2,2-ジメトキシプロパン (2,2-dimethoxypropane)、別名 アセトンジメチルアセタール (acetone dimethyl acetal) は、有機化合物のひとつ。DMP と略される。アセトンメタノールが縮合したアセタールに相当する。メチル化剤、アセトニド化剤、アセタール合成のための脱水縮合剤として用いられる。

2,2-ジメトキシプロパン
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識別情報
CAS登録番号 77-76-9 チェック
特性
化学式 C5H12O2
モル質量 104.15 g/mol
示性式 (CH3)2C(OCH3)2
外観 無色液体
密度 0.85 g/cm³, 液体
融点

-47 ℃

沸点

81 ℃

への溶解度 15 g/L (at 20 °C)
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

DMPは2-メトキシプロペン合成の中間体として現れる。組織学では、DMP は動物組織の脱水にあたりエタノールよりも有効と考えられている。

消防法に定める第4類危険物 第1石油類に該当する[1]

DMP を用いる有機合成 編集

ジオールアセトニドの形で保護する場合に、DMP が酸触媒とともに用いられる[2]。糖のジオール構造を保護したい場合に用いられる。


ケトンアルコールの混合物に酸触媒と DMP を加え、アセトンメタノールを除くような蒸留下で反応させると元のケトンとアルコールに由来したアセタール(ケタール)が得られる[3]

R2C=O + 2 R'OH + DMP + H+ → R2C(OR')2 + (CH3)2C=O↑ + 2 CH3OH↑

出典 編集

  1. ^ [1] (東京化成工業株式会社)
  2. ^ 例: Schmid, R.; Bryant, J. D. Organic Syntheses, Coll. Vol. 9, p.450 (1998); Vol. 72, p.6 (1995). オンライン版
  3. ^ 例: Howard, W. L.; Lorette, N. B. Organic Syntheses, Coll. Vol. 5, p.292 (1973); Vol. 42, p.34 (1962). オンライン版