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AZEL -パンツァードラグーンRPG-』 (アゼル パンツァードラグーン アールピージー、AZEL PANZER DRAGOON RPG、海外版:Panzer Dragoon Saga)は、1998年1月29日にセガ(後のセガゲームス)が発売したセガサターンコンピュータRPGである。

AZEL -パンツァードラグーン RPG-
Panzer Dragoon Saga
ジャンル RPG
対応機種 セガサターン
開発元 チームアンドロメダ
発売元 セガ(後のセガゲームス
人数 1人用
メディア CD-ROM 4枚組
発売日 欧州連合の旗 1998年6月5日
日本の旗 1998年1月29日
アメリカ合衆国の旗 1998年4月30日
対象年齢 ESRB: T (Teen)
売上本数 日本の旗 10万8,802本[1]
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目次

ゲームの概要編集

本作は3Dシューティングゲームである『パンツァードラグーン』シリーズの第3作として発表されたが、シリーズ中で本作のみRPGとして制作された。主にセガはアクションゲームを中心とした製品のリリースに力を入れていたため、ファンタシースターシャイニングフォース(こちらはどちらかと言うとシミュレーション要素が強い)シリーズが出ていたものの、RPG自体のリリース本数は非常に少なく、珍しい部類である。

特長のひとつはポリゴンで構築された世界である。幕間のイベントデモは(一部でムービーが使われたものの)ほとんどリアルタイムポリゴンで描写され、他の場面との違和感を解消していた。こういったいわゆる「ポリゴン劇」とも言うべき演出手法は現在では広く用いられているが、『メタルギアソリッド』シリーズや『ゼルダの伝説 時のオカリナ』等で浸透する以前は稀なものであった。

当時のセガのオリジナルゲームは前述したようにアクションゲームが大半であったため、シームレスなゲームプレイを優先するあまりゲーム中における世界観の描写がなおざりになりがちで、本作のように物語の描写やストーリー、演出を重視したものは特に珍しい作品となっている。

ゲームシステム編集

マップの移動編集

本作はランダムエンカウント式のRPGである。ワールドマップから地域を選択するとその探索ゾーンに入れる。

探索ゾーンでは基本的にドラゴンに騎乗し敵が出現するゾーンと、主人公「エッジ」が単身で探索をするゾーンの二種類がある。ドラゴンに騎乗している場合はBボタンで前進し、方向キーの上下で高度を、左右で旋回する。エッジが単身の場合は十字キーのみで移動が可能で、このゾーンで敵とエンカウントすることはない。

どちらのモードでも共通なのがCボタンを押す事でロックオンカーソルが出現し、十字キーで操作して付近の物体をロックオンし、もう一度Cボタンを押す事でリアクションが発生する。

従来のRPGでは会話や宝箱を空ける行為は、その物体や人物に近寄ってメニューから「話す」「調べる」などのコマンドを選択するのが通常であったが、本作ではそれはすべてロックオンという行為で簡略化されている。また、ロックオンには距離の判定があり、人物同士の会話を遠くから盗み聞きしたり、遠くからではよく分からない物も、近寄ることで初めて詳細に解説やイベントが発生するなどの要素があった。

またドラゴンモードでは若干異なり、会話シーンは能動的には発生せず、距離に関係なくリアクションを起こすレーザーが発射される。モノリス(宝箱)やオブジェクトの破壊にはロックオン数が規定値に達していなければならないものもあるが、このロックオン数はドラゴンが進化して強くなる度に上がり、その進化は基本的にはストーリーを進めて特定のボスを倒したタイミングで強制的に発生する。つまり、ストーリーをある程度進めないと壊せない物体やドアがあり、一度クリアしたエリアも後に再進入すると新たな発見が生まれる仕組みになっていた。

戦闘システム編集

戦闘システムは基本的にファイナルファンタジーシリーズの「アクティブタイムバトル」を踏襲・模倣した物である。 ただし、ここに本作独自の位置取りシステムが加わることで、独特の楽しみを得ることができた。本作はプレイヤーがメニューを開いている場合、敵味方の時間経過が一時的に停止する。

ドラゴンやエッジの行動には時間が経過すると自動でチャージされるシンクロナスゲージが必要となる。 このゲージは最大まで三個分まで貯めておくことができ、溜まった本数に応じて行える行動が異なる。 プレイヤーの基本行動であるドラゴンの光の矢(自動追尾レーザー)やエッジのハンドガン狙撃・アイテムの使用、ドラゴンの攻撃モードチェンジは1ゲージ消費するが、本作における魔法に相当するドラゴンの特殊技「バーサーク」では2~3ゲージ必要なものもある。

一方で敵側にも表示こそされないが同様の概念が存在し、一定数の行動ゲージに相当する間隔で敵の行動がなされる。ただし後述する移動によりその時間がずれることはある。

ドラゴンの基本攻撃である「光の矢」は複数の敵や複数の箇所への高威力攻撃が可能で、複数のロックオン箇所がある敵や単体相手への効果は高いが、ドラゴンに近い敵からロックオンしていくために対象の指定ができず、単数で数が多い相手には威力が分散されてしまう。 一方、エッジのハンドガンはオプションの装着で威力や性質が変動するが、基本的には一度に一体の敵・一箇所の部分しか攻撃できない。しかし一点に攻撃を集中できるため、光の矢では弱点が埋没してしまう場所への集中砲火には効率が良い。 レーザーと銃のどちらかを無効化する耐性を持つ敵も存在するが、バーサークについては無効化される方向からの攻撃でない限り、防御力に関係なく効果を発揮する。

また、ドラゴンや敵は敵集団を中心に前後左右に場所を移動する事ができる。ただし、移動中である側の行動ゲージは上昇しないが、そうでない側のゲージは上昇を続ける。 画面下のレーダーには無色透明、緑色、赤色で色分けされた4方向別の危険度が表示されており、緑色の地帯は攻撃が行われず最も安全、赤色は大ダメージまたは状態異常など最も危険な攻撃を行ってくる位置を示す。 また敵の防御力は向きによって別々であり、特に低い箇所は弱点のマーカーが表示され、弱点が見える位置から狙って攻撃すると大ダメージを与えることができる。

基本戦術としては安全地帯でゲージを溜め込み、敵の弱点(一般的に弱点の狙える方向と、レーダー上の危険エリアは同一である場合が多い)まで移動して攻撃を仕掛け、再び安全地帯に逃げ込む事になる。 しかしプレイヤーが自らむやみに移動を繰り返すと敵の行動ゲージだけが上昇する事になり、逆に劣勢を強いられることもある。

タイプモーフィング編集

ゲームが進み、ドラゴンが進化すると、タイプセレクトモードが開放される。このタイプセレクトは探索モードだけではなく、バトル中でも行動ゲージを1消費する事で実行可能である。

ドラゴンのタイプは「通常型」と「攻撃型」「防御型」「機動型」「心技型」の計5種類に分けられている。 ただし完全固定されているのではなく、円盤中のカーソルを動かし「攻撃力」「心技力」「防御力」「機動力」のパラメーターを最大200の範囲内で増減させることで、ステータスとドラゴンの姿に無段階の変化が生じるようになっている。 これにより「攻撃型と機動形の能力に特化した状態」や「防御型と心技形の能力に特化した状態」などだけでなく、その間を取った中立的な状態にする事もできる。 特殊能力の中には対応するタイプでのみ3ゲージで使用できるがBPを消費しないバーサークや、行動ゲージを3本蓄積させた状態で自動で発動するパッシブスキルが存在する。

ある程度4種のパラメーターが平均に近く、カーソルが中心に近い場所を示していると「通常型」となるが、それ以外は一番高い数値を参考にして型が確定される。そのためか極端な設定にしてもそれぞれの数値が200と199、0と1の状態になる。

また「攻撃力」と「心技力」、「防御力」と「機動力」はそれぞれ対極関係にあり、レーザーの威力に関わる攻撃力を上げるとバーサークの効果に関わる心技力が下がり、防御力を上げると機動力が下がる。

特に機動力はドラゴンの移動速度に影響するが、これが「プレイヤーの移動中は自身の行動ゲージが上がらないが、敵の行動ゲージは蓄積する」という制限のために非常に重要となっている。 例えば敵に安全地帯が多い場合は素早く位置を取り替えたほうが安全に戦闘を進める事ができるため機動力のタイプが有利であるが、守備力を犠牲にして素早さを上げているので、数回攻撃を受けると致命傷になりかねないほど脆い状態である。 よって安全地帯のまったく無い敵、もしくは大技を発動させようとしており回避が困難な攻撃を仕掛けられそうな時は防御型に切り替えて被ダメージを軽減する、という手段が考えられる。

なおタイプセレクトはレベルアップ時のステータス上昇やバーサーク習得順序にも影響する。攻撃型でレベルアップするとレーザーの基礎威力が、防御型だとHPが、機動形だとハンドガンの基礎威力、心技型だとバーサークポイント(MP相当)が優先的に上昇しやすくなるようになっており、プレイスタイルによってドラゴンの事実上の最終性能が可変する仕組みとなっている。

ストーリー編集

高度な文明が滅び、残されたわずかな人類が、自らの生み出した攻性生物たちにおびやかされながら暮らしていた時代。
かつての科学文明を発掘して攻性生物を駆逐しようとする帝国は、領土拡大のため諸国との戦争に明け暮れていた。

少年エッジは、帝国の遺跡発掘現場で、警備の傭兵として暮らしていた。
傭兵とはいっても、敵国と戦うというよりは、発掘した兵器や攻性生物が暴れたときに鎮圧するのが主な任務であった。
退屈な日々に嫌気がさしていたある日、発掘所内部から敵の奇襲があった。エッジが内部に到着すると、そこには白い甲殻を身につけた純血種の攻性生物が暴走していた。

エッジは手持ちの武器で応戦するが、撃退はおろか傷一つつけることができない。このままでは仲間や隊長が殺されてしまう。
すると今にも崩れそうな橋に、光学兵器のランチャーがあるのを目にする。純血種を倒すにはあの武器を使用するしかない。白い装甲から突き出たカギツメの攻撃はエッジの頭をかすめ、なんとかランチャーまでたどり着いたが、そこでエッジは、衝撃的な物を目にする。

攻性生物の攻撃によって破壊された壁面から、石版の中に埋め込まれ、昏々と眠りに付く少女が姿を現したのだ。
一瞬それに見とれていたエッジは、隊長の呼びかけで我に返る。振り返ったエッジは、ランチャーを敵の足下に撃ち込んで足場ごと落下させ、攻性生物の撃退に成功した。

なんとか生き残った仲間や隊長達と共に遺跡の外の発掘所へ出るエッジ達。そこには、帝国軍将校・クレイメン率いる『黒い艦隊』が待ち受けていた。
友軍であるはずのクレイメン艦隊だったが、その仮面の男・ツァスタバが遺跡から出てきた傭兵たちを有無を言わさず射殺していく。
その場で仲間を皆殺しにされ立ち向かおうとするエッジだったが、副官アーウェンに銃で殴られ気絶してしまう。
かくしてクレイメン一味は破壊の限りを尽くし、ついには石盤ごと少女を奪い去ってしまっていったのである。
目を覚まし後を追おうとしたエッジの前に現れたのはツァスタバ。エッジもまた銃撃され、谷底へ転落してしまう。

谷底の遺跡で息を吹き返したエッジを救ったのは、伝説のドラゴンに似た攻性生物だった。
ただ一人生き残ったエッジは傭兵仲間の復讐を誓い、ドラゴンに乗ってクレイメンを追うのであった。

登場人物編集

エッジ(声:石田彰
この物語の主人公。ドラゴンプログラムにより調停者(4代目)に選ばれ、最終的に旧文明の破壊派と維持派の永い闘争に終止符を打つ。調停者に選ばれた理由については、「絶対の客人(後述)」を内部に有していたためと思われる。これについてエンディングにてドラゴンプログラムより、終焉を迎えたことへの感謝と争いに巻き込んだ謝罪を伝えられる。
元々は辺境の帝国軍傭兵であり、発掘所でのクレイメン艦隊のクーデターに巻き込まれ仲間たちを失い、自身も一度は死にかけるが、直後訪れるドラゴンに助けられ、乗り手として認められることで調停者となる。
当初はクレイメン艦隊を追い仲間の敵を討つという復讐の念から旅を始めることになったが、長い旅で伝承のドラゴンの乗り手として、また帝国軍が総力を挙げて殲滅せんとする敵として、アゼルともども旧文明の遺跡「塔」に関わってゆく事になる。またドラゴンに選ばれた調停者らしく特殊な能力が備わるようになり、射撃の腕前が正確無比になることや拷問や被弾からすぐに回復するなど肉体面において常人ではない能力を発揮するようになる。
ドラゴンに対しても全くの無知であったが、数々の戦闘を乗り越えるうちに乗り手としての自覚を深めていく。(これは戦闘終了後の戦績評価画面でもリアクションで表現される)また、アゼルに対しては最終局面にて特別な感情を持っていることを匂わせる。が、思いを寄せてくれるキャラバンの少女に関してはさしたるリアクションもなく恋愛には疎そうである。
次回作の「オルタ」では、主人公オルタの(遺伝子情報上の)父親であるような表現がされている。
ドラゴン
旧文明において、人間を「塔」によって管理するべきとした維持派に対し、人間は人間として生きる道を決めるべきとした破壊派の仕組んだドラゴンプログラムによって発現した個体。維持派の構築したセストレンからは「エラー」として扱われている。使命として、人間を管理する「塔」の活動停止を最終目標とする。また、発現時には相対するガーディアンドラゴンも活動するため、ドラゴンと相対し闘えるのはドラゴンのみとのストーリーが歴代描写されている。
かつては伝承のみの存在とされていたが、(時系列上最古の)前作ツヴァイ以降、実在するとして認識されている。通常の純血種攻性生物と大きく異なる点は、「乗り手」(ドローンあるいは人間)を選ぶという事と、成長を繰り返す(変形可能な生体装甲をまとうこともある)であり、このことが事実上最強の純血種攻性生物として圧倒的な戦闘能力を誇りうる最大の特徴でもある。このため成長の段階によっては単体の「純血種攻性生物」としての性能は他の純血種のほうが上回ることもあるのであるが、素体状態においても帝国の編成艦隊を殲滅する、あるいは遺跡内の純血種攻性生物と対峙できるなどやはり一級品以上の能力を持つ。
今回の個体は3代目にあたり、前々作アインの完全体および前作ツヴァイの幼体(ラギ)と異なり最初から素体ドラゴンとして発現する。このことから初代・2代目とは別の個体と考えられるが、ドラゴンプログラム上は同一体なのか、アインのブルードラゴン、またはツヴァイのドラゴンスカイダート等旧作の同形態にもモーフィング可能である。
また、今作ではコミュニケーション不足であるとキャンプでそっぽを向く、逆であれば撫でると喜ぶなどドラゴンの感情を演出するパラメータが存在する。
アゼル(声:坂本真綾
本作の重要人物であり、彼女をめぐる争いがすべての事の発端である。
その身体は攻性生物の純血種のような外殻と特徴的な(便宜上)髪の少女の姿をしているが、実際には旧文明によって生み出された「人型攻性生物」ともいえる存在である。特に彼女は、ドローンと呼ばれるその存在の中でも特別な能力を託された個体である。
自分を長い眠りから覚ましてくれたクレイメンを父のように慕い、クレイメンを追うエッジの前に立ちはだかる。
当初はクレイメンに服従する操り人形のようであったが、徐々に感情に目覚め人間的な振る舞いをするようになる。
終盤では、シーカーの人々が犠牲になったことに対して沈痛な感情を持ち、最終局面ではエッジに対して孤独への寂しさを露呈していることからも、人型攻性生物ドローンであるとの立場から人間的な立場へ変化するアゼルが描かれている。
エンディングにて、かつて「塔」のあった荒野にアゼルによく似た白色の肌の女性が周りの制止を振り切ってクーリアにまたがり旅立つが、それがアゼルその人であるのか、またアゼルであっても「塔」にたどり着いて何があったのかの描写はされていない。だが次回作の「オルタ」では、セストレン内にて主人公オルタの母親であるような表現がされている。
アトルムドラゴン
黒い外殻と長い尾が特徴的な巨大な漆黒のドラゴン。アゼル発現ともに目覚めた彼女専用のドラゴンというべき存在であり、塔の発動とともに目覚めたカーディアンドラゴンとは一線を画す存在である。
交戦のたびに新たな装備をくりだしてくる上、こちらと同等以上の光学兵器を持つ強敵である。だが、最後にはアゼルをエッジに託す形でその使命を終える。
K.F.クレイメン(声:伊武雅刀
戦艦を黒く塗装した、『黒い艦隊』を指揮する帝国軍将校。
旧世紀の遺跡「塔」およびドラゴンに対して常人で計り知れない程の知識を持っており、民間人でありながら帝国アカデミーを首席で卒業し軍内部の高官になるなど異質の存在である。
また、クレイメン艦隊を絶対的に指揮し、部下は囮や陽動など危険な任務にも何の躊躇もしない。圧倒的なカリスマを持つ指揮官でもある。
エッジのいた発掘所を襲撃してアゼルを遺跡から強奪し、更に帝国軍の本部である帝都を吹き飛ばす。
帝国に反逆し、独自の目的を果さんとしているがそれは不明であった。
だがそれは帝国から見ての「反逆」であり、クレイメン自身は明確な目的があったようであり、それはやはり常人からは計り知れない旧世紀への知識と理解があったからであった。
最期は帝国皇帝の凶弾に倒れるが、それを目の当たりにしたアゼルは半狂乱となり「塔」を発動させてしまう。
塔の発動の最中、クレイメンはエッジにアゼルを頼むと言い遺した。
皇帝(声:大塚周夫)
旧世紀文明をフル活用した様々な兵器を独占する帝国軍の皇帝。
老体ではあるものの、「グリグオリグ」を始めとする最強の艦隊を自ら率いて進軍する。
旧世紀への理解は乏しく、あくまでも私利私欲のために旧世紀のテクノロジーを帝国のためだけに利用しようとする。
最期には、目覚めた塔の送り込んだ純血種攻性生物の強襲にあっけなく息絶える。
アーウェン(声:大塚明夫
クレイメン艦隊副官。
ツァスタバ(声:大川透
クレイメン艦隊の切り込み隊長。
奇抜な仮面を装着しており、言動ともに不信かつ残忍であるが、その半狂信的な忠誠心は帝国よりはクレイメン本人に対して捧げられているが、それは彼自身の過酷な過去とクレイメンに救われた恩義があった。
戦闘機のパイロットの中ではトップクラスの腕前を持ち、絶対的な追尾性能を持つはずのドラゴンの光の矢を難なく回避してしまうほどである。己の役目の最期を知ったツェスタバは、エッジを試す形で生身の人間でありながらドラゴンに戦いを挑み、敗れた後はエッジを認めたうえでクレイメンを託し、彼との戦いでは使用しなかった光学兵器を解禁した全力を以て帝国艦隊へと特攻した。
ガッシュ(声:大塚芳忠
本名、スキアド=オプス=ガッシュ。攻性生物から逃れていたところを救出されたことがきっかけで、エッジと親しくなる。
最初はすこし間の抜けた旅人としてエッジに接触してくるが、その実旧世紀に対して帝国以上の知識をもった「盗掘」集団『シーカー』のリーダーであり、ドラゴン乗りの詳細を追っていた。
「シーカー」が一般的に「盗掘」集団と呼ばれるのは、帝国側から見た扇動であり実際は旧世紀の文明を理解しその解明をする集団である。だが、真意を知らない民間人からはキナくさい行動をとっている盗賊と受け取られても過言ではない集団である。実際には攻性生物でなにもかもを失った者、身寄りの無い者などを(旧世紀の研究を深めながら)保護する組織である。
かつて調停者であったランディ師の後継者でもあり、当初の軽い発言からは想像もできないほどシーカーのリーダーとして集団内での発言権を持つ。顔の片方を石盤で覆っているが、これはかつて攻性生物から受けた酷い傷の跡を隠す為であり、それを見せられたエッジが絶句するほどである。また腕は義手であるようである。
今回のエッジとドラゴンとの接触でかつてないほどの情報を得た認識はあるのだが、エッジがアゼルともに攻性生物に対し「造られた物」とある種の悲壮を感じる立場を示すに対し、ガッシュは(自身も仲間も含め)過去幾多の犠牲から攻性生物は「殺すべき敵」との意識が強い。ドラゴンに対しても「攻性生物」である以上信用はあまり置かないようである。
パエット(声:平田広明
攻性生物の被害に脅かされないという神聖な街の有力者の息子。
しかし非常に研究熱心かつ偏屈な性格で、攻性生物が進入することは無いが本来限られた者だけしか入れない安全地帯「神聖区」から抜け出しては、旧世紀の発掘品をいじくりまわしているため、周囲の者からは変人と呼ばれることが多い。
ドラゴンがエッジに見せた「塔」のビジョンの手がかりを求める内に出会う事になり、共に助け合う間柄となる。
街が帝国の攻撃で壊滅した後はシーカーへ身を寄せ、語り部の1人となった。
ランディ・ジャンジャック
元々は辺境の村のハンターに過ぎなかったが、ある時生まれてきたクーリア(家畜用攻性生物)の変種を匿ってしまう。変種クーリアは生まれ次第殺すべきという村の掟に背き、翼があるクーリアをどうしても殺せなかったのだが、それはドラゴンプログラムがクーリアに体を借りて発現した個体であった。
彼はそのドラゴンに「ラギ」を名前を与え隠れて育てることになる。結果、「ラギ」の存在を察知した「塔」(シェルクーフ)の攻撃により村は消滅。その後、シェルクーフ事件にかかわることになる。ドラゴンプログラムによる初代調停者であり、伝承上の存在だったドラゴンが実在するとして認知されたのも彼の行動によるものであり、ドラゴンの基本性能は彼の知見が伝えられたものが大きい。なおシェルクーフ事件後、彼は二度とドラゴンに乗ることは無く、帝国側にも寄らず、シーカーの発展に尽力したと伝えられている。
この作品の時系列ではすでに亡き故人であり、彼の生きた証しは文書として世界各地に散らばっている。
カイル・フリューゲ
二代目ドラゴンプログラムの三代目調停者に選ばれた青年。
攻性生物の狩りの途中に偶然ブルードラゴンとガーディアンドラゴンの戦いに巻き込まれ、村を空爆したガーディアンドラゴンの攻撃にスキをつかれレーザーに胸を一閃されてしまった二代目調停者によって認められ最後の息でドラゴンを託されてしまう。その際使命と記憶を受け継ぎ、帝都での塔起動実験を察知した彼はそれを破壊すべくドラゴンに乗って戦いに巻き込まれて行く。
ガーディアンドラゴンとの戦闘で帝都の半分が消滅、そしてその後が彼がどうなったのか文献は存在しないが、彼の存在とその行く末を伺わせる(時系列上で年齢が一致する)人物が作中に登場する。そのイニシャルから、民間人ながら卓越した旧世紀の知識を持ち帝国アカデミーを主席で卒業し、部下からの絶対的忠誠を持ち独立軍隊を持つほどのカリスマ軍人K.F.クレイメンその人でないかといわれている。
セストレン(声:不明)
本作の最終到達目標であり、旧文明の維持派によって構築されたプログラムである。その使命は塔および攻生生物の統括である、旧文明が滅んだ後も延々と活動を続けてきた。
主な役割は、「塔」および攻性生物を管理統括し、攻性生物による人間の人口の管理、また「塔」により陸上・空問わず、汚染された環境浄化の管理である。
具体的な存在場所は明示されていないが、入り口となるのは「塔」であり、その鍵となるのが選ばれたドローンである。次回作「オルタ」ではセストレンと呼ばれず「世界回路」と呼ばれているが、まさにその通りであり「世界のどこでもなく世界のどこにでもある」場所ともいえる。
その内部は最強クラスの純血種攻性生物が守護する領域であり、生身の人間単体では到底たどり着けず、また到達したとしても一秒先の命の保障など全くない場所である。
シェルクーフ(遺跡)
世界の環境浄化と人間の間引きを使命とする旧世紀の遺跡「塔」の1つ。しかし、他の「塔」と違い移動能力を有した「空飛ぶ塔」といえる異質の存在である。
その絶望的な破壊力と驚異的な姿は、その純血種攻性生物の外壁と同じ白い外観より「白い悪夢」として、地上の民からは畏怖の対象であった。
前作「ツヴァイ」では、ランディとラギの村を壊滅させ旅立ちのきっかけをつくったのであるが、攻撃の目的は「ラギ」、すなわちドラゴンプログラム(維持派からすれば「エラー」)の殲滅であった。
数々の自己防衛機能と迎撃のための純血種攻性生物および強襲艦を宿し、その戦闘力は帝国軍が赤子にみえるレベルである。前作「ツヴァイ」にて調停者ランディとドラゴンによって破壊・封印されるが、今作ではその遺構として登場する。

用語解説編集

「旧世紀」と「遺跡」
数千年前に滅びたとされる旧文明と、それによって世界各地に遺された「塔」を始めとする超巨大建造物。
遺跡が存在する理由は現在も判明していないが、攻性生物を生産し人類を攻撃するための施設として活動を続けているものが少なくない。
帝国とシーカー
旧文明の発掘品を用いて攻性生物を初めて撃退し遺跡を制圧、「攻性生物から人類を守り抜く」と宣言した人物が皇帝の始祖と言われている。
それから何代かの世代交代が行われた後に「帝国」が建てられ、現在では巨大な街を建造するにまで至る国家と化した。
ただし、初期の皇帝部族一派は元々はシーカーたちと殆ど変わらなかったとされ、その意味で言えば帝国はシーカーから分化した存在といえる。
現在のシーカーは攻性生物によって家族・仲間などを失ったメンバーがほとんどであり、外部から盗掘集団と認識されてはいるものの、旧世紀文明の研究にかけては依然として帝国以上に詳しい。
過去のドラゴン襲撃
ドラゴンはある時期まで伝承上の攻性生物であると言われており、そしてその認識は帝国においても同じであったと言わざるを得ない。
しかし帝国が旧世紀の飛行船「シェルクーフ」を追跡中、およびそれにより勃発した帝国軍とメッカニア軍の大戦乱の中に突如として飛来し、その尽くに壊滅的打撃を加えて姿を消した。
その後、「塔」の起動実験が行われていた帝国の首都に飛来した2頭のドラゴンが戦闘を繰り広げ、それに巻き込まれた帝都は6割が壊滅という甚大な被害を受ける。この二度の遭遇により、帝国はドラゴンの存在を明確に認識することになった。
帝国の史料上では、いずれの遭遇時もドラゴンの背中に少年が乗っていたという報告もされていた。
絶対の客人
物語の重要なキーワードの一つ。「世界を救う」としてシーカー達が追い求める謎の存在。
なお、ゲーム開始時に名前を入力することが要求されるが、これについて取扱説明書には「『AZEL』の世界観に入り込むためにも、名前には、プレイヤー本人の名前を入力することをお勧めします。なお、この名前はセーブ用のファイル名として使用され、主人公の名前(エッジ)とは別のものです」という記述がある。

脚注編集

  1. ^ Panzer Dragoon Saga(Japan)”. 2014年11月22日閲覧。

関連項目編集