(469219) Kamoʻoalewa

地球の準衛星
(469219) 2016 HO3から転送)

(469219) Kamoʻoalewa仮符号: 2016 HO3)は、2016年に発見されたアポロ群に属する小惑星である。地球から見るとのように周囲を公転しているように見える準衛星の一つである[4]

(469219) Kamoʻoalewa
Kamoʻoalewaの軌道(白線)
Kamoʻoalewaの軌道(白線)
小惑星番号 469219
分類 アポロ群[1]
地球近傍小惑星(NEO)[1]
地球の準衛星[2]
軌道の種類 太陽周回軌道
発見
発見日 2016年4月27日[1]
発見者 パンスターズ望遠鏡 (PS1)[1]
発見場所 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
ハレアカラ山[1]
発見方法 直接観測
軌道要素と性質
元期:TDB 2,460,000.5(2023年2月25.0日[1]
軌道長半径 (a) 1.001 au[1]
近日点距離 (q) 0.898 au[1]
遠日点距離 (Q) 1.104 au[1]
離心率 (e) 0.103[1]
公転周期 (P) 365.809 [1]
(1.002 [1]
軌道傾斜角 (i) 7.792°[1]
近日点引数 (ω) 305.352°[1]
昇交点黄経 (Ω) 65.906°[1]
平均近点角 (M) 141.143°[1]
物理的性質
直径 41 m(計算上)[3]
40 - 100 m[4]
26 - 115 m[5]
自転周期 0.467 時間[3]
スペクトル分類 S(仮定)[3]
絶対等級 (H) 24.3[1][3]
アルベド(反射能) 0.20(仮定)[3]
0.03 - 0.60[5]
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特徴 編集

Kamoʻoalewaは2016年4月27日にパンスターズ計画の望遠鏡「PS1」で発見された。地球の準衛星になっているので軌道長半径公転周期はほぼ地球と同じ値になっている。現時点では最も地球に近づいても1,400万 km離れており[4]、これまで知られている地球の準衛星の中では最も安定しているとされている[2]。半年の間は地球よりも太陽に近く、残りの半年間は地球よりも太陽から遠い軌道を公転する[2]。その軌道面は地球の公転面に対して約7.7度傾いており、Kamoʻoalewaは1年周期で、地球の公転面に対して上下に動いているように見える[4]

大きさは現在知られている地球の準衛星の中では最も小さく[5]、40 mから100 mの間と考えられているが[2]、別の分光学的な研究では26 mから115 mの間という値も導き出されている[5]スペクトル分類S型と仮定されている[3]

中国国家航天局(CNSA)は、探査機を用いてKamoʻoalewaの表面の物質を採取して地球へのサンプルリターンを目指す天問2号中国語版英語版計画を進めており、探査機の打ち上げは2025年頃に行われる予定である[6][7]

名称 編集

「2016 HO3」という名称は発見直後に付与された仮符号である。地球から見ると2016 HO3が振動しているような軌跡を描くことから、2019年4月6日に発表された小惑星センターの回報「MPC 112435」で、ハワイ語で「振動する天体」を指す言葉に因んでKamoʻoalewaと命名された[8]。一般的なカタカナ表記は「カモオアレワ」であるが、発音に近づけると「カモ・オーレヴァ」と表記できる。この名称はハワイ島にあるイミロア天文学センターから提案された[8]

ギャラリー 編集

1600年から2500年までのKamoʻoalewaの動き
太陽と地球との相対的な動き
地球との相対的な動き
太陽との相対的な動き
      太陽 ·       地球 ·       Kamoʻoalewa

出典 編集

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q JPL Small-Body Database Browser: 469219 Kamoʻoalewa (2016 HO3)”. JPL Small-Body Database. Jet Propulsion Laboratory (2021-05-13 last obs.). 2023年1月3日閲覧。
  2. ^ a b c d Small Asteroid Is Earth's Constant Companion”. JPL Propulsion Laboratory (2016年6月15日). 2019年6月2日閲覧。
  3. ^ a b c d e f LCDB Data for (469219) Kamoʻoalewa”. Asteroid Lightcurve Database (LCDB). 2019年6月2日閲覧。
  4. ^ a b c d 地球の新しい準衛星、小惑星2016 HO3”. AstroArts (2016年6月22日). 2019年6月2日閲覧。
  5. ^ a b c d de la Fuente Marcos, C.; de la Fuente Marcos, R. (2016). “Asteroid (469219) 2016 HO3, the smallest and closest Earth quasi-satellite”. Monthly Notices of the Royal Astronomical Society 462 (4): 3441–3456. arXiv:1608.01518. Bibcode2016MNRAS.462.3441D. doi:10.1093/mnras/stw1972. https://arxiv.org/pdf/1608.01518.pdf. 
  6. ^ Gibney, Elizabeth (2019). “China plans mission to Earth’s pet asteroid”. Nature. doi:10.1038/d41586-019-01390-5. https://www.nature.com/articles/d41586-019-01390-5. 
  7. ^ Andrew Jones (2021年6月30日). “China outlines space plans to 2025”. spacenews.com. 2023年1月3日閲覧。
  8. ^ a b MPC 112429-112436” (PDF). Minor Planet Center (2019年4月6日). 2019年6月2日閲覧。

関連項目 編集

外部リンク 編集