Birthday/君と重ねたモノローグ
『Birthday/君と重ねたモノローグ』(バースデイ/きみとかさねたモノローグ)は、日本のバンド・Mr.Childrenの38枚目のシングル。2020年3月4日にトイズファクトリーより発売された[17]。
「Birthday/君と重ねたモノローグ」 | ||||||||||||||||
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Mr.Children の シングル | ||||||||||||||||
初出アルバム『SOUNDTRACKS』 | ||||||||||||||||
A面 |
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リリース | ||||||||||||||||
規格 | マキシシングル | |||||||||||||||
録音 | RAK Studios | |||||||||||||||
ジャンル | ||||||||||||||||
時間 | ||||||||||||||||
レーベル | トイズファクトリー | |||||||||||||||
作詞・作曲 | 桜井和寿 | |||||||||||||||
プロデュース |
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ゴールドディスク | ||||||||||||||||
チャート最高順位 | ||||||||||||||||
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Mr.Children シングル 年表 | ||||||||||||||||
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EANコード | ||||||||||||||||
EAN 4988061896939 (TFCC-89693) |
背景
編集本作収録曲は、両曲ともに東宝配給映画『映画ドラえもん のび太の新恐竜』の主題歌として書き下ろされたものである[17]。桜井和寿は、小学生時代に初めて読んだ『ドラえもん』の漫画に大きく影響を受けたといい、主題歌発表の際に「ドラえもん50周年、そして僕も50歳となる年に、運命の再会ができた事に心から感謝です。のび太にとってのドラえもんのように、『ドラえもんという存在が、ストーリーが、プロジェクトそのもの』が、弱く情けない自分に寄り添ってくれているのだと、改めて噛み締めながら、音楽でドラえもんに携わらせてもらいました」とコメントを寄せている[18]。Mr.Childrenの楽曲がアニメ作品とタイアップするのは、東宝配給映画『バケモノの子』主題歌「Starting Over」以来約4年8か月ぶりとなる。
制作
編集本作のレコーディングは、収録アルバムである『SOUNDTRACKS』の制作の一環としてロンドンのRAK Studiosで行なわれた。Mr.Childrenが海外でレコーディングを実施したのは9thアルバム『Q』以来約19年ぶりのことである。本作のCMにはロンドンでのレコーディング風景の映像が使用されている[19]。
レコーディングは、これまでU2やサム・スミスなどの作品を手掛け、グラミー賞受賞経験もあるスティーヴ・フィッツモーリスと共に行なわれ、マスタリングはニューヨークにあるスタジオ・Masterdiskのスコット・ハルが担当した[17]。アナログ・レコーディングで制作されている。
音楽性
編集桜井和寿が映画のシナリオを読んで最初に書き上げた楽曲が「君と重ねたモノローグ」である[20]。映画のストーリーに寄り添うことを意識したといい、桜井は「キューとミュー、双子の恐竜と一緒にいるのび太くんは、まるで親のようだと感じました。僕にも子どもがいるので、のび太くんと同じ親としての目線を歌に込めています」[20]「今回の『映画ドラえもん』のテーマが多様性だったから、それを自分なりの言葉にしてみた感じです」[21]と語っている。イントロなしで歌い出しに入るものの、アウトロはテンポチェンジした上で約2分に渡り演奏される。このアウトロについて、鈴木英哉は「明るい展開にして明るい未来を開いていくって感じにしたいと思った」と語っている[21]。
一方、「君と重ねたモノローグ」と違うアプローチの曲を、というアイデアから生まれた楽曲が「Birthday」であり[17]、桜井は「躍動感が必要とされる場面で、興奮をあおるような強い曲をと思って作った」とコメントしている[20]。また、ロックバンド・The Birthdayを観た際にインスピレーションを受け、「がむしゃらさであったり、歌うのではなく叫ぶ感じとか、決して座っては演奏できない感じ」を目指して制作したという[22]。
リリース・プロモーション
編集通常盤のみの1形態で発売。紙ジャケット仕様となっている。シングルとしては配信限定シングル『here comes my love』以来2年ぶり、CDシングルとしては37thシングル『himawari』以来2年半ぶりのリリースで、25thシングル『掌/くるみ』以来16年ぶりの両A面シングルとなった。また、Mr.Childrenとしては令和最初に発表された楽曲である。
同年の3月23日より本作のダウンロード配信・ストリーミング配信が解禁された[14]。なお、Mr.Childrenのシングル曲としては珍しく、両曲ともにミュージック・ビデオが制作されていない。
本作発売時にはテレビ出演はなかったものの、本シングルが収録されたアルバム『SOUNDTRACKS』発売のタイミングで「Birthday」が披露された(後述)。
批評
編集ロッキング・オンの高橋智樹は、本作に関して、Mr.Childrenが長年向き合ってきた人間と生命の核心そのもののテーマ性が鳴り渡ると同時に「僕らの日常と密接に寄り添うことでよりいっそうダイナミックな訴求力を獲得する、というMr.Childrenのロックの構造のこれ以上ない明快な証でもある」とし、「ひときわエモーショナルな桜井和寿の歌声が、タイトなバンドアンサンブル&流麗なストリングスアレンジと響き合いながら高揚の極致を描き出す“Birthday”。やわらかい音色越しにタフな包容力を滲ませる“君と重ねたモノローグ”。『重力と呼吸』で体現したロックバンドとしての開放感とソリッドな肉体性が、ロンドン録音&NYマスタリングによって新次元の弾性と剛性とスケール感をもって広がる、爽快なる進化作だ」と評価した[24]。
チャート成績
編集初週で約6.8万枚を売り上げ、2020年3月16日付のオリコン週間シングルチャートで初登場2位となった[2]。初動売上が10万枚を切ったのは4thシングル『CROSS ROAD』以来約27年ぶりとなる。また、Billboard JAPAN週間総合ソングチャート「Billboard Japan Hot 100」では3位[12]、週間アニメソングチャート「Billboard Japan Hot Animation」では9週連続1位を獲得していたLiSAの「紅蓮華」を抑え1位を獲得した[13]。
収録曲
編集全作詞・作曲: 桜井和寿、全編曲: Mr.Children, Steve Fitzmaurice, Ken Masui、全弦編曲: Simon Hale。 | ||
# | タイトル | 時間 |
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1. | 「Birthday」 | |
2. | 「君と重ねたモノローグ」 | |
合計時間: |
楽曲解説
編集- Birthday
- 君と重ねたモノローグ
- 『映画ドラえもん のび太の新恐竜』主題歌[17]。映画では劇中で使用されている[26]。
- 7分32秒という演奏時間は、Mr.ChildrenのシングルA面曲の中では「終わりなき旅」や「しるし」を超え史上最長で、ドラえもんの歴代の劇場版主題歌でも最長である。
- 2022年、本楽曲を使用し新たに撮り下ろされた映像が、東宝配給映画『Mr.Children 「GIFT for you」』のエンドロールで放映された。撮影は日産スタジアムで行なわれ[29]、音源も新たにレコーディングされたものとなっている[30]。映画の監督を務めた稲垣哲朗は、映画の構成を考えていた当初から本楽曲が主軸となると思っていたといい、「今作は、ファンの方の目線が中心となる映画だけど(中略)ミスチル側から歌としてお互いの気持ちをまとめる音を最後に届けて、ここからまた一緒に歩いて行こうという決意表明のような曲の位置付け」と語っている[29]。本映像は、翌年に発売されたライブ・ビデオ『Mr.Children 30th Anniversary Tour 半世紀へのエントランス』の『Mr.Children 30th Anniversary Tour 半世紀へのエントランス - 2022.6.19 YANMAR STADIUM NAGAI - 完全版』のエンドロール後にも収録されている。
参加ミュージシャン
編集- Mr.Children
- 桜井和寿:Vocals (#1, #2), Acoustic Guitar (#1)
- 田原健一:Electric Guitars (#1, #2)
- 中川敬輔:Bass (#1, #2)
- 鈴木英哉:Drums (#1, #2), Percussion (#1, #2)
- Joby Burgess:Timpani (#1)
- Darren Heelis:Additional Drum Programming (#1, #2)
- Steve Fitzmaurice:Additional Drum Programming (#1)
- Henry Bowers-Broadbent:Rhodes (#2), Hammond (#2)
- Everton Nelson:String Leader (#1, #2)
テレビ出演
編集番組名 | 日付 | 放送局 | 演奏曲 |
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Mr.Children スペシャル[31] | 2020年12月19日 | NHK総合 | Birthday |
others | |||
Brand new planet | |||
Documentary film | |||
ミュージックステーション ウルトラSUPER LIVE 2020[32] | 2020年12月25日 | テレビ朝日 | Birthday |
Documentary film |
収録アルバム
編集- 『SOUNDTRACKS』 (#1, #2)
- 『Mr.Children 2015-2021 & NOW』 (#1)
- 『藤子・F・不二雄生誕90周年記念 藤子・F・不二雄 MUSIC HISTORY』 (#1, #2)
脚注
編集出典
編集- ^ “2020年3月度ゴールドディスク認定” (PDF). PR TIMES. 日本レコード協会 (2020年4月10日). 2022年7月16日閲覧。
- ^ a b “Birthday/君と重ねたモノローグ | Mr.Children”. ORICON NEWS. オリコン. 2020年4月20日閲覧。
- ^ “オリコン週間 合算シングルランキング 2020年03月02日~2020年03月08日”. ORICON NEWS. オリコン. 2020年3月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年4月23日閲覧。
- ^ “オリコン週間 アニメシングルランキング 2020年03月02日~2020年03月08日”. ORICON NEWS. オリコン. 2020年3月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年4月26日閲覧。
- ^ “【ビルボード】JO1『PROTOSTAR』が344,299枚でSGセールス首位 ミスチルの約2年8か月ぶりSGは3位に”. Billboard JAPAN. 阪神コンテンツリンク (2020年3月9日). 2022年3月23日閲覧。
- ^ “オリコン月間 シングルランキング 2020年3月度”. ORICON NEWS. オリコン. 2020年5月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年3月23日閲覧。
- ^ “オリコン月間 アニメシングルランキング 2020年3月度”. ORICON NEWS. オリコン. 2020年4月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年4月26日閲覧。
- ^ “オリコン月間 シングルランキング 2020年4月度 31〜40位”. ORICON NEWS. オリコン. 2020年6月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年4月30日閲覧。
- ^ “オリコン年間 CDシングルランキング 2020年度 41~50位”. ORICON NEWS. オリコン. 2021年11月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年3月23日閲覧。
- ^ “Billboard Japan Top Singles Sales Year End | Charts”. Billboard JAPAN. 阪神コンテンツリンク. 2022年4月22日閲覧。
- ^ a b “オリコン週間 デジタルシングル(単曲)ランキング 2020年03月23日~2020年03月29日”. ORICON NEWS. オリコン. 2020年4月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年3月23日閲覧。
- ^ a b “【ビルボード】JO1「無限大」がシングル344,299枚を売り上げ総合首位 赤ちゃんが泣き止むと話題の反町「POISON」はTwitter 2位で総合38位に”. Billboard JAPAN. 阪神コンテンツリンク (2020年3月11日). 2022年3月23日閲覧。
- ^ a b “【ビルボード】『映画ドラえもん』主題歌のミスチル「Birthday」がLiSA「紅蓮華」を抑えアニメ初登場1位”. Billboard JAPAN. 阪神コンテンツリンク (2020年3月11日). 2020年9月16日閲覧。
- ^ a b c “【ビルボード】Aimer「春はゆく」が4万DLで首位デビュー、トップ10半数が初登場楽曲に”. Billboard JAPAN. 阪神コンテンツリンク (2020年4月1日). 2020年9月16日閲覧。
- ^ “Billboard Japan Hot Animation Year End | Charts”. Billboard JAPAN. 阪神コンテンツリンク. 2022年4月22日閲覧。
- ^ “Billboard Japan Top Download Songs Year End | Charts”. Billboard JAPAN. 阪神コンテンツリンク. 2022年4月22日閲覧。
- ^ a b c d e f “Mr.Childrenが「映画ドラえもん のび太の新恐竜」に2曲目の主題歌提供”. 音楽ナタリー. ナターシャ (2020年1月9日). 2020年9月16日閲覧。
- ^ “「映画ドラえもん」40作目主題歌はMr.Children、桜井和寿から愛あふれるコメント”. 映画ナタリー. ナターシャ (2019年11月19日). 2019年11月19日閲覧。
- ^ “Mr.Children「Birthday / 君と重ねたモノローグ」TV SPOT”. KITE inc.. 2020年9月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年6月2日閲覧。
- ^ a b c 尾関友詩 2020b, p. 21.
- ^ a b 鹿野淳 2021, p. 35.
- ^ 鹿野淳 2021, p. 37.
- ^ “Mr.Children『Birthday / 君と重ねたモノローグ』”. band (2020年3月4日). 2022年6月14日閲覧。
- ^ 高橋智樹 (2020年3月3日). “新たな時代、新たなMr.Children”. rockin'on.com. ロッキング・オン. 2022年4月15日閲覧。
- ^ 尾関友詩 2020a, p. 19.
- ^ a b “綺麗事ではないダイバーシティを、エンターテインメントとして描く/川村元気 | 映画ドラえもん のび太の新恐竜”. Harumari TOKYO. Harumari Inc. (2020年1月9日). 2022年3月23日閲覧。
- ^ DoraemonTheMovie (2020年7月30日). TVアニメエンディング『Birthday』バージョン (YouTube). 2022年8月17日閲覧。
- ^ 先崎佑哉 2024, p. 5.
- ^ a b 桑畑美紀 2023, p. 5.
- ^ 先崎佑哉 2023, p. 16.
- ^ “Mr.Children、NHK特番で「SOUNDTRACKS」より4曲披露”. 音楽ナタリー. ナターシャ (2020年12月8日). 2020年12月26日閲覧。
- ^ “クリスマス「MステSUPER LIVE」全出演者の披露曲が明らかに”. 音楽ナタリー. ナターシャ (2020年12月18日). 2020年12月26日閲覧。
参考文献
編集- 『映画ドラえもん のび太の新恐竜 パンフレット』東宝、2020年3月6日。
- 尾関友詩「SPECIAL INTERVIEW スペシャルインタビュー」19 - 20頁。
- 尾関友詩「MOVIE THEME SONGS 映画主題歌」21 - 22頁。
- 『FATHER & MOTHER Mr.Children official fan club』第93巻、エンジン、2023年5月。
- 桑畑美紀「映画 Mr.Children 「GIFT for you」 稲垣哲朗監督 インタビュー」3 - 7頁。
- 先崎佑哉「夜の散歩をしないかね 第九十三話」16 - 17頁。
- 先崎佑哉「Mr.Children tour 2023/24 miss you Live Report」『FATHER & MOTHER Mr.Children official fan club』第96巻、エンジン、2024年5月、3 - 11頁。
- 鹿野淳「Track by Track Interview on 'SOUNDTRACKS' ーメンバー全員で語り合うアルバム全曲解説インタビュー」『MUSICA』第15巻第1号、FACT、2021年1月15日、30 - 39頁。
外部リンク
編集- 告知映像
- 関連映像
- 歌詞
- 漫 - 原作漫画、大長編漫画等の執筆者の頭の1文字または略記号。藤=藤子不二雄。F=藤子・F・不二雄。1987年の独立前のみ「藤」と記載した(ただし『ドラえもん』は連載開始時から藤本単独作)。FP=藤子プロ。それ以外は作画者を記載。括弧付きは藤本以外が執筆した外伝、短編など。詳細は大長編ドラえもん#作品一覧(併映作品は各作品のページ)を参照。