2018年-19年のフォーミュラE

2018年-19年のフォーミュラEのシーズン
前年: 2017年-18 翌年: 2019年-20

2018年-19年のフォーミュラEは、フォーミュラEの5年目のシーズンである。

レギュレーション変更 編集

  • 今シーズンから新たなシャシー「Gen2」が導入される。「Gen2」はバッテリーの大容量化が図られ電力量が約2倍になったため、マシン乗り換えの必要がなくなった[1]
  • 従来、規定周回数で争われていたレースは、45分+1周の時間レースとなる。
  • スーパーポールの枠が1つ増え、上位6名がスーパーポールに進出できるようになった。
  • 決勝レース中に使用できる新たなパワーモードとして「アタックモード」が設けられる。決勝では通常時の最大出力が200kWなのに対し、アタックモードでは最大225kWまでの出力を使用することが認められる。一方でアタックモードの利用にはレーシングライン外に設けられる「アクティベーションゾーン」を通過した上で、ステアリング上にあるボタンを押さなければいけない(この仕組みはマリオカートシリーズを参考にしたという)[2]。なおアタックモードを利用できる時間・回数については、各エントラントがシミュレーションで最適解を見つけるのを防ぐため、決勝レーススタートの数時間前まで公開されない[2]
  • ファンブーストの獲得者が3名から5名に拡大される。ファンブースト獲得者は、アタックモードのうち1回で、最大250kWまでの出力が使用できる。ただし、レースタイムの経過時間が23分以降でなければ使用できない。

参戦チーム・ドライバー 編集

  • 前年度チャンピオンのジャン=エリック・ベルニュはカーナンバー「25」を継続して使用するため、2シーズンぶりにカーナンバー「1」が不在のシーズンとなる。
エントラント マニュファクチャラー マシン名 No. ドライバー 参戦Rd. リザーブドライバー
  DS・テチーター DSオートモビルズ DS E-Tense FE 19 25   ジャン=エリック・ベルニュ All   ジェームズ・ロシター
  周冠宇
36   アンドレ・ロッテラー All
  アウディスポーツ・アプト・シェフラー・フォーミュラEチーム アウディスポーツ Audi e-tron FE05 11   ルーカス・ディ・グラッシ All   ニコ・ミュラー
66   ダニエル・アプト All
  エンヴィジョン・ヴァージン・レーシング アウディスポーツ Audi e-tron FE05 2   サム・バード All
4   ロビン・フラインス All
  マヒンドラ・レーシング マヒンドラ Mahindra M5Electro 64   ジェローム・ダンブロシオ All   ニック・ハイドフェルド
  サム・デヨング
94   フェリックス・ローゼンクビスト 1
  パスカル・ウェーレイン 2-13
 [3] ニッサンe.dams ニッサン Nissan IM01 23   セバスチャン・ブエミ[4] All   高星明誠
  ヤン・マーデンボロー
22   オリバー・ローランド All
  パナソニック・ジャガー・レーシング ジャガー Jaguar I-Type III 3   ネルソン・ピケJr. 1-6   董荷斌
  アレックス・リン 7-13
20   ミッチ・エバンス All
  ヴェンチュリー・フォーミュラEチーム ヴェンチュリー Venturi VFE05 48   エドアルド・モルタラ All   ノーマン・ナト
  シモーナ・デ・シルベストロ
19   フェリペ・マッサ All
  NIO・フォーミュラEチーム NIO NIO Sport 004 16   オリバー・ターベイ All   馬青驊
8   トム・ディルマン All
  ジェオックス・ドラゴン ペンスキー Penske EV-3 7   ホセ・マリア・ロペス All   アントニオ・フォコ
  マクシミリアン・ギュンター
6   マクシミリアン・ギュンター 1-3, 7-13
  フェリペ・ナッセ 4-6
 [3] BMW i・アンドレッティ・モータースポーツ BMW BMW iFE.18 28   アントニオ・フェリックス・ダ・コスタ All   ベイスク・フィッセール
  ブルーノ・スペングラー
27   アレクサンダー・シムズ All
  HWA・レースラボ ヴェンチュリー Venturi VFE05 17   ゲイリー・パフェット All   ダニエル・ジュンカデラ
5   ストフェル・バンドーン All

前年まで複数チームにマシン類を提供していたルノー・スポールがマニュファクチャラーから撤退。ルノーとの合弁チームであったe.damsはマニュファクチャラーを日産自動車にスイッチして参戦を継続する。

ドライバー変更 編集

  • マヒンドラは開幕戦に限り、メルセデスとの契約のため参戦できないパスカル・ウェーレインに代え、フェリックス・ローゼンクビストを起用。
  • ドラゴンは第4戦以降、マクシミリアン・ギュンターに代え、フェリペ・ナッセを起用。第7戦以降はUSCC参戦のため欠場するナッセに代え、ギュンターが復帰。
  • ジャガーは第7戦以降、ネルソン・ピケJr.に代え、アレックス・リンを起用。

開催スケジュール 編集

Rd. レース名称 都市 開催日 周回数
1 SAUDIA Ad Diriyah E-Prix   サウジアラビア ディルイーヤ 2018年12月15日 33周
2 Marrakesh E-Prix   モロッコ マラケシュ 2019年1月12日 31周
3 Antofagasta Minerals Santiago E-Prix   チリ サンティアゴ 2019年1月26日 36周
4 CBMM Niobium Mexico City E-Prix   メキシコ メキシコシティ
エルマノス・ロドリゲス・サーキット
2019年2月16日 45周
5 HKT Hong Kong E-Prix   香港 香港 2019年3月10日 36周
6 FWD Sanya E-Prix   中国 三亜 2019年3月23日 36周
7 GEOX Rome E-Prix   イタリア ローマ 2019年4月13日 29周
8 Paris E-Prix   フランス パリ 2019年4月27日 32周
9 Monaco E-Prix   モナコ モンテカルロ
モンテカルロ市街地コース
2019年5月11日 51周
10 BMW i Berlin E-Prix Presented by CBMM Niobium   ドイツ ベルリン
ベルリン・テンペルホーフ空港
2019年5月25日 37周
11 Julius Baer Swiss E-Prix   スイス ベルン 2019年6月22日 31周
12 New York City E-Prix Race 1   アメリカ ニューヨーク 2019年7月13日 36周
13 New York City E-Prix Race 2 2019年7月14日 36周

結果 編集

レース 編集

Rd. レース名 ポールポジション ファステストラップ 勝者 優勝エントラント
1   ディルイーヤ   アントニオ・フェリックス・ダ・コスタ   アンドレ・ロッテラー   アントニオ・フェリックス・ダ・コスタ   BMW i・アンドレッティ・モータースポーツ
2   マラケシュ   サム・バード   ルーカス・ディ・グラッシ   ジェローム・ダンブロシオ   マヒンドラ・レーシング
3   サンティアゴ   セバスチャン・ブエミ[5]   ダニエル・アプト   サム・バード   エンヴィジョン・ヴァージン・レーシング
4   メキシコシティ   パスカル・ウェーレイン   パスカル・ウェーレイン   ルーカス・ディ・グラッシ   アウディスポーツ・アプト・シェフラー・フォーミュラEチーム
5   香港   ストフェル・バンドーン   アンドレ・ロッテラー[6]   エドアルド・モルタラ[7]   ヴェンチュリー・フォーミュラEチーム
6   三亜   オリバー・ローランド   ジャン=エリック・ベルニュ   ジャン=エリック・ベルニュ   DS・テチーター
7   ローマ   アンドレ・ロッテラー   ジャン=エリック・ベルニュ[8]   ミッチ・エバンス   パナソニック・ジャガー・レーシング
8   パリ   オリバー・ローランド[9]   トム・ディルマン[10]   ロビン・フラインス   エンヴィジョン・ヴァージン・レーシング
9   モナコ   オリバー・ローランド[11]   パスカル・ウェーレイン   ジャン=エリック・ベルニュ   DS・テチーター
10   ベルリン   セバスチャン・ブエミ   ルーカス・ディ・グラッシ   ルーカス・ディ・グラッシ   アウディスポーツ・アプト・シェフラー・フォーミュラEチーム
11   ベルン   ジャン=エリック・ベルニュ   アントニオ・フェリックス・ダ・コスタ[6]   ジャン=エリック・ベルニュ   DS・テチーター
12   ニューヨーク   セバスチャン・ブエミ   ジャン=エリック・ベルニュ[12]   セバスチャン・ブエミ   ニッサン・e.dams
13   アレクサンダー・シムズ   ダニエル・アプト   ロビン・フラインス   エンヴィジョン・ヴァージン・レーシング

ドライバーズ・チャンピオンシップ 編集

上位10台とポールポジション及び上位10台のファステストラップには以下のポイントが加算される。

順位  1位   2位   3位   4位   5位   6位   7位   8位   9位   10位  PP FL
ポイント 25 18 15 12 10 8 6 4 2 1 3 1

(略号と色の意味はこちらを参照

順位 ドライバー ADR
 
MAR
 
STI
 
MEX
 
HKG
 
SNY
 
RME
 
PAR
 
MON
 
BER
 
BRN
 
NYC
 
Pts
1   ジャン=エリック・ベルニュ 2 5 Ret 13 13 1 14 6 1 3 1 15 7 136
2   セバスチャン・ブエミ 6 8* Ret* 21†* Ret* 8* 5* 15* 5* 2* 3* 1* 3* 119
3   ルーカス・ディ・グラッシ 9* 7 12 1* 2 15†* 7* 4 Ret 1 9* 5* 18†* 108
4   ロビン・フラインス 12 2 5 11 3 14† 4 1 17† 13 Ret Ret 1 106
5   ミッチ・エバンス 4 9 6 7 7 9 1 16 6 12 2 2 17 105
6   アントニオ・フェリックス・ダ・コスタ 1* Ret* Ret* 2* 10* 3* 9* 7* DSQ* 4* 12* 3* 9* 99
7   ダニエル・アプト 8* 10 3* 10* 4* 5* 18* 3* 15* 6* 6* 6* 5* 95
8   アンドレ・ロッテラー 5 6 13 5 14 4 2 2 7 Ret 14 17 Ret 86
9   サム・バード 11 3 1 9 6 Ret 11 11 16† 9 4 8 4 85
10   オリバー・ローランド 7 15 Ret 20† Ret 2 6 12 2 8 Ret 14 6 71
11   ジェローム・ダンブロシオ 3 1 10* 4 Ret 6 8 17† 11 17 13 9 11 67
12   パスカル・ウェーレイン Ret* 2 6 Ret* 7 10 10 4 10 Ret 7 13 58
13   エドアルド・モルタラ 19 13 4 3 1 13 Ret Ret Ret 11 Ret Ret Ret 52
14   アレクサンダー・シムズ 18 4 7 14 Ret Ret 17 Ret 13 7 11 4 2 47
15   フェリペ・マッサ 17* 18* Ret 8 5 10 Ret 9* 3 15* 8 16† 16 36
16   ストフェル・バンドーン 16* Ret* Ret* 18* Ret* Ret* 3* Ret* 9* 5* 10* 13* 8* 35
17   マクシミリアン・ギュンター 15 12 Ret 19† 5 Ret 14 5 Ret 19 20
18   アレックス・リン 12 Ret 8 Ret 7 Ret 12 10
19   ゲイリー・パフェット Ret Ret 14 16 8 Ret Ret 8 12 16 17 11 10 9
20   オリバー・ターベイ 13 16 8 12 9 11 13 14 Ret 18 16 10 14 7
21   ホセ・マリア・ロペス Ret 11 9 17 11 Ret 16 13 10* 20 DSQ 12 Ret 3
22   ネルソン・ピケJr. 10 14 11 Ret Ret Ret 1
23   トム・ディルマン 14 17 Ret 15 12 12 15 Ret 14 19 15 Ret 15 0
24   フェリペ・ナッセ 19 Ret Ret 0
25   フェリックス・ローゼンクビスト Ret 0
順位 ドライバー ADR
 
MAR
 
STI
 
MEX
 
HKG
 
SNY
 
RME
 
PAR
 
MON
 
BER
 
BRN
 
NYC
 
Pts

太字 - ポールポジション斜体 - ファステストラップ、* - ファンブースト
† 印はリタイアだが、90%以上の距離を走行したため規定により完走扱い。

チーム・チャンピオンシップ 編集

順位 エントラント 車番 ADR
 
MAR
 
STI
 
MEX
 
HKG
 
SNY
 
RME
 
PAR
 
MON
 
BER
 
BRN
 
NYC
 
Pts
1   DS・テチーター 25 2 5 Ret 13 13 1 14 6 1 3 1 15 7 222
36 5 6 13 5 14 4 2 2 7 Ret 14 17 Ret
2   アウディスポーツ・アプト・シェフラー・フォーミュラEチーム 11 9* 7 12 1* 2 15†* 7* 4 Ret 1 9* 5* 18†* 203
66 8* 10 3* 10* 4* 5* 18* 3* 15* 6* 6* 6* 5*
3   エンヴィジョン・ヴァージン・レーシング 2 11 3 1 9 6 Ret 11 11 16† 9 4 8 4 191
4 12 2 5 11 3 14 4 1 17† 13 Ret Ret 1
4   ニッサン・e.dams 23 6 8* Ret* 21†* Ret* 8* 5* 15* 5* 2* 3* 1* 3* 190
22 7 15 Ret 20† Ret 2 6 12 2 8 Ret 14 6
5   BMW i・アンドレッティ・モータースポーツ 28 1* Ret* Ret* 2* 10* 3* 9* 7* DSQ* 4* 12* 3* 9* 158
27 18 4 7 14 Ret Ret 17 Ret 13 7 11 4 2
6   マヒンドラ・レーシング 64 3 1 10* 4 Ret 6 8 17† 11 17 13 9 11 125
94 Ret Ret* 2 6 Ret* 7 10 10 4 10 Ret 7 13
7   パナソニック・ジャガー・レーシング 3 10 14 11 Ret Ret Ret 12 Ret 8 Ret 7 Ret 12 116
20 4 9 6 7 7 9 1 16 6 12 2 2 17
8   ヴェンチュリー・フォーミュラEチーム 48 19 13 4 3 1 13 Ret Ret Ret 11 Ret Ret Ret 88
19 17* 18* Ret 8 5 10 Ret 9* 3 15* 8 16† 16
9   HWA・レースラボ 17 Ret Ret 14 16 8 Ret Ret 8 12 16 17 11 10 44
5 16* Ret* Ret* 18* Ret* Ret* 3* Ret* 9* 5* 10* 13* 8*
10   ジェオックス・ドラゴン 7 Ret 11 9 17 11 Ret 16 13 10* 20 DSQ 12 Ret 23
6 15 12 Ret 19 Ret Ret 19 5 Ret 14 5 Ret 19
11   NIO・フォーミュラEチーム 16 13 16 8 12 9 11 13 14 Ret 18 16 10 14 7
8 14 17 Ret 15 12 12 15 Ret 14 19 15 Ret 15
順位 エントラント 車番 ADR
 
MAR
 
STI
 
MEX
 
HKG
 
SNY
 
RME
 
PAR
 
MON
 
BER
 
BRN
 
NYC
 
Pts

脚注 編集

  1. ^ レース中の乗り換え不要。フォーミュラE次世代モデル"Gen2"初公開”. jp.motorsport.com/ (2018年3月6日). 2018年12月2日閲覧。
  2. ^ a b フォーミュラE、”アタックモード”運用法発表。日本のゲームを参考に!? - motorsport.com 2018年12月5日
  3. ^ a b 2018 - 2019 FIA FORMULA E CHAMPIONSHIP Ad Diriyah E-Prix - Official Entry List”. 2018年12月15日閲覧。
  4. ^ 日産自動車、ブエミとアルボンの起用を発表”. f1-gate.com (2018年9月20日). 2018年9月20日閲覧。
  5. ^ 予選では  ルーカス・ディ・グラッシがポールポジションを獲得したが、予選後にレギレーション違反によって失格となり、予選2番手だったブエミが昇格した。
  6. ^ a b ポイントは  サム・バードが獲得。
  7. ^ レースでは  サム・バードがトップでチェッカーを受けたが、残り2周での  アンドレ・ロッテラーとの接触に対し5秒のタイム加算ペナルティが科され6位に降格したため、2位でチェッカーを受けたモルタラが昇格し、優勝となった。
  8. ^ ポイントは  セバスチャン・ブエミが獲得。
  9. ^ 予選では  パスカル・ウェーレインがポールポジションを獲得したが、予選後にタイヤ圧の違反によって失格となり、予選2番手だったローランドが昇格した。
  10. ^ ポイントは  ロビン・フラインスが獲得。
  11. ^ 予選ではローランドがポールポジションを獲得したが、前戦での接触による3グリッド降格処分により予選2番手だった  ジャン=エリック・ベルニュが昇格。なお、ポールポジションに与えられる3ポイントはローランドが獲得している。
  12. ^ ポイントは  ダニエル・アプトが獲得。