麻生区

神奈川県川崎市の行政区
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麻生区(あさおく)は、川崎市を構成する7行政区のうちの一つである。

あさおく
麻生区
川崎市アートセンター 区庁舎位置
日本の旗 日本
地方 関東地方
都道府県 神奈川県
川崎市
市町村コード 14137-2
面積 23.25km2
総人口 180,715[編集]
推計人口、2020年8月1日)
人口密度 7,773人/km2
隣接自治体
隣接行政区
川崎市多摩区宮前区
横浜市青葉区
東京都稲城市多摩市町田市
麻生区役所
所在地 215-8570
神奈川県川崎市麻生区万福寺1丁目5番1号
北緯35度36分13.5秒東経139度30分20.7秒座標: 北緯35度36分13.5秒 東経139度30分20.7秒
麻生区役所
外部リンク 麻生区役所
川崎市麻生区位置図

麻生区位置図

特記事項 世帯数:68,638世帯(2008年3月31日)
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はるひ野の住宅地

概要編集

1982年(昭和57年)7月、多摩区から分区して設置された。

南北に長い川崎市において、行政・商業の中心となっている川崎区(市の南東部)とは最も離れている。そのため市役所等への移動は非常に時間がかかり、川崎市中心部よりも東京都庁のある新宿への便が良い。そのため大半のことは区内で事足りるよう、区のほぼ中央の丘陵を開拓。小田急新百合ヶ丘駅付近を川崎市の北部副都心と位置づけて、区役所、税務署などの公共施設、百貨店、映画館など様々な商業施設が充実する近代都市としての開発が行われた[1]1998年(平成10年)度には建設省(現・国土交通省)の都市景観100選を受賞した。大きな街でありながら駅周辺では風俗営業を禁止しており、遊技場(パチンコ店)の一店だけに留まっている珍しい街である。南北交通の強化を図るため、川崎市では川崎縦貫高速鉄道(市営地下鉄)の建設構想を1960年代から提起しているが、着工には至っていない。

 
1974年頃の新百合ヶ丘駅付近国土交通省 国土画像情報(カラー空中写真)を基に作成

商業だけでなく、小田急小田原線多摩線を軸にした東京ベッドタウンとして発展が続いている。元々、同区域は津久井街道(現在の世田谷町田線)が五反田川麻生川に沿って伸び、また1927年(昭和2年)の小田急線開業によって交通の不便が改善され、その沿線には集落が形成されていた。さらに1960年代に入ると現在の麻生区域の丘陵地帯では日本住宅公団(現在の都市再生機構)による団地建設を皮切りに急速な住宅地整備が進められ、整備地域内の人口は急増したが、整備地域から外された大半の土地は山林に覆われ、人口も少なかった[2]。しかし1974年(昭和49年)に多摩線が開業したことで沿線付近が住宅地として開発され、また2000年(平成12年)以降には多摩線を意識した運行ダイヤが組まれ、都心へのアクセスが向上したことで、小田急不動産などのデベロッパーが積極的な開発・販売をした新興住宅地が沿線に多く存在する。その為、川崎市の中で社会増が最も多い区である[3]

区南部には日本最古の甘柿の品種と言われている禅寺丸柿が発見された王禅寺地区があり、「柿生」の名の由来となった。区北部の黒川地区には、昔ながらの里山が残っている。

近年では、昭和音楽大学の誘致、川崎市アートセンターの建設、KAWASAKIしんゆり映画祭の開催など、川崎市の「芸術のまち構想」の一環として音楽や芸術に力を入れている。

地理編集

川崎市の西北端に位置し、多摩丘陵の一部を占める。全体的に標高は高めであり、川崎市で最も標高が高い地点も麻生区内にある。区の中央から西に流れる麻生川沿いは標高が低くなっている。

そのため、麻生区はその周囲を流れる一級河川鶴見川水系および多摩川水系の分水嶺になっており、鶴見川水系麻生川、片平川、真福寺川、早野川、黒須田川、および多摩川水系五反田川三沢川など多くの川の水源地になっている。

西部に飛地となっている岡上地区があるが、これは明治時代の歴史的背景によるものであり、在住の中学生は公立学校に通う場合、飛地から本地へ通学している。

隣接している自治体・行政区編集

神奈川県

東京都

歴史編集

区名の由来編集

麻生の地名の由来は、古くからが自生しており、8世紀には朝廷麻布を納めていたという記録が残っている点からである。区名は一般公募され、川崎市に編入されるまで同地域の多くを占めた都筑郡柿生村に由来する「柿生」が最も多い結果であったが、歴史的由来に価値があり新区の名称にふさわしいという理由により「麻生」に決定した[4][5]

読みはあさおくであるが、慣用的にあそうくと読まれることもある[6]

町名編集

麻生区内では、一部の区域で住居表示に関する法律に基づく住居表示が実施されている。川崎市の町名の丁目にはアラビア数字が広く採用されており、官報告示等において漢数字表記されている場合であっても、ここではアラビア数字で統一している。

人口編集

男性より女性が多い区である。(男性 85,480人、女性90,077人。平成27年国勢調査による)

厚生労働省が発表した「平成22年 市区町村別生命表」によると、男性の平均寿命は81.2歳、女性の平均寿命は87.7歳である。

産業編集

商業中心であるが一部地域には農家も多く残っており、特に黒川岡上、早野地区は市街化調整区域および農業振興地域に指定されている。また、栗木・黒川地区にはかわさきマイコンシティが造成され、コンピュータソフトウェア関連企業の研究所が多く立地する。

商業編集

新百合ヶ丘駅を中心とした大規模商業地区と、最も古くから栄えていた柿生駅付近に商店街などの中規模施設、他各駅付近に小規模商業地区が存在する。他、小田急線小田原線と併走する世田谷町田線沿いに商業施設が集まる。

一方、麻生区内には国道や高速道路はなく、同区の幹線道路である東京都道・神奈川県道3号世田谷町田線も道路渋滞が激しいため(下記参照)、大規模なロードサイド店舗の成立は見られず、新百合ヶ丘駅周辺を除くと商業施設は住民の日常生活を支える規模にとどまっている。

教育編集

大学・短期大学編集

※ このほか、和光大学玉川大学(東京都町田市)の一部敷地が区内にある。

高校編集

中学校編集

小学校編集

社会教育施設編集

医療編集

区内にある総合病院は、麻生総合病院、柿生記念病院など柿生駅周辺に集まっているが、新百合ヶ丘駅を最寄り駅の一つとする新百合ヶ丘総合病院や隣接する宮前区に存在する聖マリアンナ医科大学病院など他にも出入り(アクセス)の便利な総合病院が存在する。区内には個人開業医が多数あるが、より詳細な検査・緊急時には聖マリアンナ医科大学病院(市立多摩病院含む)を紹介されることが多く、また、市立多摩病院は同大学が市から指定管理者として管理を委任されていることなどからも、同大学の存在が麻生区を含む市北部の医療に大きな影響を与えているといえる。

区内および隣接する主な総合病院

交通編集

 
若葉台駅
 
新百合ヶ丘駅

鉄道編集

中心となる駅:新百合ヶ丘駅

前後を東京都に挟まれているため、東京都を通らないと県内の他の駅に行くことができない。
ただし、貨物線部分であるため区内に駅は存在しない。

計画中の路線

始発駅(東京都品川駅)から、神奈川県の駅(相模原市橋本駅の予定)へ向かう際、区内地下を通過する予定。当区には駅の設置予定はない。

構想中の路線

2000年の運輸政策審議会答申では、横浜市営地下鉄の延伸線として、新百合ヶ丘駅-すすき野間を2015年度までに整備に着手すべき路線と位置づけられた(すすき野地区-あざみ野駅間は2015年度までに整備すべき路線として答申)。2019年1月1日、横浜市があざみ野駅から新百合ヶ丘駅までの延伸方針を固めたことが報じられ[7]、同年1月23日には延伸に関して横浜市と川崎市の間で合意が結ばれ、両市長間で覚書が交わされた[8][9]。2030年ごろの開業を目指すとしている[9]

路線バス編集

空港直行バス編集

通勤高速バス編集

  • 虹が丘・すすき野・美しが丘西→渋谷駅(東急バス)

道路編集

小田急線小田原線と併走し、区のほぼ中央を東西に通る世田谷町田線は、都心と新百合ヶ丘駅付近、そして町田市街地を繋ぐ主要道路であるが、生活道路と都市間結節機能とが混在し、同道路は片側1車線であるため慢性的な交通渋滞が発生している。その為、特に渋滞の多い新百合ヶ丘駅付近から柿生駅付近を片側2車線化する工事を進めている。

区西部の柿生・町田市街方面や、区北部の黒川・多摩市街方面(尻手黒川線)から、区南部の王禅寺・東名川崎IC方面に向かう際にも、小田急小田原線がある影響で、新百合ヶ丘駅付近を通る必要があったが、2010年10月23日に新百合ヶ丘駅と柿生駅の中間に辺りに跨線橋をかけ、王禅寺方面から世田谷町田線へつながる道路が開通したことで、新百合ヶ丘駅付近を迂回する必要がなくなった。

最近では、新百合ヶ丘周辺の道路整備の遅れから、週末になると公共交通機関の運行に大きな乱れが発生し、バスでは約2.5kmの距離に最大50分前後かかるという事態になっている。

名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事編集

 
川崎広域レーダ雨量情報システムレーダー基地局
弘法大師がこの地に立ち寄り、寺を建設しようとしたが谷の数が足りずに断念し、代わりに松の木を植えて立ち去ったという伝説が残されている。初代弘法の松1956年12月に焼失し、今に至っている。

レジャー

川崎市の運営する施設で、ごみ焼却場の廃熱を利用した温水プールを中心に、トレーニングルーム、会議室等を備える。温水プールは全天候型。2014年度から3カ年の予定で各半年程度の閉館を伴う設備改修工事を実施、完成した。[10]
  • 王禅寺ふるさと公園

祭り

  • KAWASAKIしんゆり映画祭 - 市民ボランティアを中心とした運営による映画祭。
  • 麻生木賊不動尊だるま市 - 関東の納めのだるま市。毎年1月28日に行われる。
  • アルテリッカしんゆり - 毎年ゴールデンウィーク期間中に実施される、音楽、映画、演劇を中心とした芸術祭。

その他

逸話編集

  • 以前、区役所窓口の申請書記入例にある氏名のところに「麻生太郎」という記載がなされていたが、2008年自由民主党総裁選挙の際、麻生太郎候補と同字であることが指摘され、差し替えられた[11]

著名人編集

脚注編集

[脚注の使い方]
  1. ^ このうち大規模商業施設の誘致に関しては西武セゾングループの進出撤回などで出遅れたが、現在では新百合ヶ丘エルミロードサティービブレ新百合ヶ丘店の営業により充実が図られている。
  2. ^ 同区内の小学校は現在18校あるが(該当項目参照)、1873年(明治6年)設立の柿生小学校と1875年(明治8年)設立の西生田小学校以外に次ぐ歴史を持つのは1964年(昭和39年)設立の百合丘小学校で、以後の各校はいずれもその後の人口急増期に設立されている。出典:川崎市教育センター 市立学校紹介 [1]
  3. ^ http://www.city.kawasaki.jp/asao/cmsfiles/contents/0000029/29650/h20_p2.pdf 川崎市ホームページ「あさお区民の動向」 (PDF)
  4. ^ シリーズ「麻生の歴史を探る」 第47話 麻生郷 ~区名由来~”. 柿生文化 第77号. 柿生郷土資料館 (2014年10月1日). 2020年6月8日閲覧。
  5. ^ 麻生の歴史を探る 麻生郷~区名由来〜”. タウンニュース(麻生区版). タウンニュース社 (2014年10月24日). 2020年6月8日閲覧。
  6. ^ ただし「上麻生」「下麻生」は慣用的に「あそう」と読まれることもある
  7. ^ あざみ野-新百合、延伸へ 横浜市営地下鉄30年ごろ開業”. 神奈川新聞(カナロコ). 神奈川新聞社 (2019年1月1日). 2019年1月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年1月1日閲覧。
  8. ^ “横浜市営地下鉄 小田急線「新百合ヶ丘」まで延伸へ”. NHK NEWS WEB. (2019年1月23日). オリジナルの2019年1月23日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20190123090211/https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190123/k10011788401000.html 2019年1月23日閲覧。 
  9. ^ a b 横浜市営地下鉄ブルーライン 「あざみ野~新百合ヶ丘」を延伸へ! ~事業を推進するため、横浜市と川崎市で相互に連携・協力します~”. 横浜市都市整備局都市交通課・横浜市交通局建設改良課・川崎市まちづくり局交通政策室. 横浜市 (2019年1月23日). 2019年1月23日閲覧。
  10. ^ http://www.city.kawasaki.jp/templates/press/cmsfiles/contents/0000070/70266/H27ouzenjityoukikyuukan.pdf 平成27年8月25日 川崎市報道発表資料「王禅寺余熱利用市民施設(ヨネッティー王禅寺)は 大規模改修工事に伴い長期休館します」
  11. ^ 記入例「麻生太郎」変更へ 誤解招くと川崎市麻生区”. 47NEWS. 47NEWS (2008年9月3日). 2010年10月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年6月8日閲覧。

参考文献編集

関連項目編集

外部リンク編集