1998年の読売ジャイアンツ

1998年の読売ジャイアンツ(1998ねんのよみうりジャイアンツ)では、1998年の読売ジャイアンツの動向をまとめる。

1998年の読売ジャイアンツ
成績
セントラル・リーグ3位
73勝62敗0分 勝率.541
本拠地
都市 東京都文京区
球場 東京ドーム
球団組織
オーナー 渡邉恒雄
経営母体 読売新聞社
監督 長嶋茂雄
選手会長 川相昌弘
キャプテン 吉村禎章
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この年の読売ジャイアンツは、2回目の長嶋茂雄監督体制の6年目(通算で12年目)のシーズンである。

概要 編集

前年優勝のヤクルトとの開幕3連戦で3連勝するなど、開幕5連勝から始まり開幕ダッシュが期待されたが、4月後半に3連敗と4連敗をし開幕ダッシュに失敗。それでもじりじりと貯金を溜め首位横浜の射程圏に付けていくも、7月の横浜が勝率7割以上であるのに対し巨人は7勝12敗と大きく負け越し勝率3割台に沈んだ。投手陣も桑田真澄が最多勝争いをし、斎藤雅樹も前年の不振から巻き返す活躍を見せたが、抑えを期待していたオリックスからトレード移籍の野村貴仁日本ハムからテスト入団の金石昭人が不振で、先発を務めていた槙原寛己がストッパーに急遽転向する慌てぶり。更にこの年からローテ入りし長嶋監督がエースとして期待していた趙成珉がオールスターゲームで故障離脱し、さらにバルビーノ・ガルベスが7月31日の対阪神戦(甲子園)にて主審の橘高淳による判定への不満を抱いた事により乱闘事件を起こし(ガルベスを止めようとした吉原孝介がこの乱闘で負傷)、セ・リーグから「1998年シーズン残りの出場停止」という処分が下された。代わりに先発に入った入来祐作が活躍するも期待していた若手先発左腕の岡島秀樹小野仁が背信の投球を繰り返した影響もあり一気に離され[1]、8月からはヤクルトとのAクラス争いに終始し9月以降は15勝6敗と勝ち越してヤクルトを突き放したものの時すでに遅く、チームはシーズンを3位で終了した。またこのシーズンでは、ドラフト1位ルーキーの高橋由伸が7月頃には5番に定着し、3番の松井秀喜・4番の清原和博とのクリーンアップトリオが「MKT砲」と呼ばれた[2]。ガルベスの出場停止、趙の負傷というアクシデント、シーズン3位に終わったことで長嶋の去就が危ぶまれ、一旦はシーズン終了後に辞任と報じられたが、9月12日には一転して続投が決定した。シーズン終了後には、来シーズンからのヘッドコーチに原辰徳の就任が決まった。

チーム成績 編集

レギュラーシーズン 編集

開幕オーダー
1 仁志敏久
2 元木大介
3 清原和博
4 松井秀喜
5 ダンカン
6 広澤克実
7 高橋由伸
8 杉山直樹
9 桑田真澄
1998年セントラル・リーグ順位変動
順位 4月終了時 5月終了時 6月終了時 7月終了時 8月終了時 最終成績
1位 広島 -- 広島 -- 横浜 -- 横浜 -- 横浜 -- 横浜 --
2位 中日 0.5 中日 1.0 巨人 2.0 中日 3.5 中日 2.0 中日 4.0
3位 横浜 3.0 横浜 1.5 中日 3.0 巨人 8.0 巨人 8.0 巨人 6.0
4位 巨人 3.5 巨人 1.5 広島 6.5 ヤクルト 10.5 ヤクルト 9.0 ヤクルト 13.0
5位 阪神 阪神 6.0 ヤクルト 8.5 広島 11.5 広島 15.5 広島 19.0
6位 ヤクルト 7.5 ヤクルト 8.0 阪神 10.0 阪神 17.5 阪神 22.5 阪神 27.0
期間
成績
10勝11敗
勝率.476
14勝10敗
勝率.583
12勝9敗
勝率.571
7勝12敗
勝率.368
14勝12敗
勝率.538
16勝8敗
勝率.667


1998年セントラル・リーグ最終成績
順位 球団 勝率
1位 横浜ベイスターズ 79 56 1 .585 優勝
2位 中日ドラゴンズ 75 60 1 .556 4.0
3位 読売ジャイアンツ 73 62 0 .541 6.0
4位 ヤクルトスワローズ 66 69 0 .489 13.0
5位 広島東洋カープ 60 75 0 .444 19.0
6位 阪神タイガース 52 83 0 .385 27.0

オールスターゲーム1998 編集

  • 選出選手
ポジション 名前 選出回数
投手 斎藤雅樹 7
趙成珉
一塁手 清原和博 13
二塁手 仁志敏久
遊撃手 元木大介
外野手 松井秀喜 5
高橋由伸
清水隆行
  • 太字はファン投票による選出。

主な投手成績 編集

  • 色付きは規定投球回数(135イニング)以上の選手
  • 太字はリーグ最高
選手















































W
H
I
P
 
くわた/桑田真澄 27 27 7 1 0 16 5 0 -- .762 779 181.0 197 17 46 0 6 116 4 1 88 82 4.08 1.34
さいとう/斎藤雅樹 23 22 4 1 1 10 7 0 -- .588 594 146.1 132 13 40 2 4 93 2 0 56 50 3.08 1.18
かるへす/ガルベス 18 18 7 0 0 9 7 0 -- .563 588 137.1 136 10 39 2 9 85 1 1 57 49 3.21 1.27
ちよそんみん/趙成珉 15 15 6 3 1 7 6 0 -- .538 433 104.2 96 4 34 0 4 83 2 2 36 32 2.75 1.24
おかしま/岡島秀樹 14 12 0 0 0 3 6 0 -- .333 273 62.1 61 7 32 2 2 54 3 1 31 30 4.33 1.49
いりき/入来祐作 30 11 1 0 0 7 2 0 -- .778 397 98.0 70 9 38 1 2 99 1 0 39 39 3.58 1.10
おの/小野仁 15 11 0 0 0 2 7 0 -- .222 265 59.0 66 7 29 0 3 40 4 0 35 34 5.19 1.61
まきはら/槙原寛己 36 9 1 1 1 6 4 18 -- .600 332 81.1 67 12 23 0 2 77 0 3 39 36 3.98 1.11
みさわ/三澤興一 43 7 0 0 0 3 5 3 -- .375 358 82.0 87 7 37 3 2 53 2 0 43 35 3.84 1.51
にしやま/西山一宇 49 2 0 0 0 4 3 4 -- .571 324 80.0 75 4 20 2 4 67 1 2 24 22 2.48 1.19
ひらまつ/平松一宏 29 1 0 0 0 0 2 0 -- .000 146 33.2 35 4 16 0 1 32 2 0 19 18 4.81 1.51
おかた/岡田展和 35 0 0 0 0 1 2 0 -- .333 166 39.1 37 6 14 3 1 35 0 1 19 17 3.89 1.30
こうの/河野博文 27 0 0 0 0 3 0 1 -- 1.000 112 26.0 15 2 15 1 4 20 0 0 10 7 2.42 1.15
のむら/野村貴仁 24 0 0 0 0 1 4 4 -- .200 95 19.2 19 2 18 3 0 23 1 3 11 11 5.03 1.88
かわくち/川口和久 17 0 0 0 0 0 0 0 -- ---- 62 13.2 15 1 9 1 0 9 1 1 8 7 4.61 1.76

主な打撃成績 編集

  • 色付きは規定打席(419打席)以上の選手
  • 太字はリーグ最高
選手











































O
P
S
 
まつい/松井秀喜 135 603 487 103 142 24 3 34 274 100 3 5 0 4 104 2 8 101 7 .292 .421 .563 .984
しみす/清水隆行 129 535 492 79 148 17 2 13 208 52 16 6 9 4 22 1 8 64 9 .301 .338 .423 .761
たかはし/高橋由伸 126 515 466 65 140 32 1 19 231 75 3 2 1 5 36 1 7 85 5 .300 .356 .496 .852
にし/仁志敏久 106 479 424 76 116 15 1 11 166 33 17 10 6 2 45 1 2 65 6 .274 .345 .392 .736
きよはら/清原和博 116 470 384 67 103 14 0 23 186 80 1 0 0 11 67 1 8 76 13 .268 .379 .484 .863
もとき/元木大介 114 456 397 49 118 18 3 9 169 55 3 2 6 3 45 0 5 56 18 .297 .376 .426 .802
むらた/村田真一 107 339 298 26 80 9 1 7 112 47 0 0 5 5 29 8 2 60 11 .268 .332 .376 .708
かわい/川相昌弘 93 300 266 27 68 14 1 1 87 16 2 1 14 2 17 1 1 36 8 .256 .301 .327 .628
たんかん/ダンカン 63 221 207 24 48 7 0 10 85 34 1 1 0 1 11 1 2 58 6 .232 .276 .411 .687
ことう/後藤孝志 104 204 178 28 44 7 1 2 59 11 3 1 5 1 19 0 1 33 2 .247 .322 .331 .653
ひろさわ/広沢克 73 192 163 25 49 7 1 9 85 25 1 2 1 2 25 1 1 48 1 .301 .393 .521 .914
いしい/石井浩郎 74 184 154 16 39 5 1 4 58 27 0 0 0 4 23 0 3 21 3 .253 .353 .377 .730
すきやま/杉山直樹 37 93 84 4 12 0 0 2 18 8 0 0 1 1 7 2 0 26 3 .143 .207 .214 .421
よしむら/吉村禎章 71 76 65 2 17 2 0 1 22 10 0 0 0 0 11 2 0 12 1 .262 .368 .338 .707
よしはら/吉原孝介 35 68 62 8 15 1 0 1 19 4 0 0 1 1 4 1 0 10 2 .242 .284 .306 .590
ふくおう/福王昭仁 32 36 29 3 5 3 0 0 8 2 0 0 0 0 6 0 1 9 0 .172 .333 .276 .609
なかいけ/永池恭男 65 34 31 6 7 0 1 0 9 1 0 1 1 0 2 0 0 4 1 .226 .273 .290 .563
ほりた/堀田一郎 19 10 8 2 2 0 0 0 2 0 1 2 1 0 1 0 0 1 1 .250 .333 .250 .583
やなきさわ/柳沢裕一 8 12 11 2 2 0 0 0 2 0 1 0 0 0 0 0 1 4 0 .182 .250 .182 .432

できごと 編集

8月 編集

9月 編集

入団・退団 編集

シーズン開幕前 編集

本節では、前シーズン終了から本シーズン開幕までの入退団について記述する。

入団 編集

選手名 背番号 前所属 備考
投手
金石昭人 19 日本ハムファイターズ 自由契約
柏田貴史 49 ニューヨーク・メッツ 日本球界復帰
榎康弘 51 千葉ロッテマリーンズ 小原沢重頼とトレード
永池們多 62 横浜ベイスターズ 阿波野秀幸とトレード
平松一宏 64 JR西日本 ドラフト8位
中村善之 69 新日本製鐵八幡 ドラフト6位
野村貴仁 95 オリックス・ブルーウェーブ 木田優夫とトレード
捕手
小田幸平 46 三菱重工神戸 ドラフト4位
内野手
ダンカン 26 トロント・ブルージェイズ 新外国人
川中基嗣 29 日本通運 ドラフト2位
山田真介 37 上宮高 ドラフト3位
田中健太郎 91 松商学園高 ドラフト5位
吉村将生 93 東海大学付属第四高 ドラフト7位
外野手
高橋由伸 24 慶應義塾大学 ドラフト1位

退団 編集

選手名 去就
投手
木田優夫 野村貴仁とトレードでオリックスに移籍
宮本和知 スポーツコメンテーターに転身
阿波野秀幸 永池恭男とトレードで横浜に移籍
谷口功一 西武に移籍
浅野智治 近鉄に移籍
小原沢重頼 榎康弘とトレードでロッテに移籍
デビット
捕手
高見昌宏 球団職員に転身
阿部茂樹 ヤクルトに移籍
内野手
カステヤーノ
ルイス 台湾・高屏雷公に入団
外野手
岸川勝也 横浜に移籍
前田隆 現役引退

シーズン開幕後 編集

本節では、本シーズン開幕から本シーズン終了までの入退団について記述する。

入団 編集

選手名 背番号 前所属 備考
背尾伊洋 86 近鉄バファローズ 5月25日、大森剛と2対1のトレード
南真一郎 89

退団 編集

選手名 備考
大森剛 5月25日、南真一郎背尾伊洋と1対2のトレードで近鉄に移籍
ヒルマン(投手) 6月1日退団

選手・スタッフ 編集

[3]

表彰選手 編集

ドラフト 編集

順位 選手名 ポジション 所属 結果
1位 上原浩治 投手 大阪体育大学 入団
2位 二岡智宏 内野手 近畿大学 入団
3位 加藤健 捕手 新発田農業高 入団
4位 安原政俊 投手 中央学院高 入団
5位 酒井純也 投手 矢上高 入団
6位 玉峰伸典 投手 王子製紙春日井 入団
7位 進藤実 投手 NTT東北 入団
8位 高野忍 外野手 中山製鋼 入団

出典 編集

  1. ^ [1] 横浜との天王山に連敗し、差が開く
  2. ^ [2] 記事中にMKT砲の表記
  3. ^ 読売巨人軍公式HP 背番号変遷”. 読売ジャイアンツ. 2015年10月5日閲覧。