FedSat(Federation Satellite)はオーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)のマイクロサット。2002年12月、H-IIAロケットにより打ち上げられ、日本が打ち上げた初の海外製人工衛星となった[2]

FedSat
所属 衛星システム共同研究センター(CRCSS)
国際標識番号 2002-056B
カタログ番号 27598
状態 運用終了
目的 豪州国産宇宙技術の実証
打上げ場所 種子島宇宙センター
打上げ機 H-IIAロケット4号機
打上げ日時 2002-12-14
01:31:00 (UTC)[1]
物理的特長
本体寸法 0.5 x 0.5 x 0.6 m[2]
最大寸法 0.5 x 0.5 x 2.5 m[2]
質量 約58kg
発生電力 NiCdバッテリー
太陽パネル[2]
姿勢制御方式 三軸姿勢制御方式[2]
軌道要素
近点高度 (hp) 793.0 km[1]
遠点高度 (ha) 806.0 km[1]
軌道傾斜角 (i) 98.7度[1]
軌道周期 (P) 100.9分[1]
搭載機器
NewMag 地球電磁場のダイナミックス研究[2]
FPGA コンピュータ 高性能コンピューティング実験[2]
GPS 受信機 NASA提供[2]
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ミッション概要 編集

FedSatの開発は4社の民間企業、6大学、2政府研究機関が参加する豪州衛星システム共同研究センター(CRCSS)が行った[2]

メインペイロード6つの内、3つはCRSSが開発し、他の3つは海外組織が提供した。CRCSSは独自の衛星プラットフォームを開発したが実用に至らず、海外機関のものを使用することになった[3]

FedSatのミッションは以下のようなものであった。

オーストラリアは30年ほど自国で衛星を作製しておらず[4]、国内の宇宙関連技術・人材を発展させる目的もあった[2]

打ち上げと運用 編集

2002年9月19日宇宙開発事業団(NASDA)と、CRCSS参加機関を代表するオーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)はFedSatの打上げ及び利用に関する協力について定めた了解覚書をNASDA本社で締結した[5]。この締結によって、H-IIAロケット4号機の打上げ余剰能力を活用してFedSatをADEOS-II副衛星として打ち上げること、その代わりにFedSatで得られた磁気観測データをNASDAに提供すること、が決定した[5]

そして2002年12月14日、種子島宇宙センターより打ち上げが行われた。同ロケットにはADEOS-IIのほかにも副衛星としてWEOSμ-LabSatが搭載されていた。この衛星は日本が打ち上げた初の海外製衛星となった。

2003年1月13日に長さ2.5mの伸展マストを展開[2]。各種の実験に成功し、18ヵ月後バッテリーの故障によって運用が終了した[6]

参考文献 編集

  1. ^ a b c d e Fedsat”. NSSDC. 2010年8月8日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n 小型衛星特集 オーストラリア・マイクロサテライト FedSat” (PDF). Space Japan Review, No. 32 (December 2003 / January 2004). 2010年8月8日閲覧。
  3. ^ FedSat-1”. Gunter's Space Page. 2010年8月8日閲覧。
  4. ^ FedSat at NewCastle”. University of Newcastle. 2010年8月8日閲覧。
  5. ^ a b FedSatの打上げ及び利用に関する宇宙開発事業団と豪州連邦科学・産業研究機構(CSIRO)との間の了解覚書の締結について”. NASA (2002年9月19日). 2010年8月8日閲覧。
  6. ^ A beacon of hope falls silent”. smh.com.au. 2010年8月8日閲覧。