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来歴・人物編集

外交官でシンガポール総領事や陸軍司政長官などを歴任した鶴見憲の息子としてアメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルスに生まれる。アメリカのプラグマティズムの紹介やベトナムに平和を!市民連合(ベ平連)を設立したことで知られる哲学者評論家鶴見俊輔は従兄、社会学者で知られる鶴見和子は従姉、政治家の鶴見祐輔は伯父にあたる。外交官の父の仕事の影響でワシントンD.C.ポートランドハルビンなど在外生活経験を重ねる。

水戸高等学校東京大学法学部卒業。

思想の科学研究会の常任活動に参加、コミュニケーション論を研究[1]。一時結核で倒れ[2]、その後1955年から1986年まで国際文化会館に勤務する(1973年から1986年の間は、嘱託勤務[3])。

1965年にはベ平連発足に参加し、前後して頻繁なアジア行、研究を深める。1973年にはアジア太平洋資料センター設立のメンバーとなり、独自なアプローチによるアジア探究者として旺盛な研究活動を本格化した。

代表作には1982年の『バナナと日本人』(岩波新書)、1990年の『ナマコの眼』(新潮学芸賞受賞)があり、多数の著書を残した。

上智大学講師を経て[4]1989年より晩年まで龍谷大学経済学部教授を務めた。また結婚前の秋篠宮文仁親王紀子妃が鶴見の教えを受け、強い影響を受けた[5]

1994年、『ココス島奇譚』執筆中、京都の自宅にて急逝[6]

没後1995年には『ココス島奇譚』が刊行され、みすず書房から1998年から2004年まで主要著作を収めた『鶴見良行著作集』(全12巻)が刊行された。

料理と写真の腕前がプロ並みであることで知られた。

父親の死後、その日記を見ると「結局良行は、和子、俊輔に及ばず」と書いてあったので「自分の方が問題にならないほど高い業績を挙げているのを、親父はわかっていなかった」と激怒したといわれる[7]

受賞編集

  • 新潮学芸賞(第3回)〔平成2年〕「ナマコの眼」[8]
  • 大同生命地域研究賞特別賞(第7回・平4年度)「東南アジアの民衆の立場にたつ独自のアジア学を構築した業績」[9]

著作編集

単著編集

  • 反権力の思想と行動 鶴見良行 著 盛田書店 1970
  • アジア人と日本人 鶴見良行 著 晶文社 1980
  • アジアを知るために 鶴見良行 著 筑摩書房 1981(ちくまぶっくす ; 33)
  • マラッカ物語 鶴見良行 著 時事通信社 1981
  • アジアはなぜ貧しいのか 鶴見良行 著 朝日新聞社 1982(朝日選書 ; 211)
  • バナナと日本人 : フィリピン農園と食卓のあいだ 鶴見良行 著 岩波書店 1982(岩波新書)
  • マングローブの沼地で : 東南アジア島嶼文化論への誘い 鶴見良行 著 朝日新聞社 1984
  • 大地と海と人間 : 東南アジアをつくった人びと 鶴見良行 著 筑摩書房 1986(ちくま少年図書館)
  • アジアの歩きかた 鶴見良行 著 筑摩書房 1986 のちちくま文庫(1998年)
  • 海道の社会史 : 東南アジア多島海の人びと 鶴見良行 著 朝日新聞社 1987(朝日選書 ; 330)
  • 辺境学ノート 鶴見良行 著 めこん 1988
  • エビ・ナマコはどこから 鶴見良行 著 新幹社 1988(アジアが見えてくる ; 2)
  • ナマコの眼 鶴見良行 著 筑摩書房 1990 のちちくま学芸文庫
  • アラフラ海航海記 : 木造船でゆくインドネシア3000キロ 鶴見良行 著 徳間書店 1991
  • 東南アジアを知る : 私の方法 鶴見良行 著 岩波書店 1995(岩波新書)
  • ココス島奇譚 鶴見良行 [著] みすず書房 1995
  • 歩きながら考える : 対話集 鶴見良行 著,オルター・トレード・ジャパン/編集室パラグラフ 編 太田出版 2005(ナマコ・コレクション ; 1)
  • エビと魚と人間と南スラウェシの海辺風景 : 鶴見良行の自筆遺稿とフィールド・ノート 鶴見良行 著,森本孝 編 みずのわ出版 2010

著作集編集

  • バナナ 鶴見良行 [著] みすず書房 1998(鶴見良行著作集 ; 6)
  • マングローブ 鶴見良行 [著] みすず書房 1999(鶴見良行著作集 ; 7)
  • 出発 鶴見良行 [著] みすず書房 1999(鶴見良行著作集 ; 1)
  • ナマコ 鶴見良行 [著] みすず書房 1999(鶴見良行著作集 ; 9)
  • 収奪の構図 鶴見良行 [著] みすず書房 1999(鶴見良行著作集 ; 4)
  • マラッカ 鶴見良行 [著] みすず書房 2000(鶴見良行著作集 ; 5)
  • 海の道 鶴見良行 [著] みすず書房 2000(鶴見良行著作集 ; 8)
  • フィールドノート 1 鶴見良行 [著] みすず書房 2001(鶴見良行著作集 ; 11)
  • 歩く学問 鶴見良行 [著] みすず書房 2001(鶴見良行著作集 ; 10)
  • ベ平連 吉川勇一 編・解説 みすず書房 2002(鶴見良行著作集 ; 2)
  • アジアとの出会い 鶴見良行 [著] みすず書房 2002(鶴見良行著作集 ; 3)
  • フィールドノート 2 鶴見良行 [著] みすず書房 2004(鶴見良行著作集 ; 12)

共編著編集

  • アジアからの直言 鶴見良行 編 講談社 1974(講談社現代新書)
  • 越境する東南アジア 鶴見良行, 山口文憲 著 平凡社 1986(ポリフォニー・ブックス)
  • 道のアジア史 : モノ・ヒト・文化の交流 鶴見良行, 村井吉敬 編著 同文館出版 1991
  • エビの向こうにアジアが見える 村井吉敬, 鶴見良行 編著 学陽書房 1992
  • ヤシの実のアジア学 鶴見良行, 宮内泰介 編著 コモンズ 1996

翻訳編集

  • バートランド・ラッセル著作集 第2 自由と組織. 第1 / 大淵和夫・鶴見良行 訳 みすず書房 1960
  • バートランド・ラッセル著作集 第3 自由と組織. 第2 / 大淵和夫・鶴見良行・田中幸穂 訳 みすず書房 1960
  • 日本日記 デイヴィッド・リースマン, イーヴリン・リースマン 著,加藤秀俊, 鶴見良行 訳 みすず書房 1969
  • フィリピン・ナショナリズム論 レナト・コンスタンティーノ 著,鶴見良行 監訳 井村文化事業社 1977(フィリピン双書 ; 4,5)
  • フィリピン民衆の歴史 2 往事再訪. 2 レナト=コンスタンティーノ 著 / 鶴見良行 [ほか]訳 井村文化事業社 1978(フィリピン双書 ; 9)
  • フィリピン民衆の歴史 3 ひきつづく過去. 1 レナト・コンスタンティーノ, レティシア・R.コンスタンティーノ 著 鶴見良行 [ほか]訳 井村文化事業社 1979(フィリピン双書 ; 10)
  • フィリピン民衆の歴史 4 ひきつづく過去. 2 レナト=コンスタンティーノ, レティシア=R=コンスタンティーノ 著 鶴見良行, 吉川勇一 訳 井村文化事業社 1980(フィリピン双書 ; 12)

関連項目編集

脚注編集

  1. ^ 日外アソシエーツ現代人物情報
  2. ^ 日外アソシエーツ現代人物情報
  3. ^ 鶴見良行さんのプロフィール
  4. ^ 日外アソシエーツ現代人物情報
  5. ^ 江森敬治『秋篠宮さま』(毎日新聞社、1998年)
  6. ^ 『鶴見良行対話集 歩きながら考える』著者紹介
  7. ^ 鶴見俊輔・加藤典洋・黒川創『日米交換船』(新潮社、2006年3月)p.167
  8. ^ 日外アソシエーツ現代人物情報
  9. ^ 日外アソシエーツ現代人物情報

外部リンク編集