Intel Core M

インテルの、主としてパーソナルコンピュータ、タブレットPCのCPU向けx86マイクロプロセッサ

Intel Core M(インテル コア エム、以下 「Core M」)は、かつてインテルが生産・出荷していた主としてパーソナルコンピュータ、及び、タブレットPCCPU向けx86マイクロプロセッサブランドである。グラフィックコントローラ(HD Graphics)を内蔵したプロセッサを2014年9月に発売した。製品の位置づけは、Intel Core プロセッサー・ファミリーに属する。

Core M
生産時期 2014年から2020年まで
生産者 インテル
CPU周波数 0.80 GHz から 3.4 GHz
プロセスルール 14 nm から 14 nm
マイクロアーキテクチャ Broadwell
Skylake
Kaby Lake
命令セット x86, x64
コア数 2(スレッド数 4)
コードネーム Broadwell
Skylake
Kaby Lake
Amber Lake
テンプレートを表示

Core Mはモバイルコンピューター向けのプロセッサーであり、通常のCore iシリーズよりも消費電力や発熱が抑えられている。

特徴 編集

特徴として、小型、低消費電力で、ウルトラブックや2in1、小型PCに組み込まれる事が多い。スペックはPentium以上、Core i以下という位置づけである。SoCとして販売されている性質から一般向けに販売はされておらず、また、比較的高価なCPUである(Pentiumの倍程度でCore iより少し低い程度の価格)。Core Mではすべての製品のTDPが4.5 wであるが、コンフィグラブルTDPという仕組みにより、より低い、もしくはより高いTDPのSoCとして振る舞うこともできる。すべてのラインナップにおいてHTTターボブーストが有効になっており、下位ラインナップであるCeleronPentiumと差別化されている。ただし、CeleronとPentiumはTDPが4.5 Wを超えるCPUもラインナップされており、それらとCore Mを比べると必ずしもCore Mの方が優れているとは限らないので注意が必要である。

SoC向けラインナップ 編集

Broadwell 世代 編集

全プロセッサ共通事項:Broadwellマイクロアーキテクチャプロセスルールは 14 nm。

  • 対応ソケット - オンボード (BGA 1234)
  • 対応メモリ - 5Yxx系プロセッサー(DDR3L-1600, DDR3L-RS 1600, LPDDR3-1333/1600)
  • GPU - HD Graphics 5300
  • 命令セット拡張 - SSE4.1/4.2 AVX 2.0、 テクノロジー - Intel 64XD bitTBT 2.0HTEIST、 PCI Express 2.0 対応
  • グラフィックス出力 - eDP/DP/HDMI、 グラフィックス機能 - QSV/3D/WiDi/CVT HD対応、 API - DirectX 11.2、OpenGL 4.3
  • キャッシュ容量(L1/L2/L3) - L1: (32 KB+32 KB)×2, L2: 256 KB×2, L3: 4 MB
  • 発売時期(発表日 or 発売日) - Broadwell-Y : 2014年9月  
  • 特記事項 - vPro/TSX/TXTは、M-5Y71/M-5Y70のみ有効. PCI Express 3.0は、非対応.[1]
Broadwell-Y

 ■ [ Mobile ] Core M Processors  ( On-Board / BGA 1234 )

プロセッサー
名称-ナンバー
コア数
(スレッド数)
CPU
クロック
(最大)
GPU GPU
クロック
(最大)
キャッシュ メモリ
帯域
DMI2 ソケット TDP TDP-Down
TDP-UP
vPro VT-x
VT-d
TSX AES TXT 発売時期 ステッピング
(sSpec)
価格
(USD)
M-5Y71 2 (4) 1.2GHz
(2.9GHz)
HD5300 300MHz
(900MHz)
L2:256KB×2
L3:4MB
25.6GB/s
DDR3L-
1600×2
or
25.6GB/s
LPDDR3-
1600×2
オンボード
(BGA 1234)
4.5W 3.5W (600MHz)
6W (1400MHz)
2015年1月
 
F0
(SR23Q)
$281
M-5Y70 1.1GHz
(2.6GHz)
100MHz
(850MHz)
2014年9月
 
E0
(SR216)
N/A
M-5Y51 300MHz
(900MHz)
3.5W (600MHz)
6W (1300MHz)
× × × 2015年1月
 
F0
(SR23L)
$281
M-5Y31 900MHz
(2.4GHz)
300MHz
(850MHz)
3.5W (600MHz)
6W (1100MHz)
F0
(SR23G)
$281
M-5Y10c 800MHz
(2.0GHz)
300MHz
(800MHz)
3.5W (600MHz)
6W (1000MHz)
F0
(SR23C)
$281
M-5Y10a 100MHz
(800MHz)
2014年9月
 
E0
(SR218)
N/A
M-5Y10 E0
(SR217)
N/A

Skylake 世代 編集

全プロセッサ共通事項:Skylakeマイクロアーキテクチャ、プロセスルールは 14 nm。

  • 対応ソケット - オンボード (BGA 1515)
  • 対応メモリ - 6Yxx系プロセッサー(DDR3L-1600, LPDDR3-1866)
  • GPU - HD Graphics 515
  • 命令セット拡張 - SSE4.1/4.2 AVX 2.0、 テクノロジー - Intel 64、XD bit、TBT 2.0、HT、EIST、 PCI Express 3.0 対応
  • グラフィックス出力 - eDP/DP/HDMI/DVI、 グラフィックス機能 - 4K/QSV/3D/WiDi/CVT HD対応、 API - DirectX 12、OpenGL 4.4
  • キャッシュ容量(L1/L2/L3) - L1: (32 KB+32 KB)×2, L2: 256 KB×2, L3: 4 MB
  • 発売時期(発表日 or 発売日) - Skylake-Y : 2015年9月  
  • MSサポート(終了日) - Windows 7/8.1 のサポートは、2018年7月17日. 緊急のセキュリティアップデートは、Windows 7: 2020年1月14日、Windows 8.1:2023年1月10日.
法人向けのサポート期間短縮は、2016年8月11日に撤回を発表.Skylakeに対するサポート期間は、OSの延長サポート終了日までサポートされる.
  • 特記事項 - vPro/TSX/TXTは、m7-6Y75/m5-6Y57のみ有効.[2]
Skylake-Y

 ■ [ Mobile ] Core m7 / Core m5 / Core m3 Processors  ( On-Board / BGA 1515 )

プロセッサー
名称-ナンバー
コア数
(スレッド数)
CPU
クロック
(最大)
GPU GPU
クロック
(最大)
キャッシュ メモリ
帯域
DMI3 ソケット TDP TDP-Down
TDP-UP
vPro VT-x
VT-d
TSX AES SGX
MPX
TXT 発売時期 ステッピング
(sSpec)
価格
(USD)
m7-6Y75 2 (4) 1.2GHz
(3.1GHz)
HD515 300MHz
(1000MHz)
L2:256KB×2
L3:4MB
25.6GB/s
DDR3L-
1600×2
or
29.8GB/s
LPDDR3-
1866×2
オンボード
(BGA 1515)
4.5W 3.5W
7W
○/○ 2015年9月
 
D1
(SR2EH)
$393
m5-6Y57 1.1GHz
(2.8GHz)
300MHz
(900MHz)
D1
(SR2EG)
$281
m5-6Y54 1.1GHz
(2.7GHz)
× × × D1
(SR2EM)
$281
m3-6Y30 900MHz
(2.2GHz)
300MHz
(850MHz)
3.8W
7W
D1
(SR2EN)
$281

Kaby Lake 世代 編集

全プロセッサ共通事項:Kaby Lakeマイクロアーキテクチャ、プロセスルールは 14 nm。

  • 対応ソケット - オンボード (BGA 1515)
  • 対応メモリ - LPDDR3-1866、DDR3L-1600(PC3L-12800)
  • GPU - HD Graphics 615
  • 命令セット拡張 - SSE4.1/4.2 AVX 2.0、 テクノロジー - Intel 64、XD bit、TBT 2.0、HT、EIST、 PCI Express 3.0 対応
  • グラフィックス出力 - eDP/DP/HDMI/DVI、 グラフィックス機能 - 4K/QSV/3D/WiDi/CVT HD対応、 API - DirectX 12、OpenGL 4.4
  • キャッシュ容量(L1/L2/L3) - L1: (32 KB+32 KB)×2, L2: 256 KB×2, L3: 4 MB
  • 発売時期(発表日 or 発売日) - Kaby Lake-Y : 2016年10月  [3]
  • MSサポート(終了日) - Windows 10 のサポートは、2020年10月14日. 緊急のセキュリティアップデートは、2025年10月14日.
Kaby Lake-Y

 ■ [ Mobile ] 7th Generation Core m3 Processors  ( On-Board / BGA 1515 )
Skylake 世代までの、Core m7 / Core m5は、それぞれCore i7 / Core i5のシリーズに再定義された。

プロセッサー
ナンバー
コア数
(スレッド数)
CPU
クロック
(最大)
GPU GPU
クロック
(最大)
キャッシュ
eDRAM
メモリ
帯域
DMI3 ソケット TDP TDP-Down TDP-UP vPro VT-x
VT-d
TSX AES SGX
MPX
TXT 発売時期 ステッピング
(sSpec)
価格
(USD)
m3-7Y32 2 (4) 1.1GHz
(3.0GHz)
HD615 300MHz
(900MHz)
L2:256KB×2
L3:3MB
(eDRAM:N/A)
25.6GB/s
DDR3L-
1600×2
or
29.8GB/s
LPDDR3-
1866×2
オンボード
(BGA 1515)
4.5W 3.75W 7W × × ○/○ × 2017年4月
 

(-)
$281
m3-7Y30 1.0GHz
(2.6GHz)
2016年10月
 

Coffee Lake 世代 編集

全プロセッサ共通事項:Coffee Lakeマイクロアーキテクチャ、プロセスルールは 14 nm。

  • 対応ソケット - オンボード (BGA 1515)
  • 対応メモリ - LPDDR3-1866、DDR3L-1600(PC3L-12800)
  • GPU - UHD Graphics 615
  • 命令セット拡張 - SSE4.1/4.2 AVX 2.0、 テクノロジー - Intel 64、XD bit、TBT 2.0、HT、EIST、 PCI Express 3.0 対応
  • グラフィックス出力 - eDP/DP/HDMI/DVI、 グラフィックス機能 - 4K/QSV/3D/WiDi/CVT HD対応、 API - DirectX 12、OpenGL 4.4
  • キャッシュ容量(L1/L2/L3) - L1: (32 KB+32 KB)×2, L2: 256 KB×2, L3: 4 MB
  • 発売時期(発表日 or 発売日) - Amber Lake-Y : 2018年10月  [4]
  • 特記事項 - Windows 11に公式対応

Amber Lake-Y 編集

 ■ [ Mobile ] 8th Generation Core m3 Processors  ( On-Board / BGA 1515 )

プロセッサー
ナンバー
コア数
(スレッド数)
CPU
クロック
(最大)
GPU GPU
クロック
(最大)
キャッシュ
eDRAM
メモリ
帯域
DMI3 ソケット TDP TDP-Down TDP-UP vPro VT-x
VT-d
TSX AES SGX
MPX
TXT 発売時期 ステッピング
(sSpec)
価格
(USD)
m3-8100Y 2 (4) 1.1GHz
(3.4GHz)
UHD615 300MHz
(900MHz)
L2:256KB×2
L3:3MB
(eDRAM:N/A)
25.6GB/s
DDR3L-
1600×2
or
29.8GB/s
LPDDR3-
1866×2
オンボード
(BGA 1515)
5W 4.5W 8W × × ○/○ × 2018年10月
 

(-)
$281

脚注 編集

出典 編集

参考資料 編集

関連項目 編集

外部リンク 編集