.kp は、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の 国別コードトップレベルドメイン (ccTLD) である。2007年9月24日に導入された[1]

.kp
朝鮮民主主義人民共和国の旗
施行 2007年9月24日
TLDの種類 国別コードトップレベルドメイン (ccTLD)
現在の状態 利用可能
管理団体 Star Joint Venture
後援組織 Star Joint Venture(朝鮮コンピューターセンター
利用地域 北朝鮮に関連する実体
使用状況 主に北朝鮮政府が使用
登録の制限 北朝鮮に拠点を置く企業、組織および政府機関
階層構造 直接、第2レベルドメインまたは第3レベルドメインに登録可能
ウェブサイト IANA Delegation Recordで公開されているレジストリのウェブサイトにはアクセスできない。
Star (Wayback Machine)
テンプレートを表示

歴史編集

北朝鮮は、2004年に国別コードトップレベルドメイン(ccTLD) .kp を申請した。しかしICANNは、北朝鮮がいくつかの要件を満たしていないことを理由に拒否した。2006年朝鮮コンピューターセンター(KCC)ヨーロッパを介した申請や、KCCの本体と北朝鮮の国連大使による再申請がなされたが、情報が不足しているという理由で再び申請は却下された。2007年1月に新たな申請書が送付され、同年5月にICANN代表団が北朝鮮を訪問し、ICANNは .kp を北朝鮮に割り当てることに合意した[2]

.kpドメインを採用した最初の組織の一つに、2009年にドメインを取得した朝鮮中央通信がある[3]

当初、.kpドメインは、ドイツに拠点を置くKCCヨーロッパによって管理されていた。当時、多くの.kpドメインのウェブサイトがKCCヨーロッパによってホストされており、それらのホスト名はサーバ名の直後にこのドメインが続く形を採っていたが、2010年後半に利用不可能になった[4]

2011年初頭に、北朝鮮政府がタイバンコクに拠点を置くロックスレー・パシフィック英語版(Loxpac)との合弁による、平壌を拠点とするスター・ジョイント・ベンチャー(Star JV)を設立して、.kpドメインの管理を移管し、このドメインが再度利用可能になった[5][4]。この際に、新たにセカンドレベルドメインが制定され、ドメイン構成が“.com.kp”や“.edu.kp”等に刷新されている。

このドメインについての詳細は、2016年9月19日にマシュー・ブライアントによって公開された[6]。北朝鮮のトップレベルDNSサーバーの一つが偶然にも外部からのアクセスを許容するように設定されていたことで、このトップレベルDNSサーバーのデータが外部へ漏れた[7]。この時点での登録ホスト数は僅か28であった[8]

第2レベルドメイン編集

北朝鮮の政府機関や中央登録機関は、.kpドメインの第2レベルドメインの登録規則を公表していない。しかし、現在存在する、アクセス可能な北朝鮮のウェブサイトにおけるドメイン名により、.kpドメインの第2レベルドメインの規則は以下のように解釈できる。

  • aca.kp : 学術・研究機関
  • com.kp : 一般的には商業組織であるが、政府のプロパガンダ機関も含まれている。
  • edu.kp : 高等教育機関
  • law.kp : 法律事務所
  • org.kp : 産業団体、市民団体、公的基金
  • gov.kp : 政府の部門
  • rep.kp : 党のプロパガンダ機関
  • net.kp : インターネットサービスプロバイダ、電子メールサービスプロバイダ
  • sca.kp : 文化省傘下の関連機関

以下に、それぞれの第2レベルドメインを使用した、外部からアクセス可能なドメイン名の例を示す。

外部からアクセス可能なドメインの一覧編集

2017年現在、少なくとも、.kpトップレベルドメイン直下の9つのドメイン[9]と30以上のドメインが世界のインターネットにアクセス可能である。以下はその一覧である[10]

  • airkoryo.com.kp
  • cooks.org.kp
  • dprkportal.kp
  • friend.com.kp
  • gnu.rep.kp
  • kass.org.kp
  • kcna.kp
  • kiyctc.com.kp
  • knic.com.kp
  • korart.sca.kp
  • korean-books.com.kp[11]
  • koredufund.org.kp
  • korelcfund.org.kp
  • korfilm.com.kp
  • kut.edu.kp[12]
  • ma.gov.kp
  • manmulsang.com.kp[13]
  • masikryong.com.kp
  • mediaryugyong.com.kp
  • mfa.gov.kp[14]
  • naenara.com.kp
  • portal.net.kp
  • pyongyangtimes.com.kp[15]
  • rodong.rep.kp
  • ryongnamsan.edu.kp
  • sdprk.org.kp
  • tourismdprk.gov.kp[16]
  • vok.rep.kp
  • youth.rep.kp

一部の.kpドメインのアドレスは、光明網英語版と呼ばれる北朝鮮のイントラネットからしかアクセスできない[17]

脚注編集

  1. ^ "Preliminary Report for Special Meeting of the ICANN Board of Directors". 11 September 2007.
  2. ^ Seliger, Bernhard; Schmidt, Stefan (2010). The Hermit Kingdom Goes Online: Information Technology, Internet Use and Communication Policy in North Korea. Jefferson: McFarland. p. 9. ISBN 978-1-4766-1770-1. https://books.google.com/books?id=qKhDAwAAQBAJ&pg=PP9 
  3. ^ Hoare, James E. (2012). “Korean Central News Agency (KCNA)”. Historical Dictionary of Democratic People's Republic of Korea. London: Scarecrow Press. p. 231. ISBN 978-0-8108-7987-4. https://books.google.com/books?id=rh5h4bZgkhEC&pg=PA231 
  4. ^ a b “北朝鮮のkpドメインが復活、オンライン進出再開か”. AFPBB News (フランス通信社). (2011年1月18日). https://www.afpbb.com/articles/-/2782607 
  5. ^ ".kp domain assigned to Star JV". North Korea Tech. 3 May 2011.
  6. ^ デヴィン・コールドウェイ (2016年9月20日). “North Korea accidentally lets slip all its .KP domains — and there aren’t many” ((英語)). TechCrunch (AOL). https://techcrunch.com/2016/09/20/north-korea-accidentally-lets-slip-all-its-kp-domains-and-there-arent-many/ 
  7. ^ ダニエル・ヴァン・ブーム (2016年9月20日). “North Korea accidentally allows world to access its entire internet ― The Democratic People's Republic of North Korea has only 28 websites.” ((英語)). CNET (CNETネットワークス). https://www.cnet.com/news/north-korea-accidentally-allows-international-access-to-its-28-websites/ 
  8. ^ アンディ・ウィアー (2016年9月22日). “North Korea has a grand total of 28 websites” ((英語)). Neowin (ネオウィン). https://www.neowin.net/news/north-korea-has-a-grand-total-of-28-websites 
  9. ^ "North Korea’s DNS files reveal few Internet websites". North Korea Tech. September 2016.
  10. ^ Bryant, Matthew (2016年9月21日). “NorthKoreaDNSLeak”. GitHub. TL;DR Project. 2016年9月21日閲覧。
  11. ^ Williams, Martyn (2017年9月13日). “North Korean cultural websites”. North Korea Tech. 2017年9月21日閲覧。
  12. ^ Williams, Martyn (2018年8月9日). “Kim Chaek University of Technology launches Internet web site”. North Korea Tech. 2018年9月11日閲覧。
  13. ^ Williams, Martyn (2018年9月27日). “Manmusang website appears on the Internet”. North Korea Tech. 2018年9月27日閲覧。
  14. ^ Williams, Martyn (2017年9月13日). “North Korean government and NGO websites”. North Korea Tech. 2017年9月21日閲覧。
  15. ^ Williams, Martyn (2017年9月14日). “The Pyongyang Times has a new address”. North Korea Tech. 2017年9月16日閲覧。
  16. ^ Williams, Martyn (2017年7月19日). “North Korea's tourism agency is online”. North Korea Tech. 2017年7月30日閲覧。
  17. ^ Kyungmin Ko; Seungkwon Jang; Heejin Lee (2008). “.kp North Korea”. Digital Review of Asia Pacific 2007/2008. IDRC. p. 246. ISBN 978-0-7619-3674-9. https://books.google.com/books?id=wSlOkuwWKo4C&pg=PA246 

関連項目編集

外部リンク編集