Socket AM3(ソケット エイエムスリー)は、AMDCPUで使用するCPUソケットであり、Socket AM2+の後継のソケットである。AM3のために設計されたPhenom IIプロセッサの最初のグループとあわせて、2009年2月9日に発売された[3]。AM2+からAM3への大きな変更点は、AM3の統合メモリコントローラのサポート内容である。AM3では、DDR2に加えてDDR3がサポートされている

Socket AM3
Socket AM3 (MSI 785GM-P45)
ソケット形式 PGA-ZIF
チップ形状 PGA
接点数(ピン数) 941[1][2]
FSBプロトコル HyperTransport 3.x
FSB周波数 システムクロック 200 MHz
最高 2.6 GHz までの HyperTransport
採用プロセッサ Phenom II (AM3 対応品のみ)
Athlon II
Sempron
Opteron 138x

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互換性 編集

Socket AM2/AM2+のピン数は940本であったが、Socket AM3ソケットのピンホールの数は941本に増えた。しかし、発売されているSocket AM3プロセッサのピン数は938本であり、またピンの位置もSocket AM2/AM2+ソケットと互換性が保たれた配置となっている。このため「Socket AM3版」や、「Socket AM3対応」と表記されたCPUであっても、BIOS、CPUへの供給電圧、消費電力がそれぞれ対応しているようであれば既存のSocket AM2/AM2+ソケットを備えたマザーボード上で使用可能である[1]

ただし、Socket AM2/AM2+を搭載したマザーボードであっても、Socket AM3版のPhenom IIおよびAthlon IIなどに対応していないマザーボードも存在するので、不明な場合は各マザーボードメーカー[4][5]へ対応状況を確認する必要がある。

逆に、Socket AM3のソケットを備えたマザーボードにSocket AM2/AM2+版のCPUを搭載することはできない。Socket AM2/AM2+版のCPUは、DDR2 SDRAMのメモリコントローラしか内蔵しておらず、メモリに互換性が無いためである。そのため、Socket AM3のソケットは、Socket AM2/AM2+のものとホールの位置が変更されており物理的にSocket AM2/AM2+版のCPUをSocket AM3ソケットに装着できないよう配慮されている。

前述の通り、Socket AM3はキーのピンの位置、ホールの数を変更している。現状のAM3プロセッサが938ピンであるのに対して、AM3 Socketは941ピン分のコンタクトを有している[1]

Tom's Hardwareにおいて、ひとつの試みとしてSocket AM2+版のPhenomをSocket AM3に合わせるため、邪魔なキーのピンを2つ取り外してみた。プロセッサは、Socket AM3では動作しなかったが、Socket AM2+では動作した[6]

マザーボードメーカーの対応 編集

マザーボードメーカーは、既存のAM2/AM2+のマザーボードに「AM3 Ready」のような表示を行い、特定のボードでBIOSのアップグレードサポートが提供されることを示した。これにより「AM3 Ready」と表示されたマザーボードは、既存のSocket AM2/AM2+を搭載したマザーボードであっても、BIOSを最新のバージョンにアップグレードすることでSocket AM3版 CPUを使用することができる。

「AM3 Ready」と表示されていないマザーボードであっても、メーカーによりSocket AM3に対応するBIOSが配布されている場合がある。

参照 編集

  1. ^ a b c MSI Releases AM3 Gaming Series Motherboards hothardware 2009年1月22日
  2. ^ Some compatible processors are designed with a smaller number of pins.
  3. ^ The Phenom II X4 810 & X3 720: AMD Gets DDR3 But Doesn't Need It AnandTech 2009年2月9日
  4. ^ AM3 CPU Ready Motherboards ASUS
  5. ^ AM3 CPU Ready Jetway
  6. ^ Modding And Overclocking–Doable? Tom's Hardware 2009年2月9日

外部リンク 編集