IWGP USヘビー級王座(IWGP USヘビーきゅうおうざ)は、新日本プロレスが管理、認定していた王座。

IWGP USヘビー級王座
詳細
管理団体 新日本プロレス
創立 2017年5月12日
廃止 2023年11月4日
統計
最多保持者 棚橋弘至ジュース・ロビンソン:3回
初代王者 ケニー・オメガ
最長保持者 ジョン・モクスリー:564日
最短所持者 棚橋弘至:13日
最年長 棚橋弘至:45歳
最年少 ジェイ・ホワイト:25歳

概要 編集

2017年5月12日、新日本プロレスROHの共催興行、WAR OF THE WORLDSツアーのハマースタイン・ボールルーム大会にて、新日本会長の菅林直樹より、本王座の新設が発表された[1]

同王座は、7月1日と2日の両日に渡ってアメリカのロングビーチ・コンベンション・アンド・エンターテイメント・センターにて行われる、G1 Special in USAの開催を期に設立されたものであり、同大会の目玉のひとつとして取り上げられた[1]

6月12日、初代王座決定トーナメントとして全8選手が参加を表明し、初日に1回戦が4試合、2日目は準決勝2試合、決勝が実現[2]。結果としてトーナメントを制したケニー・オメガが初代王者として認定された[3][4]

「US」の名を冠しているが、カナダのケニー・オメガやニュージーランドジェイ・ホワイトイギリスウィル・オスプレイといったアメリカ合衆国出身ではない選手も戴冠している。日本人選手では、棚橋弘至が初の戴冠となったほか、KENTASANADAも戴冠している。また、戴冠していない日本人選手では、初代王座決定トーナメントに内藤哲也石井智宏が出場(石井が王座決定戦となる決勝戦に進出)。初代王者ケニー・オメガにYOSHI-HASHIが、第8代王者ジョン・モクスリー鈴木みのる永田裕志が、第16代王者ウィル・オスプレイに海野翔太が、第18代王者ウィル・オスプレイに辻陽太、海野翔太が挑戦したことがある。

2023年に2度目の戴冠を果たした第18代王者のオスプレイは8月12日、イギリス人の自分が他国の王座を持つことを拒絶し、IWGP USヘビー級王座のベルトを放り投げた[5]。代わりに中央にユニオンジャックを配し、「UNITED KINGDOM CHAMPION」の文字が刻まれた新しいデザインのベルトを披露[5]、「IWGP UKヘビー級王者」を自称するようになった。オスプレイは過去にRPWアンディスピューテッド・ブリティッシュ・ヘビー級王座を「IWGPブリティッシュ」の王座とする、「IWGPの英国王座」の構想を立てたことがある[6]が、違う形で実現することになった。実際にこのベルトを懸けて選手権試合が行なわれ、新日本プロレスが「IWGP US(UK)ヘビー級王座」と表記していることから、「IWGP UKヘビー級王座」のベルトは、IWGP実行委員会から正式に認められたものとみられる[7]。10月14日(日本時間15日)にはザック・セイバーJr.と、ロンドンの地でイギリス人同士の「IWGP UKヘビー級選手権試合」が実現している[8]

同年11月4日、大阪大会のメインイベント後にデビッド・フィンレーが、海野翔太を下し防衛を果たした王者オスプレイと海野のセコンドに付いていて挑戦をアピールしていたモクスリーの2人をシレイリで襲撃し、外道が持ち込んだハンマーによってIWGP USヘビー級王座、IWGP UKヘビー級王座2つのベルトを破壊し挑戦をアピールすると共に新ベルトの作成を要望した。なお破壊されたベルトはバックルの部分等が取れた状態となった。

11月6日、新日本プロレスは同月4日大阪大会で起きたことを受け、2024年1月4日ベルクpresents WRESTLE KINGDOM 18 in 東京ドーム」にてオスプレイ、フィンレー、モクスリーの3WAYマッチを行う事を発表、それと共に破壊された2つのベルトに代わる新王座の創設も発表した。12月11日に行われた記者会見でIWGP GLOBALヘビー級王座の創設が正式に発表され、IWGP USヘビー級王座は現役の王座としての役目を終えることになった。これにより、WRESTLE KINGDOM 18における3WAYマッチはIWGP GLOBALヘビー級王座の初代王座決定戦への変更が発表された[9]

初代王座決定トーナメント 編集

  1回戦[10]
7月1日
準決勝[11]
7月2日
決勝[11]
7月2日
                           
ピン
22:31
ケニー・オメガ
ピン
ジェイ・リーサル
12:56
ピン
  08:30
 
ケニー・オメガ
ピン
石井智宏
31:20
  サブ
10:04
ザック・セイバーJr.
ピン
石井智宏
11:42
ピン
15:51

歴代チャンピオン 編集

歴代 チャンピオン 戴冠回数 防衛回数 日付 場所
初代 ケニー・オメガ 1 4 2017年7月2日 ロングビーチ・コンベンション・アンド・エンターテイメント・センター
第2代 ジェイ・ホワイト 1 3 2018年1月28日 北海きたえーる
第3代 ジュース・ロビンソン 1 0 2018年7月8日 カウ・パレス
第4代 Cody 1 0 2018年10月1日 ウォルター・ピラミッド
第5代 ジュース・ロビンソン 2 3 2019年1月4日 東京ドーム
第6代 ジョン・モクスリー 1 0 2019年6月5日 両国国技館
第7代 ランス・アーチャー 1 1 2019年10月14日 両国国技館
第8代 ジョン・モクスリー 2 5 2020年1月4日 東京ドーム
第9代 ランス・アーチャー 2 1 2021年7月21日 カーティス・カルウェル・センター
第10代 棚橋弘至 1 1 2021年8月14日 ロサンゼルス・メモリアル・コロシアム
第11代 KENTA 1 0 2021年11月6日 大阪府立体育会館
第12代 棚橋弘至 2 0 2022年1月5日 東京ドーム
第13代 SANADA 1 0 2022年2月19日 北海きたえーる
第14代 棚橋弘至 3 0 2022年5月1日 福岡PayPayドーム
第15代 ジュース・ロビンソン 3 0 2022年5月15日 エンターテイメント&スポーツ・アリーナ
第16代 ウィル・オスプレイ 1 4 2022年6月12日 大阪城ホール
第17代 ケニー・オメガ 2 1 2023年1月4日 東京ドーム
第18代 ウィル・オスプレイ 2 3 2023年6月26日 スコシアバンク・アリーナ
IWGP GLOBALヘビー級王座の創設に伴い廃止

主な記録 編集

  • 最多戴冠回数:3回 - ジュース・ロビンソン(第3・5・15代)、棚橋弘至(第10・12・14代)
  • 最多連続防衛回数:5回 - ジョン・モクスリー(第8代) 
  • 最長保持期間:564日 - ジョン・モクスリー(第8代)
  • 最多通算防衛:6回 - ウィル・オスプレイ
  • 日本人戴冠者:棚橋弘至(第10・12・14代)、KENTA(第11代)、SANADA(第13代)

脚注 編集

  1. ^ a b 7月のロサンゼルス大会を前に“IWGP USヘビー級王座”の新設がアナウンス! ROHのリング上でベルトがお披露目!!”. 新日本プロレス公式サイト. 2017年5月13日閲覧。
  2. ^ 【ロス2連戦の“USヘビー級王座決定トーナメント”詳細が決定!】 1回戦でケニーvsエルガン! 内藤vs石井! ジュースvsザック! リーサルvsペイジ!”. 新日本プロレス公式サイト. 2017年6月12日閲覧。
  3. ^ 衝撃の“究極死闘”に大熱狂!決勝でケニー・オメガが石井智宏を下し、“初代USヘビー級王者”に輝く!!【7.2ロス大会結果】”. 新日本プロレス公式サイト. 2017年7月3日閲覧。
  4. ^ 【新日LA】ケニー・オメガが死闘制し初代IWGP・US王者に”. 東スポWeb. 2017年7月3日閲覧。
  5. ^ a b 【新日本・G1】決勝進出逃したウィル・オスプレイ〝新USベルト〟を披露「米国の旗を持つのは嫌だ」”. 東スポWeb (2023年8月13日). 2023ー10-10閲覧。
  6. ^ 【新日本】新IWGP世界王者オスプレイが一夜明け会見「同じイギリスのWWE世界ヘビー級チャンピオンであるドリュー・マッキンタイアと対戦が叶うなら闘ってみたい。」”. プロレスTODAY. 2023年10月13日閲覧。
  7. ^ カンタン酢™ Presents DESTRUCTION in KOBE”. 新日本プロレス公式サイト. 2023年10月10日閲覧。
  8. ^ 【新日本】オスプレイがザックとの英国対決制しUS王座V2 海野翔太の挑戦受諾の条件とは…”. 東スポWeb. 東京スポーツ新聞社 (2023年10月15日). 2024年2月4日閲覧。
  9. ^ 菅林会長が、“IWGP US ヘビー級王座に変わる新王座”に言及。1.4東京ドーム大会のオスプレイvsモクスリーvsフィンレー 3WAYマッチは、「IWGP GLOBAL ヘビー級選手権 初代王者決定戦」に正式変更へ【WK18】”. www.njpw.co.jp. 2023年12月11日閲覧。
  10. ^ G1 SPECIAL in USA アメリカ・ロングビーチ コンベンション アンド エンターテイメント センター”. 新日本プロレス公式サイト. 2017年7月1日閲覧。
  11. ^ a b G1 SPECIAL in USA アメリカ・ロングビーチ コンベンション アンド エンターテイメント センター”. 新日本プロレス公式サイト. 2017年7月2日閲覧。

関連項目 編集

外部リンク 編集