HC-20は、エプソン1982年7月にリリースしたハンドヘルドコンピュータである。

日本初のハンドヘルドコンピュータであり、当時136,800円で発売され[1]注目された。 25万台を売り上げ、その後も後継機種がリリースされた。 マイクロソフトBASICを内蔵[2]。内蔵電池により最大約50時間の連続稼動が可能とされている。プログラムは、マイクロカセット(別売)に保存・読み出しが可能。 消耗品は21世紀を迎えた今も販売が継続されており、2021年6月現在、専用インクリボン(ERC-09B)とロール紙(8R1HC20)が容易に入手可能である。

また、海外ではHX-20として販売された。 類似商品としてTRS-80 Model 100が、1983年にリリースされている。

専門誌として、日本ソフトバンク出版事業部より、「Oh! HC」が季刊で発行されていた。

諸元 編集

 
HX-20(HC-20の海外版)
  • CPU:日立製 6301 614kHz(モトローラ 6800互換)
    • デュアルCPU構成(CPU間シリアル通信は38,400bps[3])
  • メモリ:
    • ROM:32Kバイト(標準) 最大40Kバイト
    • RAM:16Kバイト
  • キーボード:タイプライタ型 68キー
  • 液晶表示部:
    • テキスト20桁×4行
    • 文字フォント:5×7ピクセル
    • グラフィック:120×32ピクセル
  • プリンター:24ドット インパクトドットマトリクス方式
  • 拡張インタフェイス:カートリッジ、オーディオカセット、バーコードリーダー RS-232C、シリアル
  • 電源:内蔵ニッケルカドミウム電池、ACアダプタ (100V)
  • 外形寸法:(W)290×(D)215×(H)44mm
  • 重量:約1.6kg

周辺機器 編集

  • マイクロカセットドライブ
    • 本体右上のカートリッジI/F用。25,800円
    • BASICから「WIND <テープカウンタ>」で任意のテープカウンタに早送り・巻き戻しができる。「WIND」のみでテープを巻き戻してテープカウンタを0にリセットする。
  • ROMカートリッジ
    • ROM 8KBまたは16KB。本体右上のカートリッジI/F用
  • 拡張ユニット
    • RAM 16KB+ROM 16KB または RAM 8KB+ROM 24KB または ROM 32KB
  • ディスプレイコントローラ
    • テキスト: 32桁×16行
    • グラフィック: 128×96ドット×2色 または 128×64ドット×4色(2セット)
    • コンボジットまたはRF出力
  • ターミナルフロッピー TF-20[4]
    • 5インチ 両面倍密度(2D)×2ドライブ
  • パーソナルカプラ CP-20
    • 300bps 全二重/半二重

後継機種 編集

関連項目 編集

脚注 編集

参考文献 編集

  • 「ASCII 1983年1月号」第7巻第1号、株式会社アスキー出版、1983年1月1日。 

外部リンク 編集