FC.AWJ(エフシー.エーダブリュージェイ)は、兵庫県洲本市を中心とする淡路島全域を本拠地とするJリーグ加盟を目指す社会人サッカークラブ。

FC.AWJ
原語表記 FC.AWJ
呼称 FC.AWJ
愛称 AWJ
クラブカラー  
 
創設年 2018年
所属リーグ 関西サッカーリーグ
所属ディビジョン 1部
ホームタウン 兵庫県洲本市を中心とする淡路島全域
ホームスタジアム 五色台運動公園天然芝グラウンド
収容人数 3,000
代表者 片山純平
監督 吉田真史
公式サイト 公式サイト
テンプレート(ノート)サッカークラブPJ

歴史 編集

2018年春、「7年でJリーグ(への昇格)」を目標に「1年でも上部リーグへ昇格できなければ撤退・解散」と宣言して、「FC淡路島」の名でクラブを創設[1]。同年、兵庫県下の「都市リーグ」(兵庫県社会人サッカーリーグ2部の下に位置する、県内の地域別リーグ)のひとつである淡路社会人サッカーリーグ(兵庫県3部相当)に参加した。

なお、形式上はチームの新規登録ではなく、休眠状態にあった淡路島内の某チームを「FC淡路島」に改称してその運営に参画する体裁を取った[2]。これは兵庫県社会人サッカー連盟の規約上、都市リーグの上位チームによって兵庫県リーグ2部昇格を争う「県下社会人都市リーグ決勝大会」にはリーグ参加初年度での出場が出来ない(すなわち、成績にかかわらず都市リーグには最低2年間在籍する必要がある)ことから、初年度での昇格を目的に取った手法であった。この年は淡路リーグを全勝優勝、目論見通りに事実上は参入初年度ながら都市リーグ決勝大会への出場が認められ[3]同大会も優勝、翌年からの兵庫県リーグ2部昇格を決めた。しかし、これらの経緯からクラブの「所有」と「運営」の線引きが曖昧になっていたことが、後の騒動を招く一因となる。

2019年、兵庫県2部では残り2試合の時点で優勝と翌年からの1部昇格を決めた。また、同年の第26回全国クラブチームサッカー選手権大会の関西大会で優勝して、本大会に初出場。本大会は決勝でFC古河を破って優勝した[4]。この年にはクラブの運営主体を法人化、「株式会社FC淡路島」が設立された。

2020年、洲本市と連携協定を結ぶ。兵庫県1部で優勝、同年の関西府県サッカーリーグ決勝大会では決勝トーナメントで京都府1位の京都府警に勝利して翌年からの関西サッカーリーグ2部への昇格を決めた[5]

2021年は関西2部での優勝こそ逃したが2位でシーズンを終え、翌年からの1部昇格を決めたが、その矢先に組織内部での意見対立が表面化。後述のように事実上クラブは分裂状態となった。

2022年は分裂騒動もあり、選手の流出が相次ぎ昇格した1部では1勝も出来ずに翌年からの2部降格が決定。設立当初の「1年でも上部リーグへ昇格できなければ撤退・解散」という宣言に則ればここでチームは解散となるべきところ[6][7]だが、分裂によって設立時の“公約”は分裂前の「FC淡路島」のものとして扱われており、FC.AWJは2022年シーズン終了以降も活動が続けられている。ちなみに、後述のように流出した選手の主な移籍先となったFC EASY02 明石は関西2部で圧倒的な強さを見せ、降格したFC.AWJと入れ替わる形で翌年からの1部昇格を決めている(あわせて運営体制の変化もあり、チーム名を「FC BASARA HYOGO」に変更している)。

2023年は2部で優勝、1年で1部への復帰を決めた。これにより2024年は、過去の分裂騒動における事実上の相手方であるFC BASARA HYOGO(旧FC EASY02 明石)と同一カテゴリで対戦することになった。

2022年の騒動 編集

  • 2月27日
    • (2021年までの「FC淡路島」が名称変更した)「FC.AWJ」が公式サイトで土井良太ら10選手の契約満了を発表した[8]。ところが、土井は自身のTwitterでまだ契約の話を何もされてないとツイート[9]。このツイートに、土井と同じく契約満了となった選手も同調した[10]
  • 3月3日
    • FC.AWJが3月3日に「当クラブ元所属選手の契約満了経緯に関する SNS 上の情報についてのお詫びとご説明」として、経緯を説明[11]
      • 2021年12月頃、クラブの発足に関わった一人より、クラブを淡路島外の第三者に譲渡する話が持ち上がり、クラブの代表者側は来シーズン以降の運営の在り方を議論した結果「淡路島の皆様と、淡路島に根差したクラブとして活動する」となり、これを契機にクラブの発足に関わった一部関係者に退陣してもらい、クラブ名も「FC.AWJ」に改めた。
      • また、この経緯を踏まえて、2022年1月に契約満了となった選手に契約更新の意向確認を行ったが、クラブが定めた回答期限にまで回答がなかった選手がおり、それゆえ彼らを来シーズンのクラブ編成に含むことができず、退団したものとしてクラブ編成を行ってきた。なお、回答のなかった元選手の一部は、兵庫県サッカー協会及び兵庫県社会人サッカー連盟が主催する試合(教育リーグ)にて、FC.AWJと同じく関西サッカーリーグに所属するFC EASY 02明石の選手としてエントリーし、かつその選手として試合に出場していたことが公式記録で確認された[11][12][13]
  • 3月5日
    • (2021年までのFC淡路島を「運営」していたとする)「株式会社FC淡路島」代表取締役社長・S氏(以下S)が、今後「株式会社FC淡路島はFC.AWJとは無関係」である旨を発表[7]
      • 2021年に関西サッカーリーグ1部昇格を決め、そこで戦い抜く為には大幅に強化が必要と判断したSは、資金確保を目的とした経営改革を準備していたが、内部から反対者がいた。しかしSは反対意見がある中でも、M&Aによるクラブの株式売却と、そこで確保した資金による選手補強で関西1部の優勝を目指した。
      • しかし、クラブの所有者が「株式会社FC淡路島」の代表たるSではなく、休眠状態にあったチームの所有者のままであったことが判明。今まで当該所有者に毎年のチーム・選手登録をお願いしていたものを今後は代表が登録を行うと決めたが、そこでクラブの所有者に与えられるアカウントIDとパスワードがない事に気づく。アカウント情報の移転を要求するも拒否され、チーム登録も選手登録も行えない状況になった。Sはチームのオーナーであることを主張すると、相手側は「株式会社FC淡路島」はお金を払う担当、つまりスポンサーであると主張し、弁護士を通して話し合いを重ねたが2022年シーズンに間に合わず、M&Aも破談、決まるはずの選手との契約も破談となり、Sも実質クラブを離れることになった。今後、Sはクラブの所有権を取り戻すために裁判を起こす予定。
      • 対抗策として、「株式会社FC淡路島」はFC EASY 02明石にアプローチ。協議の結果、2022年シーズンより同チームは株式会社FC淡路島との共同運営となり、この新チームには土井とSが所属[14]する。また、昨年までのFC淡路島所属選手も複数合流する。
      • 2023年からは両チームが合併する。
      • Sの保有する「株式会社FC淡路島」の全ての株の譲渡先を3月末に発表する。
  • 3月24日
    • 株式会社FC淡路島が、3月下旬に発表するとしていた今後の方針発表を延期すると発表。理由は「株式会社FC淡路島の譲渡先とEASY明石の審議を進めている最中の為」としているが、この後ホームページの更新は後述のように12月まで行われなかった。
  • 4月9日
    • 2022年の関西サッカーリーグが開幕。なお、開幕に合わせて公開・販売された同リーグの公式プログラムにて確認したところ、FC EASY02 明石の登録選手一覧には、昨年までのFC淡路島所属選手の名前が土井も含めて複数確認できたものの、Sの名前はなかった。
  • 12月3日
    • 株式会社FC淡路島が、FC EASY02 明石との合併が白紙になったことを発表。またSも、自身のサッカークラブ運営への関与と選手活動を一旦終了させるとしている[15]

戦績 編集

年度 所属 順位 勝点 試合 得点 失点 天皇杯 チー厶名
2018 淡路 優勝 30 10 10 0 0 88 8 80 不参加 FC淡路島
2019 兵庫県II部 優勝 54 18 18 0 0 67 9 58 県社会人予選敗退
2020 兵庫県I部 優勝 19 7 6 1 0 21 2 19 不参加
2021 関西2部 2位 37 16 12 1 3 44 12 32 県予選敗退
2022 関西1部 8位 1 14 0 1 13 5 33 -28 県予選敗退 FC.AWJ
2023 関西2部 優勝 29 14 9 2 3 26 18 8 県予選敗退
2024 関西1部

タイトル 編集

リーグ戦 編集

カップ戦 編集

脚注 編集

  1. ^ Jリーグ入り目指す「FC淡路島」 全国舞台で腕試し”. 神戸新聞 (2019年10月4日). 2019年10月29日閲覧。
  2. ^ FC淡路島が分裂状態。「FC.AWJ」「株式会社FC淡路島」がそれぞれ状況説明”. サカノワ. 2022年3月9日閲覧。
  3. ^ 兵庫県社会人サッカー連盟の2018年度記録には、FC淡路島の都市リーグ決勝大会出場について「要項で2年間在籍の縛りを設けていますがこれは昇格を狙うチームが本来在籍すべき都市協会以外で登録するのを防ぐために作っています」「淡路FAより参加の可否について問い合わせがあり、社会人連盟理事会で審議の結果(1)他地域からの参入ではない(2)地元協会の推薦を受け認知もされている。ということで満場一致で参加が承認されています」との特記がある。兵庫県社会人サッカー連盟 2018年”. 兵庫県社会人サッカー連盟. 2022年3月30日閲覧。
  4. ^ 第26回全国クラブチームサッカー選手権大会 決勝戦”. 日本サッカー協会. 2019年10月29日閲覧。
  5. ^ “負けたら即解散のFC淡路島、関西リーグ昇格が決定!”. フットボール・トライブ. (2020年12月20日). https://football-tribe.com/japan/2020/12/20/197716/ 2020年12月22日閲覧。 
  6. ^ ただし、2022年の分裂騒動時の「FC淡路島」の発表においては「(目標が達成されない場合その時点でチーム運営から)撤退する」ことには触れられているものの、「解散する」とは述べられていない
  7. ^ a b FC淡路島のファンの皆様へ重要なお知らせ”. FC淡路島 (2022年3月5日). 2022年3月10日閲覧。
  8. ^ 契約満了選手のお知らせ”. FC.AWJ (2022年2月27日). 2022年3月10日閲覧。
  9. ^ ryota_doiのツイート2022年3月10日閲覧。
  10. ^ 元神戸・土井良太以外の選手も憤慨!関西1部クラブの契約満了発表に「扱い雑すぎてビビった」”. FOOTBALL TRIBE (2022年2月28日). 2022年3月10日閲覧。
  11. ^ a b 当クラブ元所属選手の契約満了経緯に関する SNS 上の情報についてのお詫びとご説明”. FC.AWJ (2022年3月3日). 2022年3月3日閲覧。
  12. ^ FC EASY02”. GoalNote CLOUD. 兵庫県社会人サッカー連盟. 2022年3月11日閲覧。
  13. ^ 【M5】 2022/02/27(日) 11:15 アスパ五色(メイン)”. GoalNote CLOUD. 兵庫県社会人サッカー連盟. 2022年3月11日閲覧。
  14. ^ Sは2021年まで選手を兼任していた。なお、「FC.AWJ」が契約満了と発表した10選手の中にSは含まれていない
  15. ^ キーパーもいないのでシュート練習できない、人数もいないので紅白戦できない、人数がいない中でも関西リーグ2部優勝”. FC淡路島 (2022年12月3日). 2022年12月10日閲覧。

関連項目 編集

外部リンク 編集