Ich bin ein Berliner
Ich bin ein Berliner(イッヒ・ビン・アイン・ベルリーナー、ドイツ語で「私は一人のベルリン市民である」の意)は、第35代アメリカ合衆国大統領、ジョン・F・ケネディが1963年6月26日に西ベルリンで行った演説、およびその最後の一文である。
当該箇所は、"Two thousand years ago, the proudest boast was 'civis romanus sum '. Today, in the world of freedom, the proudest boast is 'Ich bin ein Berliner '."「2000年前は、最も誇り高き言葉は『私はローマ市民だ』であった。今日、この自由な世界において、最も誇り高き言葉は『私はベルリン市民だ』である。」と、キケロに由来するとされる”civis romanus sum”との対比で用いられた。
「Berliner」には、「ベルリン市民」と言う意味の他に、「ジャム入りの揚げパン」とも受け止められるため、「私はジャムドーナッツである」と通訳されたという都市伝説が英語圏では有名である。この都市伝説は、ドイツ語では職業や出身地を言うときには不定冠詞のeinをつけずに「Ich bin Berliner」ということから来ている。ケネディが英語の文法に引きずられて不定冠詞をつけてしまったために「ベルリン市民」の意味にならなかった、というわけである。しかし、ジャム入りの揚げパンはベルリンではBerlinerではなくPfannkuchenと呼ばれるのが一般的であるし、また、この文脈ではケネディは自分を実際のベルリン市民と言っているわけではなく、ベルリン市民と心を共有することを比喩的に言っているのであるから、einはむしろ必要であるという説もある[1]。
なお、元の”civis romanus sum”には冠詞に相当する語がないが、これはラテン語自体に冠詞がないためである。
出典編集
- ^ “Did JFK Say He Was A Jelly Doughnut?”. The Huffington Post (2013年6月26日). 2014年6月25日閲覧。(英語)
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