/pol/Politically Incorrect板、政治的非中立/政治的に正しくない/非ポリコレ板)は、4chan内の政治討議を行う電子掲示板。この掲示板が意図する目的は、「ニュース、世界の出来事、政治的な問題、及びその他の関連する話題の議論」である[1]。運営者は西村博之

/pol/
言語 英語
タイプ 4chan画像掲示板
運営者 西村博之
登録 不要
開始 2010年 (14年前) (2010)
現在の状態 現行

定量的な調査により、/pol/はTwitterのニュースコンテンツに重要な影響を与える存在であることが判明している。/pol/は、Twitterの主流的ニュースリンクの3%、傍流的ニュースリンクの1.96%を提供している。研究者らは、「"周縁的"コミュニティは、主流のSNSに傍流的ニュースを拡散させることにしばしば成功する」と結論付けた[2]

歴史 編集

/pol/は、2011年1月に、人種差別的な議論のために削除された4chanのニュース掲示板「/new/」[3][出典無効]の代わりとして同年10月に作成された[4]

2017年11月現在、/pol/は4chanで最も頻繁に利用されている掲示板で、ウェブサイトの1日あたりの投稿の56%以上を占めている[要出典]

政治的見解 編集

メディア 編集

メディアからは主に人種主義性差別主義として特徴づけられており、その投稿の多くは明示的にオルタナ右翼ネオナチの観点を取っている[5][6][7][8][9][出典無効]南部貧困法律センターは、デイリー・ストーマーのような広範に影響力のある白人至上主義のウェブサイトも/pol/の修辞的スタイルを模倣していると指摘しており、デイリー・ストーマー創設者のアンドリュー・アングリン英語版もこれに同意している。

2016年アメリカ合衆国大統領選挙 編集

多くの/pol/利用者は、2016年アメリカ合衆国大統領選挙ドナルド・トランプを支持した。トランプと彼の息子、ドナルド・トランプ・ジュニアは共に、Twitterと/pol/利用者からのカエルのペペのようなインターネット・ミームを用いたアシストによる支持を受けたことを認めた。選挙が成功した時、ある/pol/モデレーターが掲示板の全てのページの上部にトランプ賞賛のビデオを埋め込んだ[10][11][12][13]

2021年スーパーストレート運動 編集

2021年の2月の終わりから3月のはじめにかけて、/pol/利用者は「スーパーストレート」(英:Super Straight)と呼ばれるSNSのトレンドを煽った。彼ら曰く、スーパーストレートとは、トランスジェンダーの人間とは交際関係および性的関係を一切持たないとする異性愛者という、新しいセクシャリティであった。このブームの火付け役となったのは、トランスフォビアだと呼ばれることにうんざりしたのでスーパーストレートという造語を作ったと語る男の、Tiktokに投稿された動画(この動画は後日削除された)であった[14]デイリー・ドット紙は、この現象を「トランスジェンダーに対するハラスメントの焼き直し」と表現した[15]。この運動は、TwitterTiktokといった、インターネット上の他のサービスへも飛び火した。また、4chanユーザーは、ジェネレーションZ「真実と向き合わせよう」英語版[注釈 1]としたり、LGBTQコミュニティ内に亀裂を生じさせようとしたり、LGBTQの権利用語を用いて左翼側を荒そうと躍起になっていた。こういった嫌がらせのキャンペーンには、親衛隊の重ね稲妻のロゴを含むナチス・ドイツの意匠が使われていたことが判明している。「スーパーストレート」のカラーリングは黒とオレンジである[16][15]。/r/SuperStraightサブフォーラムのモデレーターはGoFundMeでのバンクーバー・レイプ・リリーフ・アンド・ウィメンズ・シェルター英語版[注釈 2]の支援を呼びかけた。

事件 編集

/pol/は、トレイボン・マーティンのハッキングされたSNSアカウントの画像が初めて投稿された場所だった[17][18]

関連項目 編集

参考文献 編集

注釈 編集

  1. ^ ここでいう「真実と向き合う」("red pill")とは、オルタナ右翼によって用いられる、既存の差別不平等を追認するべきだとする主張を表す言葉。
  2. ^ このNGOは、2019年にバンクーバー市政府によって、同団体がトランス女性の受け入れを行っていないことを理由に資金提供が停止された。

脚注 編集

  1. ^ [1] (WebCite archive)
  2. ^ Zannettou, Savvas; Caulfield, Tristan; De Cristofaro, Emiliano; Kourtelris, Nicolas; Leontiadis, Ilias; Sirivianos, Michael; Stringhini, Gianluca; Blackburn, Jeremy (2017). "The web centipede: understanding how web communities influence each other through the lens of mainstream and alternative news sources". Proceedings of the 2017 Internet Measurement Conference. ACM. pp. 405–417. ISBN 1-4503-5118-2
  3. ^ moot !Ep8pui8Vw2, October 23, 2011, Welcome back, robots, 4chan /r9k/. (WebCite archive)
  4. ^ January 19, 2011, Why were /r9k/ and /new/ removed? – Statement by him regarding the removal of /r9k/ and /new/. Archived from the original on August 21, 2011.
  5. ^ Absolutely everything you need to know to understand 4chan, the Internet's own bogeyman”. The Washington Post (2014年9月25日). 2015年7月17日閲覧。
  6. ^ Dylann Roof, 4chan, and the New Online Racism”. The Daily Beast (2015年6月29日). 2015年7月17日閲覧。
  7. ^ #EndFathersDay is the work of 4chan, not feminists”. The Daily Dot (2014年10月8日). 2015年7月17日閲覧。
  8. ^ 4chan Trolls Take Over Electronic Billboard, Racism Ensues”. Vocativ (2014年12月7日). 2015年7月17日閲覧。
  9. ^ “Alt-Right” (英語). Southern Poverty Law Center. https://www.splcenter.org/fighting-hate/extremist-files/ideology/alt-right 2017年10月30日閲覧。 
  10. ^ Understanding Trump’s Troll Army” (English). Motherboard. Vice Media (2016年3月13日). 2017年7月14日閲覧。
  11. ^ ‘We actually elected a meme as president’: How 4chan celebrated Trump’s victory” (English). The Washington Post. Washington Post (2016年11月9日). 2017年7月14日閲覧。
  12. ^ Donald Trump Embraces His 4Chan Fans” (English). Vocativ (2015年10月13日). 2017年7月14日閲覧。
  13. ^ World War Meme” (English). Politico. Politico (March–April 2017). 2017年7月14日閲覧。
  14. ^ Asarch, Steven (2021年3月8日). “A social-media trend has people identifying as 'super straight.' The transphobic campaign was meant to divide LGBTQ people.”. Insider. 2021年3月10日閲覧。
  15. ^ a b Ball, Siobhan (2021年3月9日). “Transphobic trolls are trying to pass off 'super straight' as a new sexual identity” (英語). The Daily Dot. 2021年3月10日閲覧。
  16. ^ Milton, Josh (2021年3月8日). “Super Straight: Transphobic Trend has links to the far-right”. PinkNews. 2021年3月10日閲覧。
  17. ^ White Supremacist Claims to Have Hacked Trayvon Martin's Email, Social Media Accounts”. The New Yorker (2012年3月29日). 2019年3月21日閲覧。
  18. ^ Bloggers Cherry-Pick From Social Media to Cast Trayvon Martin as a Menace”. The New York Times (2012年3月29日). 2019年3月21日閲覧。