2017年の日本シリーズ

2017年の日本プロ野球日本シリーズ

2017年の日本シリーズ(2017ねんのにっぽんシリーズ、2017ねんのにほんシリーズ)は、2017年(平成29年)10月28日から11月4日まで開催された横浜DeNAベイスターズ(以下、DeNA)と福岡ソフトバンクホークス(以下、ソフトバンク)による第68回日本選手権シリーズである。

NPB 2017年の日本シリーズ
 SMBC日本シリーズ2017
胴上げされる工藤監督
ゲームデータ
日本一
福岡ソフトバンクホークス
2年ぶり8回目
4勝2敗
スポンサー 三井住友銀行
試合日程 2017年10月28日 - 11月4日
最高殊勲選手 デニス・サファテ
敢闘賞選手 宮﨑敏郎
チームデータ
福岡ソフトバンクホークス(パ)
監督 工藤公康
シーズン成績 94勝49敗0分
(シーズン1位/CS優勝)
横浜DeNAベイスターズ(セ)
監督 アレックス・ラミレス
シーズン成績 73勝65敗5分
(シーズン3位/CS優勝)
クライマックスシリーズ
セントラル・リーグ
パシフィック・リーグ
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概要 編集

2014年から4年連続で、NPBパートナーの三井住友フィナンシャルグループ三井住友銀行、SMBC)を冠スポンサーに迎え「SMBC日本シリーズ2017」として開催された[1]

ソフトバンクは2015年以来2年ぶりとなる日本シリーズ出場、一方のDeNAは2010年千葉ロッテマリーンズ以来2球団目、セ・リーグでは初めてリーグ3位からクライマックスシリーズを勝ち上がり、1998年以来19年ぶりとなる日本シリーズ出場を決めた。リーグ優勝チームではない球団の日本シリーズ出場は、2014年阪神タイガース同年のセ・リーグクライマックスシリーズ優勝・レギュラーシーズンはリーグ2位)以来3年ぶり。また、ソフトバンクとDeNAの組み合わせは両球団の前身も含め初めてとなった。これにより2015年以来日本シリーズは初対戦の組み合わせが史上最長の3年連続となった(翌2018年に4年連続に記録更新)。出場する両チーム親会社がIT企業同士の組み合わせも史上初である。なおソフトバンクの工藤公康監督と主将の内川聖一はいずれもDeNA前身の横浜に選手として在籍経験があり、古巣との対戦となった。

このシリーズでセ・リーグ6球団は全て、21世紀になってから1度は日本シリーズ出場を果たしたことになった[注 1]。同一の十年代でセ・リーグ6球団が全て日本シリーズに1度は進出したのも初めてのことである。

2018年から延長戦が12回までに短縮されたことにより、延長15回制限はこの年が最後となった。また平成時代でのリーグ優勝球団の日本一は今大会が最後となった[注 2]。パ・リーグの日本シリーズ5連覇もこれが初となり、その後2020年の8連覇まで記録更新を続けた。

今シリーズはDeNAが2勝して本拠地横浜スタジアムでのソフトバンクの日本一を阻止したため、横浜スタジアムはセ・リーグの本拠地で唯一、ホークスが前身の南海やダイエー時代を含めて日本一の胴上げの経験がない[注 3][注 4] 球場となっている(2022年終了時点)。

試合日程 編集

SMBC日本シリーズ2017
日付 試合 ビジター球団(先攻) スコア ホーム球団(後攻) 開催球場
10月28日(土) 第1戦 横浜DeNAベイスターズ 1 - 10 福岡ソフトバンクホークス 福岡 ヤフオク!ドーム
10月29日(日) 第2戦 横浜DeNAベイスターズ 3 - 4 福岡ソフトバンクホークス
10月30日(月) 移動日
10月31日(火) 第3戦 福岡ソフトバンクホークス 3 - 2 横浜DeNAベイスターズ 横浜スタジアム
11月1日(水) 第4戦 福岡ソフトバンクホークス 0 - 6 横浜DeNAベイスターズ
11月2日(木) 第5戦 福岡ソフトバンクホークス 4 - 5 横浜DeNAベイスターズ
11月3日(金) 移動日
11月4日(土) 第6戦 横浜DeNAベイスターズ 3 - 4x 福岡ソフトバンクホークス 福岡 ヤフオク!ドーム
優勝:福岡ソフトバンクホークス (2年ぶり8回目)
※いずれかのチームが4勝先取した時点で、日本シリーズは終了とする。
※第5戦以前に中止試合が発生した場合、第5戦と第6戦の間の移動日は設けない(ただし「広島東洋カープ対東北楽天ゴールデンイーグルス」の組み合わせになった場合には、中止試合が発生した場合でも第5戦と第6戦の間の移動日は設けることとなっていた)[2]
※パ・リーグのホームゲーム(第1・2・6戦)では指名打者制を採用(行われるはずだった第7戦でも)。また、監督会議にてソフトバンク・工藤公康監督が予告先発の採用を提案したが、DeNA・アレックス・ラミレス監督が拒否したため、予告先発は行わない[3]
※試合中に全国瞬時警報システム(Jアラート)が発信された場合は、安全確認が取れるまで試合中断となる。なお、プレー進行中の場合はプレー終了後中断となる[4]。また横浜スタジアム開催試合では、同球場が2020年東京オリンピックの会場に選ばれた事と、アメリカ合衆国大統領ドナルド・トランプの訪日(11月5日から7日まで)に伴う首都圏警備強化により、神奈川県警察テロ対策として球場周辺に機動隊を配置するなど、厳戒態勢が敷かれた[5]

試合開始時刻 編集

いずれも18:30。ただし、行われなかった第7戦については18:15開始を予定していた。

クライマックスシリーズからの勝ち上がり表 編集

CS1st CSファイナル 日本選手権シリーズ
                   
 
(6戦4勝制<含・アドバンテージ1>)
MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島
 
 広島(セ優勝) ☆○●●●●
(3戦2勝制)
阪神甲子園球場
 DeNA ★●○○○○
 阪神(セ2位) ○●●
(7戦4勝制)
横浜スタジアム
福岡 ヤフオク!ドーム
 DeNA(セ3位) ●○○
 DeNA(セCS優勝) ●●●○○●
 ソフトバンク(パCS優勝) ○○○●●○
 
(6戦4勝制<含・アドバンテージ1>)
福岡ヤフオク!ドーム
 
 ソフトバンク(パ優勝) ☆●●○○○
(3戦2勝制)
メットライフドーム
 
 楽天 ★○○●●●
 西武(パ2位) ○●●     
 楽天(パ3位) ●○○     
☆・★=クライマックスシリーズ・ファイナルのアドバンテージ1勝・1敗分

出場資格者 編集

福岡ソフトバンクホークス
役職 背番号 名前
監督 81 工藤公康 -
コーチ 79 達川光男(ヘッド) -
70 佐藤義則(チーフ投手) -
98 髙村祐(投手) -
83 立花義家(打撃) -
76 藤本博史(打撃) -
88 鳥越裕介(内野守備走塁) -
93 村松有人(外野守備走塁) -
84 清水将海(バッテリー) -
86 森浩之(作戦兼バッテリー補佐) -
94 倉野信次(投手統括) -
投手 11 中田賢一
16 東浜巨
17 岩嵜翔
20 寺原隼人
21 和田毅
29 石川柊太
30 武田翔太
35 L.モイネロ
38 森唯斗
41 千賀滉大
44 R.バンデンハーク
48 岡本健
50 攝津正
53 五十嵐亮太
57 嘉弥真新也
58 D.サファテ
67 笠谷俊介
捕手 12 髙谷裕亮
22 斐紹
31 栗原陵矢
33 鶴岡慎也
62 甲斐拓也
内野手 0 髙田知季
2 今宮健太
3 松田宣浩
4 川島慶三
8 明石健志
46 本多雄一
69 曽根海成
外野手 1 内川聖一
6 吉村裕基
7 中村晃
9 柳田悠岐
23 城所龍磨
24 長谷川勇也
32 塚田正義
37 福田秀平
43 江川智晃
51 上林誠知
54 A.デスパイネ
横浜DeNAベイスターズ
役職 背番号 名前
監督 80 A.ラミレス -
コーチ 83 青山道雄(総合) -
73 小川博文(打撃) -
77 坪井智哉(打撃) -
76 篠原貴行(投手) -
73 木塚敦志(投手) -
82 万永貴司(内野守備走塁) -
75 上田佳範(外野守備走塁) -
90 光山英和(バッテリー) -
投手 14 石田健大
15 井納翔一
17 三嶋一輝
19 山﨑康晃
20 須田幸太
21 今永昇太
26 濵口遥大
28 福地元春
29 尾仲祐哉
30 飯塚悟史
34 平田真吾
35 三上朋也
46 田中健二朗
47 砂田毅樹
53 S.パットン
56 J.ウィーランド
62 E.エスコバー
68 藤岡好明
捕手 10 戸柱恭孝
32 髙城俊人
39 嶺井博希
内野手 2 J.ロペス
5 倉本寿彦
6 白崎浩之
7 石川雄洋
31 柴田竜拓
38 山下幸輝
44 佐野恵太
51 宮﨑敏郎
55 G.後藤武敏
67 田中浩康
98 A.シリアコ
外野手 3 梶谷隆幸
4 荒波翔
25 筒香嘉智
33 乙坂智
37 桑原将志
52 細川成也
60 白根尚貴
63 関根大気

試合結果 編集

第1戦 編集

チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
DeNA 0 0 0 0 1 0 0 0 0 1 6 1
ソフトバンク 1 2 0 0 7 0 0 0 X 10 9 1
  1. De:井納(4回1/3)、田中健(0回2/3)、須田(1回)、平田(1回)、砂田(1回)
  2. ソ:千賀(7回)、森(1回)、嘉弥真(0回2/3)、寺原(0回1/3)
  3. 千賀 1勝  井納 1敗  
  4. 本塁打
    ソ:長谷川勇 1号(2回裏2ラン)
  5. 審判
    [球審]深谷
    [塁審]一塁:土山、二塁:橘髙、三塁:牧田
    [外審]左翼:津川、右翼:西本[7]
  6. 試合時間:3時間13分 観客:36,183人[6]

ソフトバンクが2桁得点で大勝した。1回にデスパイネの左前適時打で1点を先制。2回には長谷川の本塁打で2点を追加、5回には7点を加えて突き放した。DeNAは先発の井納が打たれ、得点も桑原の遊ゴロの間に生還した1点に留まった。

国歌独唱はEXILETAKAHIRO[8]世界体操女子種目別ゆかで金メダルを獲得した村上茉愛日本体育大学)が始球式を行い、バック転のパフォーマンスも披露した[9]

第2戦 編集

チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
DeNA 0 0 0 0 0 3 0 0 0 3 5 1
ソフトバンク 1 0 0 0 0 0 3 0 X 4 8 0
  1. De:今永(6回)、三上(0回1/3)、砂田(0回0/3)、パットン(0回2/3)、エスコバー(1回)
  2. ソ:東浜(5回1/3)、嘉弥真(0回1/3)、森(0回1/3)、石川(1回)、モイネロ(1回)、サファテ(1回)
  3. 石川 1勝  パットン 1敗  Sサファテ 1S  
  4. 本塁打
    De:梶谷 1号(6回表ソロ)、宮﨑 1号(6回表2ラン)
  5. 審判
    [球審]牧田
    [塁審]一塁:橘髙、二塁:津川、三塁:西本
    [外審]左翼:秋村、右翼:土山
  6. 試合時間:3時間56分 観客:36,082人[10]

ソフトバンクが連勝した。デスパイネの左前適時打でソフトバンクが第1戦と同じような流れで先制するが、DeNAは6回に梶谷と宮崎の本塁打で逆転に成功する。しかしソフトバンクがDeNAの中継ぎ陣を攻め立て、中村の右前適時打で3塁走者が生還して同点となり、さらに逆転を狙った2塁走者の今宮がホームでアウトになった。しかし、ビデオ判定に縺れた末に今宮の生還が認められ再逆転し、最後はサファテで逃げ切った。DeNAの先発・今永も粘りの投球を見せたが報われず、敗戦投手のパットンは併殺打と思われた打球が倉本の拙守で1つのアウトも取れず、先述の逆転打に繋がった。そして本拠地横浜スタジアムでの胴上げはなくなった。

大会スポンサーである三井住友銀行のイメージキャラクターを務める女優の吉高由里子が始球式を担当した[11]

第3戦 編集

チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
ソフトバンク 1 0 0 2 0 0 0 0 0 3 7 0
DeNA 0 0 0 1 0 1 0 0 0 2 7 0
  1. ソ:武田(4回1/3)、石川(1回)、嘉弥真(0回0/3)、森(0回2/3)、モイネロ(1回)、岩嵜(1回)、サファテ(1回)
  2. De:ウィーランド(5回1/3)、砂田(0回2/3)、エスコバー(1回)、井納(1回)、パットン(1回)
  3. :石川 2勝  ウィーランド 1敗  S:サファテ 2S  
  4. 本塁打
    De:ロペス 1号(4回裏ソロ)
  5. 審判
    [球審]西本
    [塁審]一塁:津川、二塁:秋村、三塁:土山
    [外審]左翼:深谷、右翼:橘髙
  6. 試合時間:3時間53分 観客:27,153人[12]

1回に内川が右中間フェンス直撃の適時二塁打を放ち、3戦連続でソフトバンクが先制した。4回には伏兵・髙谷の中前適時打で2点を加えた。DeNAはその裏、ロペスの左翼ボール側への本塁打で1点を返すと、6回の好機では倉本が前の試合のミスを帳消しにする執念の内野安打で1点差に詰め寄った。しかし、続く桑原の良い当たりは右翼手の正面に飛び、反撃もここまでに終わった[13]。これでソフトバンクが日本一に王手をかけた一方、DeNAは過去2度の日本シリーズで負けがなかった本拠地でも敗北を喫した。なお、ソフトバンクは3試合続けて育成出身の投手が勝利投手となった。石川の今シリーズ2勝目は育成出身選手として初の快挙であった。

DeNAは前身球団である大洋、横浜時代を通じ過去日本シリーズにおいて本拠地では5戦無敗(ただし大洋時代は川崎球場)だったが、この試合で日本シリーズ本拠地初の敗戦を喫した。

国歌斉唱は神奈川フィルハーモニー管弦楽団の演奏で行われ、1998年の日本シリーズ当時横浜のクローザーを務めた「ハマの大魔神」こと佐々木主浩が始球式を行った[14]

第4戦 編集

チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
ソフトバンク 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 2 0
DeNA 0 0 0 0 2 0 1 3 X 6 12 1
  1. ソ:和田(5回)、石川(1回)、五十嵐(1回)、攝津(1回)
  2. De:濵口(7回2/3)、パットン(0回1/3)、山﨑康(1回)
  3. 濵口 1勝  和田 1敗  
  4. 本塁打
    De:宮﨑 2号(5回裏ソロ)、髙城 1号(7回裏ソロ)
  5. 審判
    [球審]土山
    [塁審]一塁:秋村、二塁:深谷、三塁:橘髙
    [外審]左翼:牧田、右翼:津川
  6. 試合時間:3時間02分 観客:27,162人[15]

DeNAがシリーズ初勝利。ルーキーの濵口が8回一死までノーヒットノーランの快投を見せ、シリーズ初出場の髙城が3打点とバッテリーの活躍が光った。ソフトバンクは4連勝での日本一は逃した。

世界パラ陸上ロンドンにて2種目で銅メダルを獲得した上與那原寛和が始球式を担当した。

第5戦 編集

チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
ソフトバンク 1 0 0 0 3 0 0 0 0 4 11 1
DeNA 0 0 0 2 0 3 0 0 X 5 6 1
  1. ソ:バンデンハーク(5回1/3)、モイネロ(1回2/3)、岩嵜(1回)
  2. De:石田(4回2/3)、三上(0回1/3)、砂田(1回)、エスコバー(1回)、パットン(0回2/3)、山﨑康(1回1/3)
  3. 砂田 1勝  モイネロ 1敗  S山﨑康 1S  
  4. 本塁打
    ソ:中村晃 1号(5回表2ラン)
    De:筒香 1号(4回裏2ラン)
  5. 審判
    [球審]橘高
    [塁審]一塁:深谷、二塁:牧田、三塁:津川
    [外審]左翼:西本、右翼:秋村
  6. 試合時間:3時間35分 観客:27,180人[16]

DeNAが接戦をものにし、横浜スタジアムでのソフトバンクの胴上げを阻止した。4回に筒香のシリーズ第1号本塁打で逆転するとその後再度リードを許したが、6回に再び筒香が適時二塁打を放ち、宮崎の中前適時打で同点とした。更に嶺井の二ゴロをソフトバンクの明石がファンブルし、再逆転に成功した。DeNAは8回表2死から抑えの山崎康を投入、ソフトバンク柳田を空振り三振に仕留め、9回も山崎が続投し抑えた[17]。なお、この試合の勝利投手である砂田は育成出身であり、第1戦~第3戦に続く育成出身投手が勝利投手となる試合となった。

第6戦 編集

チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 R H E
DeNA 0 0 0 0 3 0 0 0 0 0 0 3 11 0
ソフトバンク 0 1 0 0 0 0 0 1 1 0 1x 4x 5 1
  1. De:今永(7回0/3)、井納(0回1/3)、砂田(0回1/3)、パットン(0回1/3)、山﨑康(1回)、エスコバー(1回1/3)、三上(0回2/3)
  2. ソ:東浜(4回1/3)、嘉弥真(0回1/3)、石川(0回1/3)、森(1回)、モイネロ(1回)、岩嵜(1回)、サファテ(3回)
  3. :サファテ 1勝2S  エスコバー 1敗  
  4. 本塁打
    De:白崎 1号(5回表ソロ)
    ソ:松田 1号(2回裏ソロ)、内川 1号(9回裏ソロ)
  5. 審判
    [球審]津川
    [塁審]一塁:牧田、二塁:西本、三塁:秋村
    [外審]左翼:土山、右翼:深谷
  6. 試合時間:4時間22分 観客:36,118人[18]

ソフトバンクがサヨナラ勝ちで日本一を掴んだ。ソフトバンクは2回、松田の本塁打で先制した。一方のDeNAも白崎の本塁打やロペスの左前適時打で逆転。9回に内川が山崎から起死回生の同点本塁打を放つと延長11回に川島が右前適時打で勝負を決めた。サファテは来日初となる3イニングを投げ、チームの勝利に大いに貢献した[19]。DeNAの今永は再び好投したものの、リリーフ陣が打たれた。

ソフトバンクはこれで2年ぶり8度目の日本一となり、優勝回数は巨人の22回、西武(前身の西鉄を含む)の13回に次ぐ歴代3位となった。また本拠地で開催された3試合に全て勝利したことから、2011年中日第7戦以降日本シリーズ本拠地9連勝を達成し1987年-1991年の西武、および1995年-2015年ヤクルトによる本拠地8連勝を抜き、1970年-1973年V9最後の4年)にかけて巨人が達成した本拠地10連勝(当時は後楽園球場)に次ぐ歴代2位となった。DeNAは、前身である大洋ホエールズの球団創設以来初めて日本シリーズにおける敗退を経験した。さらに史上初めて「セ・リーグ6球団とも最後に出場した日本シリーズで敗退」となった[注 5]。「日本シリーズ未出場または」を付け加えても第1回日本シリーズでセ・リーグ代表の松竹が敗退した年(1950年)以来である。また、2014年阪神に続く「下克上チームの敗退」となった。なお、サヨナラゲームでの日本一決定は1950年毎日松竹のエラー)、1965年巨人土井正三タイムリー)、1988年西武伊東勤のタイムリー)に次いで29年ぶり4チーム目、平成以降では初となった[20]。ソフトバンク監督の工藤は、投手出身の監督として藤田元司(巨人)以来2人目となる2度目の日本シリーズ優勝を達成した監督となった[21]

NPBガールズトーナメント2017にFUKUOKAガールズのエースとして出場した、当時八女市立星野小学校6年の児童が始球式を担当した[22]

表彰選手 編集

  • 最高殊勲選手賞(MVP):デニス・サファテ(ソフトバンク)
    • 第2戦、第3戦でセーブを挙げ、日本一となった第6戦では3イニングを投げ、勝利投手に。投手として2セーブ以上を挙げMVPとなった、および日本シリーズ1勝のみでMVPとなったのは1975年山口高志阪急)、1986年の工藤公康(西武)以来3人目、救援登板のみで日本シリーズMVPを獲得したのは、1982年東尾修(西武)以来2人目。日本シリーズでの外国籍選手のMVPは、2016年のブランドン・レアード日本ハム)に次いで3年連続9人目で、投手に限ると1964年のジョー・スタンカ(南海)以来53年ぶり2人目。ソフトバンク(前身の南海、ダイエーを含む)の外国籍選手では、スタンカ、2015年の李大浩に次ぐ3人目となる[23]。なお、合計投球イニング数5回でのMVP受賞は2013年美馬学楽天)の11回2/3を大幅に下回る最少記録となった[24]
  • 敢闘選手賞:宮﨑敏郎(DeNA)
  • 優秀選手賞(3名):柳田悠岐内川聖一(ソフトバンク)、濵口遥大(DeNA)

記録 編集

※出典:[25]

  • 2013年から5年連続、パ・リーグ代表チームが日本シリーズを制した。今まで記録したリーグ最長記録の4連覇を更新。

個人 編集

テレビ・ラジオ放送およびネット配信 編集

テレビ放送 編集

第1戦(10月28日)
第2戦(10月29日)
第3戦(10月31日)
  • TBS系列≪地上波≫
    • 放送時間
      • 第1部…18:15 - 18:33
      • 第2部…18:33 - 22:32(番組全体で95分延長)
  • TBSチャンネル2 名作ドラマ・スポーツ・アニメ≪有料CS≫[26]
    • 放送時間:18:15 - 23:30
第4戦(11月1日)
  • TBS系列≪地上波≫
    • 放送時間
      • 第1部…18:15 - 18:32
      • 第2部…18:32 - 21:47
      • 第3部…21:47 - 22:00
  • NHK BS1≪BS放送≫
    • 放送時間:18:15 - 21:50
  • TBSチャンネル2 名作ドラマ・スポーツ・アニメ≪有料CS≫[26]
    • 放送時間:18:15 - 23:30
第5戦(11月2日)
  • TBS系列≪地上波≫
    • 放送時間
      • 第1部…18:15 - 18:32
      • 第2部…18:32 - 22:15(番組全体で15分延長)
  • TBSチャンネル2 名作ドラマ・スポーツ・アニメ≪有料CS≫[26]
    • 放送時間:18:15 - 23:30
第6戦(11月4日)

※第7戦が行われた場合、日本テレビ系列≪地上波≫・NHK BS1≪BS放送≫・日テレジータス≪有料CS≫[29]にて放送予定であった

今大会の視聴率 編集

  • 今大会のテレビ中継における平均視聴率については以下の通り
    • 関東地区(ビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯・リアルタイム)
      • 第1戦・第1部:9.8%(TBSテレビ)
      • 同・第2部:9.8%(TBSテレビ)
      • 第2戦:11.2%(フジテレビ)
      • 第3戦・第1部:7.7%(TBSテレビ)
      • 同・第2部:13.9%(TBSテレビ)
      • 第4戦・第1部:6.1%(TBSテレビ)
      • 同・第2部:12.8%(TBSテレビ)
      • 同・第3部:8.9%(TBSテレビ)
      • 第5戦・第1部:7.3%(TBSテレビ)
      • 同・第2部:15.6%(TBSテレビ)
      • 第6戦:15.3%(テレビ朝日)
    • 北部九州地区(ビデオリサーチ調べ、北部九州地区・世帯・リアルタイム)
      • 第1戦・第1部:20.9%(RKB毎日放送
      • 同・第2部:26.3%(RKB毎日放送)
      • 第2戦:25.5%(テレビ西日本
      • 第3戦・第1部:17.7%(RKB毎日放送)
      • 同・第2部:31.8%(RKB毎日放送)
      • 第4戦・第1部:15.8%(RKB毎日放送)
      • 同・第2部:25.0%(RKB毎日放送)
      • 同・第3部:9.6%(RKB毎日放送)
      • 第5戦・第1部:17.7%(RKB毎日放送)
      • 同・第2部:32.3%(RKB毎日放送)
      • 第6戦:27.3%(九州朝日放送

ラジオ放送 編集

第1戦(10月28日)
第2戦(10月29日)
  • NHKラジオ第1≪全国放送≫
  • RKB毎日放送≪JRN…TBSラジオ・CBCラジオ・朝日放送(ABC)他≫
  • 九州朝日放送(KBC)≪NRN…STVラジオ・東海ラジオ(SF)・毎日放送(MBS)≫
  • ニッポン放送(LF)≪関東広域圏ローカル≫
  • 文化放送(QR)≪関東広域圏ローカル≫
第3戦(10月31日)
  • NHKラジオ第1≪全国放送≫
  • TBSラジオ≪JRN…CBCラジオ・毎日放送(MBS)・中国放送(RCC)他≫
  • ニッポン放送(LF)≪関東広域圏ローカル≫
  • 文化放送(QR)≪NRN…STVラジオ・東海ラジオ(SF)・朝日放送(ABC)≫
  • RKB毎日放送≪福岡県ローカル≫
  • 九州朝日放送(KBC)≪福岡県ローカル≫
第4戦(11月1日)
  • NHKラジオ第1≪全国放送≫
  • TBSラジオ≪JRN…CBCラジオ・毎日放送(MBS)・中国放送(RCC)≫
  • ニッポン放送(LF)≪NRN…STVラジオ・東海ラジオ(SF)・朝日放送(ABC)他≫
  • 文化放送(QR)≪関東広域圏ローカル≫
  • RKB毎日放送≪福岡県ローカル≫
  • 九州朝日放送(KBC)≪福岡県ローカル≫
第5戦(11月2日)
  • NHKラジオ第1≪全国放送≫
  • TBSラジオ≪JRN…CBCラジオ・毎日放送(MBS)・中国放送(RCC)≫
  • ニッポン放送(LF)≪関東広域圏ローカル≫
  • 文化放送(QR)≪NRN…STVラジオ・東海ラジオ(SF)・朝日放送(ABC)他≫
  • RKB毎日放送≪福岡県ローカル≫
  • 九州朝日放送(KBC)≪福岡県ローカル≫
第6戦(11月4日)
  • NHKラジオ第1≪全国放送≫
  • RKB毎日放送≪JRN…TBSラジオ・CBCラジオ・朝日放送(ABC)他≫
  • 九州朝日放送(KBC)≪NRN…STVラジオ・東海ラジオ(SF)・毎日放送(MBS)≫
  • ニッポン放送(LF)≪関東広域圏ローカル≫
  • 文化放送(QR)≪関東広域圏ローカル≫

※第7戦が開催された場合は以下の放送予定であった。

  • NHKラジオ第1≪全国放送≫
  • RKB毎日放送≪JRN…TBSラジオ・CBCラジオ・朝日放送(ABC)他≫
  • 九州朝日放送(KBC)≪NRN…文化放送(QR)・STVラジオ・東海ラジオ(SF)・毎日放送(MBS)≫
  • ニッポン放送(LF)≪関東広域圏ローカル≫

ネット配信 編集

第6戦
  • AbemaTV スポーツチャンネル

脚注 編集

  1. ^ パ・リーグでは、2004年に合併消滅した近鉄バファローズは2001年、2005年に誕生した東北楽天ゴールデンイーグルスは2013年にそれぞれ日本シリーズに出場しており、唯一オリックス・バファローズだけ出場経験がなかったが、2021年に日本シリーズ出場を決め、21世紀に存在したNPB全13球団が全て出場した。
  2. ^ ソフトバンクは翌2018年も日本一となっているが、リーグ2位からの勝ち上がりである。
  3. ^ 福岡に本拠地を置く球団はこれまで11回日本一になっているが、セ・リーグの本拠地では西鉄が後楽園球場で3回、ダイエー時代のホークスがナゴヤドームで1回日本一を成し遂げており、ホークスがソフトバンクになってからの6回はMAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島神宮球場東京ドームで一度ずつ成し遂げている。阪神甲子園球場1964年にホークスが当時、大阪に本拠地を置いていた南海で達成されている。
  4. ^ ホークスに限らず、現存するパ・リーグ6球団全てにおいても横浜スタジアムでの日本一の胴上げ経験がない。
  5. ^ 広島2016年・ヤクルト2015年・阪神2014年・巨人2013年・中日2011年(対戦相手は巨人のみ楽天、他はソフトバンク)
  6. ^ 関東ほか一部地域のみ、17:55 - 18:00に事前枠『もうすぐSMBC日本シリーズ2017』も別途放送。
  7. ^ 21:54以降は後続番組『サタデーステーション』(21:54 - 23:24、60分繰り下げ・30分拡大)内にて継続中継を実施。

出典 編集

  1. ^ 「日本シリーズ2017」特別協賛社に株式会社三井住友銀行 NPB日本野球機構
  2. ^ 開催要項|SMBC日本シリーズ2017
  3. ^ ラミレス監督、工藤監督の日本S予告先発提案を拒否 日刊スポーツ 2017年10月27日閲覧。
  4. ^ 日本シリーズで異例マニュアル…Jアラート発信なら中断 安全確認後に再開へSponichiAnnex 2017年10月28日
  5. ^ 五輪念頭に日本シリーズ警備強化 横浜スタジアム - NHK NEWS WEB 2017年10月31日
  6. ^ ニッカン式スコア ソフトバンク対DeNA”. 日刊スポーツ (2017年10月28日). 2017年10月29日閲覧。
  7. ^ 【SMBC日本シリーズ】 福岡ソフトバンクホークス vs 横浜DeNAベイスターズ 第1戦”. 日本野球機構 (2017年10月28日). 2017年10月30日閲覧。
  8. ^ TAKAHIRO「心を込め歌いました」君が代独唱”. 日刊スポーツ (2017年10月28日). 2017年10月29日閲覧。
  9. ^ 「ゴムまり娘」ワンダホー始球式 3回連続バック転でマウンドへ”. スポーツニッポン (2017年10月29日). 2017年10月29日閲覧。
  10. ^ 【SMBC日本シリーズ】 福岡ソフトバンクホークス vs 横浜DeNAベイスターズ 第2戦”. 日本野球機構 (2017年10月29日). 2017年10月30日閲覧。
  11. ^ 左腕・吉高由里子、日本S始球式でチェンジアップ披露!?”. サンケイスポーツ (2017年10月29日). 2017年10月29日閲覧。
  12. ^ 【SMBC日本シリーズ】 横浜DeNAベイスターズ vs 福岡ソフトバンクホークス 第3戦”. 日本野球機構 (2017年10月31日). 2017年11月1日閲覧。
  13. ^ ソフトバンク3連勝日本一王手!DeNA本拠初黒星”. 日刊スポーツ (2017年10月31日). 2017年11月1日閲覧。
  14. ^ 大魔神佐々木氏、宝刀フォークか?ワンバン始球式”. 日刊スポーツ (2017年10月31日). 2017年11月2日閲覧。
  15. ^ 【SMBC日本シリーズ】 横浜DeNAベイスターズ vs 福岡ソフトバンクホークス 第4戦”. 日本野球機構 (2017年11月1日). 2017年11月2日閲覧。
  16. ^ 【SMBC日本シリーズ】 横浜DeNAベイスターズ vs 福岡ソフトバンクホークス 第5戦”. 日本野球機構 (2017年11月2日). 2017年11月3日閲覧。
  17. ^ DeNA2勝!筒香1号&3打点、山崎康回またぎS”. 日刊スポーツ (2017年11月2日). 2017年11月3日閲覧。
  18. ^ 【SMBC日本シリーズ】 福岡ソフトバンクホークス vs 横浜DeNAベイスターズ 第6戦”. 日本野球機構 (2017年11月4日). 2017年11月4日閲覧。
  19. ^ 鷹サファテ、衝撃3イニングでMVP 工藤監督が明かす"舞台裏"”. full-count. 2017年11月25日閲覧。
  20. ^ ソフトバンク8度目Vは歴代3位、本拠地連勝も9に”. nikkansports.com. 日刊スポーツ新聞社 (2017年11月5日). 2017年11月5日閲覧。
  21. ^ SB日本一で工藤監督、DeNAとの遺恨激白「わかんねぇ~な」 6年前に監督就任寸前で交渉決裂”. zakzak. 産経デジタル (2017年11月7日). 2017年11月7日閲覧。
  22. ^ 【日本S・福岡決戦】第6戦始球式、野球少女のナイスボールに観衆どよめき…「ファーム経験」生きる”. 西日本スポーツ (2017年11月4日). 2017年11月5日閲覧。
  23. ^ サファテ“男気”来日最長3回0封「全部使い切ってしまった」”. Sponichi Annex. スポーツニッポン新聞社 (2017年11月5日). 2017年11月5日閲覧。
  24. ^ MVPサファテ初3回!スタンカ以来53年ぶり快挙”. nikkansports.com. 日刊スポーツ新聞社 (2017年11月5日). 2018年3月16日閲覧。
  25. ^ http://npb.jp/nippons/2017/record.html
  26. ^ a b c d プロ野球 SMBC日本シリーズ”. TBSチャンネル公式サイト. 2017年10月29日閲覧。
  27. ^ SMBC日本シリーズ2017第2戦 福岡ソフトバンクvs横浜DeNA”. フジテレビワンツーネクスト公式サイト. 2017年10月29日閲覧。
  28. ^ SMBC日本シリーズ2017”. テレ朝チャンネル公式サイト. 2017年11月5日閲覧。
  29. ^ SMBC日本シリーズ2017 日テレジータス 2017年10月22日閲覧。
  30. ^ NHKラジオ「radiko」に期間限定で配信 10月2日から半年間 ORICON NEWS 2017年9月20日

関連項目 編集

外部リンク 編集