H7N7亜型(えいちなな えぬなな あがた)はオルトミクソウイルス科に属するA型インフルエンザウイルスの亜型の1つである。高病原性と低病原性の株がある。

H7N7亜型
分類
: 第5群(1本鎖RNA -鎖)
: Incertae sedis
: オルトミクソウイルス科
Orthomyxoviridae
: A型インフルエンザウイルス属
Influenzavirus A
: A型インフルエンザウイルス
Influenza A virus
亜型 : H7N7亜型
subtype H7N7
学名
Influenza A virus subtype H7N7

H7N7は人間トリアシカなどに感染するほか、実験室ではネズミにも感染が確認された。広範囲の宿主に感染する人獣共通感染症であるため、パンデミックを引き起こす可能性がある。

歴史 編集

2003年オランダでは幾つかの農場で家禽に流行したことに続いて89人がH7N7インフルエンザウイルスに感染していることが確認され、1人の死亡が報告されている[1]。オランダ政府の最終的な公式報告によると250人以上から抗体が見付かった。この流行を調査した論文によると、感染の規模は以下のようなものだった[2]

感染した家禽にさらされた人々のうち、少なくとも50%がH7抗体を持っていることが修正版の検査方法により検出されたので、最低でも1,000人、場合によっては2,000人以上でH7N7トリインフルエンザウイルスの伝染が起きたと推定される。感染した家禽との接触はないが、感染した家禽の畜養労働者と家庭内で接触した人々のH7抗体の血清陽性率は59%であった。これはトリインフルエンザの危険曝露母集団は、感染家禽に直接接触する人間に限定されるものではなく、大規模に人から人への感染が起きている可能性を示唆している。

2006年8月、オランダ中部バルネフェルトの養鶏所で行われた定期検査によって、低病原性H7N7が確認された。予防的措置として、バルネフェルトとその近郊の養鶏所で25000羽の鶏が処分された[3]

2008年6月、高病原性H7N7が英国グロスタシャー州シェニントンで確認された。おそらく以前から存在していた低病原性の変種から発生したと考えられている。「多数の鳥が死亡したのは6月2日だが、その2週間前から死亡率の増加、卵の生産の低下が記録されていた。6月4日にH7N7と確認された」という[4]

2009年10月、高病原性H7N7がスペイングアダラハラ県で確認された。香港政府はスペインからの鶏肉の輸入の一時停止を発表した[5]

脚注 編集

  1. ^ “Early bird flu warning for Dutch”. BBC News: Panorama. (2005年11月6日) 
  2. ^ Bosman A, Meijer A, Koopmans M (6 January 2005). “Final analysis of Netherlands avian influenza outbreaks reveals much higher levels of transmission to humans than previously thought”. Euro Surveill. 10 (12): 2616. http://www.eurosurveillance.org/ViewArticle.aspx?ArticleId=2616. 
  3. ^ www.chinaview.cn 2006-08-10 article Mild form of H7N7 bird flu found in Netherlands
  4. ^ Farmers Guardian article Poultry farmers' avian flu warning published June 20, 2008
  5. ^ El País 2009-10-15 article El virus de gripe aviar de Guadalajara es el H7N7

関連図書 編集

外部リンク 編集