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麗しのサブリナ』(うるわしのサブリナ、原題: Sabrina)は、1954年に公開されたアメリカ合衆国ロマンティック・コメディサミュエル・テイラーの戯曲『サブリナ・フェア』をビリー・ワイルダー監督が映画化した。『ローマの休日』に続くオードリー・ヘプバーンのヒット作。

麗しのサブリナ
Sabrina
Sabrina.jpg
監督 ビリー・ワイルダー
脚本 ビリー・ワイルダー
サミュエル・テイラー
アーネスト・レーマン
原作 サミュエル・テイラー
製作 ビリー・ワイルダー
出演者 ハンフリー・ボガート
オードリー・ヘプバーン
音楽 フレデリック・ホランダー
撮影 チャールズ・ラング・Jr
編集 アーサー・シュミット
配給 パラマウント映画
公開 日本の旗 1954年9月17日
アメリカ合衆国の旗 1954年9月22日
ブラジルの旗 1955年
上映時間 113分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 $2,238,813(見積値)[1]
興行収入 $10,000,000[1]
配給収入 1億5243万円[2] 日本の旗
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目次

あらすじ編集

 
ウィリアム・ホールデンとオードリー・ヘプバーン
 
ハンフリー・ボガートとオードリー・ヘプバーン

ロングアイランドに暮らす大富豪ララビー家の運転手を務めるフェアチャイルドの娘サブリナは、ララビー家の次男デイヴィッドに密かに恋をしていたが、彼は大銀行の頭取令嬢グレッチェンに夢中で、サブリナのことは眼中になかった。父からも叶わない恋をするのは止めるように言われ、傷心のサブリナは車庫で自殺しようとするが、異変に気付いたララビー家の長男ライナスにより事なきを得る。翌日、サブリナは以前から父に勧められていたパリに留学し、料理を学ぶ。2年後、サブリナは見違えるような美女となって帰国し、デイヴィッドは彼女に惚れ込みパーティーに招待する。しかし、デイヴィッドはララビー家の事業拡大を図る父オリヴァーとライナスの取り成しで実業家タイソンの娘エリザベスとの結婚が決まっていた。「月に手を伸ばすのは止めろ」と諭す父に対し、サブリナは「月が私に手を伸ばしているのよ」と自信満々に答える。

パーティー会場で注目の的となるサブリナとダンスを踊るデイヴィッドは二人で会場を抜け出そうとするが、エリザベスを放ってサブリナに夢中の姿をライナスに見られ、父に呼び出されてしまう。父と口論となったデイヴィッドは、ポケットにシャンパングラスを入れたまま椅子に座り、大怪我をしてしまう。待ち合わせ場所でデイヴィッドを待つサブリナの元にライナスが現れ、彼女の相手をする。ライナスはタイソンとの合併を実現させるため、障害となっているサブリナをデイヴィッドから引き離そうと画策するが、次第に彼女に心惹かれるようになってしまう。

ライナスはサブリナをパリに追い出そうと考え、パリに向かう振りをしてパリ行きの乗船券を用意するが、その前夜、サブリナが彼の会社を訪れ「もう会うことはできない」と告げる。ライナスは彼女をオフィスに入れて暫く話を聞いていたが、サブリナはライナスの机の上にパリ行きの乗船券が二人分あることに気付く。「自分もパリに連れて行ってもらえる」と喜ぶサブリナに、ライナスは彼女を追い出すために乗船券を購入したことを告げる。事実を知ったサブリナは落胆してオフィスを後にする。

翌日、考えを改めたライナスはタイソンとの合併を取り消すことに決め、デイヴィッドにサブリナと共にパリに行くように伝えるが、デイヴィッドは「彼女は兄貴に恋している」と告げ、ライナスがパリに行くように提案する。ライナスは聞き入れようとせずにデイヴィッドに船に乗るように伝え、重役会議に出席し、合併の取り消しを伝えようとするが、そこにデイヴィッドが現れる。デイヴィッドの説得を受けてサブリナへの想いを認めたライナスは会社を飛び出し、パリ行きの船に乗り込みサブリナと抱き合う。

キャスト編集

役名 俳優 日本語吹替
ソフト版 テレビ東京
ライナス・ララビー ハンフリー・ボガート 久米明
サブリナ・フェアチャイルド オードリー・ヘプバーン 池田昌子
デイヴィッド・ララビー ウィリアム・ホールデン 近藤洋介 木村幌
トーマス・フェアチャイルド ジョン・ウィリアムズ 坂口芳貞 寄山弘
オリヴァー・ララビー ウォルター・ハンデン 大木民夫 千葉順二
エリザベス・タイソン マーサ・ハイヤー 佐藤しのぶ 中村紀子子
グレッチェン・ヴァン・ホーン ジョーン・ヴォーズ 松谷彼哉 栗葉子
初回放送 1969年10月16日
木曜洋画劇場

制作編集

撮影編集

 
ウィリアム・ホールデンとオードリー・ヘプバーン

当初、ライナス役にはケーリー・グラントが予定されていた[3][4][5][6][7]が、彼が撮影1週間前になって出演を断ったため[8]ハンフリー・ボガートが起用された。オードリー・ヘプバーンは撮影中ミステイクを頻発したため、彼女の経験不足を指摘している[9]。一方で、ボガードはヘプバーンに対して、他のキャストに対してよりも丁寧な態度で接していたという。

ビリー・ワイルダーと原作者サミュエル・テイラーは1953年3月から共同で脚本を執筆していたが、8月には舞台版「麗しのサブリナ」のリハーサルが始まるため、2/3ほど完成した段階でサミュエル・テイラーは脚本から離れてしまう[10]。そのためビリー・ワイルダーはアーネスト・レーマンを呼び寄せ、残りの部分を執筆させた。さらにライナス役がケーリー・グラントからハンフリー・ボガートに変わったため、大幅な書き直しが必要で、撮影が始まっても脚本は完成していなかった[8]。その上ビリー・ワイルダーは撮影中でも何度も脚本の書き直しをしていたので[4]、その日撮影する脚本が出来上がっていないことがあった。そのためオードリー・ヘプバーンがビリー・ワイルダーに請われて仮病を使って時間稼ぎをしたこともあった[8]

本作の舞台となったララビー邸は、ビバリーヒルズにあるパラマウント社長の邸宅を使用している[3][5][11][12]。プールの場面はCBSの創始者のウィリアム・サミュエル・ペイリーの自宅である[8]。また、劇中に登場する駅はロングアイランド鉄道オイスターベイ支線グレンコーブ駅で撮影され、ララビー工業本社ビルはフィナンシャル・ディストリクトのビルで撮影された[12]

衣装編集

本品はサブリナパンツというファッション文化を生み出した。ユベール・ド・ジバンシィはドレスを提供したが、この映画のためにデザインしたものではなく、オードリーが既製品を選んだものであるため、ジバンシィの名はクレジットされていない。衣裳デザイナーのイーディス・ヘッドは本作品でアカデミー衣裳デザイン賞を受賞しているが、受賞対象となっているのは彼女のデザインした衣装ではなく、ジバンシィのドレスであることは明らかだった[13]

ヘッドは1974年のインタビューで、「ヘプバーンのドレスはジバンシィが作ったものではなく、彼のドレスからインスピレーションを得て自分が作った」とコメントしている[14]。ジバンシィはヘッドの死後、「ヘプバーンが着た黒のパンツはヘッドの監督下でパラマウントが作ったが、間違いなく自分がデザインしたものだ」と反論している[15]

主な受賞歴編集

リメイク編集

1995年に『サブリナ』としてリメイクされた(ボガートが演じたライナスはハリソン・フォード、ヘップバーンが演じたサブリナはジュリア・オーモンド、ホールデンが演じたデイヴィッドはグレッグ・キニアが起用された)[16]。また、1994年のインド映画『Yeh Dillagi英語版』にも影響を与えた他、1961年にタミル語映画『Manappandal』としてもリメイクされている。

舞台化編集

脚注編集

  1. ^ a b Sabrina (1954) - Box office / business” (英語). IMDb. 2011年5月18日閲覧。
  2. ^ 『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』(キネマ旬報社、2012年)113頁
  3. ^ a b チャールズ・ハイアム (1986年3月15日). 『オードリー・ヘプバーン 映画に燃えた華麗な人生』. 近代映画社. 
  4. ^ a b イアン・ウッドワード (1993年12月25日). 『オードリーの愛と真実』. 日本文芸社. 
  5. ^ a b バリー・パリス (1998年5月4日). 『オードリー・ヘプバーン』上巻. 集英社. 
  6. ^ アレグザンダー・ウォーカー (2003年1月20日). 『オードリー リアル・ストーリー』. 株式会社アルファベータ. 
  7. ^ Jaynes, Barbara Grant; Trachtenberg, Robert. Cary Grant: A Class Apart. Burbank, California: Turner Classic Movies (TCM) and Turner Entertainment. 2004.
  8. ^ a b c d 『麗しのサブリナ』DVD特典、メイキング・オブ・『麗しのサブリナ』。BDには未収録。
  9. ^ Ben Mankiewicz of Turner Classic Movies.
  10. ^ マーク・ショウ (2009年10月13日). 『オードリーに魅せられて 〜サブリナの日々〜』前書き「サブリナの思い出」デヴィッド・テイラー. ACブックス. 
  11. ^ ロビン・カーニー (1994年1月20日). 『ライフ・オブ・オードリー・ヘップバーン』. キネマ旬報社. 
  12. ^ a b Sabrina 1954 film locations”. The Worldwide Guide To Movie Locations. 2016年2月20日閲覧。
  13. ^ kartanonrouva.net”. 2017年2月25日閲覧。
  14. ^ Dorléac, Jean-Pierre (2010年10月24日). “Edith Head and the 'Sabrina' dress”. Los Angeles Times. http://articles.latimes.com/2010/oct/24/image/la-ig-edithredux-20101024 
  15. ^ Style on Film: Sabrina” (2011年3月20日). 2017年2月25日閲覧。
  16. ^ Sabrina 1995”. Turner Classic Movies. Atlanta: Turner Broadcasting System (Time Warner). 2016年9月6日閲覧。

関連項目編集

外部リンク編集