魚竜上目(ぎょりゅうじょうもく、: Ichthyopterygia)は、1840年リチャード・オーウェンが当時知られていた魚竜を纏めるために導入した用語であったが、現在は真の意味での魚竜と三畳紀前期から中期に生息した原始的な祖先を指す用語として用いられている[1][2]

魚竜上目
生息年代: 三畳紀前期オレネキアン - 白亜紀後期セノマニアン, 251.3–94.3 Ma
Utatsusaurus BW.jpg
ウタツサウルス・ハタイ
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 爬虫綱 Reptilia
上目 : 魚竜上目 Ichthyopterygia
学名
Ichthyopterygia
Owen, 1840

原始的な魚竜上目の生物すなわち真の魚竜以前の祖先は、大半の属が全長1メートル以下と小型であり、体は細長く、椎骨は長い糸巻きのような形状をしていた。これは彼らがウナギのように体をくねらせて遊泳していたことを示唆しており、素早い動きと操作が可能で、浅海での狩りにおいて有利に働いていた[3]。このような初期段階にも関わらず彼らは四肢がヒレに進化し特殊化した生物であり、陸上での活動は不可能であった。

初期の魚竜上目はパンゲア大陸北部の海岸に幅広く分布し、三畳紀前期オレネキアンから三畳紀中期アニシアンの日本中国カナダノルウェースピッツベルゲン島)から知られている。三畳紀中期ラディニアンまでに彼らは絶滅を迎え、魚竜目が繁栄することとなった。

分類群編集

 
基盤的な魚竜上目とヒトの大きさ比較

系統編集

下のクラドグラムは Cuthbertson らの2013年の論文に基づく[4]

魚竜上目

パルヴィナタトル

ウタツサウルス

シンミノサウルス

エオイクチオサウルス類
グリッピア目

グリッピア

グロサウルス

魚竜目 sensu Motani (1999)

チャオフサウルス

キンボスポンディルス

ミクソサウルス下目

ミクソサウルス

ファラロドン

トレトクネムス科

キアンイクチオサウルス

トレトクネムス

シャスタサウルス類

ショニサウルス

シャスタサウルス

カッラワイア

グイゾウイクチオサウルス

ベサノサウルス

カリフォルノサウルス

パルヴィペルヴィア類

出典編集

  1. ^ Motani, R. (1997). “Temporal and spatial distribution of tooth implantation in ichthyosaurs”. In J. M. Callaway and E. L. Nicholls (eds.). Ancient Marine Reptiles. Academic Press. pp. 81–103 
  2. ^ Motani, R.; Minoura, N.; Ando, T. (1998). “Ichthyosaurian relationships illuminated by new primitive skeletons from Japan”. Nature 393 (6682): 255–257. doi:10.1038/30473. 
  3. ^ Motani, R. (2000). “Rulers of the Jurassic Seas”. Scientific American 283 (6): 52–9. doi:10.1038/scientificamerican1200-52. PMID 11103459. 
  4. ^ Cuthbertson, R. S.; Russell, A. P.; Anderson, J. S. (2013). “Cranial morphology and relationships of a new grippidian (Ichthyopterygia) from the Vega-Phroso Siltstone Member (Lower Triassic) of British Columbia, Canada”. Journal of Vertebrate Paleontology 33 (4): 831. doi:10.1080/02724634.2013.755989. 

参考文献編集

  • Ellis, Richard, (2003) Sea Dragons - Predators of the Prehistoric Oceans. University Press of Kansas
  • Christopher McGowan & 藻谷亮介 (2003) Ichthyopterygia, Handbook of Paleoherpetology, Part 8, Verlag Dr. Friedrich Pfeil