EU域内乗り入れ禁止航空会社の一覧
EU域内乗り入れ禁止航空会社の一覧(EUいきないのりいれきんしこうくうがいしゃのいちらん)では欧州連合 (EU) が航空会社の安全管理体制に問題があるとして、EU域内での飛行・離着陸を禁止した航空会社について述べる。
概要編集
欧州連合(EU)に乗り入れの禁止を指名された航空会社は、ヨーロッパ諸国への路線の開設や、領空の飛行も不可能になる事を意味する。なお、スイスは欧州連合には加盟していないがEU加盟国に囲まれているため、EU域内への乗り入れが禁止された航空会社はスイスへの乗り入れも不可能となる。
また、2016年にはイギリスがEUを離脱する旨の意向も示しており、EUからの離脱が正式に決定すれば、イギリスへの乗り入れも理論上可能となる。[要出典]ただし、スイスと同じくEU諸国に囲まれていることや、イギリス政府がEUとリストを共有するか否かは公式に明言しておらず、イギリスがEUを脱退後もリストを共有することはあり得る。
乗り入れ禁止の航空会社のリストアップを行うのは、乗り入れを禁じられた航空会社に対し、より安全意識を持たせるためであるが、航空会社によっては「安全が確認された一部の機体は乗り入れ可能」とする、例外的なルールがある。安全管理体制の問題というのは以下に示す
- 問題の航空会社を管轄する国の監督が不十分(整備基準の施行や航空事故の調査が不十分であるなど)
- 規定を満たさない整備(航空会社側の理由、もしくは国家の監督が不十分などの理由により定期的に整備を行っていないか、あるいは整備が不十分など)
- 古い機体(先進諸国の多くの航空会社がすでに退役させたボーイング747 (-100/SP/200)、ボーイング737 (-100/200)、ボーイング727、ボーイング707、ダグラス DC-9、ダグラス DC-8、イリューシンIl-62、ツポレフTu-134など製造後30年以上の航空機「経年機」)を、EU諸国の規格に合わせたアビオニクスの更新、騒音対策を行わないで使用し続けていること
- ハイジャック防止などのセキュリティが不十分なこと
などとされている。
リストアップの開始まで編集
2004年1月にエジプトの民間航空会社、フラッシュ航空のボーイング737型機がエジプト沖の紅海に墜落し乗っていた148人の乗客乗員全員が死亡する事故(フラッシュ航空604便墜落事故)が発生し、そのほとんどがフランスからの観光客であった。さらに調査でフラッシュ航空は2002年10月にスイスでの抜き打ち検査で安全基準を満たしていないとして乗り入れを禁じられていたことが発覚。このスイスの決定に追随したのは当初ポーランドのみだったが、欧州委員会は航空会社に対する安全対策でEU圏内の一部の国家で開始されていた「危ない航空会社リスト」を統一し、2006年3月22日に欧州委員会で統一したブラックリストを発表。以後3か月ごとに更新し、公式サイトおよび旅行代理店などに掲載されることとなった。
また、2007年にインドネシアにおいてアダム航空とガルーダ・インドネシア航空が相次いで重大事故(アダム航空574便墜落事故、及び、ガルーダ・インドネシア航空200便墜落事故)を起こしたため、一時期はインドネシアのほとんどの航空会社がこのブラックリストに載っていた。
2019年にはTAAGアンゴラ航空が制限を解除されている。[1][2]
- 国際民間航空機関 (International Civil Aviation Organization, ICAO) に沿った規格を元に「重大な安全上の懸念 (Significant Safety Concern, SSC)」に指定され、ICAOの監査を元に決定する。
EU乗り入れ禁止航空会社一覧編集
2020年3月1日現在[3]
- 国籍、航空会社に対する制限
(ANNEX A による規定)
- 機種による制限
(ANNEX B による規定)
脚注編集
- ^ Angola’s TAAG removed from EU airline blacklist The Portugal News
- ^ Angola’s TAAG removed from the European Union’s airline “blacklist” Macauhub
- ^ List of airlines banned within the EU (PDF) - European Commission (英語)