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鹿沢ダム(かざわダム)は、群馬県吾妻郡嬬恋村大字田代に建設されたダム。高さ18.2メートルのアースダムで、東京電力発電用ダムである。同社の水力発電所・鹿沢発電所に送水し、最大5,200キロワットの電力を発生する。ダム湖(人造湖)の名は田代湖(たしろこ)という。土木学会の「日本の近代土木遺産~現存する重要な土木構造物2800選」のひとつ。

鹿沢ダム
鹿沢ダム
所在地 左岸:群馬県吾妻郡嬬恋村大字田代
右岸:群馬県吾妻郡嬬恋村大字田代
位置 北緯36度29分11秒
東経138度28分16秒
河川 利根川水系吾妻川
(河道外)
ダム湖 田代湖
ダム諸元
ダム型式 アースダム
堤高 18.2 m
堤頂長 981.8 m
堤体積 352,000
流域面積 72.5 km²
湛水面積 78.0 ha
総貯水容量 5,628,000 m³
有効貯水容量 5,015,000 m³
利用目的 発電
事業主体 東京電力
電気事業者 東京電力
発電所名
(認可出力)
鹿沢発電所
(5,200kW)
施工業者 飛島建設
着手年/竣工年 1926年/1927年
備考 [1]
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北北東四阿山から見た田代湖(中央)

目次

歴史編集

利根川水系においては戦前より東京電燈を始めとする多くの電力会社によって鬼怒川を皮切りに電源開発が進められていった。群馬県内では吾妻川流域が比較的早期より開発されており、鹿沢発電所はその吾妻川の最上流部に位置している。吾妻川・大横川・大沢川より取水した水を一時的に貯水し、下流の鹿沢発電所に送るための調整池として取水口と発電所の中間部、田代地点に建設されたのが鹿沢ダムである。そこは吾妻川左岸(河道外)の段丘の上にある窪地で、かつて四阿山噴火した際、ここまで溶岩流が達したといわれている。

鹿沢ダム建設工事は1925年大正14年)より着手し、1926年(大正15年・昭和元年)に完成した。ダム堤体内部にコンクリートで出来た水を遮る壁(遮水壁)がある。ダム湖を取り囲むかたちを取っているため堤頂長(ダムの長さ)も981.8メートルと非常に長く、一見すると土手に見える部分もダムの一部である。こうした特異性から土木学会により「日本の近代土木遺産~現存する重要な土木構造物2800選」に選ばれている。

鹿沢ダムならびに鹿沢発電所は1939年(昭和14年)に「電力統制法」による電力国家統制策で誕生した日本発送電に接収され、戦後1951年(昭和26年)、電力事業再編令によって日本発送電が分割されたあと、東京電力に管理が移行され現在に至る。

周辺編集

鹿沢ダムへは渋川市から国道144号を嬬恋方面へ直進し、新田代橋交差点を右折すると到着する。ダム湖である田代湖は、地図などで見ると鹿沢ダムの表記が無いことが多いために天然湖に見られやすい。田代湖は発電による水位の変動が激しく、危険を伴うことから一般の立入は制限されている。なお、新潟県にも同名のがあり、こちらは電源開発(Jパワー)が管理する奥清津発電所の上池・カッサダム湖の名である。

湖ではワカサギが多く生息しており、群馬県吾妻漁業協同組合では田代湖のワカサギを利用した採卵事業を行っている。これは管理者である東京電力の許可を得て行っているもので、毎年定置網でワカサギを収穫し、採卵を行う。ワカサギの採卵事業は諏訪湖網走での事業が有名だが、田代湖も有名である。この三地点で採取されたワカサギの卵は全国各地のワカサギ釣りのスポットや漁業協同組合に流通され、養殖されている。冬の風物詩であるワカサギ釣りを陰で支える存在でもある。このほか田代湖ではダム完成直後の1935年(昭和10年)に試験的にブラックバス放流された湖でもある。

周辺は観光名所が密集しており、草津温泉万座温泉鹿沢温泉新鹿沢温泉などの温泉群や浅間山鬼押出し園吾妻峡といった名勝があり、鹿沢スノーエリアといったスキー場も近い。田代湖より西の鳥居峠を越えるとリゾート地として有名な長野県菅平高原である。

脚注編集

  1. ^ 画像は国土交通省、国土画像情報(カラー空中写真)より作成した鹿沢ダム空中写真(1975年度撮影)。

関連項目編集

参考文献編集

  • 「角川日本地名大辞典」編纂委員会編著『角川地名大辞典 10 群馬県』角川書店、1988年。

外部リンク編集