20mシャトルラン(20メートルシャトルラン)は、有酸素運動能力に対する体力測定の方法。往復持久走とも言う。1982年に European Journal of Applied Physiology に Leger と Lambert によって、その方法と結果を報告されたことにより周知された。最大酸素摂取量の推定にも使われ、文部科学省は「20シャトルラン(往復持久走)最大酸素摂取量推定表」を公開している[1]

文部科学省 編集

2001年(平成13年)4月からスタートした文部科学省の新体力テストでは、それまで行われていた急歩(男子1,500m/女子1,000m の持久走)との選択種目として、新しく20mシャトルランが採用された。レベル1から21まであり、反復の上限回数は247回[1]

1999年(平成11年)度に改定された文部科学省の新スポーツテストの項目に採用されている。

測定方法 編集

  • 20m間隔で平行に引かれた2本の線の一方に立ち、テストの開始を告げる5秒間のカウントダウンの後の電子音によりスタートする。
  • 一定の間隔で1音ずつ電子音が鳴る。電子音が次に鳴り始めるまでに20m先の線に達し、足が線を越えるか、触れたら、その場で向きを変える。この動作を繰り返す(電子音が発音された後、基本的には「ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ、ド(往路)」「ド、シ、ラ、ソ、ファ、ミ、レ、ド(復路)」の音がなり、次の電子音が鳴るまでの間隔を8音で表している)。
  • 電子音の前に線に達してしまった場合は、向きを変え、次の電子音を待ち、電子音が鳴った後に走り始める。
  • CD(テープ)によって設定された電子音の間隔は、初めはゆっくりであるが、約1分ごとに電子音の間隔は短くなる。すなわち、速度は約1分ごとに増加していくので、できる限り電子音の間隔についていくようにする。
  • CD(テープ)によって設定された速度を維持できなくなり走るのをやめたとき、または、2回続けてどちらかの足で線を超えるか、触れることができなくなったときに、テストを終了する。なお、電子音からの遅れが1回の場合、次の電子音に間に合い、遅れを解消できれば、テストを継続することができる。

記録 編集

  • テスト終了時(電子音についていけなくなった直前)の折り返しの総回数を記録とする。ただし、2回続けてどちらかの足で線に触れることができなかったときは、最後に触れることができた折り返しの総回数を記録とする。
レベル

(Lv.)

折り返し回数(回) 速度

(km/h)

折り返し時間

(秒)

実施時間 距離(m)
レベル内 累積 レベル内(秒) 累積時間(分:秒) レベル内 累計
1 7 7 8.0 9.00 63.00 1:03 140 140
2 8 15 9.0 8.00 64.00 2:07 160 300
3 8 23 9.5 7.58 60.63 3:08 160 460
4 9 32 10.0 7.20 64.80 4:12 180 640
5 9 41 10.5 6.86 61.71 5:14 180 820
6 10 51 11.0 6.55 65.45 6:20 200 1,020
7 10 61 11.5 6.26 62.61 7:22 200 1,220
8 11 72 12.0 6.00 66.00 8:28 220 1,440
9 11 83 12.5 5.76 63.36 9:31 220 1,660
10 11 94 13.0 5.54 60.92 10:32 220 1,880
11 12 106 13.5 5.33 64.00 11:36 240 2,120
12 12 118 14.0 5.14 61.71 12:38 240 2,360
13 13 131 14.5 4.97 64.55 13:43 260 2,620
14 13 144 15.0 4.80 62.40 14:45 260 2,880
15 13 157 15.5 4.65 60.39 15:46 260 3,140
16 14 171 16.0 4.50 63.00 16:49 280 3,420
17 14 185 16.5 4.36 61.09 17:50 280 3,700
18 15 200 17.0 4.24 63.53 18:54 300 4,000
19 15 215 17.5 4.11 61.71 19:56 300 4,300
20 16 231 18.0 4.00 64.00 21:00 320 4,620
21 16 247 18.5 3.89 62.27 22:03 320 4,940

脚注 編集

  1. ^ a b 新体力テスト実施要項 p.8 文部科学省

関連項目 編集