DAシリーズは、オランダのシグナール社(現在のタレス・ネーデルラント社)が開発した2次元レーダーのシリーズ。

DA-05
(フィンランド海軍「ポフヤンマー英語版」搭載機)
 
DA-08
(ドイツ海軍「ブレーメン」搭載機)

中・短距離での対空捜索・目標捕捉を目的としたSバンド・レーダーであり、同社がやや先行して開発していたLバンドLWシリーズと同様の設計を採用している。オランダ海軍では、1950年代1960年代駆逐艦フリゲートにおいてLWシリーズを補完するかたちで搭載されていたが、射撃指揮レーダーに目標捕捉レーダーを統合したWM-20シリーズの実用化に伴って、目標捕捉機能をこちらに移譲して、対空捜索機能はLWシリーズに一本化されるかたちで搭載されないようになっていった[1]

最初の機種であるDA-01は、シグナール社内ではSGR-105と称されており、1954年に実用化された。またこれをもとに、出力を500kWに強化した大型艦向けのモデルとしてDA-02、アンテナを544 kgに軽量化した簡易版としてDA-04も開発された。なおDA-03は発表されていない[1]

第2世代の端緒となるDA-05は、LW-04と似た楕円形アンテナを採用しており、また同様にデジタル式の移動目標表示(MTI)技術も導入されている。同機を元にした可搬式地上版としてDA-05/Mが、またその他の地上版としてDA-06DA-07も開発されている[1]

1980年代末に登場した最終発達型のDA-08は、LW-08のSバンド版というべきものとなっており、また改良版においてはMTIに高速フーリエ変換(FFT)技術を導入している[2]

諸元表[1][2]
DA-01 DA-05 DA-08
周波数 Sバンド
ビーム幅 1.5度
ピーク出力 400kW 1,200kW 150kW
ゲイン 32dB 32.2dB 33dB
パルス幅 (a) 0.5マイクロ秒
(b) 1.3マイクロ秒
(a) 1.3マイクロ秒
(b) 2.6マイクロ秒
(a) 35マイクロ秒
(b) 69マイクロ秒
PRF (a) 1,000pps/(b) 500pps
最大探知距離
RCS 2m²の場合)
92km 155km 210km
精度 n/a 測角:1.5度
測距:200-400m
測角:1.5度
測距:120m
アンテナ回転速度 6-60rpm 10/20rpm
アンテナ重量 2,000kg 725kg 2,500kg

採用国と搭載艦 編集

  アルゼンチン海軍

  インド海軍

  インドネシア海軍

  オランダ海軍

  カナダ海軍

  大韓民国海軍

  ギリシャ海軍

  スペイン海軍

  タイ海軍

  中華民国海軍

  ドイツ海軍

  トルコ海軍

  パキスタン海軍

  バングラデシュ海軍

  フィンランド海軍

  ペルー海軍

  ベルギー海軍

  ポルトガル海軍

  マレーシア海軍

参考文献 編集

  1. ^ a b c d Norman Friedman (1981). Naval Radar. Naval Institute Press. pp. 212-213. ISBN 9780870219672 
  2. ^ a b Norman Friedman (1997). The Naval Institute guide to world naval weapon systems 1997-1998. Naval Institute Press. pp. 313-315. ISBN 9781557502681. https://books.google.co.jp/books?id=l-DzknmTgDUC 

関連項目 編集