13路盤プロアマトーナメント

13路盤プロアマトーナメント(じゅうさんろばんプロアマトーナメント)は、日本棋院主催の囲碁の非公式棋戦

本記事では、13路盤プロアマトーナメントの前身となったクラウドファンディング13路盤選抜プロトーナメント戦[注 1](クラウドファンディングじゅうさんろばんせんばつプロトーナメントせん)についても併せて説明する。同棋戦は日本の囲碁界で初めての13路盤を用いたプロ棋戦(非公式戦)であり、またクラウドファンディングによって開催された初めての棋戦でもある。

クラウドファンディング13路盤選抜プロトーナメント戦編集

設立の経緯・目的編集

長らく囲碁の対局は19路盤を中心として行われており、13路盤や9路盤といった小さい碁盤は初心者のころに使用するものと見なされることが多かった[1]。しかし、13路盤は盤が小さいため勝負が早く終わり、19路盤と同じような定石を用いることもできるといったメリットがある[2]

「クラウドファンディング13路盤選抜プロトーナメント戦」の発起人になったのは、「囲碁きっず」の運営などを行っている株式会社きっずファイブの代表の政光順二である[2]。政光は、囲碁の競技人口の減少の一因に、19路盤が初心者にとってはあまりにも大きすぎて参入の障壁となること、社会人が継続して囲碁を打つには一局あたりにかかる時間が長すぎることなどが挙げられるのではないかと考えた。そこで、19路盤より小さく時間もかからない13路盤の普及が囲碁の普及につながるのではないかと考え、13路盤の面白さを普及するためにプロ棋士の出場する13路盤棋戦の設立を考えた[1]。しかし、単独でスポンサーになるのは難しいという理由から、囲碁界では初となるクラウドファンディングによる棋戦の開催が試みられることになった[1]

棋戦の設立に当たって、日本棋院副理事長の山城宏は13路盤について「19路盤では対局時間がかかり複雑すぎると思われていた方にも手軽に打て、観戦する場合も、対局時間が短く、スリリングで退屈せず、布石中盤ヨセも十分楽しめます。フットサル7人制ラグビーが認可されてきた今の時代において13路盤には明るい展望があると確信しています」と述べている[3]

なお、この棋戦が設立されるより以前に、張栩は13路盤でのプロアマ混合の大会を台湾で開いている。張栩は13路盤について、短い時間でも打てること、布石や手筋、石の効率に関してシビアな判断が求められ棋力の向上にもつながることや、奥が深くプロ棋士でも極めるのはまず無理であることを語っており、13路盤の利用を推奨している[4]

クラウドファンディングの実施編集

2014年5月から8月にかけて、Readyforで支援者の募集が行われた。支援者には、後述する出場棋士選抜の投票権や、現地での大盤解説会や懇親会の参加権、色紙やサイン入りの扇子などの各種サービスが支援額に応じて提供された[1]。目標金額は300万円。支援額が300万円に満たなかった場合は開催規模の縮小や棋戦の中止を余儀なくされるところだったが、最終的には251名から384万9000円の資金が集まり、予定通り棋戦が開催されることが決まった[1][2]

棋戦の仕組み編集

出場する棋士は、この棋戦に賛同した20名のトップ棋士から棋戦支援者の投票によって8名が選出される[1]。8名でのトーナメントにより優勝者を決定する。

開催日は2014年8月31日。持ち時間は一手30秒の秒読みと1分単位の考慮時間10回(いわゆるNHK杯方式)[2]コミは6目半[2]

賞金・対局料は優勝者40万円、準優勝者20万円[5]。非公式棋戦。

対局の模様はニコニコ生放送で配信され、解説はマイケル・レドモンドら、聞き手は吉原由香里大澤奈留美らが務めた[6]。対局の映像はのちに日本棋院によりYouTube上にも公開された[7]

結果編集

 
準々決勝準決勝決勝
 
          
 
支援者投票により出場者決定
 
 
蘇耀国×
 
 
 
高尾紳路
 
高尾紳路
 
 
 
張栩×
 
張栩
 
 
 
三村智保×
 
高尾紳路×
 
 
 
石田芳夫
 
王銘琬
 
 
 
趙治勲×
 
王銘琬×
 
 
 
石田芳夫3位決定戦
 
山下敬吾×
 
 
 
石田芳夫
 
張栩×
 
 
王銘琬
 

棋譜は後述の特設サイトで公開されている。

13路盤プロアマトーナメント編集

クラウドファンディング13路盤選抜プロトーナメント戦(以下13路トーナメント)の成功を受け、13路トーナメントを発展させた13路盤プロアマトーナメントが開催されることとなった。「日本棋院100周年ビジョン」の一環として、9路盤や13路盤での普及や棋士対局の増加、クラウドファンディングの有効活用なども提言された[7]。出場を希望した棋士による予選が行われたほか、アマチュアやコンピュータの出場枠も設けられた。

クラウドファンディングの実施編集

支援者には、支援額に応じて棋士への投票権、大盤解説会や懇親会への入場券、サイン入りの色紙や扇子がプレゼントされるなど、13路トーナメントの内容をおおむね踏襲する形となった。目標金額350万円に対して355万4千円の資金が集まり、予定通り棋戦が開催された[7]

棋戦の仕組み編集

13路トーナメントで決勝に進出した石田芳夫高尾紳路は本戦シード。また、支援者の投票による選出枠が4枠、アマチュアやコンピュータが出場できる枠が2枠設けられた。残りの枠は出場希望棋士による予選で争われる[8]

予選は2016年5月31日に一括して行われた[8]。本戦の1・2回戦は7月2日から9日にかけてネット対局場幽玄の間で行われ、準決勝以降は7月23日に日本棋院会館で大盤解説付きで行われた[9]

持ち時間は予選が一手30秒の秒読みと1分単位の考慮時間5回、本戦は一手30秒の秒読みと1分単位の考慮時間10回。コミは6目半。優勝賞金は60万円で、非公式棋戦である[8]

結果編集

 
1回戦準々決勝準決勝決勝
 
              
 
 
 
 
石田芳夫
 
 
 
高梨聖健×
 
石田芳夫
 
 
 
大垣雄作×
 
大垣雄作
 
 
 
芝野龍之介アマ[注 2]×
 
石田芳夫
 
 
 
大橋拓文×
 
大橋拓文
 
 
 
奥田あや×
 
大橋拓文
 
 
 
武宮正樹×
 
武宮正樹
 
 
 
王景怡×
 
石田芳夫
 
 
 
河野臨×
 
金澤秀男
 
 
 
山田真生アマ×
 
金澤秀男×
 
 
 
村松竜一
 
鈴木歩×
 
 
 
村松竜一
 
村松竜一×
 
 
 
河野臨3位決定戦
 
石田篤司×
 
  
 
河野臨
 
河野臨大橋拓文×
 
 
 
張豊猷× 村松竜一
 
張豊猷
 
 
高尾紳路×
 

アマチュア・コンピュータ予選にはZen、Aya、CGI Go、Rayの4プログラムが出場したがいずれも予選で敗退し、本戦出場はならなかった[10]

石田芳夫が13路トーナメントに続き優勝した。

脚注編集

注釈編集

  1. ^ 日本棋院のホームページでは単に「13路トーナメント」と表記されているが、特設ページや碁ワールド紙上では「クラウドファンディング13路盤選抜プロトーナメント戦」の呼称が用いられている。
  2. ^ 2017年に日本棋院で入段

出典編集

  1. ^ a b c d e f 超一流棋士による囲碁13路トーナメント戦を開催したい”. READYFOR. 2019年1月16日閲覧。
  2. ^ a b c d e 月刊碁ワールド2014年11月号
  3. ^ はじめに”. クラウドファンディング13路盤選抜プロトーナメント戦. 2019年1月16日閲覧。
  4. ^ G13花絮 用張栩杯下張栩盃?!” (中国語). 2019年1月16日閲覧。
  5. ^ 目標金額300万円の使途内訳”. READYFOR. 2019年1月16日閲覧。
  6. ^ 聞き手は吉原六段と大澤四段”. READYFOR. 2019年1月16日閲覧。
  7. ^ a b c 第1回13路盤プロアマトーナメント戦”. 日本棋院ドリームファンディング. 2019年1月16日閲覧。
  8. ^ a b c 第1回13路盤プロアマトーナメント”. 日本棋院. 2019年1月16日閲覧。
  9. ^ 本戦の対局日程が決まりました”. 日本棋院ドリームファンディング. 2019年1月16日閲覧。
  10. ^ 出場アマチュアが決まりました”. 日本棋院ドリームファンディング. 2019年1月16日閲覧。

外部リンク編集