2020年東京オリンピックのレスリング競技

2020年東京オリンピックのレスリング競技(2020ねんとうきょうオリンピックのレスリングきょうぎ)は、世界レスリング連合(UWW)の管轄のもと、2021年8月1日から7日まで千葉市幕張メッセAホール(国際展示場1–8ホール)で開催された2020年東京オリンピックレスリング。男女フリースタイル各6種目と男子グレコローマン6種目の計18種目で行われ、原則として各階級16名、計289名(男子:191名、女子:96名)が出場。近代五輪のレスリング1896年アテネ大会から1900年パリ大会を除き、継続して開催されている[1]

2020年東京オリンピック
レスリング競技
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幕張メッセ
会場幕張メッセ
開催日2021年8月1日 - 8月7日
参加選手数60か国 287人
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概要編集

男子フリースタイル6階級、男子グレコローマンスタイル6階級、女子フリースタイル6階級の合計18階級が実施された。このうち男子グレコローマンスタイルは130kg級を除く5階級で、女子フリースタイルでも53kg級を除く5階級で前回大会から制限体重に±1~2kg変更があった。選手は2019年レスリング世界選手権(各階級6名)や大陸予選(アメリカ大陸・アフリカ&オセアニア・ヨーロッパ・アジアから各階級2名)、世界最終予選(各階級2名)を通じて、出場枠を獲得する[2]。上記のほか、難民選手団に所属するイラク出身の選手が招待された。

階級ごとにトーナメント形式で争われるが、決勝に進出した選手に準決勝までに敗れた選手は3位決定戦に出場し、銅メダル(各階級2名)を争う。

開催国の日本はアジア予選を通じて最低でも男女1名ずつの出場が保証されていたが、世界選手権にて8名分の出場枠を獲得し、金メダルを獲得した文田健一郎(男子グレコローマン60kg級)、川井梨紗子(女子フリースタイル57kg級)を始め、男女合わせて8名が代表選手に内定した[3]ため、開催国枠は適用されない。アジア予選では屋比久翔平須崎優衣[4]が、世界最終予選では高橋侑希高谷惣亮が、それぞれ出場枠を獲得し、屋比久[5]、須崎[4]、高谷[6]はそのまま代表選手に内定したが、高橋は2019年全日本選手権優勝の樋口黎とのプレーオフを制して代表に内定した[7]

参加選手編集

出場枠289名(招待1名を含む)に対し、男子グレコローマン77kg級と男子フリースタイル97kg級で1名ずつ欠場が生じた[8][9]ため、男女合わせて287名の選手が出場した。

競技日程編集

8月1日から8月7日まで昼と夜の二部構成で幕張メッセAホールにて実施。昼の部は11時開始、夜の部は18時15分開始。ただし、8月7日のみ夜の部のみで18時45分開始。

前回大会までは1回戦から決勝までを1日で行っていたが、今大会からは各階級が2日間にかけて実施される。表彰式は決勝終了後に実施。競技時間と日程は以下のとおり[10]

男子編集

フリースタイル編集

1・2回戦 準決勝 敗者復活戦 3位決定戦 決勝
種目\日時 8月1日 8月2日 8月3日 8月4日 8月5日 8月6日 8月7日
57 kg級




65 kg級




74 kg級




86 kg級




97 kg級




125 kg級




グレコローマンスタイル編集

1・2回戦 準決勝 敗者復活戦 3位決定戦 決勝
種目\日時 8月1日 8月2日 8月3日 8月4日 8月5日 8月6日 8月7日
60 kg級




67 kg級




77 kg級




87 kg級




97 kg級




130 kg級




女子編集

フリースタイル編集

1・2回戦 準決勝 敗者復活戦 3位決定戦 決勝
種目\日時 8月1日 8月2日 8月3日 8月4日 8月5日 8月6日 8月7日
50 kg級




53 kg級




57 kg級




62 kg級




68 kg級




76 kg級





競技結果編集

男子編集

フリースタイル編集

階級
57 kg級[11]   ザブル・ウグエフ
ROC (ROC)
  ラビ・クマール
インド (IND)
  ヌリスラム・サナエフ
カザフスタン (KAZ)
  トーマス・パトリック・ジルマン
アメリカ合衆国 (USA)
65 kg級[12]   乙黒拓斗
日本 (JPN)
  ハジ・アリエフ
アゼルバイジャン (AZE)
  ガジムラト・ラシドフ
ROC (ROC)
  バジュラン・バジュラン
インド (IND)
74 kg級[13]   ザウルベク・シダコフ
ROC (ROC)
  マハメトハビプ・カジマハメダウ
ベラルーシ (BLR)
  カイル・ダグラス・デイク
アメリカ合衆国 (USA)
  ベクゾド・アブドゥラフモノフ
ウズベキスタン (UZB)
86 kg級[11]   デービッド・モリス・テイラー
アメリカ合衆国 (USA)
  ハッサン・ヤズダニ・チャラティ
イラン (IRI)
  アルトゥル・ナイフォノフ
ROC (ROC)
  ミレス・ナゼム・アミネ
サンマリノ (SMR)
97 kg級[12]   アブドゥルラシド・サドゥラエフ
ROC (ROC)
  カイル・フレデリック・スナイダー
アメリカ合衆国 (USA)
  レイネリス・サラス・ペレス
キューバ (CUB)
  アブラハム・デ・ヘスス・コニェド・ルアーノ
イタリア (ITA)
125 kg級[13]   ゲーブル・ダン・スティーブソン
アメリカ合衆国 (USA)
  ゲノ・ペトリアシビリ
ジョージア (GEO)
  アミル・ホセイン・ザレ
イラン (IRI)
  タハ・アクギュル
トルコ (TUR)

グレコローマン編集

ミハイン・ロペス・ヌニェス近代オリンピック史上7人目となる同一種目個人4連覇を達成した[注釈 1]

  1. ^ それまでの達成者はセーリングファイアフライ級・フィン級のポール・エルブストロム(1948-1960)、陸上円盤投げのアル・オーター(1956-1968)、陸上走り幅跳びのカール・ルイス(1984-1996)、セーリングレーザー級・フィン級のベン・エインズリー(2000-2012)、競泳200m個人メドレーのマイケル・フェルプス(2004-2016)、レスリング女子63kg級の伊調馨(2004-2016)の6人。
階級
60 kg級[14]   ルイス・アルベルト・オルタ・サンチェス
キューバ (CUB)
  文田健一郎
日本 (JPN)
  サイリケ・ワリハン
中国 (CHN)
  セルゲイ・エメリン
ROC (ROC)
67 kg級[15]   モハンマド・レザ・ゲラエイ
イラン (IRI)
  パルビス・ナシボフ
ウクライナ (UKR)
  フランク・シュテブラー
ドイツ (GER)
  モハメド・イブラヒム・エッ=サイド
エジプト (EGY)
77 kg級[16]   レーリンツ・タマーシュ
ハンガリー (HUN)
  アクジョル・マフムドフ
キルギス (KGZ)
  屋比久翔平
日本 (JPN)
  ラフィグ・ヒュセイノフ
アゼルバイジャン (AZE)
87 kg級[15]   ジャン・ベレニュク
ウクライナ (UKR)
  レーリンツ・ビクトル
ハンガリー (HUN)
  デニス・マクシミリアン・クドラ
ドイツ (GER)
  ズラビ・ダトゥナシビリ
セルビア (SRB)
97 kg級[16]   ムサ・エフロエフ
ROC (ROC)
  アルトゥル・アレクサニャン
アルメニア (ARM)
  タデウシュ・ミハリク
ポーランド (POL)
  モハンマド・ハディ・サラビー
イラン (IRI)
130 kg級[14]   ミハイン・ロペス・ヌニェス
キューバ (CUB)
  イアコブ・カジャイア
ジョージア (GEO)
  ルザ・カヤアルプ
トルコ (TUR)
  セルゲイ・セメノフ
ROC (ROC)

女子編集

フリースタイル編集

階級
50 kg級[12]   須崎優衣
日本 (JPN)
  孫亜楠
中国 (CHN)
  マリア・スタドニク
アゼルバイジャン (AZE)
  サラ・アン・ヒルデブラント
アメリカ合衆国 (USA)
53 kg級[13]   向田真優
日本 (JPN)
  龐倩玉
中国 (CHN)
  ワネサ・カラジンスカヤ
ベラルーシ (BLR)
  バト=オチル・ボロルトゥヤ
モンゴル (MGL)
57 kg級[11]   川井梨紗子
日本 (JPN)
  イリーナ・クラチキナ
ベラルーシ (BLR)
  ヘレン・マルーリス
アメリカ合衆国 (USA)
  エベリナ・ゲオルギエバ・ニコロバ
ブルガリア (BUL)
62 kg級[15]   川井友香子
日本 (JPN)
  アイスルー・ティニベコワ
キルギス (KGZ)
  イリーナ・コリアデンコ
ウクライナ (UKR)
  タイベ・ムスタファ・ユセイン
ブルガリア (BUL)
68 kg級[16]   タミラ・マリアマ・メンサ=ストック
アメリカ合衆国 (USA)
  ブレッシング・オボルドゥドゥ
ナイジェリア (NGR)
  アラ・チェルカソワ
ウクライナ (UKR)
  メーリム・ジュマナザロワ
キルギス (KGZ)
76 kg級[14]   アリーネ・ロッター=フォッケン
ドイツ (GER)
  アデリン・マリア・グレイ
アメリカ合衆国 (USA)
  ヤセミン・アダル
トルコ (TUR)
  周倩
中国 (CHN)

国・地域別のメダル獲得数編集

国・地域
1   日本 (JPN)(開催国) 5 1 1 7
2   ROC (ROC) 4 0 4 8
3   アメリカ合衆国 (USA) 3 2 4 9
4   キューバ (CUB) 2 0 1 3
5   イラン (IRI) 1 1 2 4
  ウクライナ (UKR) 1 1 2 4
7   ハンガリー (HUN) 1 1 0 2
8   ドイツ (GER) 1 0 2 3
9   中国 (CHN) 0 2 2 4
10   キルギス (KGZ) 0 2 1 3
  ベラルーシ (BLR) 0 2 1 3
12   ジョージア (GEO) 0 2 0 2
13   アゼルバイジャン (AZE) 0 1 2 3
14   インド (IND) 0 1 1 2
15   アルメニア (ARM) 0 1 0 1
  ナイジェリア (NGR) 0 1 0 1
17   トルコ (TUR) 0 0 3 3
18   ブルガリア (BUL) 0 0 2 2
19   エジプト (EGY) 0 0 1 1
  イタリア (ITA) 0 0 1 1
  カザフスタン (KAZ) 0 0 1 1
  モンゴル (MGL) 0 0 1 1
  ポーランド (POL) 0 0 1 1
  サンマリノ (SMR) 0 0 1 1
  セルビア (SRB) 0 0 1 1
  ウズベキスタン (UZB) 0 0 1 1
合計 18 18 36 72

脚注編集

  1. ^ レスリング” (日本語). 東京2020. 2020年11月5日閲覧。
  2. ^ QUALIFICATION SYSTEM – GAMES OF THE XXXII OLYMPIAD – TOKYO 2020”. 2021年7月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年6月21日閲覧。
  3. ^ 【東京オリンピック出場枠争い】レスリング: 2019年9月の世界選手権で出場権が概ね決定へ”. Olympic Channel. 2020年10月18日閲覧。
  4. ^ a b JOC - 須崎優衣、1位で初の五輪 レスリング、アジア予選” (日本語). 日本オリンピック委員会(JOC). 2021年5月1日閲覧。
  5. ^ JOC - レスリング屋比久、初の五輪代表 グレコローマン77キロ級” (日本語). 日本オリンピック委員会(JOC). 2021年5月1日閲覧。
  6. ^ 共同通信 (2021年5月7日). “レスリング高谷、3大会連続五輪 高橋侑も出場枠 | 共同通信” (日本語). 共同通信. 2021年6月12日閲覧。
  7. ^ 共同通信 (2021年6月12日). “高橋侑希、初の五輪出場 レスリング代表決定戦、樋口下す | 共同通信” (日本語). 共同通信. 2021年6月12日閲覧。
  8. ^ Athlete AIT OUAGRAM Zied (MAR) did not attend weigh-in.”. 2021年9月18日閲覧。
  9. ^ Athlete FARDJ Mohammed (ALG) did not attend weigh-in.”. 2021年9月18日閲覧。
  10. ^ 競技スケジュール|東京2020オリンピック競技大会公式ウェブサイト” (日本語). 東京2020. 2020年6月17日閲覧。
  11. ^ a b c オリンピックスケジュール&結果 - レスリング - 8月5日” (日本語). olympics.com. 2021年8月5日閲覧。
  12. ^ a b c オリンピックスケジュール&結果 - レスリング - 8月7日” (日本語). olympics.com. 2021年8月7日閲覧。
  13. ^ a b c オリンピックスケジュール&結果 - レスリング - 8月6日” (日本語). olympics.com. 2021年8月6日閲覧。
  14. ^ a b c オリンピックスケジュール&結果 - レスリング - 8月2日” (日本語). olympics.com. 2021年8月2日閲覧。
  15. ^ a b c オリンピックスケジュール&結果 - レスリング - 8月4日” (日本語). olympics.com. 2021年8月4日閲覧。
  16. ^ a b c オリンピックスケジュール&結果 - レスリング - 8月3日” (日本語). olympics.com. 2021年8月3日閲覧。

外部リンク編集