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CDプレーヤー: CD player)は、コンパクトディスク(CD)を再生する装置。CD-DA(オーディオCD)に記録されているデジタル音響データを、スピーカーで再生可能なアナログ信号へ変換する。CDPという略称で呼ばれることもある。

目次

歴史編集

 
世界最初の、商業的に販売されたCDプレーヤーSONY CDP-101英語版。写真はイタリアのレオナルド・ダビンチ科学技術国立博物館英語版に展示されている品。技術史に残る製品なのである。

世界で最初の商業的に販売されたCDプレーヤーはSONY CDP-101英語版であり、1982年10月1日発売で、カタログ表示価格(標準価格)は168,000円であった。この世界初販売のCDプレーヤーは当初は日本国内でのみ販売された。というのはもともとの計画では、SONYとともにCDの標準規格(Red Book)を開発したパートナー企業のPhilips社も別のCDプレーヤーを開発・製造し、事前にSONYと合意したこの期日に同時に発売する、それによって2社のCDプレーヤーが同時に市場で並んで発売される予定だった[注 1]のだが、Philips社は(自力での部品開発や調達等がうまくゆかないなど難儀し)予定の日までに同社のCDプレーヤーを製造・発売することができない、という事態に陥ってしまった。そこでSONYの側は対応策として、CDP-101の発売をすっかり延期してしまうという選択はせず、「CDP-101の日本国外での発売は6ヶ月延期する」ということでPhilips社と合意形成することにした[1]。かくして世界最初の商業的CDプレーヤーとなったSONY CDP-101は1982年10月1日に日本国内限定で発売されたのである。(なお、このCDP-101発売と同日にSONYによってCD 50タイトルも発売された。)

 
2番目に登場したPhilips CD-100

そしてPhilips社側のCDプレーヤーCD100(結果として「世界で2番目に発売されたCDプレーヤー」となってしまったもの)は、1982年11月に(1ヶ月遅れでようやく、なんとか)発売されたが、このCD100はソニー製の部品を含んでいた。

CDとCDプレーヤーは、世界のクラシック音楽愛好家、特に高音質を追求する世界のオーディオ愛好家たちから大歓迎され、その高音質が賞賛され、その扱いやすさ(レコードに比べたCDのコンパクトさ。またボタンで次の曲や指定番号の曲に一気にジャンプできる、テープには無い便利さ、等々等々)もまた評価が高かった。米国のCBSレコードもCDの16タイトルを発売。

 
最初の携帯型CDプレーヤー、SONY D-50

世界最初の携帯型CDプレーヤーはSONYのD-50(愛称的な商標 Discman)であり、日本国内での発売は1984年のことであり、翌年には各国で販売された。SONYはすでにコンパクトカセットプレーヤーの携帯型にしたウォークマンを世界的に大ヒットさせ大きな利益を挙げた実績があったので、CDでも同様に携帯型を市場に投入したのである。

当初かなり高価であったCDプレーヤーが、その後メーカーや機種が増えるに従い次第に安価になってゆき、携帯型プレーヤーも登場したことで、クラシック音楽愛好家だけでなく、ポピュラーミュージックロックミュージックの愛好家たちにも広く普及してゆくことになった。CDプレーヤーやCDソフトの売上はものすごい勢いで増していった。1985年には初のミリオンセラーCDも登場した。1982年の初のCDプレーヤー発売からこの頃までのことは「ディジタルオーディオのビッグバン」などと呼ばれることもある。

CDプレーヤーの年間出荷台数は2001年の259万台がピークであった。

その後デジタルオーディオプレーヤーの普及に伴って徐々に減少。大手電機メーカーは相次いで製造から撤退した。一部のジェネリック家電メーカーが今も製造を継続している。 高齢世代に一定の需要が存在するほか、光学ドライブのないノートパソコンの普及も手伝って、携帯型CDプレーヤーの売上低迷に歯止めが掛かっている[2]。CDラジオも中華系パーツを用いた廉価製品が次々と出現した。

種類編集

 
ポータブルプレーヤー
 
(スピーカー)一体型プレーヤー(CDラジカセ)
 
据え置き型。コンポーネントステレオのひとつのユニットとして用いられるもの。DENONの1980年代の製品の筺体を開けた状態で、内部の部品の構成やその大きさが分かる写真。左下がCDドライブで、トレイが手前に飛び出た状態。右半分が回路基板。左上は家庭用電源から降圧した電流を得るためのトランス

携帯型編集

携帯・携行(持ち歩くこと)を重視しているタイプ。CDのディスクを一回り程度大きくした大きさで、数百グラム程度と軽量であることが一般的である。ヘッドホンアンプのみを搭載し、イヤフォンヘッドフォン)と組み合わせて、それを耳に装着して聴くものが一般的[注 2][注 3][注 4]

例えば、ソニーのディスクマンCDウォークマン)などのポータブルプレーヤー。

列車乗車中や歩きながら聴く場合もあることを想定して、筺体の揺れや振動により時折起きるCDデータ読取失敗で生じる「音飛び」を防止するために、CDから先行して読みとったデータを溜めつつ再生するためのバッファ(メモリ)をそれなりの量、備えている機種も多い。

スピーカー一体型編集

CDプレーヤーがアンプスピーカと一体になっているもの。(ヘッドフォン無しに)スピーカーから再生音を聴ける。

CDのみの再生ができる装置も販売されてはいるが、そうした機種はむしろ少なく、ラジオカセットテープの録音・再生装置も含んでいる機種のほうがむしろ一般的であり、それらはCDラジカセと呼ばれる。CDとラジオだけが備わったもの(カセット録・再機能が無いもの)はCDラジオと呼ばれる。USBメモリーの音響データ再生に対応したものある(これも「CDラジオ」に分類される)。重量としては数kg程度のものが一般的。[注 5]

据置型、デッキ型編集

ライン出力が主で、アンプおよびスピーカーを通して再生音を聴くもの。ヘッドホン出力端子はある場合もない場合もある。CDデッキとも呼ばれる。以下のような様々なタイプがある。

  • ミニコンポとして、あらかじめ組み合わされた状態で販売されているものの中の、ひとつのユニット。
  • コンポーネントステレオの中のひとつのコンポーネントとして用いられるよう、単独で販売されているもの。
    • かつて単体コンポのCDデッキはヘッドホン端子とアナログ可変出力端子を標準装備し、本体にもテンキー(ダイレクト)選局ボタンを装備した機種が発売されていたが、現在はヘッドホン端子非搭載の機種が殆どで、テンキーはリモコンのみに搭載されている。
    • CDチェンジャー - 1台に複数枚のCDを収容して選んで再生できる。チェンジャーデッキを参照。
  • 分離型(セパレート型) - 高級品にはCDから信号を読み取る機械部分(CDトランスポート)と、読み取ったデジタル信号をアナログ信号に変換する装置(D/Aコンバータ)が別々になっているものもある。
  • 業務用 - 業務用機器は民生オーディオ機器より信頼性が要求される。またデジタル、アナログ出力共にケーブルを延長することを考え平衡接続が用いられることがある。
  • DJ用 - 可変速再生、頭出し機能が要求され、複数のドライブがあり片方を演奏中に片方で次の曲の頭を出すなどができるようになっている。最近ではスクラッチが出来たり、パソコンに接続してハードディスクに保存されている音楽ファイルを呼び出したり、ソフトを操作出来る機材も豊富。
  • 自動車用 - カーオーディオを参照のこと。

多くはMD等へのデジタル録音が可能な「光&同軸デジタル出力端子」を標準装備している(光・同軸いずれかのみ装備されている機種や、どちらも装備せずアナログ出力のみ搭載の機種もある)。またカセットデッキやMDデッキとのシンクロ録音や他機との連動操作が可能な「シンクロ端子」、「エディット端子」、「コンピュリンク端子」といった名称の端子も多くの機種に搭載されているが、この機能は同一メーカー同士の組み合わせとなっている場合のみ動作する。

機能編集

  • 民生用据置型プレーヤーの高級品にはスーパーオーディオCD (SACD) やDVD-Audioに対応したものもある。
  • 据置型の派生系ではミニディスクデッキとの複合製品、CD-Rライタとの複合製品もある。CD-ROMドライブにライン出力 (AUX OUT) を備えた製品もあった。
  • 音響機器ではないが、パソコン上で動作するCD再生ソフトウェアWindows Media Playerなど)も「CDプレーヤー」と呼ばれることがある。この種のアプリケーションソフトは、MP3など他の規格の音楽ファイルの再生も可能なことが多い。
  • ゲーム機でCD-ROMやDVD-ROMやBD-ROMを採用するものや、主にレーザーディスクビデオCDDVDプレーヤーBDプレーヤーDVDレコーダーBDレコーダーではCDプレーヤーの機能も備えているものが多い。
  • CD-Rドライブ搭載のパソコン等の普及により個人でCD-DA以外のディスクの作成が可能になり近年のプレーヤー(主に中級機)の中にはMP3やWMAなどの圧縮音声やWAVFLACなどの非圧縮音声を記録したディスクの再生ができるものも存在する。


備考編集

  • 別冊宝島に掲載された1980年代のサブカル・流行一覧に1983年のサブカル・流行として紹介されている[3]

関連文献編集

  • CDプレーヤー大研究 セレクトコンポシリーズ11 (別冊ステレオサウンド) ムック – 1995, ASIN: B00JB8WUMI

脚注編集

  1. ^ というのは、CD規格というのは一社だけのものではなく複数のメーカーがかかわり世界的なものだと、最初から世界の人々に理解してもらい、広く受け入れてもらうことを狙うマーケティング戦略をとり、また最初から共同開発パートナーのPhilips社と息の合った活動をすることで、共存共栄でき長続きする世界的なCD市場構築をしたかった。
  2. ^ 携帯型CDプレーヤーのほとんどは、イヤホンが同梱された状態で販売されている。
  3. ^ 携帯CDプレーヤーであっても、ヘッドフォンジャックにアンプやスピーカーを接続すれば、スピーカーから再生音を聴くこともできる。
  4. ^ この大きさのCDプレーヤーの一部に、きわめて小型のスピーカーを搭載した機種もあり、それは携帯型でありながら、スピーカー一体型とも言える。
  5. ^ CDラジカセの多くは取っ手がついており、例えば自宅内の部屋から部屋へ、学校の教室から教室へと移動させることは考慮されているが、重量もそれなりに重くサイズもそれなりに大きいので、通勤・通学時などにカバンなどに入れて毎日のように携行し通勤・通学時にも聴く目的のものではない。だがスピーカーから音を出せるので、たとえば教室で教師が生徒に音声や音楽などを聞かせるのには向いており、また取っ手つきタイプは職員室や備品室への移動も容易なので、こうした取っ手つきのスピーカー一体型は非常に多くの学校で用いられている。
出典
  1. ^ K. Schouhamer Immink (2007年). “Shannon, Beethoven, and the Compact Disc”. IEEE Information Theory Society Newsletter 57: 42-46. https://www.researchgate.net/publication/322951358_Shannon_Beethoven_and_the_Compact_Disc 2018年2月6日閲覧。. 
  2. ^ 土肥義則 (2017年12月13日). “えっ、CDプレーヤーが売れている? エスキュービズムの戦略が面白い”. ITmedia. 2017年12月16日閲覧。
  3. ^ 別冊宝島2611『80年代アイドルcollection』p.93.

関連項目編集

外部リンク編集