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IP無線(アイピーむせん)とは、携帯電話網や自営無線のデータ通信機能を使い、デジタルデータや音声をVoIP化して伝送する移動体通信サービスである。

IPトランシーバ・PoC(Push-to-Talk over Cellular)トランシーバとも呼ばれる。

目次

概要編集

仕組みとしては携帯電話・自営無線のデータ通信モジュールに、 MCA無線風のデータ通信機器を接続したもので、形状は車載形が主だが携帯形もある。

音声通信はMCA無線と同じくプレストーク(プッシュ・ツー・トーク)方式。個別呼出・グループ呼出・一斉呼出・近隣呼出も可能で、テレメータの遠隔操作・データ伝送も可能。 日本では2018年(平成30年)3月のMCA無線の完全デジタル化・周波数帯変更と、この周波数帯を新たに使用する電気通信事業者の移行促進措置などの理由から、各社が販売を始めた。

携帯電話の場合、通信料金はNTTドコモは「従量データプラン」・「定額データプラン」を使用するが、ソフトバンク(旧・ソフトバンクテレコム)は専用の料金プラン「IP無線機専用プランフラット2」「IP無線機専用プランステップ」を用意している。

かつては、NTTドコモがプッシュトークauがHello Messenger、ソフトバンクモバイル(現・ソフトバンク)がS!一斉トーク(旧 サークルトーク)という類似の音声通信サービスを一般向けに提供していたが各社ともに2011年(平成23年)9月までに終了している。

他システムとの比較編集

タクシー無線やMCA無線と比較して、以下のような特徴がある。

  • GPS位置情報・画像・測定値等のデジタルデータの送受信が容易。
  • 遠隔地に設置したテレメータの操作、測定データの送受信が可能。
  • 同一周波数でも複数のチャンネルを設けることができ、同時通信ができる。
  • 通信方式によっては、1秒未満の遅延が発生する(ただし使用目的の性質上、ほぼ問題にならない)。

携帯電話網を使用する場合は、以下のような利点もある。

  • 無線局の免許申請や無線従事者の配置が不要。
  • 業種・用途の制限がない。
  • 中継局・制御局が不要で、移動局の料金も定額制・従量制が選択できる。
  • 移動体通信事業者が整備した携帯電話網を使用するため、通信設備の設置費用・維持費が削減できるほか、携帯電話基地局の圏内であれば全国で通信ができる。
  • MCA無線の災害対策機関に対する優先接続に相当する制度は無い。このためイベント時・災害時など、携帯電話網の輻輳の影響を受ける(ただしデータ通信機能を使用するので、音声通信機能より影響は少ない)。

主な機種編集

  • SoftBank IP無線機シリーズ(製造 西菱電機、販売 ソフトバンク) - ソフトバンクの3G・4G・4G LTE回線を使用 車載機:601SJ ハンディ機:301SJ
  • VehicLinkシリーズ(製造・販売 西菱電機) - NTTドコモのFOMA網を使用
  • SmaTalkシリーズ(製造・販売 株式会社城山) - NTTドコモのFOMA網を使用 スマートフォン型
  • Voice Packetransceiverシリーズ(製造・販売 モバイルクリエイト) - NTTドコモのFOMA網を使用
  • COSMO TALKシリーズ(製造・販売 サークル・ワン) - NTTドコモのFOMA網を使用
  • J-Mobile(NEXNET2シリーズ:Premium TalkおよびMotoTalk プラットフォーム)(製造・販売 J-Mobile) - NTTドコモの通信網を使用
  • IPシリーズ(販売 アイコム・インフォメーションタスクフォース) - NTTドコモの3G・LTE回線とauの4G LTE回線を使用
  • Aldio - アルディオ (製造・販売 シアンス・アール) - 各通信事業者の通信網を使用 スマートフォンを利用したIP無線アプリ
  • NTKIPシリーズ (製造:新潟通信機) - NTTドコモFOMA網を使用。主にバスタクシーのGPSAVM配車向け業務用IP無線機

関連項目編集