1990年ポルトガルグランプリ

1990年ポルトガルグランプリ: 1990 Grande Premio de Portugal)は、1990年F1世界選手権第13戦として、9月23日エストリル・サーキットで決勝レースが開催された。

ポルトガル 1990年ポルトガルグランプリ
レース詳細
1990年F1世界選手権全16戦の第13戦
Circuit Estoril 1984-1993.png
日程 1990年9月23日
正式名称 XIX Grande Premio de Portugal
開催地 エストリル・サーキット
エストリルポルトガル
コース 常設コース
コース長 4.350 km (2.703 mi)
レース距離 61周 265.35 km (164.88 mi)
予定レース距離 71周 308.85 km (191.91 mi)
決勝日天候 晴れ、ドライ
ポールポジション
ドライバー フェラーリ
タイム 1'13.557
ファステストラップ
ドライバー イタリア リカルド・パトレーゼ ウィリアムズ-ルノー
タイム 1'18.306 (56周目)
決勝順位
優勝 フェラーリ
2位 マクラーレン-ホンダ
3位 フェラーリ

概要編集

シーズンも残り4戦となり、チャンピオン争いが佳境を迎える中、来期に向けて新契約がいくつか発表された。

ナイジェル・マンセルイギリスGP後に引退表明をして以来、関心を集めてきたフェラーリの次期ドライバーは、ティレルジャン・アレジに決まった。フェラーリは極秘にベネトンアレッサンドロ・ナニーニと交渉していたが、ナニーニ側がオファーを断り、ベネトン残留を表明。そこでウィリアムズから仮契約を買い取る形で、アレジのフェラーリ入りが決定した。ティレルはアレジの後釜としてブラバムステファノ・モデナと契約した。しばらくして、ウィリアムズの空いたシートには、引退を撤回したマンセルが乗ることが決まる。そのマンセルが今回のポルトガルGPの「主役」となる。

リジェは来シーズンはランボルギーニエンジンにスイッチし、1992年以降3年間はルノーエンジンを使用するという契約を発表した。

予選編集

ライフは自製W型12気筒エンジンを諦め、レイトンハウスから購入したジャッドV8エンジンを搭載したが、予備予選をまともに走ることもできず、今回も決勝進出はならなかった。

中嶋悟は風邪で扁桃腺を腫らし、体調不良のため予選2回目の出走をキャンセル。20位で予選通過したが、決勝日朝のウォームアップ走行でクラッシュし、午後の決勝出走を見合わせた。

ナイジェル・マンセルイギリスGP以来今期3回目のポールポジションを獲得。2位はアラン・プロストで、フェラーリの2台が最前列を獲得した(1988年イギリスGP以来2年ぶり)。この2台で優勝争いをする場合、チャンピオン争いをしているプロストにマンセルが譲るのか注目された。

予備予選結果編集

順位 No ドライバー コンストラクター タイム
1 14   オリビエ・グルイヤール オゼッラ-フォード 1'19.384
2 18   ヤニック・ダルマス AGS-フォード 1'19.885 +0.501
3 31   ベルトラン・ガショー コローニ-フォード 1'20.000 +0.616
4 17   ガブリエル・タルキーニ AGS-フォード 1'20.942 +1.558
5 33   ロベルト・モレノ ユーロブルン-ジャッド 1'21.188 +1.804
6 34   クラウディオ・ランジェス ユーロブルン-ジャッド 1'23.447 +4.063
7 39   ブルーノ・ジャコメリ ライフ-ジャッド

予選結果編集

順位 No ドライバー コンストラクター Q1 Q2
1 2   ナイジェル・マンセル フェラーリ 1'14.861 1'13.557
2 1   アラン・プロスト フェラーリ 1'14.536 1'13.595 +0.038
3 27   アイルトン・セナ マクラーレン-ホンダ 1'14.246 1'13.601 +0.044
4 28   ゲルハルト・ベルガー マクラーレン-ホンダ 1'14.552 1'14.292 +0.735
5 6   リカルド・パトレーゼ ウィリアムズ-ルノー 1'15.539 1'14.723 +1.166
6 20   ネルソン・ピケ ベネトン-フォード 1'15.542 1'14.728 +1.171
7 5   ティエリー・ブーツェン ウィリアムズ-ルノー 1'15.646 1'14.934 +1.377
8 4   ジャン・アレジ ティレル-フォード 1'16.092 1'15.112 +1.555
9 19   アレッサンドロ・ナニーニ ベネトン-フォード 1'16.123 1'15.411 +1.854
10 29   エリック・ベルナール ローラ-ランボルギーニ 1'16.477 1'15.673 +2.116
11 30   鈴木亜久里 ローラ-ランボルギーニ 1'17.189 1'16.012 +2.455
12 16   イヴァン・カペリ レイトンハウス-ジャッド 1'18.242 1'16.284 +2.727
13 21   エマニュエル・ピッロ ダラーラ-フォード 1'17.653 1'16.290 +2.733
14 15   マウリシオ・グージェルミン レイトンハウス-ジャッド 1'17.569 1'16.296 +2.739
15 12   マーティン・ドネリー ロータス-ランボルギーニ 1'17.414 1'16.762 +3.205
16 23   ピエルルイジ・マルティニ ミナルディ-フォード 1'17.045 1'16.795 +3.238
17 10   アレックス・カフィ アロウズ-フォード 1'18.725 1'16'946 +3.389
18 22   アンドレア・デ・チェザリス ダラーラ-フォード 1'17.252 1'17.066 +3.509
19 9   ミケーレ・アルボレート アロウズ-フォード 1'18.630 1'17.081 +3.524
20 3   中嶋悟 ティレル-フォード 1'17.097 +3.540
21 26   フィリップ・アリオー リジェ-フォード 1'17.330 1'17.120 +3.563
22 11   デレック・ワーウィック ロータス-ランボルギーニ 1'17.904 1'17.259 +3.702
23 25   ニコラ・ラリーニ リジェ-フォード 1'18.958 1'17.269 +3.712
24 8   ステファノ・モデナ ブラバム-ジャッド 1'17.962 1'17.341 +3.784
25 18   ヤニック・ダルマス AGS-フォード 1'18.581 1'17.621 +4.064
26 7   デビッド・ブラバム ブラバム-ジャッド 1'18.967 1'17.715 +4.158
27 14   オリビエ・グルイヤール オゼッラ-フォード 1'18.512 1'17.775 +4.218
28 24   パオロ・バリッラ ミナルディ-フォード 1'18.669 1'18.280 +4.723
29 17   ガブリエル・タルキーニ AGS-フォード 1'20.226 1'18.815 +5.258
30 31   ベルトラン・ガショー コローニ-フォード 1'20.662 1'20.516 +6.959
出典[1]

決勝編集

グリーンシグナルが灯った瞬間、ポールシッターのマンセルのマシンは右斜め方向へ動き、2番手スタートのプロストの進路を遮った。(本人の釈明どおり)ホイールスピンしてコントロールを失ったのか、はたまた、意図的にブロックしたのかは定かでないが、結果的にがら空きになったアウト側からセナとベルガーのマクラーレン勢が前に出て、フェラーリの最前列独占は崩れた。マンセルは3位、プロストはピケにも抜かれて5位に後退した。

序盤はセナ、ベルガー、マンセルの3台がトップグループを形成し、4位のピケはプロストから圧力を受ける。13周目、プロストが3コーナーでピケをかわし、トップグループとの5秒のギャップを縮めていく。26周目、プロストが再び3コーナーでマンセルをかわし、3位に浮上した時点で、各車タイヤ交換のタイミングに差しかかった。上位は28周目マンセル、29周目セナ、30周目プロスト、31周目ベルガーの順にピットインし、一連の作業が終わると、セナ、マンセル、ベルガー、プロストという並びに入れ替わった。

予選で示されたフェラーリの好調は、決勝レース終盤も健在だった。マンセルはセナの背後に迫り、50周目のホームストレートでオーバーテイクを仕掛けた。前年のポルトガルGP黒旗失格となったマンセルがセナを抜こうとして接触した因縁のシーンを思い出させたが、今回のセナは無理をせずマンセルに先頭を譲った。55周目、マンセルは周回遅れのアリオーと絡んで弾き飛ばしたが、ダメージもなくリードを広げていった。スタートとタイヤ交換のハンディを挽回してきたプロストは、59周目にベルガーをかわして3位に上がり、セナをテール・トゥ・ノーズに捉えた。

60周目、8コーナーで鈴木とカフィが絡み、カフィのマシンはガードレールに激突。脚を負傷したカフィがマシンから脱出できず、オフィシャルは救助のため62周目に赤旗レース中断を決定した。この時点で規定周回数71周のうち75%をクリアしていたため、再スタートは行わず、61周終了時点の順位でレース成立となった。

マンセルは浮き沈みの激しいレースをポール・トゥ・ウィンで制し、13戦目で今期初勝利を挙げた。セナ・プロストの直接対決は赤旗で水を差された格好になり、セナはプロストとのポイント差を18点に広げ、チャンピオン獲得にリーチをかけた。

決勝結果編集

順位 No ドライバー コンストラクター 周回 タイム/リタイア グリッド ポイント
1 2   ナイジェル・マンセル フェラーリ 61 1:22'11.014 1 9
2 27   アイルトン・セナ マクラーレン-ホンダ 61 + 2.808 3 6
3 1   アラン・プロスト フェラーリ 61 + 4.189 2 4
4 28   ゲルハルト・ベルガー マクラーレン-ホンダ 61 + 5.896 4 3
5 20   ネルソン・ピケ ベネトン-フォード 61 + 57.418 6 2
6 19   アレッサンドロ・ナニーニ ベネトン-フォード 61 + 58.249 9 1
7 6   リカルド・パトレーゼ ウィリアムズ-ルノー 60 + 1 Lap 5
8 4   ジャン・アレジ ティレル-フォード 60 + 1 Lap 8
9 9   ミケーレ・アルボレート アロウズ-フォード 60 + 1 Lap 19
10 25   ニコラ・ラリーニ リジェ-フォード 59 + 2 Laps 22
11 23   ピエルルイジ・マルティニ ミナルディ-フォード 59 + 2 Laps 16
12 15   マウリシオ・グージェルミン レイトンハウス-ジャッド 59 + 2 Laps 14
13 10   アレックス・カフィ アロウズ-フォード 58 接触 17
14 30   鈴木亜久里 ローラ-ランボルギーニ 58 接触 11
15 21   エマニュエル・ピッロ ダラーラ-フォード 58 + 3 Laps 13
Ret 26   フィリップ・アリオー リジェ-フォード 52 アクシデント 20
Ret 7   デビッド・ブラバム ブラバム-ジャッド 52 ギアボックス 25
Ret 16   イヴァン・カペリ レイトンハウス-ジャッド 51 エンジン 12
Ret 5   ティエリー・ブーツェン ウィリアムズ-ルノー 30 エンジン 7
Ret 29   エリック・ベルナール ローラ-ランボルギーニ 24 ギアボックス 10
Ret 8   ステファノ・モデナ ブラバム-ジャッド 21 ギアボックス 23
Ret 12   マーティン・ドネリー ロータス-ランボルギーニ 14 オルタネーター 15
Ret 11   デレック・ワーウィック ロータス-ランボルギーニ 5 スロットル 21
Ret 18   ヤニック・ダルマス AGS-フォード 3 ハーフシャフト 24
Ret 22   アンドレア・デ・チェザリス ダラーラ-フォード 0 スピン 18
DNS 3   中嶋悟 ティレル-フォード 体調不良
DNQ 14   オリビエ・グルイヤール オゼッラ-フォード
DNQ 24   パオロ・バリッラ ミナルディ-フォード
DNQ 17   ガブリエル・タルキーニ AGS-フォード
DNQ 31   ベルトラン・ガショー コローニ-フォード
DNPQ 33   ロベルト・モレノ ユーロブルン-ジャッド
DNPQ 34   クラウディオ・ランジェス ユーロブルン-ジャッド
DNPQ 39   ブルーノ・ジャコメリ ライフ-ジャッド
出典[2]

レース後の選手権順位編集

  • 注記:ランキング上位5位まで記載。

脚注編集

  1. ^ Portuguese Grand Prix - OVERALL QUALIFYING”. Formula1.com. 2020-0-閲覧。
  2. ^ Portuguese Grand Prix - RACE RESULT”. Formula1.com. 2020年5月1日閲覧。
  3. ^ a b Portugal 1990 - Championship STATS F1”. www.statsf1.com. 2020年5月1日閲覧。
前戦
1990年イタリアグランプリ
FIA F1世界選手権
1990年シーズン
次戦
1990年スペイングランプリ
前回開催
1989年ポルトガルグランプリ
  ポルトガルグランプリ次回開催
1991年ポルトガルグランプリ