BIG WAVE (サウンドトラック)

山下達郎のサウンドトラックアルバム (1984)
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BIG WAVE』(ビッグ・ウェイブ)は1984年6月20日に発売された、山下達郎サウンドトラック・アルバム

BIG WAVE
山下達郎サウンドトラック
リリース
録音
ジャンル
レーベル MOON ⁄ ALFA MOON
プロデュース
チャート最高順位
山下達郎 アルバム 年表
  • BIG WAVE
  • (1984年)
『BIG WAVE』収録のシングル
  1. THE THEME FROM BIG WAVE
    リリース: 1984年5月25日
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解説編集

サーフィンを題材としたウォルター・マルコネリー監督のドキュメンタリー映画『ビッグ・ウェイブ』のサウンドトラック・アルバム[注釈 1]

A面は映画のための書き下ろしを含む自身のオリジナル曲。B面はザ・ビーチ・ボーイズなどのカヴァーで構成されたサウンドトラック・アルバム。A面を全てザ・ビーチ・ボーイズのカヴァー曲で構成した自主制作盤『ADD SOME MUSIC TO YOUR DAY[注釈 2]と反対に、本作ではB面にザ・ビーチ・ボーイズとブライアン・ウィルソンに関連した楽曲が収録されている。夏に関連した楽曲が収録され、一部は『MELODIES[注釈 3]や『FOR YOU[注釈 4]からの再収録となっている。1984年は自身のコンサート・ツアーに加えて竹内まりやの復帰作『VARIETY[注釈 5]のレコーディングとも重なり、スケジュールがかなりタイトだったため、既発曲のリミックスにもかなり助けてもらったが、それでもこれまで録音した英語詞の作品を一枚のアルバムにまとめることが出来、その意義もとても大きかったと思うという[1]

それまで英語がさほど堪能というわけではなく、もともと洋楽好きだったことから、英語の歌は耳で覚えた適当な雰囲気英語で、それでも割と発音がいいと言われていた。そのためあくまで我流の、レコードから耳覚えのある発音で英語曲を歌っていた[2]。山下はそのことが不安で不満だったことから、この際にと一か月の間、本アルバムのオリジナル曲の作詞を行ったアラン・オデイ(Alan O'Day)に歌入れに立ち会ってもらいつつ、英語の発音を徹底的に矯正してもらうことにした。当時ディレクターだった小杉理宇造は、あまりの厳しいトレーニングぶりに、もう少し抑制するように話したところ、アランは「いや。これはタツが徹底的にやってくれと言っているから、僕だってそんなにやりたくはないんだけれど、やってるんだ」と答えたという。山下はそう言った記憶はなかったが、「初めからいろんな事を指摘されたので、ならばこの際だから徹底的に自分の発音を治そうと思って、自分がそうやってアランにお願いしたのだと思う」[3][4]と回想している。その結果、発音は大幅に改善され、それ以降は安心して英語の歌が歌えるようになったという。

歌詞カードには福田一郎のアルバム解説を収載。また、アナログの初回プレス盤は同封の歌詞カードに間違いがあったため、訂正後の歌詞カードが別途添付されていた。

山下と親交の深い桑田佳祐サザンオールスターズの9枚目のオリジナル・アルバム『Southern All Stars』にこのアルバムからの影響・オマージュである「忘れられたBig Wave」を収録している[5]

収録曲編集

Side A編集

  1. THE THEME FROM BIG WAVE –ビッグ・ウェイブのテーマ–  – (3'37")
    lyrics by Alan O'Day, music by Tats Yamashita
    1984年4月25日に先行シングルとして発売されていた。山下達郎作曲、大貫妙子作詞・歌の「魔法を教えて」を、新たに英語詞としたもの[6]。2012年リリースのオールタイム・ベスト・アルバムOPUS 〜ALL TIME BEST 1975-2012〜[注釈 6]、2017年リリースのコンピレーション・アルバムCOME ALONG 3[注釈 7]に、それぞれ収録された。なお、SIDE Aに収録されている英語詞はすべてアメリカでシンガーソングライターとして活躍していたアラン・オデイによるものである。
  2. JODY  – (3'49")
    lyrics by Alan O'Day, music by Tats Yamashita
    『MELODIES』[注釈 3]収録曲「悲しみのJODY」の英語詞による改作。2006年にはアサヒビールのタイアップが付く。
  3. ONLY WITH YOU  – (3'41")
    lyrics by Alan O'Day, music by Tats Yamashita
    ギター・インスト・ヴァージョンが現在まで『サンデー・ソングブック』(TOKYO FM)のオープニングとして使われている。ギター・インスト・ヴァージョンは『BIG WAVE 30th Anniversary Edition』および『山下達郎CM全集 Vol.2』に収録。後に、シングル「ターナーの汽罐車 -Turner's Steamroller-[注釈 8]のカップリングに同曲のライブ・ヴァージョンが収録された。
  4. MAGIC WAYS  – (4'45")
    lyrics by Alan O'Day, music by Tats Yamashita
    『FOR YOU』[注釈 4]レコーディングの頃に書かれた曲。レコーディング当初、間奏にはサックスやギターのソロを入れようと試したがどれも今ひとつしっくりこなかったため、最終的には一人多重コーラスのみとなっている。
  5. YOUR EYES  – (3'12")
    lyrics by Alan O'Day, music by Tats Yamashita
    『FOR YOU』[注釈 4]収録曲。本作収録に際しリミックスされ、エンディングが若干短くなっている。
  6. I LOVE YOU...Part II  – (2'02")
    lyrics by Alan O'Day, music by Tats Yamashita
    テレビ・コマーシャル用に作られた「パートI」を流用して制作されたもの。アランにその「パートI」を聴かせたところ、更にその上に新しいメロディーと歌詞をはめ込んではどうかというアイデアが出され、この歌入りヴァージョンの「パートII」が作られた。

Side B編集

  1. GIRLS ON THE BEACH  – (2'42")
    Brian Wilson
    ビーチ・ボーイズの'64年のアルバム『オール・サマー・ロング』収録曲。山下のテイクは本作以前から録音されていた作品。
  2. PLEASE LET ME WONDER  – (3'04")
    Mike Love, Brian Wilson
    ビーチ・ボーイズの'65年のアルバム『ザ・ビーチ・ボーイズ・トゥディ』収録曲。山下のテイクはシングル「スプリンクラー[注釈 9]のB面用にレコーディングされたもの。オリジナルに従って、エンディングに“I LOVE YOU”というセリフが入っているが、1984年放送の新春放談[7]で番組中にこの曲を聴いた大瀧詠一は「声が小さくない?」とコメントしていた。
  3. DARLIN'  – (3'27")
    Mike Love, Brian Wilson
    ビーチ・ボーイズの'67年のアルバム『ワイルド・ハニー』収録曲。その後シングル・カットされ、翌'68年初頭にヒットした。山下はシュガー・ベイブ時代からライブで歌っていて、シングル「高気圧ガール[注釈 10]のB面用にレコーディングされた。このテイクでは「ダーリン」の別ヴァージョンともいえるシャロン・マリー(Sharon Marie)「THINKIN' 'BOUT YOU BABY」の一節が、コーダで加えられている。
  4. GUESS I'M DUMB  – (3'11")
    Russ Titelman, Brian Wilson
    アルバム『MELODIES』[注釈 3]収録曲で、ブライアン・ウィルソンの作曲、プロデュースで'65年6月にリリースされたグレン・キャンベルのシングル曲のカヴァー。'65年2月以降、ビーチ・ボーイズのツアーに参加しないことを表明したブライアンに代わってメンバーとして1か月ほど参加した関係で提供された作品。入手困難なレア・アイテムだったこのシングルをようやく入手したら、今度はカヴァーがやりたくなるという経緯でレコーディングされた。
  5. THIS COULD BE THE NIGHT  – (4'00")
    Harry Nilsson
    若き日のハリー・ニルソンによる書下ろしで、フィル・スペクターのプロデュースでモダン・フォーク・カルテットが'65年にレコーディングした作品。当時は未発表となったが、この曲はブライアン・ウィルソンのオール・タイム・フェイヴァリットであるという記事を読んで、'78年のアルバム『GO AHEAD![注釈 11]でカヴァーされた。本作では歌のやり直しと、間奏がギター・ソロからサックス・ソロに変えられるといった、いくつかの相違点があるリミックス・ヴァージョンになっている。
  6. I LOVE YOU...Part I  – (2'02")
    Tats Yamashita
    「パートII」のオリジナル・ヴァージョン。'83年から'84年にかけて放送されたサントリーCM曲として使用された。CMのコピーが“I LOVE YOU”という、この3言だけで歌われた曲を書いて欲しいという、“恐ろしい”注文からのスタートだったという。そういう場合には山下曰く“伝家の宝刀”ドゥー・ワップと一人多重録音。それで作られた小品だが、山下自身はとても気に入った作品だという。この曲も『OPUS』[注釈 6]と『COME ALONG 3』[注釈 7]に収録された。

クレジット編集

Side A編集

THE THEME FROM BIG WAVE
  • Tats Yamashita  – electric guitar, acoustic guitar, rhodes, prophet 5, vocoder, percussion & background vocals
  • Jun Aoyama  – Drums
  • Kohki Itoh  – Bass
JODY
  • Tats Yamashita  – drums, bass, electric guitar, acoustic guitar, 12strings guitar, rhodes, piano, hammond organ, vibe, percussion & background vocals
  • Daisuke Inoue  – tenor sax solo
ONLY WITH YOU
  • Tats Yamashita  – drums, bass, electric guitar, acoustic guitar, piano, prophet 5, obx, emulator, percussion & background vocals
MAGIC WAYS
  • Tats Yamashita  – electric guitar, auto harp, prophet 5, glockenspiel, percussion & background vocals
  • Jun Aoyama  – drums & percussion
  • Kohki Itoh  – bass
  • Hiroyuki Namba  – rhodes & piano
YOUR EYES
  • Tats Yamashita  – rhodes, percussion & background vocals
  • Jun Aoyama  – drums
  • Kohki Itoh  – bass
  • Kazuo Shiina  – electric guitar & electric sitar
  • Chuei Yoshikawa  – acoustic guitar
  • Hidefumi Toki  – alto sax solo
I LOVE YOU
  • Tats Yamashita  – drums, piano, electric guitar, percussion & background vocals
  • Satoshi Nakamura  – tenor sax solo

Side B編集

on “GIRLS ON THE BEACH”, “PLEASE LET ME WONDER”, “DARLIN'”, “GUESS I'M DUMB” & “THIS COULD BE THE NIGHT”
  • All instruments played by Tats Yamashita
  • except;
  • Kohki Itoh  – bass on “GIRLS ON THE BEACH”, “PLEASE LET ME WONDER” & “GUESS I'M DUMB”
  • Ryuichi Sakamoto  – poly moog on “THIS COULD BE THE NIGHT”
  • Motoya Hamaguchi  – percussion on “THIS COULD BE THE NIGHT”
  • Chuei Yoshikawa  – acoustic guitar on “THIS COULD BE THE NIGHT”
  • Hidefumi Toki  – alto sax solo on “THIS COULD BE THE NIGHT”
  • Ohno Group  – strings on “GUESS I'M DUMB”
  • All vocals & background vocals by Tats Yamashita

スタッフ編集

リリース履歴編集

# 発売日 リリース 規格 品番 備考
1 1984年6月20日 MOON ⁄ ALFA MOON
LP
MOON-28019 初回出荷分は帯の代わりにステッカーが貼られたほか、訂正後の歌詞カードを追加封入。
2 MOON ⁄ ALFA MOON MOCT-28012 カセット同時発売。アナログLPと同内容。
3 1984年7月25日 MOON ⁄ ALFA MOON
CD
38XM-3 初CD化。
4 1986年12月21日 MOON ⁄ ALFA MOON
CD
32XM-29 価格変更に伴う品番改定による再発。
5 1992年11月10日 MOON ⁄ MMG
CD
AMCM-4123 品番改定によるアルファ・ムーン盤の再発(リマスター盤)。
6 1999年6月2日 MOON ⁄ WARNER MUSIC JAPAN
CD
WPCV-10021 品番改定によるエム・エム・ジー盤の再発。
7 2014年7月23日 MOON ⁄ WARNER MUSIC JAPAN
CD
WPCL-11930
8 2014年8月20日 MOON ⁄ WARNER MUSIC JAPAN
2LP
WPJL-10014/5
  • 『BIG WAVE 30th Anniversary Edition』
  • 2014年リマスター音源をディスク2枚に分けて4面に収録した、重量盤180g仕様の2枚組LP。

脚注編集

[脚注の使い方]

注釈編集

  1. ^ Pineapple Boys『BIG WAVE』(LP:MOON-28041)も同年発売。
  2. ^ ADD SOME MUSIC TO YOUR DAY』 1972年発表 SURFIN' RABBIT RECORDS LP:SRR-0001
  3. ^ a b c MELODIES』 1983年6月8日発売 MOON ⁄ ALFA MOON LP:MOON-28008
  4. ^ a b c FOR YOU』 1982年1月21日発売 AIR ⁄ RVC LP:RAL-8801
  5. ^ 竹内まりやVARIETY』 1984年4月25日発売 MOON ⁄ ALFA MOON LP:MOON-28018, CT:MOCT-28011
  6. ^ a b OPUS 〜ALL TIME BEST 1975-2012〜』 2012年9月26日発売 MOON ⁄ WARNER MUSIC JAPAN 4CD:WPCL-11201/4【初回限定盤】, 3CD:WPCL-11205/7【通常盤】
  7. ^ a b COME ALONG 3』 2017年8月2日発売 MOON ⁄ WARNER MUSIC JAPAN CD:WPCL-12690
  8. ^ ターナーの汽罐車 -Turner's Steamroller-」 1991年8月25日発売 MOON ⁄ MMG SCD:AMDM-6040
  9. ^ スプリンクラー」 1983年9月28日発売 MOON ⁄ ALFA MOON 7":MOON-710
  10. ^ 高気圧ガール」 1983年4月23日発売 MOON ⁄ ALFA MOON 7":MOON-706
  11. ^ GO AHEAD!』 1978年12月20日発売 RCA ⁄ RVC LP:RVL-8037

出典編集

  1. ^ (2014年) "解説", pp. 3-4 [booklet]. 山下達郎 『BIG WAVE 30th Anniversary Edition』のアルバム・ノーツ MOONWARNER MUSIC JAPAN (WPCL-11930).
  2. ^ 山下達郎 100Qインタビュー Q1-Q25”. チケットぴあ (2011年8月1日). 2013年4月22日閲覧。
  3. ^ "アラン・オデイ追悼 Part 1". 山下達郎のサンデー・ソングブック 第1077回. 2 June 2013. JFN. TOKYO FM。 不明な引数|seriesno=が空白で指定されています。 (説明)
  4. ^ "アラン・オデイ追悼 Part 2". 山下達郎のサンデー・ソングブック 第1078回. 9 June 2013. JFN. TOKYO FM。 不明な引数|seriesno=が空白で指定されています。 (説明)
  5. ^ 山下達郎の超名盤『Big Wave』が再発!サザン桑田にも影響与えた3つの大きな特徴とは?ガジェット通信 2014年7月23日 2020年10月7日閲覧。
  6. ^ NHK-FMの番組「山下達郎ポップス講座 第5夜 –山下達郎、大貫妙子によるヒット曲作りの実践–」(1983年1月5日放送)で、この曲の制作過程が放送された。
  7. ^ NHK-FMサウンドストリート』1984年1月12日放送[出典無効]

外部リンク編集

Warner Music Japan
山下達郎 OFFICIAL SITE
  • BIG WAVE  – Discography ALBUM MOON/WARNER