BAD HOP WORLD 2020
『BAD HOP WORLD 2020』(バッド・ホップ・ワールド・2020)は、日本のヒップホップグループ、BAD HOPが2020年3月1日に神奈川県横浜市にある横浜アリーナで開催したライブ公演である。
BAD HOP WORLD 2020 | ||||
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会場となった横浜アリーナ | ||||
BAD HOP の ツアー | ||||
場所 | 横浜アリーナ | |||
関連アルバム | Lift Off[1] | |||
公演数 | 全1公演 | |||
BAD HOP ツアー 年表 | ||||
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2018年の日本武道館以来となるアリーナでの公演で、結成後最大動員数を見込んでの開催を予定していたが、この年に世界的に流行した新型コロナウイルスの感染拡大を受け、無観客での開催となった[2]。
開催までの経緯
編集告知・チケット販売
編集2019年6月、Zepp DiverCity TOKYOでの「COLD IN SUMMER ZEPP TOUR」の千秋楽となるのステージで2020年に横浜アリーナで単独ライブをすることを発表した[3]。同年、配信EP『Lift Off』がリリースされた際に"BAD HOP WORLD"と題した9秒ほどの動画が公開される[4]。同年12月7日、川崎駅前でフリーライブ(ゲリラライブ)を行い、この時に横浜アリーナでのワンマンライヴ「BAD HOP WORLD 2020」を翌年の2020年3月1日に行うと記載された号外「BAD HOP News Paper」がオーディエンスに配布された。チケットの販売を2020年1月15日に専用サイトにて24時間限定で行うこともアナウンスされた[5][6]。これまでの活動の中で最大規模であり、会場の横浜アリーナのある横浜市はメンバーの地元である川崎市川崎区のある神奈川県である。約1年間の準備期間を経ての開催となる[7]。
チケットは全席指定。開催日は日曜日であり、午後5時に開場し午後6時の開演であった。2020年2月8日からチケットの再販も行われた[8]。同年2月16日にはヒップホップ専門ラジオ局「WREP」で緊急特番を放送するなどメンバーによるプロモーションも行われ、ライブ当日に向け着々と準備が進められていた[9]。
無観客での開催
編集ライブ開催日の4日前である2020年2月26日、新型コロナウイルス感染症の流行により日本国政府による大規模イベントの中止、延期の勧告を受け、公演を行うのが困難となる。これまでも中止を含め開催の協議が行われ、一度中止を決断し政府からの勧告当日に制作会社に中止の連絡を入れたが、公演中止を諦められない思いから翌日メンバーとスタッフで再度協議が行われ、予定通りの3月1日に横浜アリーナで無観客でのライブを行うことに決定。更にライブの模様をYouTubeのアカウントから生配信する事を発表した[7][10]。
チケットはソールドアウトしていたが、購入者には全額の払い戻しを行った。YouTubeのライブ配信の費用、ステージの製作費などを全て含めると負債は1億円以上。BAD HOPはメジャー・レーベルのレコード会社や芸能事務所に所属していないこともあり本公演でのスポンサーはなく、この負債額をメンバー及びスタッフが全て背負うこととなる[11][12]。
クラウドファンディング
編集無観客での公演決定後、支援者からクラウドファンディングを行うのはどうかという案を参考に、"【BAD HOP】借金1億の無観客ライブをみんなで支援しよう!"と題したクラウンドファンディングがCAMPFIREにて行われた。ライブ公演当日の3月1日午前11時から開始され、ライブ前に約1500万円の金額が集まった。集まった資金はYouTube Liveの制作費やCAMPFIRE手数料、送料、編集費用などに使われた[13][14][15]。
プロジェクト上の目標金額は1億円と記載されたが、まずは5000万円を目指して行われていった。ライブ公演後も3月30日までの1ヶ月間クラウンドファンディングを続け、最終的に78,846,522円の支援総額となった。支援者数は6835人[14]。
公演詳細
編集ライブ当日の2020年3月1日、本番同様のステージセット予告通りに無観客での公演をYouTubeにて無料の生配信を行った。客席にはスタッフのみが待機して見守るという形で公演がスタートした。YouTubeでの再生回数は65万回を超え、YouTubeの急上昇ランクでは1位を記録[15][16]。
最新EP『Lift Off』の収録曲を始め、これまでの既発曲やYZERRやTiji Jojoのソロ楽曲なども披露された。YZERRは横浜アリーナでの公演についてMCでこう語っている[15]。
ライブ終盤のMCにて今回の公演を普通にキャンセルすれば負債は3〜4000万円で済んでいたことがT-Pablowより明かされている[15][17]。
尚、この公演で2020年6月に3枚目とオリジナル・アルバム『BAD HOP WORLD』を発売することを発表した[注 1][18]。
# | タイトル |
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1. | 「JET」 |
2. | 「Double Up」 |
3. | 「Poppin」 |
4. | 「I Feel Like Goku」 |
5. | 「Handz Up」 |
6. | 「ICHIMANYEN」 |
7. | 「Dead Coaster」 |
8. | 「YAGI」 |
9. | 「Walking Dead」 |
10. | 「2018」 |
11. | 「WAR」 |
12. | 「In The Mode」 |
13. | 「RedruM」 |
14. | 「Gucci Scarf」 |
15. | 「HiiiSpace」 |
16. | 「PLAYER 1」 |
17. | 「Super Car」 |
18. | 「Asian Doll」 |
19. | 「Intro」 |
20. | 「Overnight」 |
21. | 「No New Friends」 |
22. | 「ZION」 |
23. | 「Back Stage」 |
24. | 「Prologue」 |
25. | 「Mobb Life」 |
26. | 「Ocean View」 |
27. | 「White T-shirt」 |
28. | 「Life Style」 |
29. | 「Chain Gang」 |
30. | 「これ以外」 |
31. | 「Diamond」 |
32. | 「Kawasaki Drift」 |
33. | 「Foreign」 |
公演後
編集2020年3月26日、BAD HOPの新曲「Hood Gospel feat. T-Pablow, Bark & YZERR」のミュージック・ビデオが公開され、この楽曲のリリックの中で今回の無観客公演の件が触れられている[19]。
2020年4月16日放送の情報番組「スッキリ」(日本テレビ)でBAD HOPの横浜アリーナ公演が取り上げられ、メンバーのYZERRが代表して取材を受け、電話で出演した[20]。
2020年8月7日、ツアーのタイトルにも使われた『BAD HOP WORLD』をタイトルとしたオリジナル・アルバムを配信でリリース[21]。前述の「Hood Gospel feat. T-Pablow, Bark & YZERR」も収録され、その他収録曲「May Day」でも今回の無観客公演について取り入れている[22]。尚、このアルバムは前述のクラウドファンディングの支援者には配信より一足早く手元に届けられている[23]。
2020年12月18日、翌年の2021年1月20日に本公演のリベンジとされるワンマンライブ「BAD HOP WORLD THE REVENGE」を横浜アリーナで開催することを発表した[24]。しかし、日本政府が再び緊急事態宣言を発令する方針を表明したことを受け、延期となった[25]。その後、更なるリベンジとして2021年に「BAD HOP THE REVENGE TOUR」と題した全国ツアーの開催を発表し、開催[26]。2021年9月1日、3度目の挑戦となるワンマンライブ「BAD HOP THE REVENGE TOUR FINAL IN YOKOHAMA ARENA」を横浜アリーナで開催することを発表[27]。しかし、この横浜アリーナ公演も自身が2021年8月29日に出演した野外イベント「NAMIMONOGATARI2021」の影響で延期となった[28]。
出典
編集注釈
編集出典
編集- ^ “BAD HOPの横浜アリーナでのワンマンライヴのチケットが再販決定 - FNMNL (フェノメナル)”. FNMNL (フェノメナル) (株式会社スペースシャワーネットワーク). (2020年2月4日) 2020年8月15日閲覧。
- ^ “負債1億無観客公演 川崎発「BAD HOP」に支援の輪”. カナロコ (神奈川新聞). (2020年3月4日) 2020年8月16日閲覧。
- ^ “BAD HOP、借金1億円の無観客ライブ「蔓延するネガティヴを吹き飛ばしたい」 - KAI-YOU.net”. KAI-YOU.net (株式会社カイユウ). (2020年3月2日) 2020年8月15日閲覧。
- ^ “BAD HOP史上初の横アリライブ「BAD HOP WORLD 2020」 その軌跡をなぞる - KAI-YOU.net”. KAI-YOU.net (株式会社カイユウ). (2020年2月4日) 2020年8月15日閲覧。
- ^ “BAD HOPが横浜アリーナでのワンマンライヴを開催”. FNMNL (フェノメナル). (2019年12月7日) 2020年8月15日閲覧。
- ^ “BAD HOPが横浜アリーナでワンマン、川崎フリーライブ映像公開(動画あり) - 音楽ナタリー”. 音楽ナタリー (株式会社ナターシャ). (2019年12月10日) 2020年8月15日閲覧。
- ^ a b “BAD HOPが横浜アリーナ公演の中止により多額の負債を抱えることを明かしサポートのアイディアを募集 - FNMNL (フェノメナル)”. FNMNL. (2020年2月29日) 2020年8月15日閲覧。
- ^ “BAD HOP 横浜アリーナ公演のチケットを2月8日より再販”. SPICE (株式会社イープラス). (2020年2月7日) 2020年8月15日閲覧。
- ^ “BAD HOP緊急特番をWREPで2時間生放送 - 音楽ナタリー”. 音楽ナタリー (株式会社ナターシャ). (2020年2月14日) 2020年8月15日閲覧。
- ^ “BAD HOPの横アリワンマン中止決定、無観客で生配信「いくら借金を負ってでも届けたい」 - 音楽ナタリー”. 音楽ナタリー (株式会社ナターシャ). (2020年2月28日) 2020年8月15日閲覧。
- ^ “BAD HOP、無観客ライブを横浜アリーナで決行宣言 1億円以上の負債を覚悟 - KAI-YOU.net”. KAI-YOU.net (株式会社カイユウ). (2020年2月28日) 2020年8月15日閲覧。
- ^ “BAD HOPの「借金1億円」無観客ライブを支援、クラウドファンディング実施中 - 音楽ニュース : CINRA.NET”. CINRA.NET. (2020年3月2日) 2020年8月15日閲覧。
- ^ “BAD HOP横アリライブ配信に投げ銭システム導入、クラウドファンディング実施 - 音楽ナタリー”. 音楽ナタリー (株式会社ナターシャ). (2020年2月29日) 2020年8月15日閲覧。
- ^ a b “【BAD HOP】借金1億の無観客ライブをみんなで支援しよう! - CAMPFIRE (キャンプファイヤー)”. CAMPFIRE. 2020年8月15日閲覧。
- ^ a b c d “BAD HOP、無観客の横浜アリーナから世界に届けた希望「俺たちは止まらねえ」(ライブレポート / 写真9枚) - 音楽ナタリー”. 音楽ナタリー (株式会社ナターシャ). (2020年3月2日) 2020年8月15日閲覧。
- ^ a b “BAD HOP WORLD 2020 IN 横浜アリーナ 生配信ライブ - CAMPFIRE (キャンプファイヤー)”. CAMPFIRE. 2020年8月16日閲覧。
- ^ “1億以上の価値を示した8人の勇姿。BAD HOPが横浜アリーナで無観客ライヴを生配信”. block.fm. (2020年3月4日) 2020年8月16日閲覧。
- ^ “BAD HOPが3年ぶりニューアルバム発売、クラファンのリターンで先行入手可能 - 音楽ナタリー”. 音楽ナタリー (株式会社ナターシャ). (2020年3月1日) 2020年8月13日閲覧。
- ^ “BAD HOP、3年ぶりニューアルバム収録曲MV公開「アリーナに客がゼロでも関係ないな」(動画あり) - 音楽ナタリー”. 音楽ナタリー (株式会社ナターシャ). (2020年3月26日) 2020年8月16日閲覧。
- ^ @badhop_official (2020年4月16日). "本日朝8:00から放送された日本テレビの番組"スッキリ"のエンタメ支援特集にてBAD HOPの横浜アリーナ公演が取り上げられ、代表してYZERRが取材を受けました。ご視聴頂いた方々ありがとうございました!>". X(旧Twitter)より2020年8月21日閲覧。
- ^ “BAD HOPの3rdアルバムから4曲を先行配信、プロデューサー陣も発表(動画あり) - 音楽ナタリー”. 音楽ナタリー (株式会社ナターシャ). (2020年7月31日) 2020年8月16日閲覧。
- ^ “BAD HOPの「BAD HOP WORLD」をApple Musicで”. iTunes. 2020年8月13日閲覧。
- ^ “BAD HOP、3年ぶりニューアルバムのトラックリスト&ジャケット公開 - 音楽ナタリー”. 音楽ナタリー (株式会社ナターシャ). (2020年7月18日) 2020年8月13日閲覧。
- ^ “BAD HOP、1月に横浜アリーナでリベンジライブ開催”. 音楽ナタリー (株式会社ナターシャ). (2020年12月18日) 2021年1月5日閲覧。
- ^ “BAD HOP、緊急事態宣言を受けて横浜アリーナでのリベンジ公演を延期”. 音楽ナタリー (株式会社ナターシャ). (2021年1月5日) 2021年1月5日閲覧。
- ^ “BADHOP全国ツアー3公演、ABEMAで独占無料生中継 T-Pablow「一緒に盛り上がりましょう!」”. ORICON NEWS (オリコン株式会社). (2021年2月24日) 2021年2月27日閲覧。
- ^ “BAD HOPが横浜アリーナに3度目の挑戦、FRIENDS引き連れてリベンジ”. 音楽ナタリー (株式会社ナターシャ). (2021年6月14日) 2021年7月7日閲覧。
- ^ “「BAD HOP」急きょ横アリ公演延期 愛知“密”フェス余波「後ろめたい気持ちでご来場 不本意」”. スポニチ Sponichi Annex (株式会社スポーツニッポン新聞社). (2021年8月30日) 2021年9月1日閲覧。