2012年のNFL
2012年のNFLは、2012年9月6日にNFL93回目のレギュラーシーズンが前年スーパーボウル優勝チームであるニューヨーク・ジャイアンツの主催ゲームで開幕し、2013年2月3日にルイジアナ州ニューオーリンズで開催される第47回スーパーボウルでシーズンが終了した。
2012年のNFL | |||
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レギュラーシーズン | |||
日程 | 2012年9月6日 - 2012年12月30日 | ||
プレイオフ | |||
開幕日 | 2013年1月5日 | ||
AFC優勝 | ボルチモア・レイブンズ | ||
NFC優勝 | サンフランシスコ・49ERS | ||
第47回スーパーボウル | |||
開催日 | 2013年2月3日 | ||
開催都市 | ルイジアナ州ニューオーリンズ | ||
スタジアム | メルセデス・ベンツ・スーパードーム | ||
チャンピオン | ボルチモア・レイブンズ | ||
プロボウル | |||
開催日 | 2013年1月27日 | ||
開催都市 | ハワイ州ホノルル | ||
スタジアム | アロハ・スタジアム | ||
サラリーキャップ | |||
1億2,060万ドル(約99億1,700万円)[1] | |||
NFLシーズン
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ドラフト編集
2012年4月26日-28日にニューヨークのラジオシティ・ミュージックホールでドラフトが行われ、7巡253名が指名された。全体1位でアンドリュー・ラックがインディアナポリス・コルツに指名された。この年のドラフトから3日間の開催となったが、1巡目が指名される1日目は日本の放送局、GAORAでもリアルタイムで放送された[2]。
主なルール変更編集
- すべてのターンオーバーに対してビデオ判定が行われるようになった。
- 2010年シーズンよりプレイオフにおいて適用されていたオーバータイムルールが、レギュラーシーズンの試合にも適用されるようになった。
- 不正なプレー参加の反則(12人以上でプレー)はプレー終了後に5ヤードの罰退であったが、スナップ時点で反則が適用されるデッドボールファールに変更された。この変更は、第46回スーパーボウルの第4Q終盤においてリードしていたジャイアンツがこの反則を犯したが、時間を消費しジャイアンツを利する結果となったことによる。
- ルーズボールを意図的に蹴った場合は10ヤードの罰退に加え、ダウンを失うことになった。
- 「クラック ブロック(視界外からの体の側面へのブロック)を受けたディフェンス選手」もディフェンスレス プレーヤー(無防備な選手)に認定されることになった。
- 第6週火曜日までだったトレード期限が、第8週火曜日までに変更された[3]。
- 故障者リスト入りの際に特に指定された1名は、シーズン中にアクティブ ロースターに戻せることになった。
日程編集
レギュラーシーズン編集
2012年のレギュラーシーズンは9月6日に前年度優勝チームのニューヨーク・ジャイアンツが本拠地にダラス・カウボーイズを迎えて開幕する。水曜日に試合が行われるのは54年ぶりとなる。これはアメリカ大統領選挙の民主党全国大会最終日と日程が重なることを避けるために日程が前倒しされたことによる[4]。12月30日に終了した。
コネチカット州で起きたサンディフック小学校銃乱射事件の犠牲者に対して、第15週の試合開始前に黙祷が捧げられた[5]。
各チームの16試合の対戦相手はNFLの規則に基づき、前年度の成績や地区ごとのローテーションで自動的に決定される。
- 同地区(ホーム&アウェイ、6試合)
- カンファレンス内他の1地区総当り(4試合)
- カンファレンス内上記除く他地区の前年同順位(2試合)
- 他カンファレンスの1地区総当り(4試合)
2012年シーズンの地区外との対戦ルールは以下のようである。
カンファレンス内 |
カンファレンス外 |
AFC | NFC | |||||||
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前年 | 西地区 | 南地区 | 北地区 | 東地区 | 西地区 | 南地区 | 北地区 | 東地区 |
1位 | ブロンコス | テキサンズ | レイブンズ | ペイトリオッツ | 49ERS | セインツ | パッカーズ | ジャイアンツ |
2位 | チャージャーズ | タイタンズ | スティーラーズ | ジェッツ | カージナルス | ファルコンズ | ライオンズ | イーグルス |
3位 | レイダース | ジャガーズ | ベンガルズ | ドルフィンズ | シーホークス | パンサーズ | ベアーズ | カウボーイズ |
4位 | チーフス | コルツ | ブラウンズ | ビルズ | ラムズ | バッカニアーズ | バイキングス | レッドスキンズ |
:1度対戦 :2度対戦
レギュラーシーズン順位表編集
- 背景色が緑のチームはプレイオフ進出チーム
- 括弧内はプレイオフシード順
AFC東地区 | ||||||
チーム | 勝 | 負 | 分 | 勝率 | 得点 | 失点 |
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(2) ニューイングランド・ペイトリオッツ | 12 | 4 | 0 | .750 | 557 | 331 |
マイアミ・ドルフィンズ | 7 | 9 | 0 | .438 | 288 | 317 |
ニューヨーク・ジェッツ | 6 | 10 | 0 | .375 | 281 | 375 |
バッファロー・ビルズ | 6 | 10 | 0 | .375 | 344 | 435 |
AFC北地区 | ||||||
チーム | 勝 | 負 | 分 | 勝率 | 得点 | 失点 |
(4) ボルチモア・レイブンズ | 10 | 6 | 0 | .625 | 398 | 344 |
(6) シンシナティ・ベンガルズ | 10 | 6 | 0 | .625 | 391 | 320 |
ピッツバーグ・スティーラーズ | 8 | 8 | 0 | .500 | 336 | 314 |
クリーブランド・ブラウンズ | 5 | 11 | 0 | .313 | 302 | 368 |
AFC南地区 | ||||||
チーム | 勝 | 負 | 分 | 勝率 | 得点 | 失点 |
(3) ヒューストン・テキサンズ | 12 | 4 | 0 | .750 | 416 | 331 |
(5) インディアナポリス・コルツ | 11 | 5 | 0 | .688 | 357 | 387 |
テネシー・タイタンズ | 6 | 10 | 0 | .375 | 330 | 471 |
ジャクソンビル・ジャガーズ | 2 | 14 | 0 | .125 | 255 | 444 |
AFC西地区 | ||||||
チーム | 勝 | 負 | 分 | 勝率 | 得点 | 失点 |
(1) デンバー・ブロンコス | 13 | 3 | 0 | .813 | 481 | 289 |
サンディエゴ・チャージャーズ | 7 | 9 | 0 | .438 | 350 | 350 |
オークランド・レイダース | 4 | 12 | 0 | .250 | 290 | 443 |
カンザスシティ・チーフス | 2 | 14 | 0 | .125 | 211 | 425 |
NFC東地区 | ||||||
チーム | 勝 | 負 | 分 | 勝率 | 得点 | 失点 |
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(4) ワシントン・レッドスキンズ | 10 | 6 | 0 | .625 | 436 | 388 |
ニューヨーク・ジャイアンツ | 9 | 7 | 0 | .563 | 429 | 344 |
ダラス・カウボーイズ | 8 | 8 | 0 | .500 | 376 | 400 |
フィラデルフィア・イーグルス | 4 | 12 | 0 | .250 | 280 | 444 |
NFC北地区 | ||||||
チーム | 勝 | 負 | 分 | 勝率 | 得点 | 失点 |
(3) グリーンベイ・パッカーズ | 11 | 5 | 0 | .688 | 433 | 336 |
(6) ミネソタ・バイキングス | 10 | 6 | 0 | .625 | 379 | 348 |
シカゴ・ベアーズ | 10 | 6 | 0 | .625 | 375 | 277 |
デトロイト・ライオンズ | 4 | 12 | 0 | .250 | 372 | 437 |
NFC南地区 | ||||||
チーム | 勝 | 負 | 分 | 勝率 | 得点 | 失点 |
(1) アトランタ・ファルコンズ | 13 | 3 | 0 | .813 | 419 | 299 |
カロライナ・パンサーズ | 7 | 9 | 0 | .438 | 357 | 363 |
ニューオーリンズ・セインツ | 7 | 9 | 0 | .438 | 461 | 454 |
タンパベイ・バッカニアーズ | 7 | 9 | 0 | .438 | 389 | 394 |
NFC西地区 | ||||||
チーム | 勝 | 負 | 分 | 勝率 | 得点 | 失点 |
(2) サンフランシスコ・49ERS | 11 | 4 | 1 | .719 | 397 | 273 |
(5) シアトル・シーホークス | 11 | 5 | 0 | .688 | 412 | 245 |
セントルイス・ラムズ | 7 | 8 | 1 | .469 | 299 | 348 |
アリゾナ・カージナルス | 5 | 11 | 0 | .313 | 250 | 357 |
タイブレーク編集
タイブレークの詳しいルールについては、NFL#タイブレークを参照
- AFC
- 12勝4敗のペイトリオッツとテキサンズは、第14週の直接対決でペイトリオッツが勝利しているため、ペイトリオッツが第2シード、テキサンズが第3シード。
- 北地区で10勝6敗のレイブンズとベンガルズは、地区内勝率でレイブンズ(4勝2敗)がベンガルズ(3勝3敗)を上回るため、レイブンズが地区優勝となり、第4シード、ベンガルズが第6シード。
プレイオフ編集
トーナメント表編集
2013年1月7日 M&Tバンク・スタジアム |
1月13日 スポーツオーソリティ・フィールド |
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5 | コルツ | 9 | ||||||||||||||||
4 | レイブンズ | 38* | ||||||||||||||||
4 | レイブンズ | 24 | 1月21日 ジレット・スタジアム | |||||||||||||||
1 | ブロンコス | 35 | ||||||||||||||||
AFC | ||||||||||||||||||
2013年1月6日 リライアント・スタジアム |
4 | レイブンズ | 28 | |||||||||||||||
1月14日 ジレット・スタジアム | ||||||||||||||||||
2 | ペイトリオッツ | 13 | ||||||||||||||||
6 | ベンガルズ | 13 | AFC チャンピオンシップ | |||||||||||||||
3 | テキサンズ | 28 | ||||||||||||||||
3 | テキサンズ | 19 | 2月4日 メルセデス・ベンツ・スーパードーム | |||||||||||||||
2 | ペイトリオッツ | 41 | ||||||||||||||||
ワイルドカード・プレーオフ | ||||||||||||||||||
ディビジョナル・プレーオフ | ||||||||||||||||||
2013年1月6日 ランボー・フィールド |
A4 | レイブンズ | 34 | |||||||||||||||
1月13日 キャンドルスティック・パーク | ||||||||||||||||||
N2 | 49ers | 31 | ||||||||||||||||
6 | バイキングス | 10 | 第47回スーパーボウル | |||||||||||||||
3 | パッカーズ | 31 | ||||||||||||||||
3 | パッカーズ | 24 | 1月21日 ジョージア・ドーム | |||||||||||||||
2 | 49ers | 45 | ||||||||||||||||
NFC | ||||||||||||||||||
2013年1月7日 フェデックス・フィールド |
2 | 49ers | 28 | |||||||||||||||
1月14日 ジョージア・ドーム | ||||||||||||||||||
1 | ファルコンズ | 24 | ||||||||||||||||
5 | シーホークス | 24 | NFC チャンピオンシップ | |||||||||||||||
5 | シーホークス | 28 | ||||||||||||||||
4 | レッドスキンズ | 14 | ||||||||||||||||
1 | ファルコンズ | 30 | ||||||||||||||||
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受賞者編集
賞 | 受賞者 | ポジション | チーム |
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スーパーボウルMVP | ジョー・フラッコ | QB | ボルチモア・レイブンズ |
AP通信MVP | エイドリアン・ピーターソン | RB | ミネソタ・バイキングス |
AP通信最優秀コーチ | ブルース・エリアンス | HC | インディアナポリス・コルツ |
AP通信最優秀攻撃選手 | エイドリアン・ピーターソン | RB | ミネソタ・バイキングス |
AP通信最優秀守備選手 | J・J・ワット | DE | ヒューストン・テキサンズ |
AP通信最優秀新人攻撃選手 | ロバート・グリフィン3世 | QB | ワシントン・レッドスキンズ |
AP通信最優秀新人守備選手 | ルーク・キークリー | LB | カロライナ・パンサーズ |
AP通信カムバック賞 | ペイトン・マニング | QB | デンバー・ブロンコス |
プロボウル編集
詳細は「2013年のプロボウル」を参照
NFLドラフト編集
ドラフトは、4月26日から4月28日までの3日間で行われた。全体1位にはスタンフォード大学のQBアンドリュー・ラックがインディアナポリス・コルツから指名された[6]。
エンターテイメント編集
マッデンNFLの最新作、マッデン13のカバー選手はインターネットでのトーナメント方式ファン投票によって、ライオンズのカルビン・ジョンソンが選ばれた[7]。
違法ボーナス問題編集
ニューオーリンズ・セインツで危険なタックルを行った選手に違法ボーナスが支払われたことが発覚し、これを主導していたグレッグ・ウィリアムズディフェンスコーディネーター(2012年はセントルイス・ラムズディフェンスコーディネーター)に無期限の出場停止、ショーン・ペイトンセインツヘッドコーチに1年間の出場停止、ミッキー・ルーミスセインツゼネラルマネージャーに8試合の出場停止が課せられた[8]。選手については、LBジョナサン・ヴィルマ(セインツ)に2012-13シーズンの無給での全試合出場停止、DLアンソニー・ハーグローブ(パッカーズ)に8試合、DEウィル・スミス(セインツ)に4試合、LBスコット・フジタ(ブラウンズ)に3試合の出場停止が課せられた[9]。その後各選手は異議申し立てを行い、試合に出場、12月11日に前のコミッショナー、ポール・タグリアブの判断で、周囲の環境に影響された選手への処分は無効とされた[10]。ペイトンヘッドコーチが1年間処分を受けた間は、開幕から6試合はアシスタントコーチのアーロン・クローマー[11]、その後は出場停止処分の明けたジョー・ビット攻撃コーディネーターが暫定ヘッドコーチを務めた。
代替審判編集
審判との団体交渉がシーズン開幕までに合意が成立せず、プレシーズンゲーム全てに加えて、レギュラーシーズンでも代替審判(主にNCAA2部校以下や、アリーナフットボール経験しかない審判)により試合が行われた。
9月26日に労使協定が締結され、第4週から正規の審判がジャッジを行った[12]。
脚注編集
- ^ 日本円は当時のレートによる
- ^ “日本初!全米注目の「NFLドラフト2012」白熱の1巡目指名の模様を生中継!”. GAORA (2012年3月21日). 2022年1月31日閲覧。
- ^ “トレード期限延長とIRの新ルール、今季から導入決定”. NFL JAPAN (2012年8月31日). 2012年9月17日閲覧。
- ^ “NFLの2012年シーズン、54年ぶりに水曜日開催”. NFL JAPAN (2012年2月29日). 2012年5月1日閲覧。
- ^ “NFL、乱射事件の犠牲者に黙とう要請”. NFL JAPAN (2012年12月15日). 2012年12月19日閲覧。
- ^ “NFLドラフト2012 指名リスト”. NFL JAPAN. 2012年5月1日閲覧。
- ^ “マッデン最新作カバーにメガトロン、ニュートン下す”. NFL JAPAN (2012年4月26日). 2012年5月1日閲覧。
- ^ “ニュース.セインツHCが1年間の出場停止、違法ボーナスで処分”. NFL JAPAN (2012年3月22日). 2012年5月1日閲覧。
- ^ チーム名は処分時の所属チーム。“違法ボーナス問題で選手処分、LBビルマは今季出場停止”. NFL JAPAN (2012年5月3日). 2012年5月3日閲覧。
- ^ “LBビルマら、違法ボーナス問題による処分の無効決定”. NFL JAPAN (2012年12月12日). 2012年12月19日閲覧。
- ^ Pat Yasinskas (2012年4月13日). “Aaron Kromer logical fit as interim II coach”. ESPN. 2019年12月24日閲覧。
- ^ “名審判ホチュリ氏、協定締結前日に熱弁”. NFL JAPAN (2012年9月27日). 2012年10月16日閲覧。