2015年レッドブル・エアレース・ワールドシリーズ 千葉

2015年に千葉で開催されたレッドブル・エアレースの世界選手権

2015年レッドブル・エアレース・ワールドシリーズ 千葉では、通算10回目となるレッドブル・エアレース・ワールドシリーズの内、2015年5月16日17日日本千葉県千葉市幕張海浜公園で行われた2015年シーズン第2戦について述べる。

概要編集

2014年11月26日、2015年シーズンの開催地8都市が発表され、第2戦が千葉市で行われることが正式に発表された[1][2]2003年から開始し、2009年には日本人の室屋義秀がアジア人として初めて参戦したレッドブル・エアレースでは初となる日本での開催となり、有料入場者数は2日間の合計で12万人に上った[3]

オフィシャルサポーターとしてB'zが就任、アルバム『EPIC DAY』の収録曲「Las Vegas」を大会テーマソングに提供した[4]

エアレース開催を記念し、4月4日と5日にQVCマリンフィールドにて行われた千葉ロッテマリーンズ東北楽天ゴールデンイーグルス戦にて、「レッドブル・エアレース2015スペシャルデー」が開催された。また4月4日は、室屋義秀始球式セレモニーに登場した[5]

開幕アブダビ戦から約3か月の期間が空いており、本レースからジブコ エッジ540 V3を投入した室屋[6][7]、新しいシミュレータを導入したマルティン・ソンカなど、各パイロットが千葉戦に向けて余念のない準備に励んだ[8]滑走路ハンガー管制施設などの特設飛行場が浦安市に設営された。大会2日前の5月14日には、パイロット14名が千葉神社で飛行安全祈願の祈祷を受けた[9]。本シリーズより、パイロン・ヒットのペナルティ加算が+2秒から+3秒に変更された。上位3名に贈られるトロフィーのデザインはグッドスマイルカンパニーが担当した[10]

海上自衛隊の救難飛行艇US-2の展示飛行が予定されていたが、4月28日の事故による飛行自粛のため中止となった[11]。同時に予定されていた千葉市消防局消防航空隊の「おおとり1号」と「おおとり2号」によるデモ飛行は実施された[12]

レースは、2度の総合優勝経験があるイギリスポール・ボノムが3シーズンぶりに開幕2連勝を成し遂げた。初の自国開催で期待を背負った室屋は、ラウンド・オブ・8でオーバーGによりDNF判定を受け8位となったが、ラウンド・オブ・14では今大会の最速タイムを記録した[13]

天候の影響編集

5月4日に発生した季節外れの台風6号東京湾を通過した影響で、高波防波堤を越える恐れがあったため、完成したハンガーを解体する必要に迫られた他[14]、通常2週間前に開始されるコースの設営作業が中断されるなどした[15]。台風通過後も雨が断続的に降り、通常大会前日から行われるトレーニングフライトは、スケジュールの遅れを取り戻すために時間が削られ[16]、トレーニング直後に予選が行われた[17]。チャレンジャークラスのトレーニングフライトも視界不良で延期された。決勝レースが行われる17日は好天に恵まれた[18]

観戦エリア編集

幕張海浜公園の観戦エリア・座席は以下の種類が用意される[4]。価格は税込み。

券種 2日券 予選・単日券()は当日券価格 決勝・単日券()は当日券価格 記事
プレミアムスカイラウンジ 300,000 屋内・屋外席、ハンガーツアー付き
スカイラウンジ 200,000円 屋内・屋外席
レースクラブ 120,000円 屋内・屋外席
室屋義秀応援エリア 35,000円 リクライニングチェアあり、室屋義秀応援グッズ付
スーペリアエリア 30,000円 リクライニングチェアあり
Aエリア 20,000円 7,000円 (9,000円) 13,000円 (16,000円)
スタート・ゴールエリア 15,000円 6,000円 (8,000円) 9,000円 (12,000円)
Bエリア 15,000円 6,000円 (8,000円) 9,000円 (12,000円)
Cエリア 10,000円 3,000円 (5,000円) 7,000円 (10,000円)
ファミリーエリア(4名) 18,000円 (16,000円)
検見川浜エリア 5,000円 8,000円 前売りで全エリアほぼ完売してしまった為に、急遽販売された

当初は当日券の金額設定もされていたが、他のエリアは前売りで完売となった為、実際に当日券が販売されたのは「検見川浜エリア」のみ。

5/17(日)決勝日が悪天候により中止となった場合、18日(月)の予備日に日本のみの特別企画としてデモフライトが開催予定となっていた。中止時の払い戻しについては、2日券はデモフライトを含めた3日とも中止になった場合のみ払戻し、土日のどちらかが中止になった場合は一部払い戻しも含めて実施しない。1日券は土日のどちらかが中止になった場合は該当する曜日のチケットを払戻す。

入場時にチケットとリストバンドを交換する。2日券の場合は両日とも同じリストバンドを使用する。再入場も可能。

幕張海浜公園へのアクセスは、プレミアムスカイラウンジ、スカイラウンジ、クラブラウンジ購入者で、駐車券を持っている観客を除き、自家用車の駐車場は用意されないので公共交通機関のみ。

また、浦安市総合公園では、浦安市民を対象としたパブリックビューイングが行われた。

マスタークラス編集

 
室屋義秀

予選編集


No. パイロット タイム ペナルティ
1 27   ニコラス・イワノフ[19] 51.102
2 21   マティアス・ドルダラー 51.530
3 55   ポール・ボノム 51.653
4 95   マット・ホール 51.951
5 99   マイケル・グーリアン 52.014
6 8   マルティン・ソンカ 52.024
7 10   カービー・チャンブリス 52.086
8 26   フアン・ベラルデ 52.106
9 31   室屋義秀 52.429
10 84   ピート・マクロード 52.614
11 9   ナイジェル・ラム 53.375
12 22   ハンネス・アルヒ 53.416 +2秒1
13 91   ピーター・ベゼネイ 55.183
14 12   フランソワ・ルボット DNS2

ラウンド・オブ・14編集

 
パイロンヒットしたフランソワ・ルボット
ヒート 予選1 パイロット1 タイム1 タイム2 パイロット2 予選2
1 5   マイケル・グーリアン 52.976 55.7823   ピート・マクロード 10
2 4   マット・ホール 50.888 51.826   ナイジェル・ラム 11
3 6   マルティン・ソンカ 54.7531 50.779   室屋義秀 9
4 3   ポール・ボノム 51.560 54.8371   ハンネス・アルヒ 2
5 7   カービー・チャンブリス 54.106 54.241   フアン・ベラルデ 8
6 2   マティアス・ドルダラー 55.050 59.9282   ピーター・ベゼネイ 13
7 1   ニコラス・イワノフ 55.1011 1:03.2794   フランソワ・ルボット 14
凡例
ラウンド・オブ・8進出
ノックアウト(敗退)
敗者の中で最速(=進出)
  • ^1 水平違反により+2秒のペナルティ[20]
  • ^2 水平違反×2により+4秒のペナルティ[20]
  • ^3 パイロン・ヒットにより+3秒のペナルティ、水平違反により+2秒のペナルティ[20]
  • ^4 パイロン・ヒット×2により+6秒のペナルティ[20]

ラウンド・オブ・8編集

 
室屋義秀
ヒート 予選1 パイロット1 タイム1 タイム2 パイロット2 予選2
8 4   マット・ホール 51.452 52.917   マイケル・グーリアン 5
9 3   ポール・ボノム 51.392 DNF1   室屋義秀 9
10 2   マティアス・ドルダラー 52.365 53.631   カービー・チャンブリス 7
11 1   ニコラス・イワノフ 52.146 52.448   ナイジェル・ラム 11
凡例
ファイナル4進出
ノックアウト(敗退)
  • ^1 最大負荷が10Gを越えたためDNF (Did Not Finish) と判定された[21]

ファイナル4編集


No. パイロット タイム ペナルティ
1 55   ポール・ボノム[22] 51.502
2 95   マット・ホール 51.884
3 21   マティアス・ドルダラー 53.903 +2秒1
4 27   ニコラス・イワノフ DNF2
  • ^1 水平違反により+2秒のペナルティ[22]
  • ^2 最大負荷が10Gを越えたためDNFと判定された[22]

最終結果編集


パイロット ポイント
1   ポール・ボノム 12
2   マット・ホール 9
3   マティアス・ドルダラー 7
4   ニコラス・イワノフ 5
5   ナイジェル・ラム 4
6   マイケル・グーリアン 3
7   カービー・チャンブリス 2
8   室屋義秀 1
9   フアン・ベラルデ 0
10   マルティン・ソンカ 0
11   ハンネス・アルヒ 0
12   ピート・マクロード 0
13   ピーター・ベゼネイ 0
14   フランソワ・ルボット 0

チャレンジャークラス編集

トレーニング・フライトでは、スウェーデンのダニエル・リファが1位、チェコのペトル・コプシュタインが2位、スロベニアのピーター・ポドランセックが3位、ポドランセックとブラジルのフランシス・バロスはスモークがたかれていなかったため、+1秒のペナルティを受けた[23]

 
千葉戦・チャレンジャークラス

結果編集


No. パイロット タイム ペナルティ
1 18   ペトル・コプシュタイン[24] 56.584
2 17   ダニエル・リファ 57.176
3 5   クリスチャン・ボルトン 57.865
4 62   フロリアン・バーガー 58.340
5 77   フランシス・バロス 59.053
6 37   ピーター・ポドランセック 1:01.708 +4秒1
  • ^1 水平違反×2により+4秒のペナルティ

第2戦終了後のランキング編集

マスタークラス

パイロット トー
タル
1   ポール・ボノム 24
2   マット・ホール 18
3   ナイジェル・ラム 8
4   ピート・マクロード 7
5   マティアス・ドルダラー 7
6   ニコラス・イワノフ 6
7   ハンネス・アルヒ 5
8   室屋義秀[25] 4
9   マイケル・グーリアン 3
10   ピーター・ベゼネイ 2
11   カービー・チャンブリス 2
12   フアン・ベラルデ 0
13   マルティン・ソンカ 0
14   フランソワ・ルボット 0
チャレンジャークラス

パイロット トー
タル
1   ペトル・コプシュタイン 18
2   クリスチャン・ボルトン 16
3   ダニエル・リファ 10
4   フロリアン・バーガー 8
5   ミカエル・ブラジョー 6
6   フランシス・バロス 2
7   ピーター・ポドランセック 0

出典編集

  1. ^ 世界最速のモータースポーツ 日本初開催決定!”. Red Bull Air Race (2014年11月26日). 2015年9月8日閲覧。
  2. ^ 浅田真樹 (2014年12月1日). “「空のF1」エアレースの日本開催がついに決定!”. Web Sportiva. 集英社. 2015年9月8日閲覧。
  3. ^ 「レッドブル・エアレース千葉2015」開催のお礼”. レッドブル・エアレース千葉2015―ようこそ千葉市へ! ―. 千葉市. 2015年9月7日閲覧。
  4. ^ a b 世界最速のモータースポーツ 日本初開催決定!”. レッドブル・エアレース公式サイト ―. レッドブル. 2017年10月18日閲覧。
  5. ^ 空のF1「レッドブル・エアレース」パイロットの室屋義秀、千葉ロッテ戦の始球式に登場”. exiteニュース ―. CYCLE. 2017年10月18日閲覧。
  6. ^ Team MUROYA announces new race aircraft.”. Facebook (2015年3月1日). 2015年9月7日閲覧。
  7. ^ 機体を変えて千葉に挑む室屋義秀”. Red Bull Air Race (2015年3月26日). 2015年9月7日閲覧。
  8. ^ 千葉へ向けて準備を進めるパイロットたち”. Red Bull Air Race (2015年4月27日). 2015年9月7日閲覧。
  9. ^ パイロット達が日本初開催のレッドブル・エアレース成功を神社で祈願”. Red Bull Air Race (2015年5月14日). 2015年9月7日閲覧。
  10. ^ 気品漂う千葉大会のトロフィー”. Red Bull Air Race (2015年5月17日). 2015年9月7日閲覧。
  11. ^ 海上自衛隊の救難飛行艇「US-2」登場 | Red Bull Air Race
  12. ^ 千葉市消防航空隊デモンストレーション決定 | Red Bull Air Race
  13. ^ 6万人の大観衆を前にボノムが優勝”. Red Bull Air Race (2015年5月17日). 2015年9月7日閲覧。
  14. ^ 機体の発着会場設営を支える専門チーム”. Red Bull Air Race (2015年5月15日). 2015年9月7日閲覧。
  15. ^ 総力を挙げたトラック建設が夜明けと共にスタート”. Red Bull Air Race (2015年5月14日). 2015年9月7日閲覧。
  16. ^ 準備を進めるレースディレクター”. Red Bull Air Race (2015年5月13日). 2015年9月7日閲覧。
  17. ^ 予選終了後のパイロットコメント”. Red Bull Air Race (2015年5月16日). 2015年9月7日閲覧。
  18. ^ レースディレクターが語る決勝レースの見所”. Red Bull Air Race (2015年5月17日). 2015年9月7日閲覧。
  19. ^ a b 平常心のイワノフが予選首位通過”. Red Bull Air Race (2015年5月16日). 2015年9月7日閲覧。
  20. ^ a b c d 室屋義秀が最速タイムでラウンド・オブ・8へ進出”. Red Bull Air Race (2015年5月17日). 2015年9月7日閲覧。
  21. ^ ラウンド・オブ・8のアクションまとめ”. Red Bull Air Race (2015年5月17日). 2015年9月7日閲覧。
  22. ^ a b c ボノムが開幕戦アブダビに続き2連勝!”. Red Bull Air Race (2015年5月17日). 2015年9月7日閲覧。
  23. ^ 速報リザルト:チャレンジャークラス・トレーニング”. Red Bull Air Race (2015年5月16日). 2015年9月7日閲覧。
  24. ^ 速報リザルト:チャレンジャーカップはコプシュタインが安定したパフォーマンスで優勝”. Red Bull Air Race (2015年5月17日). 2015年9月7日閲覧。
  25. ^ 浅田真樹 (2015年5月19日). “念願のエアレース日本大会で室屋義秀が笑顔。「人生で一番いい日」”. Web Sportiva. 集英社. 2015年9月7日閲覧。

外部リンク編集


前レース:
開幕戦   アブダビ
レッドブル・エアレース・ワールドシリーズ
2015年シーズン
第2戦   千葉
次レース:
第3戦   ロヴィニ