2011年のJリーグカップ
2011年のJリーグカップは、2011年6月5日に開幕し10月29日に国立霞ヶ丘陸上競技場で決勝が行われた大会である。
Jリーグヤマザキナビスコカップ | |
開催国 |
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---|---|
開催期間 | 2011年6月5日-10月29日 |
参加チーム数 | 18 |
優勝 | 鹿島アントラーズ |
準優勝 | 浦和レッズ |
スルガ銀行CS出場 | 鹿島アントラーズ |
試合総数 | 27 |
ゴール数 | 81 (1試合平均 3点) |
観客動員数 | 292,190 (1試合平均 10,822人) |
得点王 |
デスポトビッチ(浦和) (4得点) |
最優秀選手 | 大迫勇也(鹿島) |
← 2010 2012 → |
優勝は鹿島アントラーズ(9年ぶり4回目)。
大会名称編集
ヤマザキナビスコを冠スポンサーとして2011Jリーグヤマザキナビスコカップとして開催する。
レギュレーション編集
当初の予定編集
当初は、前年までと同じ方式が採用される予定だった。
- 2011年度J1リーグ参加18クラブが出場。
- 18クラブのうち、名古屋グランパスエイト、ガンバ大阪、セレッソ大阪、鹿島アントラーズの4チームはAFCチャンピオンズリーグ2011出場のため、予選リーグは免除され、決勝トーナメントからの出場。
- 予選リーグは3月15日から開始し、それ以外の14チームを次のとおりに分けて1回戦総当りを行う。
- 決勝トーナメントは予選の上位2チームに名古屋、G大阪、C大阪、鹿島を加えた8チームによって行われる。
- 準々決勝・準決勝
- ホーム・アンド・アウェーでの2試合制。以下の方法で優劣を決定する。
- 決勝
- 中立地(国立霞ヶ丘陸上競技場)での1試合勝負。90分で同点の場合は延長戦→PK戦で決着する。
- 準々決勝・準決勝
- 試合日程
- 予選リーグ
東日本大震災に伴う大会形式の変更編集
開幕を目前に控えた3月11日、東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)が発生。Jリーグでは開催について協議した結果、3月13日に3月開催予定の第1・2節の中止・延期を発表。3月22日には、4月に予定していた第3・4節の開催中止・延期も発表した。そして、4月1日に「予選リーグを中止し、全試合トーナメント戦」とする、新たな大会概要を発表した[2]。全試合がトーナメント方式となったのは2001年大会(この時はJ1・J2の全チームが参加)以来。
- 1・2回戦はホーム・アンド・アウェーでの2試合制。以下の方法で優劣を決定する[3]。
- 2試合における合計得点数(=得失点差)
- アウェーでの得点数(アウェーゴールルール)
- 並んだ場合は第2戦の後半終了後、引き続き15分ハーフの延長戦(アウェーゴールルールは採用せず)
- それでも決しない場合はPK戦(双方5人ずつ。決着しない場合は6人目以降サドンデス方式)
- 1回戦終了後、組み合わせ抽選を改めて行い、新たに大宮、新潟を2回戦からのシードとする。
- 準々決勝・準決勝はホーム・アンド・アウェーをやめ、一方のチームのホームゲームによる一発勝負(同点の場合は延長戦→PK戦で完全決着)とする。
- AFCチャンピオンズリーグ2011 (ACL2011) に出場する名古屋、G大阪、C大阪、鹿島の4チームは、当初の予定通り準々決勝からの出場とし、準々決勝はホームで戦う。
- 決勝戦は当初から変更無し(1試合勝負・90分で同点の場合は延長戦→PK戦で決着)。日程も当初通り10月29日に設定された[1]。
大会日程編集
ステージ | ラウンド | 第1戦 | 第2戦 | 備考 |
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決勝トーナメント | ||||
1回戦 | 2011年6月5日 | 2011年7月27日 | ||
2回戦 | 2011年9月14日 | 2011年9月28日 | 大宮、新潟の出場 | |
準々決勝 | AFCチャンピオンズリーグ2011出場チーム(G大阪、C大阪、名古屋、鹿島)の出場 | |||
準決勝 | ||||
決勝 |
決勝トーナメント編集
1回戦、2回戦については、トーナメント表上側のチームが2戦目ホームとなる。
1回戦 | 2回戦 | 準々決勝 | 準決勝 | |||||||||||
10月5日 | ||||||||||||||
セレッソ大阪 | 1 | |||||||||||||
浦和レッズ | 2 | |||||||||||||
9月14日・9月28日 | ||||||||||||||
大宮アルディージャ | 1 | |||||||||||||
6月5日・7月27日 | ||||||||||||||
浦和レッズ | 4 | |||||||||||||
モンテディオ山形 | 1 | |||||||||||||
10月9日 | ||||||||||||||
浦和レッズ | 4 | |||||||||||||
浦和レッズ | 2 | |||||||||||||
ガンバ大阪 | 1 | |||||||||||||
10月5日 | ||||||||||||||
ガンバ大阪 | 3 | |||||||||||||
6月5日・7月27日 | ||||||||||||||
ジュビロ磐田 | 1 | |||||||||||||
アビスパ福岡 | 0 | |||||||||||||
9月14日・9月28日 | ||||||||||||||
ジュビロ磐田 | 5 | |||||||||||||
ジュビロ磐田 | 3 | |||||||||||||
6月5日・7月27日 | ||||||||||||||
ベガルタ仙台 | 0 | |||||||||||||
ベガルタ仙台 | 3 | |||||||||||||
柏レイソル | 1 | |||||||||||||
1回戦 | 2回戦 | 準々決勝 | 準決勝 | |||||||||||
10月5日 | ||||||||||||||
名古屋グランパス(aet) | 5 | |||||||||||||
アルビレックス新潟 | 3 | |||||||||||||
9月14日・9月28日 | ||||||||||||||
アルビレックス新潟 | 4 | |||||||||||||
6月5日・7月27日 | ||||||||||||||
清水エスパルス | 3 | |||||||||||||
清水エスパルス | 2 | |||||||||||||
10月9日 | ||||||||||||||
ヴァンフォーレ甲府 | 1 | |||||||||||||
名古屋グランパス | 1 | |||||||||||||
鹿島アントラーズ(aet) | 2 | |||||||||||||
10月5日 | ||||||||||||||
鹿島アントラーズ(aet) | 3 | |||||||||||||
6月5日・7月27日 | ||||||||||||||
横浜F・マリノス | 2 | |||||||||||||
川崎フロンターレ | 5 | |||||||||||||
9月14日・9月28日 | ||||||||||||||
サンフレッチェ広島 | 3 | |||||||||||||
川崎フロンターレ | 3 | |||||||||||||
6月5日・7月27日 | ||||||||||||||
横浜F・マリノス | 6 | |||||||||||||
ヴィッセル神戸 | 2 | |||||||||||||
横浜F・マリノス | 3 | |||||||||||||
1回戦編集
チーム #1 | 合計 | チーム #2 | 第1戦 | 第2戦 |
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モンテディオ山形 | 1 - 4 | 浦和レッズ | 0 - 2 | 1 - 2 |
アビスパ福岡 | 0 - 5 | ジュビロ磐田 | 0 - 2 | 0 - 3 |
ベガルタ仙台 | 3 - 1 | 柏レイソル | 1 - 0 | 2 - 1 |
清水エスパルス | 2 - 1 | ヴァンフォーレ甲府 | 0 - 1 | 2 - 0 |
川崎フロンターレ | 5 - 3 | サンフレッチェ広島 | 2 - 2 | 3 - 1 |
ヴィッセル神戸 | 2 - 3 | 横浜F・マリノス | 1 - 1 | 1 - 2 |
第1戦 2011年6月5日 | サンフレッチェ広島 | 2 - 2 | 川崎フロンターレ | 広島ビッグアーチ | |
15:00 | 服部公太 41分 ムジリ 61分 |
レポート | 山瀬功治 2分 小宮山尊信 88分 |
観客数: 12,498人 主審: 柏原丈二 |
第1戦 2011年6月5日 | 横浜F・マリノス | 1 - 1 | ヴィッセル神戸 | ニッパツ三ツ沢球技場 | |
15:00 | 青山直晃 74分 | レポート | ホジェリーニョ 90+3分 | 観客数: 8,101人 主審: 早川一行 |
第2戦 2011年7月27日 | モンテディオ山形 | 1 - 2 | 浦和レッズ | NDソフトスタジアム山形 | |
19:00 | 川島大地 25分 | レポート | 柏木陽介 48分 デスポトビッチ 74分 |
観客数: 5,012人 主審: ロバート・マッドレー |
第2戦 2011年7月27日 | アビスパ福岡 | 0 - 3 | ジュビロ磐田 | レベルファイブスタジアム | |
19:00 | レポート | 加賀健一 31分 ジウシーニョ 66分 荒田智之 83分 |
観客数: 4,411人 主審: 松尾一 |
第2戦 2011年7月27日 | ベガルタ仙台 | 2 - 1 | 柏レイソル | ユアテックスタジアム仙台 | |
19:00 | 角田誠 47分 富田晋伍 90+3分 |
レポート | 北嶋秀朗 16分 | 観客数: 10,439人 主審: リー・プロバート |
第2戦 2011年7月27日 | 清水エスパルス | 2 - 0 | ヴァンフォーレ甲府 | アウトソーシングスタジアム日本平 | |
19:00 | 小野伸二 48分 高木俊幸 65分 |
レポート | 観客数: 11,641人 主審: 家本政明 |
第2戦 2011年7月27日 | 川崎フロンターレ | 3 - 1 | サンフレッチェ広島 | 等々力陸上競技場 | |
19:00 | 小林悠 10分, 62分 登里享平 54分 |
レポート | 佐藤寿人 39分 | 観客数: 11,067人 主審: 中村太 |
第2戦 2011年7月27日 | ヴィッセル神戸 | 1 - 2 | 横浜F・マリノス | ホームズスタジアム神戸 | |
19:00 | 吉田孝行 20分 | レポート | 栗原勇蔵 44分 谷口博之 78分 |
観客数: 5,204人 主審: 村上伸次 |
2回戦編集
チーム #1 | 合計 | チーム #2 | 第1戦 | 第2戦 |
---|---|---|---|---|
大宮アルディージャ | 1 - 4 | 浦和レッズ | 0 - 2 | 1 - 2 |
ジュビロ磐田 | 3 - 0 | ベガルタ仙台 | 0 - 0 | 3 - 0 |
アルビレックス新潟 | 4 - 3 | 清水エスパルス | 1 - 2 | 3 - 1 |
川崎フロンターレ | 3 - 6 | 横浜F・マリノス | 0 - 4 | 3 - 2 |
第1戦 2011年9月14日 | 浦和レッズ | 2 - 0 | 大宮アルディージャ | 埼玉スタジアム2002 | |
19:30 | マルシオ・リシャルデス 52分 原口元気 65分 |
レポート | 観客数: 13,036人 主審: 扇谷健司 |
第1戦 2011年9月14日 | ベガルタ仙台 | 0 - 0 | ジュビロ磐田 | ユアテックスタジアム仙台 | |
19:00 | レポート | 観客数: 7,360人 主審: 木村博之 |
第1戦 2011年9月14日 | 清水エスパルス | 2 - 1 | アルビレックス新潟 | アウトソーシングスタジアム日本平 | |
19:00 | 大前元紀 16分 アレックス・ブロスケ 74分 |
レポート | 本間勲 6分 | 観客数: 6,939人 主審: 今村義朗 |
第1戦 2011年9月14日 | 横浜F・マリノス | 4 - 0 | 川崎フロンターレ | ニッパツ三ツ沢球技場 | |
19:30 | 兵藤慎剛 6分 渡邉千真 24分 大黒将志 69分, 90+1分 |
レポート | 観客数: 9,859人 主審: 山本雄大 |
第2戦 2011年9月28日 | 大宮アルディージャ | 1 - 2 | 浦和レッズ | NACK5スタジアム大宮 | |
19:00 | 金澤慎 73分 | レポート | デスポトビッチ 6分, 23分 | 観客数: 8,982人 主審: 村上伸次 |
第2戦 2011年9月28日 | アルビレックス新潟 | 3 - 1 | 清水エスパルス | 東北電力ビッグスワンスタジアム | |
19:00 | ブルーノ・ロペス 36分 田中亜土夢 55分 ミシェウ 58分 |
レポート | 大前元紀 25分 | 観客数: 10,024人 主審: 飯田淳平 |
第2戦 2011年9月28日 | 川崎フロンターレ | 3 - 2 | 横浜F・マリノス | 等々力陸上競技場 | |
19:00 | 田坂祐介 40分 ジュニーニョ 86分 山瀬功治 90+5分 |
レポート | 谷口博之 25分 大黒将志 64分 |
観客数: 10,528人 主審: 松尾一 |
準々決勝編集
2011年10月5日
19:00 |
名古屋グランパス | 5 - 3 (延長) |
アルビレックス新潟 |
---|---|---|
金崎夢生 15分 永井謙佑 90+1分, 105+2分 橋本晃司 114分 田中マルクス闘莉王 120+1分 |
レポート | ブルーノ・ロペス 63分 川又堅碁 90+3分 菊地直哉 98分 |
準決勝編集
決勝編集
8年ぶり2回目の優勝を目指す浦和レッズと9年ぶり4回目の優勝を狙う鹿島アントラーズが対戦した。決勝がこの2チームとなるのは2003年以来8年ぶり3回目であった[4]。Jリーグトップの観客動員を誇る浦和が進出したこともあり、決勝戦のチケットは発売からわずか1時間で完売となった。
試合は終始鹿島が押し気味で進め、後半開始早々の5分に浦和MF山田直輝が退場し一人少なくなったことで猛攻を仕掛けるも、GK加藤順大を中心とした浦和守備陣が集中して守り切り、逆に鹿島も後半35分にDF青木剛が2枚目のイエローで退場となって10人対10人となったこともあり、90分では決着がつかず2年連続の延長戦へ突入。延長戦も組織的な攻撃で押し気味に試合を進めた鹿島が、延長前半終了間際の15分にFWの興梠慎三と田代有三のワンツーパスから流れたボールをFW大迫勇也が右足でダイレクトにゴールを決めてついに先制。このゴールを守りきった鹿島が9年ぶり史上最多となる4回目の優勝を果たした。
浦和レッズ | ||||
GK | 18 | 加藤順大 | ||
DF | 6 | 山田暢久 | 107分 | |
DF | 26 | 濱田水輝 | ||
DF | 17 | 永田充 | ||
DF | 14 | 平川忠亮 | ||
MF | 13 | 鈴木啓太 | 91分 | |
MF | 7 | 梅崎司 | 12分 | 76分 |
MF | 22 | 山田直輝 | 47分 50分 | |
MF | 8 | 柏木陽介 | ||
MF | 24 | 原口元気 | ||
FW | 15 | エスクデロ・セルヒオ | ||
控え: | ||||
GK | 1 | 山岸範宏 | ||
DF | 2 | 坪井慶介 | 107分 | |
DF | 4 | スピラノビッチ | ||
MF | 28 | 岡本拓也 | ||
MF | 5 | 高橋峻希 | 99分 | 76分 |
FW | 27 | 小島秀仁 | 91分 | |
FW | 31 | デスポトビッチ | ||
監督 | ||||
堀孝史 |
鹿島アントラーズ | ||||
GK | 21 | 曽ヶ端準 | 120+1分 | |
DF | 7 | 新井場徹 | ||
DF | 15 | 青木剛 | 43分 80分 | |
DF | 6 | 中田浩二 | ||
DF | 5 | アレックス | 31分 | 76分 |
MF | 20 | 柴崎岳 | ||
MF | 40 | 小笠原満男 | 91分 | |
MF | 8 | 野沢拓也 | ||
MF | 25 | 遠藤康 | 63分 | |
FW | 9 | 大迫勇也 | ||
FW | 13 | 興梠慎三 | ||
控え: | ||||
GK | 1 | 杉山哲 | ||
DF | 22 | 西大伍 | ||
DF | 23 | 昌子源 | ||
MF | 10 | 本山雅志 | ||
MF | 11 | フェリペ・ガブリエル | 76分 | |
MF | 14 | 増田誓志 | 91分 | |
FW | 30 | 田代有三 | 63分 | |
監督 | ||||
オズワルド・オリヴェイラ |
2011 Jリーグカップ 優勝 |
---|
鹿島アントラーズ 9年ぶり4回目 |
- テレビ中継
- フジテレビジョン系列
表彰編集
表彰名 | 選手名 | 所属クラブ |
---|---|---|
ニューヒーロー賞 | 原口元気 | 浦和レッズ |
大会MVP | 大迫勇也 | 鹿島アントラーズ |
得点ランキング編集
順位 | 選手名 | クラブ | 得点数 |
---|---|---|---|
1 | デスポトビッチ | 浦和レッズ | 4 |
2 | 大迫勇也 | 鹿島アントラーズ | 3 |
大黒将志 | 横浜F・マリノス | 3 |
脚注編集
- ^ a b 平年は11月3日が決勝戦となるが、AFCチャンピオンズリーグ2011 (ACL2011) の決勝戦が11月4日または11月5日に開催される予定であり、ACLに出場(かつナビスコ杯シード)4チームのいずれかが決勝に進出した場合の日程調整が必要であることから、決勝戦の会期は当初発表時は未定とした。その後、ACL2011決勝ラウンドに日本から4チームが出場したことを受けて、平年より繰り上げた10月29日に設定された(関連して10月29日・10月30日に予定されたJ131節は11月3日に繰り下げ)。
- ^ 2011 Jリーグヤマザキナビスコカップ 開催概要(改訂版)発表 Jリーグ公式サイト 2011年4月1日
- ^ Jリーグ公式サイト:ヤマザキナビスコカップ:大会概要 2011年5月21日閲覧。
- ^ この試合までの決勝における対戦成績は1勝1敗(2002年決勝は1 - 0でアントラーズが、2003年決勝は4 - 0でレッズが勝利)