2006年恒春地震とは、台湾南西海岸沖で日本時間、2006年(平成18年)12月26日21時26分と34分(現地時間20時26分と34分(JST-1))に発生した地震である。

USGS(米国地質調査所)ではそれぞれMww6.98(Ms7.2)、M6.92と推定。気象庁の精査推定ではMj6.9、Mj7.1。

地震による影響は負傷者や建物にとどまらず、海底の通信ケーブルを切断し、アジアなどで通信サービスが利用できなくなった。

概要 編集

2006年12月26日21時26分(JST[CST-1])に南シナ海フィリピン海ルソン海峡間の台湾南西海岸沖(北緯21.799度・東経120.547°)の10.0km(6.2マイル)でMww6.98(Ms7.2)の地震が発生。台湾の高雄市ではMM震度(メルカリ震度)を最大VII(日本の気象庁階級で震度4~5弱)を観測。

地震による影響 編集

台湾 編集

2人が死亡、42人が負傷した。南部では建築物の倒壊、火災、エレベーターの閉じ込め、回線の切断による電話の不通などが生じた。

ライフラインは南部で約3000戸が停電数時間で復旧。

恒春では15の歴史的建造物に被害。

屏東県恆春鎮にある台湾第三原子力発電所では激しい揺れで2号機の警報機が作動。技師が状況を確認も被害はなし。1号機は問題なく運転を継続。

中国 編集

広範囲で揺れが感じられたが、大きな被害の報告はなかった。

香港深水埗、黄大仙、元郎では揺れに驚き一時通りに人が殺到。けがなどの報告なし。

香港天文台はMM震度(メルカリ震度)IIIからIV(日本の気象庁階級で震度1~2~3)程度と推定。

日本 編集

日本では沖縄県で最大震度1を観測。

緊急地震速報が試験段階だった当時、21時34分JSTの緊急地震速報の震度の推定が実際の震度とは大幅に異なる震度5弱の推定が発表された。(一般利用者への情報発表はなし)

津波 編集

台湾で25センチ(9.8インチ)の津波を観測。津波による被害はなし。この地震で初めて台湾で津波を観測した。

香港天文台は津波情報速報を発行し、香港は影響を受けない可能性が高いことを示した。

通信の切断による影響 編集

海底地震によるケーブル切断により、多くのアジア諸国に多大な影響を及ぼした。外国為替市場にも大きな影響を与えた。

脚注 編集