ホンダ・レーシング・ディベロップメント

HRDから転送)
HRD
ホンダ・レーシング・ディベロップメント[1]
商号
ホンダ・レーシング
現地語社名
Honda Racing Development ltd.
HRD logo ico
元の種類
子会社 (現地法人)
設立 1998.05.08
解散 2016.07.05
本社 Bullbrook Building Brants Bridge Bracknell Berkshire RG12 9BQ,UK(2010年7月まで)[2]
主要人物
和田康裕
オットマー・サフナウアー
中本修平
親会社 本田技研工業株式会社
HONDA MOTOR CO.,LTD.
HRD UK[3]
ホンダ・レーシング・ディベロップメントUK[4]
商号
ホンダ・レーシング
現地語社名
Honda Racing Development UK ltd.
HRD uk logo ico
元の種類
子会社 (現地法人)
設立 2019.02.19
解散 2022.04.22
本社 Unit 10 Grampian Gate, Winterhill, Milton Keynes, Buckinghamshire, MK6 1BD, UK[5]
主要人物
山本雅史
田辺豊治
親会社 本田技研工業株式会社
HONDA MOTOR CO.,LTD.
Honda R&D Europe UK[6]
本田技術研究所ヨーロッパUK[7]
現地語社名
Honda R&D Europe (U.K.) ltd.
Honda logo ico
種類
子会社 (現地法人)
設立 1992.11.10
本社 C/OI Howells Honda Cain Road Bracknell Berkshire RG12 1HL[8]
親会社 本田技研工業株式会社
HONDA MOTOR CO.,LTD.
部門 本田技術研究所(海外事業所)

ホンダ・レーシング・ディベロップメント(Honda Racing Development、HRD)はかつて存在した、本田技研工業傘下でホンダF1活動を行う子会社だった[9][10]

F1参戦第3期にイギリスブラックネルに設立された法人(1998年から2016年)と、第4期にイギリスミルトンキーンズに設立された法人(2018年から2022年)の二種類があるが、いずれもホンダのF1参戦の前線基地であった。

概要 編集

第3期 編集

創設は1998年5月、本拠地はイギリス・バークシャー州ブラックネル[9]。略称はHRDホンダレーシング。初期の業務は前年末に人を介した買収に失敗したティレルのコンストラクター部門とレースチームの保存吸収で、ティレルの共同所有者のハーベイ・ポスルスウェイトを取り込んだ新たな参戦チーム体制を求めた。1999年晩春のテスト中のポスルスウェイトの死去を経て、ルパート・マンウォリングがレースチームの責任者になるが、チーム運営への不安要素からか、このビジョンは採用放棄、その後は、ティレル購入者そのものの側への関与が選択され、用意されていたエンジンは、2000年B・A・Rに向けて供給された。こうしたエンジン供給は、2002年にはジョーダン・グランプリチームへも実行されるが、同年初めのレイナードの引き揚げから、2003年からはブラックリーのB・A・R設計スタッフとホンダの栃木のコラボレーションが進行し、共同での車体開発が実現される運びとなり、2003年の日本グランプリの直前には、クレイグ・ポロックからの株式獲得もあり、佐藤琢磨のシートが用意され、2004年にはチームはB・A・R 006で11回表彰台に上り、未勝利ながらコンストラクターズランキング2位を獲得し、同年中にはエイドリアン・レイナードからのシェアも併せて、45%のシェアホルダーとなり、チームへのBATの貸付金を帳消しにするという条件を呑んで、2006年には、100%の株式を取得する運びとなった。

2006年から2008年にかけては、スーパーアグリF1チームに対するエンジン供給を行い、2007年から2008年には下請けのニック・フライプロドライブを介して、スーパーアグリF1チームに車体供給を行った。

ホンダの2008年シーズン限りでのF1撤退に伴い、HRF1の株式100%は、当時ホンダF1のチームマネージャーだったロス・ブラウンに売却されたが[11]HRDは2016年7月まで存続していた。

第4期 編集

2015年から、Sakuraの名称を冠した開発施設が新たに設立された(詳細はホンダF1#拠点を参照)。

ホンダR&DのSakura施設では、F1のみならず日本国内のレースカテゴリ(SUPER GTスーパーフォーミュラ)の技術開発や過去参戦していたF1車両のメンテナンス活動も行われている[12]

HRD UKの名称を冠した(HRD Milton Keynes)の設立は2019年のこととなる。

2020年10月、ホンダF1が2021年シーズンをもって再度の撤退を決定[13]。そして2022年、「HRD Sakura」を本田技術研究所から二輪レース組織のホンダ・レーシング(HRC)に移管統合し、HRC四輪レース開発部となり[14]、以降は同組織がホンダ・モータースポーツ全般の運営を担う[15]。それに伴い、名称が「HRC Sakura」に変更になった[16]

「HRD Milton Keynes UK」は同年2月末をもって業務を終了し、翌3月から引き継ぎ先のレッドブル・パワートレインズ(RBPT)に現地スタッフ共々移転した[17]。また2022年7月時点、かつてHRD UKだったミルトンキーンズのホンダの建屋は、レッドブル・パワートレインズが使用している[18]

なお、ホンダの北米における四輪レース部門であるホンダ・パフォーマンス・ディベロップメント(HPD)は、ホンダ米国法人が設立した別組織であり従兄弟関係に相当する会社であるが、田辺豊治の職歴からも分かるように両社間のスタッフの差替えは存在する。

脚注 編集

  1. ^ HONDA RACING DEVELOPMENT LIMITED”. find-and-update.company-information.service.gov.uk. 2022年10月28日閲覧。
  2. ^ HRD (2008年10月)”. google maps. 2022年10月28日閲覧。
  3. ^ 欧州 | 研究・開発 | Hondaグループ | 会社案内 | 企業情報”. 公式サイト. 2022年10月28日閲覧。
  4. ^ HONDA RACING DEVELOPMENT UK LTD”. find-and-update.company-information.service.gov.uk. 2022年10月28日閲覧。
  5. ^ Unit 10, Grampian Gate, Milton Keynes, イギリス 地図”. google maps. 2022年10月28日閲覧。
  6. ^ 欧州 | 研究・開発 | Hondaグループ | 会社案内 | 企業情報”. 公式サイト. 2022年10月28日閲覧。
  7. ^ HONDA R & D EUROPE (U.K.) LIMITED”. find-and-update.company-information.service.gov.uk. 2022年10月28日閲覧。
  8. ^ C/OI Howells Honda Cain Road Bracknell Berkshire RG12 1HL イギリス 地図”. google maps. 2022年10月28日閲覧。
  9. ^ a b ホンダ、2006年Honda F1世界選手権参戦体制を発表 - オートックワン・2006年2月20日
  10. ^ Honda Racing Insights - Hondaの2つのファクトリー - ホンダF1・2017年10月12日
  11. ^ Honda Racing F1 Teamの売却について2009年3月6日
  12. ^ 株式会社本田技術研究所 HRD Sakura
  13. ^ ホンダF1参戦終了、理由は「カーボンニュートラル実現」に向けた経営資源の集中”. motorsport.com (2020年10月2日). 2022年2月5日閲覧。
  14. ^ 新生HRCの体制が発表。「2023年以降のF1支援内容については協議中」”. autosport web. 2022年4月23日閲覧。
  15. ^ 2022年Hondaモータースポーツ活動計画”. 本田技研工業 (2022年1月14日). 2022年2月5日閲覧。
  16. ^ F1パワーユニットを製造する「HRC Sakura」ホンダモータースポーツ活動の心臓部を取材 - くるくら・2022年8月4日
  17. ^ レッドブル&HRC密着:ホンダとの新たな第一歩を踏み出したバーレーンGP。初日はフェルスタッペンが首位発進”. auto sport-web (2022年3月19日). 2022年3月20日閲覧。
  18. ^ 【渡辺康治HRC社長インタビュー後編】2025年末までのサポートに関する契約は今後締結へ「ある程度活動を続けられる」”. auto sport. 2022年7月15日閲覧。

関連項目 編集