黒原 敏行(くろはら としゆき、1957年5月31日[1]- )は、日本の英米文学翻訳家

和歌山県生まれ。慶應義塾大学文学部仏文科卒[2]東京大学法学部に学士入学、卒業するが司法試験には受からず、予備校で教える[3]。32歳から本格的に翻訳を始め、当初ミステリーなどを訳すが、次第に純文学や古典も手がけるようになる。

翻訳 編集

  • 『岩場の死』(マイクル・アレグレット早川書房ハヤカワポケットミステリ) 1989。「私立探偵ジェイコブ・ロマックス」
  • 『欲望の石』(マイクル・アレグレット、早川書房) 1990。「私立探偵ジェイコブ・ロマックス」
  • 『ターゲットは大統領機』(D・E・フィッシャー/R・アルバタッジー、早川書房) 1990、のち文庫
  • 『いまだ生者のなかで』(ザカリー・クライン、早川書房) 1991
  • 『漆黒の怒り』(ガー・アンソニー・ヘイウッド、早川書房、ハヤカワポケットミステリー) 1991
  • 『大陸漂流』(ラッセル・バンクス、早川書房) 1991
  • 『密輸人』(トマス・パーマー、ハヤカワ文庫) 1992
  • 『終わりという名の街』(ザカリー・クライン、早川書房) 1993
  • 『幻の標的』(デイヴィッド・E・フィッシャー、早川書房) 1994
  • 『ビッグ・タウン』(ダグ・J・スワンソン、早川書房、ハヤカワポケットミステリー) 1996、のち文庫
  • 『プライマリー・カラーズ 小説アメリカ大統領選』(アノニマス、早川書房) 1996、のち文庫
  • 『殺意なき謀殺』(ジョゼフ・T・クレンプナー、ハヤカワ・ミステリ文庫) 1997
  • 『死のドリーム・ボート』(ダグ・J・スワンソン、早川書房、ハヤカワポケットミステリー) 1997
  • 『ドッグ・イート・ドッグ』(エドワード・バンカー、ハヤカワ文庫) 1997
  • 『ソフィー』(ガイ・バート、読売新聞社) 1998、のち創元推理文庫
  • 『ローズマリーの息子』(アイラ・レヴィン、早川書房) 1998、のち文庫
  • 『セックスとビデオと戦場』(ジェームズ・W・ブリン、角川文庫) 1999
  • 『Mr.クイン』(シェイマス・スミス、ハヤカワ・ミステリアス文庫) 2000
  • 『儚い光』(アン・マイクルズ、早川書房) 2000
  • 『アフターバーン』(コリン・ハリスン、新潮文庫) 2001
  • 『人生について数字が教えてくれること』(ジョージ・シャフナー、角川書店) 2001
  • 『パール・ハーバー』(ランダル・ウォレス、角川文庫) 2001
  • 『コレクションズ』(ジョナサン・フランゼン、新潮社) 2002、のちハヤカワ文庫
  • 『おい、ブッシュ、世界を返せ!』(マイケル・ムーア、アーティストハウスパブリッシャーズ) 2003
  • 『オーシャン・パークの帝王』(スティーヴン・L・カーター、アーティストハウスパブリッシャーズ) 2003
  • 『ヴードゥー・キャデラック』(フレッド・ウィラード、文春文庫) 2003
  • 華氏911の真実』(マイケル・ムーア、戸根由紀恵・落石八月月共訳、ポプラ社) 2004
  • 『マイケル・ムーアへ 戦場から届いた107通の手紙』(戸根由紀恵・遠藤靖子共訳、ポプラ社) 2004
  • 『影の王国』(アラン・ファースト、講談社文庫) 2005
  • 『驚異の百科事典男 世界一頭のいい人間になる!』(A・J・ジェイコブズ、文春文庫) 2005
  • 『黒い天使』(コーネル・ウールリッチ、ハヤカワ・ミステリ文庫) 2005
  • 『合衆国爆砕テロ』(アンドリュー・ブリトン、SB文庫) 2006
  • 『聖教会最古の秘宝』(ポール・サスマン、角川文庫) 2006
  • 『天使の渇き』(ミッシェル・フェイバー、アーティストハウスパブリッシャーズ) 2006
  • 『合衆国殲滅計画』(アンドリュー・ブリトン、SB文庫) 2007
  • 『遭難船のダイヤを追え!』(クライブ・カッスラー/ジャック・ダブラル、SB文庫) 2007
  • 『合衆国包囲網』(アンドリュー・ブリトン、SB文庫) 2008
  • 『日本海の海賊を撃滅せよ!』(クライブ・カッスラー/ジャック・ダブラル、SB文庫) 2008
  • 闇の奥』(ジョゼフ・コンラッド光文社古典新訳文庫) 2009
  • ユダヤ警官同盟』(マイケル・シェイボン、新潮文庫) 2009
  • シャーロック・ホームズ 最後の解決』(マイケル・シェイボン、新潮文庫) 2010
  • ウィンターズ・ボーン』(ダニエル・ウッドレル、AC BOOKS) 2011
  • 『サトリ』(ドン・ウィンズロウ、早川書房) 2011、のち文庫 - トレヴェニアン『シブミ』の続編
  • 『探偵術マニュアル』(ジェデダイア・ベリー、創元推理文庫) 2011
  • 『エコー・メイカー』(リチャード・パワーズ、新潮社) 2012
  • 『冬の眠り』(アン・マイクルズ、早川書房) 2012
  • すばらしい新世界』(オルダス・ハクスリー光文社古典新訳文庫) 2013
  • 怒りの葡萄 新訳版』(ジョン・スタインベック、ハヤカワepi文庫) 2014 
  • 『世界が終わってしまったあとの世界で』(ニック・ハーカウェイ、ハヤカワ文庫) 2014
  • 『まるで天使のような』(マーガレット・ミラー、創元推理文庫) 2015
  • 『エンジェルメイカー』(ニック・ハーカウェイ、ハヤカワポケットミステリー) 2015
  • 幻の女』(ウィリアム・アイリッシュ、ハヤカワ・ミステリ文庫) 2015
  • 『アメリカン・ブラッド』(ベン・サンダース、ハヤカワポケットミステリー) 2016
  • 蠅の王 新訳版』(ウィリアム・ゴールディング、ハヤカワepi文庫) 2017
  • 『アメリカン・ウォー』(オマル・エル=アッカド、新潮文庫) 2017
  • 八月の光』(ウィリアム・フォークナー、光文社古典新訳文庫) 2018
  • 『犯罪者』(ジム・トンプスン、文遊社) 2018
  • 『ブラック・ハンド アメリカ史上最凶の犯罪結社』(スティーヴン・トールティ、早川書房) 2018
  • 『エンジェルメイカー』(ニック・ハーカウェイ、ハヤカワ文庫) 2018
  • 『Xと云う患者 龍之介幻想』(デイヴィッド・ピース、文藝春秋) 2019
  • 『チェリー』(ニコ・ウォーカー、文藝春秋) 2020
  • ナイルに死す』(アガサ・クリスティー、ハヤカワ・クリスティー文庫) 2020
  • 『TOKYO REDUX 下山迷宮』(デイヴィッド・ピース、早川書房) 2021
  • 『シャギー・ベイン』(ダグラス・スチュアート、早川書房) 2022
  • 『反撥』(ジム・トンプスン、文遊社) 2022

フレデリック・フォーサイス 編集

  • 『コブラ』(フレデリック・フォーサイス、角川書店) 2012、のち文庫
  • 『キル・リスト』(フォーサイス、KADOKAWA) 2014、のち文庫
  • 『アウトサイダー 陰謀の中の人生』(フォーサイス、KADOKAWA) 2018、のち文庫。自伝
  • 『ザ・フォックス』(フォーサイス、KADOKAWA) 2020、のち文庫

「私立探偵ジョン・タナー」シリーズ 編集

  • 『匿名原稿』(スティーヴン・グリーンリーフ、早川書房、ハヤカワポケットミステリー) 1992、のち文庫
  • 『血の痕跡』(グリーンリーフ、早川書房、ハヤカワポケットミステリー) 1994、のち文庫
  • 『熱い十字架』(グリーンリーフ、早川書房、ハヤカワポケットミステリー) 1995
  • 『偽りの契り』(グリーンリーフ、早川書房、ハヤカワポケットミステリー) 1996
  • 『欲望の爪痕』(グリーンリーフ、早川書房、ハヤカワポケットミステリー) 1998
  • 『過去の傷口』(グリーンリーフ、早川書房、ハヤカワポケットミステリー) 1999
  • 『憎悪の果実』(グリーンリーフ、早川書房、ハヤカワポケットミステリー) 2001
  • 『最終章』(グリーンリーフ、早川書房、ハヤカワポケットミステリー) 2002

ジャック・ヒギンズ 編集

  • 『嵐の眼』(ジャック・ヒギンズ、早川書房) 1994、のち文庫
  • 『サンダー・ポイントの雷鳴』(ヒギンズ、早川書房) 1995、のち文庫
  • 『密約の地』(ヒギンズ、早川書房) 1996、のち文庫
  • 『シバ 謀略の神殿』(ヒギンズ、早川書房) 1997、のち文庫
  • 『闇の天使』(ヒギンズ、早川書房) 1997、のち文庫
  • 『悪魔と手を組め』(ヒギンズ、早川書房) 1998、のち文庫
  • 『双生の荒鷲』(ヒギンズ、角川文庫) 1999
  • 『大統領の娘』(ヒギンズ、角川文庫)、2000
  • 『ホワイトハウス・コネクション』(ヒギンズ、角川文庫) 2003
  • 『審判の日』(ヒギンズ、角川文庫) 2004
  • 『復讐の血族』(ヒギンズ、角川文庫) 2005
  • 『報復の鉄路』(ヒギンズ、角川文庫) 2007

コーマック・マッカーシー 編集

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  1. ^ 『文藝年鑑2008』より
  2. ^ 日外アソシエーツ人物情報より
  3. ^ 折々のむだ話(その4)――理想の翻訳法(翻訳ミステリー大賞シンジケート)、ほぼ日刊イトイ新聞