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概要編集

ヴィニシウス・ヂ・モライスによる1956年の戯曲『オルフェウ・ダ・コンセイサゥン』を映画化したもので、ギリシア神話オルペウス(オルフェ)とエウリュディケ(ユーリディス)の物語の舞台を、カーニバルで盛り上がる公開当時のブラジル、リオデジャネイロに移している。当時は観光名所だったファヴェーラが主な舞台となっている。

アントニオ・カルロス・ジョビン作曲のサウンドトラックにはルイス・ボンファポルトガル語版による「カーニバルの朝」(「黒いオルフェ」と呼ばれることも多い)をはじめとしたボサノヴァの曲が含まれている。

またサンバ歌手・作曲家として知られるカルトーラがワンシーンだけ出演、また撮影時には妻のジカともども雑用として雇われたことで知られる。

映画の試写会に招かれたヴィニシウス・ヂ・モライスは、「これは自分の作品でない」と強く否定していた。

また、1999年、ブラジルの映画監督であるカルロス・ヂエギスポルトガル語版により『オルフェ』として再び製作された。なおヂエギス自身は、本作品のリメイクと言われることを強く否定し、まったく新しい作品として仕上げたとコメントしている。またヂエギス作品の音楽を担当したミュージシャンのカエターノ・ヴェローゾも「黒いオルフェは、単純な悲恋物語に終始して、ヴィニシウス原作にあったブラジルやファヴェーラの本質を描いていない、したがってブラジル人はまったく評価していない」などと述べている。

ストーリー編集

田舎から出てきた娘が明日のカーニバル見物のため船に乗ってリオ・デ・ジャネイロへ着く。彼女は自身を村から追ってきている謎の男からも逃げていた。彼女を乗せた市電の運転手であるオルフェは子供たちから慕われ、女からもモテモテの歌とギターの名手である。ミラという恋人がいて、役所に手続きに行くと、婚姻係に名前をオルフェというと妻はユーリディスだねといわれ、怪訝な顔をするとギリシャ神話だと言われる。指輪の前に質屋から「オルフェは私の主人」と書いてあるギターを出す。子供たちには「古いギターで、今の主人が僕というだけ」という。娘ユーリディスはいとこのセラフィナを訪ねる。ベネディットという子にお守りをもらい、大事にするというと「僕が死んでも?」と縁起でもないことをいわれる。

オルフェはセラフィナの隣家に住んでいて、ユーリディスと再会して彼女と恋に落ちてしまう。

夜のリハーサルで、二人は独占欲の強い「昼の女王」ミラの目をかいくぐり、愛を語らうが、ユーリディスを追う死神の衣装を纏う謎の男が現れ、彼女を脅し、オルフェが助けにくると「女は預ける、俺は急がない」といって去る。最初は別々にすごしていたが、ユーリディスが誘い、愛を交わした夜が明ける。

祭りの当日、「夜の女王」セラフィナの計らいで衣装で顔を隠したユーリディスはオルフェと「バビロン組」で踊るが、お守りが落ちて割れる。嫉妬に狂い、殺してやるというミラに見つかり、掴みかかられ逃亡するが、姿を現した死を司る仮面の男にも追われる。オルフェの上司から待っていろといわれた市電の車庫に向かうが、死神に追いつめられる。高圧線に手を掛けたユーリディスは助けにきたオルフェがスイッチを入れたために感電死してしまう。意識が戻り、悲嘆に暮れたオルフェは彼女は生きていると彷徨い歩き、祈祷所でユーリディスの「振り返らないで」という声を聞いたが、振り返った瞬間、全ては偽りであったことに気づいてしまう。

夜が明け、死体安置所から彼女の亡骸を抱えて戻ったオルフェは怒り狂ったミラと対面する。家に火をつけられ、ミラに投げられた石が頭に当たったオルフェはユーリディスの遺体と共に崖から落ちて死んでしまう。二人は死によって結ばれ、全てが終わった後、太陽を昇らせる事が出来るというギターで歌い踊る子供たちの姿が、新たなオルフェの到来を予感させる。

製作背景編集

ブラジルを舞台にし、出演者たちは演技未経験者ばかりという挑戦的な映画だった。なかなか配給会社がみつからず、その間、フランスの監督の自宅に出演候補者たちをあつめて、何か月もリハーサルが繰り返された。

映画中で描かれるリオのカーニバルは、実際のものではなく、エキストラたちが演じたもの。

キャスト編集

※括弧内は日本語吹替(テレビ版、初回放送1973年10月5日 フジテレビ

「『黒いオルフェ』を探して」編集

2005年には、「黒いオルフェ」の関係者に取材したドキュメンタリー映画「『黒いオルフェ』を探して-ブラジル音楽をめぐる旅-」(原題:Looking For Black Orpheus)がフランスで作られた。

脚注編集

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  1. ^ サッカー選手

外部リンク編集