive 魔女の条件 - ウェイバックマシン(2016年4月13日アーカイブ分)
TBS 木曜10時枠の連続ドラマ | ||
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