HD 218566

うお座の恒星

HD 218566は、うお座の方角に約94光年の距離にある恒星である[4][2]見かけの等級は8.6で、肉眼でみることはできないが、小型の望遠鏡があればみることができる[3][8]。HD 218566の周囲では、1つの太陽系外惑星が発見されている[6]

HD 218566
仮符号・別名 Ebla[1]
星座 うお座[2]
視等級 (V) 8.59[3]
位置
元期:J2000.0
赤経 (RA, α)  23h 09m 10.7270065995s[4]
赤緯 (Dec, δ) −02° 15′ 38.685368766″[4]
視線速度 (Rv) -37.697 km/s[4]
固有運動 (μ) 赤経: 631.520 ミリ秒/[4]
赤緯: -97.214 ミリ秒/年[4]
年周視差 (π) 34.6603 ± 0.0511ミリ秒[4]
(誤差0.1%)
距離 94.1 ± 0.1 光年[注 1]
(28.85 ± 0.04 パーセク[注 1]
絶対等級 (MV) 6.3[注 2]
Pisces constellation map.svg
Cercle rouge 100%.svg
HD 218566の位置(丸印)
物理的性質
半径 0.85 ± 0.04 R[5]
質量 0.76 ± 0.32 M[5]
表面重力 29 G[5][注 3]
自転速度 0.0[6]
スペクトル分類 K3 V[7]
光度 0.353 ± 0.032 L[6]
表面温度 4,730 K[7]
色指数 (B-V) 1.012[3]
色指数 (V-I) 1.06[3]
金属量[Fe/H] 0.28[5]
年齢 8.5 ×109[6]
別名称
別名称
BD-03 5577, GJ 4313, HIP 114322, LHS 3900, SAO 146533[4]
Template (ノート 解説) ■Project

特徴編集

大きさの比較
太陽 HD 218566
   

HD 218566は、太陽よりも小さい恒星で、質量太陽の8割程度、半径太陽の8-9割とみられる[5]K型主系列星で、スペクトル型はK3 Vとされ、光度太陽の3-4割、表面温度は4,730Kと推定される[7][6]。この温度で、HD 218566の光球面は橙色に輝いている[9][2]

太陽と比べると、HD 218566は金属量、つまり水素ヘリウムよりも質量数の大きい元素の量が、とても多い。水素を基準とした相対的なの存在比では、太陽の1.9倍の量がある[5]。年齢は、太陽より古いとみられ、およそ85億年と見積もられているが、分析によっては、22億年以下や115億年とばらつきがある[6][10][11]

HD 218566は、天の川銀河の中で薄い円盤英語版に属する恒星である。空間速度は、  km/sと求められている。銀河系内を離心率0.36、銀河系中心からの距離が近いときで1万4千光年、遠いときで3万光年という軌道で回転している。軌道は銀河面に対して多少傾いており、最大で600光年程度銀河面から離れる[11]

惑星系編集

2010年リック-カーネギー系外惑星サーベイ英語版によって、ケック天文台における視線速度法の観測から、HD 218566の周りを公転する天体の存在を示す、視線速度変化が検出された。分析の結果、この天体は225.7日周期で離心率0.3、軌道長半径0.69 auというケプラー運動をしており、下限質量木星の0.2倍という惑星HD 218566 bであるとわかった。HD 218566の周りには、他に惑星が存在することを示唆する情報はみつかっていない[6]

HD 218566の惑星[5]
名称
(恒星に近い順)
質量 軌道長半径
天文単位
公転周期
()
軌道離心率 軌道傾斜角 半径
b (Ugarit) > 0.20 MJ 0.69 ± 0.01 225.7 ± 0.4 0.30 ± 0.10

名称編集

2019年、世界中の全ての国または地域に1つの系外惑星系を命名する機会を提供する「IAU100 Name ExoWorldsプロジェクト」において、HD 218566とHD 218566 bはシリア・アラブ共和国に割り当てられる系外惑星系となった[2]。このプロジェクトは、「国際天文学連合100周年事業」の一環として計画されたイベントの1つで、シリア国内での選考、国際天文学連合 (IAU) への提案を経て、太陽系外惑星とその母星に固有名が承認されるものであった[12]。2019年12月17日、IAUから最終結果が公表され、HD 218566はEbla、HD 218566 bはUgaritと命名された[1]。Eblaは、シリア最古の王国の一つで、紀元前3千年紀から紀元前2千年紀にかけて繁栄したエブラのこと[1]。Ugaritは、シリアの古代都市で、独自の表音文字で知られるウガリトのことである[1]

脚注編集

  1. ^ a b パーセクは1 ÷ 年周視差(秒)より計算、光年は1÷年周視差(秒)×3.2615638より計算
  2. ^ 視等級 + 5 + 5×log(年周視差(秒))より計算。小数第1位まで表記
  3. ^ 出典での表記は、 

出典編集

  1. ^ a b c d Approved names”. NameExoWorlds. IAU. 2019年12月24日閲覧。
  2. ^ a b c d List of stars and planets”. Name ExoWorlds. IAU. 2019年7月11日閲覧。
  3. ^ a b c d ESA (1997), The HIPPARCOS and TYCHO catalogues. Astrometric and photometric star catalogues derived from the ESA HIPPARCOS Space Astrometry Mission, ESA SP Series, 1200, Noordwijk, Netherlands: ESA Publications Division, Bibcode1997ESASP1200.....E, ISBN 9290923997 
  4. ^ a b c d e f g h HD 218566 -- High proper-motion Star”. SIMBAD. CDS. 2019年8月6日閲覧。
  5. ^ a b c d e f g Stassun, Keivan G.; Collins, Karen A.; Gaudi, B. Scott (2017-03), “Accurate Empirical Radii and Masses of Planets and Their Host Stars with Gaia Parallaxes”, Astronomical Journal 153 (3): 136, Bibcode2017AJ....153..136S, doi:10.3847/1538-3881/aa5df3 
  6. ^ a b c d e f g Meschiari, Stefano; et al. (2011-02), “The Lick-Carnegie Survey: Four New Exoplanet Candidates”, Astrophysical Journal 727 (2): 117, Bibcode2011ApJ...727..117M, doi:10.1088/0004-637X/727/2/117 
  7. ^ a b c Wright, Candace O.; et al. (2003- 01), “The Tycho-2 Spectral Type Catalog”, Astronomical Journal 125 (1): 359-363, Bibcode2003AJ....125..359W, doi:10.1086/345511 
  8. ^ Sherrod, P. Clay; Koed, Thomas L. (2003-04-07), A Complete Manual of Amateur Astronomy: Tools and Techniques for Astronomical Observations, Astronomy Series, Courier Publications, p. 9, ISBN 9780486428208, https://books.google.com/books?id=4zjv84hHNPcC&pg=PA9 
  9. ^ The Colour of Stars”. Australia Telescope National Facility. Commonwealth Scientific and Industrial Research Organisation. 2019年8月6日閲覧。
  10. ^ Takeda, Genya; et al. (2007-02), “Structure and Evolution of Nearby Stars with Planets. II. Physical Properties of ~1000 Cool Stars from the SPOCS Catalog”, Astrophysical Journal Supplement Series 168 (2): 297-318, Bibcode2007ApJS..168..297T, doi:10.1086/509763 
  11. ^ a b Trevisan, M.; et al. (2011-11), “Analysis of old very metal rich stars in the solar neighbourhood”, Astronomy & Astrophysics 535: A42, Bibcode2011A&A...535A..42T, doi:10.1051/0004-6361/201016056 
  12. ^ Methodology”. Name ExoWorlds. IAU. 2019年7月11日閲覧。

関連項目編集

外部リンク編集

座標:   23h 09m 10.7270065995s, −02° 15′ 38.685368766″