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2019年ドイツグランプリ (2019 German Grand Prix) は、2019年のF1世界選手権第11戦として、2019年7月28日ホッケンハイムリンクで開催された。

ドイツの旗 2019年ドイツグランプリ
レース詳細
Hockenheim2012.svg
日程 2019年シーズン第11戦
決勝開催日 7月28日
開催地 ホッケンハイムリンク
ドイツの旗 ドイツ ホッケンハイム
コース長 4.574km
レース距離 64周 (292.736km)
※当初の予定は67周 (306.458km)
決勝日天候 雨(ウエット)
ポールポジション
ドライバー
タイム 1:11.767
ファステストラップ
ドライバー オランダの旗 マックス・フェルスタッペン
タイム 1:16.645 (61周目)
決勝順位
優勝
2位
3位

正式名称は「Formula 1 Mercedes-Benz Grosser Preis von Deutschland 2019[1]

レース前編集

タイヤ
本レースでピレリが用意するドライタイヤのコンパウンドは、ハード(白):C2、ミディアム(黄):C3、ソフト(赤):C4の組み合わせ[2]
サーキット
  • ホッケンハイムでのドイツGPの本来の開催契約は前年までであったが、メルセデス・ベンツのサポートにより本年も同地で開催は継続された[3]2020年以降についてはF1を経営するリバティメディアと交渉中であるが、カレンダーから脱落する可能性が極めて高い[4](その後、10月4日にカレンダーが承認されたが、ドイツGPは脱落となった[5])。
  • 前年はオーバーテイク促進のためDRSゾーンを3ヶ所に増やしていたが、本年はピットストレートでのDRSゾーンが廃止され、ターン1とターン4の2ヶ所に減らされる[6]
その他

エントリーリスト編集

前戦イギリスGPから変更なし。

フリー走行編集

FP1(金曜午前)[9]
第9戦オーストリアGPが行われた6月下旬以来の熱波がサーキットを襲い、セッション開始時点で気温32度、路面温度41度まで上昇する中行われた。開始から18分、ケビン・マグヌッセン(ハース)が「パワーがなくなった」と訴えてターン13で止まり、セッションは8分間中断した。原因はセンサー異常だった。再開後は特に波乱もなくセッションは進み、残り30分を切ってルイス・ハミルトンメルセデス)がミディアムタイヤでトップタイムを出すが、直後にシャルル・ルクレールフェラーリ)がソフトタイヤで1分14秒268を出して更新し、さらにチームメイトのセバスチャン・ベッテルが1分14秒013でルクレールを上回り、フェラーリ勢が1-2となった。
FP2(金曜午後)[10]
暑さはさらに厳しくなり、セッション開始時点で気温36度、路面温度50度まで上昇した。不振が続くハースのロマン・グロージャンは、マシンの仕様を開幕戦オーストラリアGPのものに戻し、最新仕様のマグヌッセンとの比較テストを行った。開始から1時間の時点でルクレールが1分13秒449でトップ、ベッテルはルクレールに0.1秒差の2位とフェラーリ勢が上位を占め、メルセデス勢がそれに続いた。終了17分前にピエール・ガスリーレッドブル)が最終コーナー立ち上がりでクラッシュしてマシンが大破し、セッションは8分間中断された。幸い、ガスリーのパワーユニットは金曜用だったため、交換ペナルティは受けなかった。チームメイトのマックス・フェルスタッペンはソフトタイヤを装着して走行をスタートした際にパワーの低下を訴えてピットに戻り、エンジン設定を変えてコースに復帰した。このタイミングでタイヤ交換を行わなかったため、本来のタイムを出せず5番手に終わっている[11]。セッション終了後、ロバート・クビサウィリアムズ)のマシンに損傷が見つかったため、シャシーを交換した。クラッシュしたガスリーもシャシーの交換を実施した[12]
FP3(土曜午前)[13]
セッション開始時点で気温25度、路面温度34度と前日に比べれば涼しい状況で行われた。インスタレーションラップ後からフェラーリ勢が1-2を形成し、セッション後半にはルクレールが1分12秒387で自己ベストを更新、その後さらに1分12秒380を出しトップタイムとなった。フェルスタッペンがフェラーリ勢に割って入り2番手タイムをマークした。多数のドライバーに対してトラックリミットが厳しく取られ、自己ベストタイムを抹消されたハミルトンは6番手に終わった。

予選編集

2019年7月27日 15:00 CEST(UTC+2)[14]

ルイス・ハミルトンポールポジションを獲得した。レッドブルマックス・フェルスタッペンはQ2でキャリブレーションの問題がFP2に続いて発生したが、Q3でパワーユニット(PU)のセッティングを変更して2番手でフロントローを確保し、ホームグランプリを迎えるメルセデス勢のフロントロー独占を阻止した。チームメイトのピエール・ガスリーは4番手となり、バルテリ・ボッタスとともに2列目を占めた。一方、フリー走行で好調だったフェラーリ勢はセバスチャン・ベッテルがQ1でターボチャージャーのトラブルが発生してタイムを記録できず最下位[15]シャルル・ルクレールもQ3で燃料系にトラブルが発生してタイムを記録できず10番手に終わった。

結果編集

順位 No. ドライバー コンストラクター Q1 Q2 Q3 Grid
1 44   ルイス・ハミルトン メルセデス 1:12.852 1:12.149 1:11.767 1
2 33   マックス・フェルスタッペン レッドブル-ホンダ 1:12.593 1:12.427 1:12.113 2
3 77   バルテリ・ボッタス メルセデス 1:13.075 1:12.424 1:12.129 3
4 10   ピエール・ガスリー レッドブル-ホンダ 1:12.991 1:12.385 1:12.522 4
5 7   キミ・ライコネン アルファロメオ-フェラーリ 1:13.066 1:12.519 1:12.538 5
6 8   ロマン・グロージャン ハース-フェラーリ 1:13.146 1:12.769 1:12.851 6
7 55   カルロス・サインツ マクラーレン-ルノー 1:13.221 1:12.632 1:12.897 7
8 11   セルジオ・ペレス レーシング・ポイント-BWTメルセデス 1:13.194 1:12.776 1:13.065 8
9 27   ニコ・ヒュルケンベルグ ルノー 1:13.186 1:12.766 1:13.126 9
10 16   シャルル・ルクレール フェラーリ 1:12.229 1:12.344 No Time 10
11 99   アントニオ・ジョヴィナッツィ アルファロメオ-フェラーリ 1:13.170 1:12.786 11
12 20   ケビン・マグヌッセン ハース-フェラーリ 1:13.103 1:12.789 12
13 3   ダニエル・リカルド ルノー 1:13.131 1:12.799 13
14 26   ダニール・クビアト トロ・ロッソ-ホンダ 1:13.278 1:13.135 14
15 18   ランス・ストロール レーシング・ポイント-BWTメルセデス 1:13.256 1:13.450 15
16 4   ランド・ノリス マクラーレン-ルノー 1:13.333 19 1
17 23   アレクサンダー・アルボン トロ・ロッソ-ホンダ 1:13.461 16
18 63   ジョージ・ラッセル ウィリアムズ-メルセデス 1:14.721 17
19 88   ロバート・クビサ ウィリアムズ-メルセデス 1:14.839 18
107% time: 1:17.285
NC 5   セバスチャン・ベッテル フェラーリ No Time 20 2
ソース:[16][17]
追記
  • ^1 - ノリスは決勝前に規定を超えるパワーユニット交換(3基目のMGU-K、エナジーストア(ES)、コントロールエレクトロニクス(CE))を行い、降格グリッド数が15を超えたため、後方グリッドからスタートする[18][19]
  • ^2 - ベッテルはQ1でタイムを記録できなかったが[15]、スチュワードの判断により最後尾グリッドで決勝出走が許可された[20]。決勝前に規定を超えるパワーユニット交換(3基目のCE)を行ったが、最後尾グリッドに変更なし[21][19]

決勝編集

2019年7月28日 15:10 CEST(UTC+2)[22]

今シーズン初のウエットレースは大荒れの展開となり、2番手スタートのマックス・フェルスタッペンレッドブル)が今シーズン2勝目を挙げた。予選でマシントラブルに見舞われ最後尾スタートとなったセバスチャン・ベッテルフェラーリ)が2位まで追い上げ、ダニール・クビアト(トロ・ロッソ)が3位に入り、トロ・ロッソは2008年イタリアグランプリでベッテルが優勝して以来11年ぶりの表彰台を獲得し、ホンダPUは2015年のF1復帰以来初のダブル表彰台となった。ホームグランプリのメルセデス勢は、ポールポジションルイス・ハミルトンがコースオフとスピンを喫して入賞圏外の11位まで後退(ただし、レース後にアルファロメオ勢がペナルティを受けたことで入賞圏内の9位に繰り上がり)、バルテリ・ボッタスはアクシデントでリタイアに終わった。シャルル・ルクレール(フェラーリ)もリタイアしている。

展開編集

決勝は今季初のウエットレース(厳密にはドライとウェットが混在するミックスウェザー)となったため、スチュワードの判断も困難を極め、それを反映するかのようにセーフティカー先導によるフォーメーションラップが1周で終わらず、そのままセーフティカーの先導によるエクストラフォーメーションラップが続いた。この間、各ドライバーの無線でレース開始を訴える内容が流された。そして、エクストラフォーメーションラップが3周目を終える時、通常のスタンディングスタートでのレース開始が決定。そのため、67周のレースが3周のエクストラフォーメーションラップ分短縮された64周のレースとなった。

シグナルがブラックアウトし、接触はなかったがレッドブル・ホンダ勢はスタートに失敗。2番グリッドのフェルスタッペンがスタートに失敗し4番手に後退。グリッドの関係上、フェルスタッペンの後ろ4番グリッドからスタートしたチームメイトのピエール・ガスリーもそのあおりを受け8番手に下がる展開となった。ハミルトンが首位をキープ、その後方にはターン1で飛び出しながらもチームメイトのボッタスが続き、スタートを成功させたキミ・ライコネンアルファロメオ)が3番手に浮上。最後尾スタートだったベッテルは混乱に乗じて1周目の段階で12番手にまで上がってきた。

2周目、4番手に落ちたフェルスタッペンだったが、この周でライコネンをパス、3番手に浮上した。同じころ、8番手にいたガスリーは、前にいたカルロス・サインツJr.マクラーレン)がターン6で押し出されたこともあり、難なくパスし順位を上げてゆく。そんななか、ターン11でセルジオ・ペレスレーシング・ポイント)がスピンしてクラッシュ。マシン撤去のため、セーフティカーが導入される。そして、これをきっかけにレースは混沌とした状況へ突入してゆくこととなる。 4周目までにはほぼ全車がピットインし、ピットインしたマシンは全て大雨用のウエットタイヤから雨用と晴れ用の中間に位置するタイヤであるインターミディエイトタイヤへ交換。この時、ピットレーン上では、ロマン・グロージャンハース)とシャルル・ルクレール(フェラーリ)がニアミス。スチュワードはこのインシデントに対して、フェラーリチームに対する罰金裁定を下した。そのうち、ウエットタイヤのままステイアウトしたのは、ケビン・マグヌッセン(ハース)、ランス・ストロール(レーシング・ポイント)、ランド・ノリス(マクラーレン)、ウィリアムズの2台となった。

5周目にはレースが再開。ハミルトンがペースを上げ、2番手を走行するチームメイトのボッタスとの差を広げていく。ステイアウトにより3番手に浮上してたマグヌッセンだが、すぐさま、フェルスタッペンがこれを抜いてポジションを奪い取る。さらに10番グリッドからスタートしたルクレールもマグヌッセンに襲いかかり6周目にはパスし、4番手で続く展開となる。その後ろはニコ・ヒュルケンベルグルノー)、ストロール、ライコネン、他者のピットインで順位を上げたベッテルが9番手まで浮上してきた。そんなか、ガスリーはターン6のブレーキングでロックしてしまいオーバーシュート。最後尾まで落ちてしまった。

7周目、ウエットのストロールはたまらずピットインしてインターミディエイトに交換。8周目にはライコネンとベッテルがマグヌッセンを抜いて6番手・7番手に浮上。まだ雨が降ってくる予報があったものの、マグヌッセンはこれ以上は耐えきれずこの周でピットに飛び込んだ。首位ハミルトンはファステストラップを連発しながら後続とのギャップを3秒に広げていく。10周目を迎える頃にはレーシングラインが乾き始めるが、依然として雨が降ってくる予報もあるという、レース戦略を考える上で難しい状況となった。ルクレールは最終コーナーのソーセージに乗ってリアが流れるが、フルカウンターで何とかマシンを立て直しスピンを回避した。

12周目の入賞圏内の順位は、首位ハミルトンを先頭に、ボッタス-フェルスタッペン-ルクレール-ヒュルケンベルグ-ライコネン-ベッテル-サインツ-アレクサンダー・アルボン(トロ・ロッソ)-アントニオ・ジョビナッツィ(アルファロメオ)となった。

15周目、12番手を走行していたダニエル・リカルド(ルノー)のマシンがパラボリカの長い全開区間で白煙を上げてエンジンブロー。スロー走行しながらターン8にマシンを止めた。これで1度目のVSC(バーチャルセーフティカー)が導入され、ルクレールとヒュルケンベルグがピットインし新品のインターミディエイトに交換する。ルクレールは右フロントの交換に手間取ったが4番手はキープ。ヒュルケンベルグも6番手に留まった。そして、2台のピットアウトと同時にVSCが解除。それもあり、他のマシンはステイアウトする形となった。

18周目、サインツが最終コーナーでワイドになり、ランオフエリアでスピン。なんとかクラッシュは回避したが14番手まで後退してしまった。だが、これ以降、最終コーナー(ターン16)がレースに大きな影響を与えることとなる。 このあたりで再び雨が降り始め各車ともタイヤ交換のタイミングを掴めずに走りつづけるが、22周目、マグヌッセンがピットインしていわゆるドライタイヤのソフトタイヤに交換。このタイムを見て23周目にはベッテルがピットインしてソフトに履き替え、ロマン・グロージャン(ハース)の後方11番手まで後退する。

26周目、なかなかボッタスを攻略できないフェルスタッペンはアンダーカットを狙いピットに飛び込む。雨が止む展開になると読み、残り全てを走り切ることを想定した上でドライタイヤの中で中間に位置するミディアムタイヤへ交換する戦略をとる。この周では他のマシンも何台か入り、同様の戦略を選択したマシンもあった。4番手で復帰したフェルスタッペンだったが、翌周のターン13出口でコース上で一回転するスピンを喫し、この時の路面状況はソフトの方が有利であり、フェルスタッペンは戦略ミスを叫ぶ無線が流れた。この影響もあり、前にいたボッタスのアンダーカットに失敗。依然としてメルセデスのワンツー体制が続く、27周目にノリスがパワーを失ってコース脇にクルマを止めた。ここで2度目のVSCが導入された。その時、ピット手前にいたルクレールがピットインしソフトタイヤへ交換して同じ順位で復帰。翌28周目、メルセデス勢がピットイン。ハミルトンはソフトタイヤ、ボッタスはミディアムタイヤに履き替え、両者順位をキープしたままコースに戻る。

ところが、ピットイン完了に合わせるかのようにまた雨が降り始める。VSCは29周目に解除されたが、それとほぼ同時にソフトタイヤに交換したばかりのルクレールが最終コーナーでグリップを失いコースオフしてバリアにクラッシュ。イエローフラッグが振られ、何とかコースへ復帰しようとするが、リアタイヤがグラベルに捕まったため、脱出できず無念のリタイア。さすがのルクレールも放送禁止用語を叫ぶ内容が無線で流れ、長いピー音が入った。これを受け、2度目のセーフティカーが導入される。これにより、脅威が一つ減ったメルセデス勢が優位になったかと思われたが、ここからメルセデスは悪夢のような展開に見舞われることとなる。

セーフティカーの導入が開始された直後、トップを走行していたハミルトンが最終コーナーでマシンコントロールを乱してウォールにヒット。ハミルトンの方はグラベルを抜け出せたものの、フロントウイングにダメージを負い、そこから正規のルートを通らずにピットロードへ進入。ところが、ボッタスを先にピットインさせる予定であったうえ、この状況を把握しきれてなかったピットクルーらは混乱。フロントウイング交換も手間取り、タイヤ交換もどの種類を装着するのか迷走し[注 1]、最終的にはインターミディエイトを装着してピットアウト。これにより50秒を無駄にしてしまうが、セーフティカー中でタイム差があったため、かろうじて5番手の復帰に成功した。だが、ピット入口のボラード外側から進入したため審議対象となり、ハミルトンに対して5秒のタイムペナルティが科された。さらにセーフティカー先導中に必要以上にスロー走行したとして審議対象となる。

また、大半のマシンがピットイン。ドライタイヤ組は再びインターミディエイトへ、インターミディエイト組は新品のものへ交換するという慌ただしい展開となる。この時点でトップに立っていたボッタスもピットが空いたためピットイン。だが、ハミルトンのピットインの影響やセーフティカーの先導が始まってからのピットインとなり、先にインターミディエイトに履き替えて2番手を走行していたフェルスタッペンがトップに浮上する。そして、全員がインターミディエイトに履き替え、この時点の入賞圏内は、フェルスタッペン-ヒュルケンベルグ-ボッタス-アルボン-ハミルトン-サインツ-ライコネン-ガスリー-ベッテル-ジョビナッツィの順で34周目にレースが再開した。

35周目、ハミルトンがアルボンをオーバーテイクして4番手に浮上。ボッタスもヒュルケンベルグを捕らえてポジションを上げる。しかし、この間に首位フェルスタッペンとは8秒以上の差が開いていた。39周目、ライコネンがターン16でコースオフして9番手まで後退。そして、40周目、ヒュルケンベルグが同じ場所でコースオフし、コースに戻りかけたところでスケートリンクのように滑りまっすぐに進んでバリアにクラッシュ。そのままリタイアとなる。ここで3度目のセーフティカーが導入となる。するとここでフェルスタッペンがピットに入り、新しいインターミディエイトタイヤに交換。トップの位置を守ってコースに復帰する。ペースが落ち始めていたベッテルも同様のタイヤ交換を実施した。この時点で2番手につけていたボッタスと3番手のハミルトンはそのままステイアウト。フェルスタッペンとの我慢比べとなる。そんななか、45周目、ストロールがピットに飛び込みドライのソフトタイヤに交換する賭けに出る。

46周目にレースがリスタートされるが、急激にドライコンディションに変わり、雨が降らないという情報も確認されたため、クビアトとマグヌッセンがリスタート直後の周でピットに入りソフトタイヤに交換。他の面々も47周目のフェルスタッペン[注 2]とボッタス、48周目のベッテルとハミルトンを筆頭に大半のマシンがソフトタイヤに交換。その結果、アンダーカットする形となったストロールが暫定トップに浮上。だが、フェルスタッペンがすぐ追いつき、ストロールをオーバーテイクしてトップに復帰。また、クビアトとマグヌッセンは結果的にアンダーカットが大成功し、大幅なポジションアップ。特にクビアトは49週目の段階で3番手となり、その勢いを保ったまま、51周目にストロールをパスし2番手へ浮上する。

その後方ではソフトタイヤで息を吹き返したベッテルがオーバーテイクショーを開始。どんどん順位を上げ始める。一方ハミルトンはピットインによりタイムペナルティの消化を迫られたうえに、タイヤ交換も若干遅れ12番手まで後退。しかも、53周目にターン1でスピンしてタイヤにフラットスポットを負ったため緊急ピットイン。同一周回となっていたウイリアムズ勢の後方まで転落。事実上、ハミルトンのレースが終わったうえ、最下位まで転落。ノーポイントの可能性どころか最下位完走の可能性が出てきた。55周目の時点では、フェルスタッペン-クビアト-ストロール-ボッタス-サインツ-ベッテルの順となった。そして、オーバーテイクしてきたベッテルも勢いがなくなり、ボッタスはストロールを攻略できず手詰まりとなる。そのため、暫定ではあるがホンダPUでのワンツー体制となり、特にクビアトとストロールは表彰台獲得の可能性が出てきた。ところが56周目にボッタスがハミルトンと同じターン1のクリッピングポイントでマシンを滑らせ、コントロールを失いそのままウォールに激突。ボッタスは今季初リタイアを喫してしまった。本日4度目のセーフティカーが導入される展開となる。

これにより、各車の差がなくなり、隊列が整理された60周目、残り5周の超スプリントレースが開始された。ベッテルがまずサインツをかわして4番手に浮上。その直後にガスリーはアルボンとの接近戦で彼に追突してしまいフロントウィングを脱落しタイヤを切ってしまう。アルボンには大きなダメージはなかったものの、自身はそのままコース外へと飛び出てしまい、あと2周というところでリタイア。一応ガスリーは完走扱いとなったが、今季の第6戦モナコGP以来のホンダPU勢4台の入賞は消えてしまった。

62周目、ベッテルはそのままの勢いでストロールもオーバーテイクしついに表彰台圏内の3番手に上がる。63周目、地元ドイツのファンによる大歓声を受けたベッテルがクビアトをオーバーテイクし2番手へ浮上した。だが、フェルスタッペンはベッテルに5秒以上の差を築いており、そのまま先頭でチェッカーフラッグを受け、今季2度目のトップチェッカーを受けた。2位はベッテル、3位はクビアトが守りきり、クビアトにとっては2016年中国グランプリ以来の表彰台であり、トロロッソチームとしては2008年イタリアグランプリ以来の表彰台となった。また、表彰台の3人全員がレッドブル育成ドライバーであり、奇しくもトロロッソでのフル参戦経験者という顔ぶれとなった。また3強チーム以外のドライバーの表彰台も今季初であった。

以下の順位は、4位ストロール、5位サインツ、6位アルボン、7位ライコネン、8位ジョヴィナッツィ、9位グロージャン、10位マグヌッセンとなった。ところが、アルファロメオ勢がテクニカルレギュレーション違反により、本来の違反に対する罰則としてはストップ・アンド・ゴー・ペナルティの認定だが、レースは既に終了していたため、それに相当する30秒のタイムペナルティ相当との判断が下った。それによる順位変動に伴い、ハース勢の順位が上がり、9位ハミルトン、10位はロバート・クビサ(ウィリアムズ)となった。 そのため、本来11位完走のハミルトンはかろうじてノーポイントの事態は免れ、ウィリアムズは繰り上げではあるが今季初入賞を果たした。

これによりホンダPU勢は、4人中2人が表彰台、3人が入賞、全員完走といった結果となり、決勝におけるトップスピードもホンダPUドライバーの1-2の結果となり、当レース最高速トップのガスリーが最高速345km/hに迫るスピードを見せつけた。

ホンダエンジンとしては1992年ポルトガルグランプリ以来のダブル表彰台獲得、レッドブルとトロロッソがこの結果に歓喜し、ベッテルが最下位からの2位獲得にファンやチームから祝福される中、メルセデスチームは母国GPであり、ワークス参戦としては200戦目を筆頭にした様々なメモリアルレースとなるはずが、唯一続いていた記録であるチームとしての連続での表彰台獲得がストップしたうえ、今季ワーストの記録を更新するという破滅的な結末となった。唯一の慰めは、アルファロメオ勢のペナルティでハミルトンが9位昇格となったことにより、ノーポイントは免れたことであった。 ただ、アルファロメオがペナルティに対し控訴したため、レース結果は一旦保留となっていたが、9月25日、アルファロメオの控訴申請を却下[23]。これにより、レース結果が確定。メルセデスのノーポイントは回避された。ちなみに、もしノーポイントとなっていた場合、ハミルトンにとっては完走したうえでのノーポイントは2013年スペイングランプリ以来となり、メルセデスはダブルリタイア以外でのノーポイントは2012年アメリカグランプリ以来となる。

また、残る開幕からの全戦入賞者は、ハミルトン[注 3]とフェルスタッペンのみである。

結果編集

順位 No. ドライバー コンストラクター 周回数 タイム/リタイア原因 Grid Pts.
1 33   マックス・フェルスタッペン レッドブル-ホンダ 64 1:44:31.275 2 26 FL
2 5   セバスチャン・ベッテル フェラーリ 64 +7.333 20 18
3 26   ダニール・クビアト トロ・ロッソ-ホンダ 64 +8.305 14 15
4 18   ランス・ストロール レーシング・ポイント-BWTメルセデス 64 +8.966 15 12
5 55   カルロス・サインツ マクラーレン-ルノー 64 +9.583 7 10
6 23   アレクサンダー・アルボン トロ・ロッソ-ホンダ 64 +10.052 16 8
7 8   ロマン・グロージャン ハース-フェラーリ 64 +16.838 6 6
8 20   ケビン・マグヌッセン ハース-フェラーリ 64 +18.765 12 4
9 44   ルイス・ハミルトン メルセデス 64 +19.667 1 2
10 88   ロバート・クビサ ウィリアムズ-メルセデス 64 +24.987 18 1
11 63   ジョージ・ラッセル ウィリアムズ-メルセデス 64 +26.404 17
12 7   キミ・ライコネン アルファロメオ-フェラーリ 64 +12.214+30 1 5
13 99   アントニオ・ジョヴィナッツィ アルファロメオ-フェラーリ 64 +13.849+30 1 11
14 10   ピエール・ガスリー レッドブル-ホンダ 61 接触(完走扱い) 4
Ret 77   バルテリ・ボッタス メルセデス 56 アクシデント 3
Ret 27   ニコ・ヒュルケンベルグ ルノー 39 アクシデント 9
Ret 16   シャルル・ルクレール フェラーリ 27 アクシデント 10
Ret 4   ランド・ノリス マクラーレン-ルノー 25 パワーロス 19
Ret 3   ダニエル・リカルド ルノー 13 排気系 13
Ret 11   セルジオ・ペレス レーシング・ポイント-BWTメルセデス 1 アクシデント 8
ソース:[24]
ファステストラップ[25]
ラップリーダー[26]
追記
  • 路面コンディション不良により、追加のフォーメーションラップを3周行ったため、当初予定の67周から64周に変更された[27]
  • ^FL - ファステストラップの1点を含む
  • ^1 - アルファロメオ勢はスタンディングスタート時のクラッチの作動方法が違反と見なされ、本来は10秒のストップ&ゴーペナルティが科されるところであるが、レース後に裁定が下されたため、レースタイムに30秒加算された。これによりライコネンは7位から12位、ジョヴィナッツィは8位から13位に降格した[28][29][30]
  • - リタイアだが、90%以上の距離を走行したため規定により完走扱い

第11戦終了時点のランキング編集

  • :ドライバー、コンストラクター共にトップ5のみ表示。

脚注編集

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注釈編集

  1. ^ ボッタス用のタイヤを持ち出す混乱もあったが、もし、チームメイトのタイヤを装着してピットアウトした場合、ルール違反となり、無条件で失格となる。
  2. ^ この時のピットストップだが、レッドブルはイギリスGPでそれまでウィリアムズが保持していた世界記録を0.01秒更新する1.91秒をマークしたばかりであったが、今回はそれを0.03秒更新する1.88秒の記録。史上最速記録を自らの手で更新する結果となった。
  3. ^ 厳密にはハミルトンは繰り上げ入賞なため、入賞圏内でゴールしたドライバーとしてはフェルスタッペンのみとなる。

出典編集

  1. ^ German Grand Prix 2019 - F1 Race”. The Official F1 Website. 2019年7月27日閲覧。
  2. ^ F1ドイツGPのタイヤ選択が明らかに。フェラーリはレッドブル・ホンダ&メルセデスと戦略別れる”. autosport web (2019年7月17日). 2019年7月27日閲覧。
  3. ^ 全21戦の2019年暫定カレンダーが発表される”. ESPN F1 (2018年8月31日). 2019年7月27日閲覧。
  4. ^ F1ドイツGP、消滅を避けられず?「カレンダー脱落の可能性が極めて高い」と主催者が発言”. autosport web (2019年7月25日). 2019年7月27日閲覧。
  5. ^ 2020年F1カレンダーが承認、日本GPは10月11日に開催。史上最多22戦の過密スケジュールでテストが大幅縮小へ | F1 | autosport web” (日本語). AUTO SPORT web (2019年10月4日). 2019年10月23日閲覧。
  6. ^ F1ドイツGP、DRSゾーンが1カ所廃止、2カ所の設定に”. autosport web (2019年7月26日). 2019年7月27日閲覧。
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前戦
2019年イギリスグランプリ
FIA F1世界選手権
2019年シーズン
次戦
2019年ハンガリーグランプリ
前回開催
2018年ドイツグランプリ
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