佐藤慧

日本のフォトジャーナリスト、ライター
Dialogue for Peopleから転送)

佐藤 慧(さとう けい、1982年[1] - )は、日本のフォトジャーナリスト[2]ライター[1]。認定NPO法人Dialogue for People代表。アフリカや中東、東ティモールなどを取材。東日本大震災以降、継続的に被災地の取材も行っている。

さとう けい

佐藤 慧
生誕 1982年(41 - 42歳)
日本の旗 日本岩手県盛岡市
職業 フォトジャーナリスト
団体 NPO法人Dialogue for People代表
配偶者 安田菜津紀
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人物・経歴 編集

1982年生まれ、岩手県盛岡市出身[3]。中学1年のときに不登校になり、高校には行かずにカー用品店でバイトをしていたが、先輩らから「高校くらい出ておきな」と言われ通信制高校に通うようになる[4]。高校生のときに姉が19歳で自殺する[4]。高校卒業後は大阪芸術大学音楽学科に進学するが[4]、中退した[3]

2007年、アメリカのNGOに渡り研修を受け、その後南部アフリカ、中米などで地域開発に携わる[2]。2009年、ザンビアにて学校建設のプロジェクトに携わり、アフリカを中心に取材を進める[5]。2010年、スタディオアフタモード(studioAFTERMODE)に入社する[2]。スタディオアフタモードは矢萩邦彦を代表とする横浜市の会社で、所属フォトジャーナリストに安田菜津紀がいた[6]

2011年3月11日の東日本大震災を知ったときはアフリカのザンビアにいたが帰国して両親の住む陸前高田市に向かい、父親は津波に合ったものの一命は取り留めたが、母親は4月9日に遺体で見つかった[7]。同じく海外から陸前高田に駆けつけた安田菜津紀とその後、結婚した[8]。以降、同市に通い、取材と支援を続けた[9]。震災直後まで岩手県立高田病院で副院長を務めていた父親も、2015年7月に61歳で亡くなった[10]

震災から半年ほど過ぎた頃、作曲家の宮内康乃が佐藤慧の弟と会い、亡くなった佐藤の母親の残した短歌を知り感銘を受け、曲を作り、国立劇場の演出家である田村博巳の演出で2012年に横浜市の神奈川県立音楽堂で初演された[7]。2016年3月8日には、陸前高田市コミュニティホールで「東日本大震災 追悼回向コンサート 聲明 海霧讃歎」を佐藤慧と宮内康乃とで主催した[10]

2016年6月22日、国連UNHCR協会主催による、渋谷のシダックスカルチャーホールにて行われたトークイベントに、ミュージシャンのSUGIZOと出演する[11][12]

2018年8月、studioAFTERMODEの事業部を改編して「Dialogue for People」を発足[13]、2019年5月17日、代表としてNPO法人としての認証を受ける[14]。2022年1月7日には認定される[15]

2019年、著書『しあわせの牛乳』が、日本児童文芸家協会の主催する第2回児童文芸ノンフィクション文学賞[16]および、産経新聞社の主催する第66回産経児童出版文化賞のJR賞を受賞する[17]

2021年、やまぎん県民ホール(山形県総合文化芸術館)で写真展『ReCollection-東日本大震災から10年-』を開催[18]。3月6日には聲明コンサートが行われ、「海霧讃歎」と、佐藤慧の和歌を元に新しく作られた「海霧廻向」が披露された[7]

2022年4月、国境なき子どもたち(KnK)写真展「時を重ねて-東日本大震災から現在-」(撮影:安田菜津紀、佐藤慧、清水匡)を開催[19]。2022年、著書『10分後に自分の世界が広がる手紙』(全3巻)が 日本児童ペンクラブの主催する第8回児童ペン賞のノンフィクション賞を受賞する[20]

著書 編集

単著 編集

  • 『Fragments 魂のかけら : 東日本大震災の記憶』(佐藤慧著、2014年、かもがわ出版ISBN 978-4-7803-0693-4
  • 『10年後に自分の世界が広がる手紙』(佐藤慧著、2021年、東洋館出版社
  1. 『君はどんな大人になりたい?』ISBN 978-4491043029
  2. 『毎日がつまらない君へ』ISBN 978-4491043012
  3. 『勉強なんてしたくない君へ』ISBN 978-4491043036

共著 編集

訳書 編集

写真展 編集

  • 佐藤慧写真展「魂のかけら」(2011年6月25日 - 7月7日、ギャラリーバーン)[21]
  • 「Sign -写真家たちの311-」(2011年8月2日 - 11日、コニカミノルタプラザ)[22]
  • 安田菜津記・佐藤慧・渋谷敦志写真展「舫 ファインダー越しの3.11」(2013年4月13日 - 4月22日、コニカミノルタプラザ)[2][23]
  • 渋谷敦志 + 安田菜津紀 + 佐藤慧「Ubuntu, I am because we are」(2013年5月29日 - 6月3日、ギャラリー同潤会[24]、2013年6月8日 - 17日、JICA関西1Fロビー[25]
  • 「ReCollection-東日本大震災から10年-」(2021年2月27日 - 3月18日、やまぎん県民ホール[18]
  • 国境なき子どもたち(KnK)写真展「時を重ねて― 東日本大震災から現在―」(2022年4月7日 - 13日、アイデムフォトギャラリー「シリウス」)[19]

出演 編集

ネット番組 編集

脚注 編集

  1. ^ a b 佐藤 慧 KEI SATO”. 現代ビジネス. 2023年11月7日閲覧。
  2. ^ a b c d 安田菜津紀・佐藤慧・渋谷敦志写真展「舫 ファインダー越しの3.11」”. コニカミノルタプラザ. 2015年7月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年11月8日閲覧。
  3. ^ a b 5月16日から20日のゲストは”. LOHAS TALK. J-WAVE (2011年5月13日). 2023年11月7日閲覧。
  4. ^ a b c (10代の君へ)「まとも」って狭い道だよ 佐藤慧さん”. 朝日新聞デジタル (2021年7月26日). 2023年11月6日閲覧。
  5. ^ 佐藤慧 (2013年2月9日). “アフリカの風”. SYNODOS. 2023年11月8日閲覧。
  6. ^ スタディオアフタモード (2010年1月26日). “コニカミノルタ フォトプレミオ2009 安田菜津紀写真展『「緑の壁」HIVと共に生きる』開催のお知らせ。”. valuepress. 2023年11月11日閲覧。
  7. ^ a b c 上月英興 (2021年3月10日). “津波に消えた母への返歌、聲明に 東北に響くお経と旋律”. 朝日新聞デジタル. 2023年11月10日閲覧。
  8. ^ 「ありがとう」を胸にシャッターを切る 安田菜津紀が語る「写真、家族」”. 朝日新聞GLOBE+. 2023年11月7日閲覧。
  9. ^ 長久豪佑 (2012年3月5日). “写真に刻む命の重み 津波で三次出身の母亡くした佐藤さん 面影たどり広島で講演”. 中國新聞ヒロシマ平和メディアセンター. 2022年7月9日閲覧。
  10. ^ a b 遺した和歌 弔いの楽曲に、3月に震災追悼コンサート/陸前高田で”. Web東海新報 (2016年1月29日). 2023年11月10日閲覧。
  11. ^ SUGIZOさん×佐藤慧さんトークイベント・レポート”. 国連UNHCR協会 (2016年6月28日). 2023年11月7日閲覧。
  12. ^ SUGIZO、ヨルダンの難民キャンプ訪問で感じた現状と今後の目標は?”. 映画.com (2016年6月23日). 2023年11月11日閲覧。
  13. ^ 安田菜津紀 [@NatsukiYasuda] (2018年8月31日). "2018年8月31日AM7:55のツイート". X(旧Twitter)より2023年11月8日閲覧
  14. ^ Dialogue for People”. NPO法人ポータルサイト - 内閣府 (2023年4月11日). 2023年11月7日閲覧。
  15. ^ Dialogue for People”. 東京都生活文化局. 2023年11月8日閲覧。
  16. ^ 児童文芸ノンフィクション文学賞”. 日本児童文芸家協会. 2023年11月7日閲覧。
  17. ^ 第66回産経児童出版文化賞”. 国際子ども図書館 (2019年5月). 2023年11月7日閲覧。
  18. ^ a b 佐藤慧写真展 ReCollection ―東日本大震災から10年―(聲明コンサート関連企画)”. やまぎん県民ホール. 2023年11月10日閲覧。
  19. ^ a b 国境なき子どもたち(KnK)写真展”. アイデムフォトギャラリー「シリウス」. 2023年11月10日閲覧。
  20. ^ これまでの児童ペン賞受賞者(新人賞を含む)”. 日本児童ペンクラブ. 2023年11月7日閲覧。
  21. ^ 佐藤慧写真展「魂のかけら」”. ギャラリーバーン. 2023年11月10日閲覧。
  22. ^ 写真家6人の視点で捉えた被災地-新宿コニカミノルタプラザで「Sign」展”. 新宿経済新聞 (2011年8月3日). 2023年11月10日閲覧。
  23. ^ 横須賀出身、フォトジャーナリスト・安田菜津紀さんら震災写真展”. 横須賀経済新聞 (2013年4月19日). 2023年11月10日閲覧。
  24. ^ 渋谷敦志 + 安田菜津紀 + 佐藤慧 「Ubuntu, I am because we are」”. Tokyo Art Beat. 2023年11月10日閲覧。
  25. ^ 気鋭フォトジャーナリストが切り取った現代のアフリカ 6/8(土)~写真展が開催”. ウォーカープラス (2013年6月7日). 2023年11月10日閲覧。

外部リンク 編集