1975年のアメリカンリーグチャンピオンシップシリーズ

メジャーリーグベースボールの第7回アメリカンリーグ優勝決定シリーズ

1975年の野球において、メジャーリーグベースボール(MLB)ポストシーズンは10月4日に開幕した。アメリカンリーグの第7回リーグチャンピオンシップシリーズ(7th American League Championship Series、以下「リーグ優勝決定戦」と表記)は、同日から7日にかけて計3試合が開催された。その結果、ボストン・レッドソックス東地区)がオークランド・アスレチックス西地区)を3勝0敗で下し、8年ぶり9回目のリーグ優勝および8回目のワールドシリーズ進出を果たした。

1975年アメリカンリーグ
チャンピオンシップシリーズ
チーム 勝数
ボストン・レッドソックス 3
オークランド・アスレチックス 0
シリーズ情報
試合日程 10月4日–7日
観客動員 3試合合計:12万0514人
1試合平均:04万0171人
殿堂表彰者 カールトン・フィスク(BOS捕手)
カール・ヤストレムスキー(BOS外野手)
ローリー・フィンガーズ(OAK投手)
レジー・ジャクソン(OAK外野手)
ビリー・ウィリアムズ(OAK指名打者)
チーム情報
ボストン・レッドソックス(BAL)
シリーズ出場 シリーズ開始7年目で初
GM ディック・オコンネル
監督 ダレル・ジョンソン
シーズン成績 95勝65敗・勝率.594
東地区優勝

オークランド・アスレチックス(OAK)
シリーズ出場 5年連続5回目
GM チャーリー・O・フィンリー
監督 アルヴィン・ダーク
シーズン成績 98勝64敗・勝率.605
西地区優勝

 < 1974
ALCS
1975

1976 > 

 < 1974
NLCS
1975

1976 > 
ワールドシリーズ

この年のレギュラーシーズンでは両球団は12試合対戦し、6勝6敗の五分だった[1]。アスレチックスは前年までワールドシリーズ3連覇中であり、今シリーズでも突破を有力視されていたが、レッドソックスはアスレチックスに1勝もさせずにシリーズを制した[2]。今シーズン終了後、翌オフシーズンからのFA制度導入が決まると、アスレチックス球団オーナー兼GMチャーリー・O・フィンリーは主力選手の放出に動き始め、球団は一時代の終わりを迎える[3]。一方のレッドソックスは、ワールドシリーズではナショナルリーグ王者シンシナティ・レッズに3勝4敗で敗れ、57年ぶり6度目の優勝を逃した。

試合結果 編集

1975年のアメリカンリーグ優勝決定戦は10月4日に開幕し、途中に移動日を挟んで4日間で3試合が行われた。日程・結果は以下の通り。

日付 試合 ビジター球団(先攻) スコア ホーム球団(後攻) 開催球場
10月04日(土) 第1戦 オークランド・アスレチックス 1-7 ボストン・レッドソックス フェンウェイ・パーク
10月05日(日) 第2戦 オークランド・アスレチックス 3-6 ボストン・レッドソックス
10月06日(月) 移動日
10月07日(火) 第3戦 ボストン・レッドソックス 5-3 オークランド・アスレチックス アラメダ・カウンティ・コロシアム
優勝:ボストン・レッドソックス(3勝0敗 / 8年ぶり9度目)

第1戦 10月4日 編集

映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
  5回表、フィル・ガーナーの捕邪飛を捕手カールトン・フィスクが客席へ身を乗り出しながら捕球(15秒)
  8回表、ルイス・ティアントがこの日8個目の三振をサル・バンドーから奪う(34秒)
  9回表、ティアントがバート・キャンパネリスを三邪飛に打ち取り試合終了、完投勝利を挙げる(39秒)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
オークランド・アスレチックス 0 0 0 0 0 0 0 1 0 1 3 4
ボストン・レッドソックス 2 0 0 0 0 0 5 0 X 7 8 3
  1. ルイス・ティアント(1勝)  ケン・ホルツマン(1敗)  
  2. 審判
    [球審]ドン・デンキンガー
    [塁審]一塁: ルー・ディミュロ、二塁: ビル・カンケル、三塁: ロン・ルチアーノ
    [外審]左翼: ジム・エバンス、右翼: ハンク・モーゲンウェック
  3. 昼間試合 試合時間: 2時間40分 観客: 3万5578人
    詳細: Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
オークランド・アスレチックス ボストン・レッドソックス
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 B・ノース 1 DH J・ベニケス
2 C・ワシントン 2 D・ドイル
3 S・バンドー 3 C・ヤストレムスキー
4 R・ジャクソン 4 C・フィスク
5 G・テナス 5 F・リン
6 J・ルディ 6 R・ペトロセリ
7 DH B・ウィリアムズ 7 D・エバンス
8 B・キャンパネリス 8 C・クーパー
9 P・ガーナー 9 R・バールソン
先発投手 投球 先発投手 投球
K・ホルツマン L・ティアント

第2戦 10月5日 編集

映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
  4回裏、カール・ヤストレムスキーの2点本塁打でレッドソックスが1点差に追い上げる(27秒)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
オークランド・アスレチックス 2 0 0 1 0 0 0 0 0 3 10 0
ボストン・レッドソックス 0 0 0 3 0 1 1 1 X 6 12 0
  1. ロジャー・モレット(1勝)  ローリー・フィンガーズ(1敗)  Sディック・ドラゴ(1S)  
  2. 本塁打
    OAK:レジー・ジャクソン1号2ラン
    BOS:カール・ヤストレムスキー1号2ラン、リコ・ペトロセリ1号ソロ
  3. 審判
    [球審]ルー・ディミュロ
    [塁審]一塁: ビル・カンケル、二塁: ロン・ルチアーノ、三塁: ジム・エバンス
    [外審]左翼: ハンク・モーゲンウェック、右翼: ドン・デンキンガー
  4. 昼間試合 試合時間: 2時間27分 観客: 3万5578人
    詳細: Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
オークランド・アスレチックス ボストン・レッドソックス
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 B・ノース 1 DH J・ベニケス
2 B・キャンパネリス 2 D・ドイル
3 S・バンドー 3 C・ヤストレムスキー
4 R・ジャクソン 4 C・フィスク
5 G・テナス 5 F・リン
6 J・ルディ 6 R・ペトロセリ
7 DH C・ワシントン 7 D・エバンス
8 P・ガーナー 8 C・クーパー
9 R・フォッシー 9 R・バールソン
先発投手 投球 先発投手 投球
V・ブルー R・クリーブランド

第3戦 10月7日 編集

映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
  4回裏、レジー・ジャクソンが左前打で二塁を狙うも、左翼手カール・ヤストレムスキーの返球でタッチアウトに(16秒)
  9回裏、ディック・ドラゴが代打ジム・ホルトを二ゴロに打ち取り試合終了、レッドソックスのリーグ優勝が決定(46秒)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
ボストン・レッドソックス 0 0 0 1 3 0 0 1 0 5 11 1
オークランド・アスレチックス 0 0 0 0 0 1 0 2 0 3 6 1
  1. リック・ワイズ(1勝)  ケン・ホルツマン(2敗)  Sディック・ドラゴ(2S)  
  2. 審判
    [球審]ビル・カンケル
    [塁審]一塁: ロン・ルチアーノ、二塁: ジム・エバンス、三塁: ハンク・モーゲンウェック
    [外審]左翼: ドン・デンキンガー、右翼: ルー・ディミュロ
  3. 試合開始時刻: 太平洋夏時間UTC-7)午後5時15分 試合時間: 2時間30分 観客: 4万9358人
    詳細: Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
ボストン・レッドソックス オークランド・アスレチックス
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 DH J・ベニケス 1 B・キャンパネリス
2 D・ドイル 2 C・ワシントン
3 C・ヤストレムスキー 3 S・バンドー
4 C・フィスク 4 R・ジャクソン
5 F・リン 5 J・ルディ
6 R・ペトロセリ 6 DH B・ウィリアムズ
7 D・エバンス 7 G・テナス
8 C・クーパー 8 B・ノース
9 R・バールソン 9 P・ガーナー
先発投手 投球 先発投手 投球
R・ワイズ K・ホルツマン

脚注 編集

  1. ^ "1975 Boston Red Sox Schedule," Baseball-Reference.com. 2020年12月12日閲覧。
  2. ^ Greg Sullivan, "1975 RED SOX REVISITED: Winning a pennant, ending a dynasty," The Herald News, October 23, 2015. 2020年12月12日閲覧。
  3. ^ 出野哲也[編著] 『メジャー・リーグ球団史 ナショナル&アメリカン・リーグ30球団の全歴史』 言視舎、2018年、ISBN 978-4-86565-119-5、430-431頁。

外部リンク 編集