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811系電車(811けいでんしゃ)は、九州旅客鉄道(JR九州)の交流近郊形電車

JR九州811系電車
0番台4両編成 (鹿児島本線 太宰府信号所)
0番台4両編成
鹿児島本線 太宰府信号所)
基本情報
運用者 九州旅客鉄道
製造所 近畿車輛
日立製作所
九州旅客鉄道小倉工場
製造年 1989年 - 1993年
製造数 28編成112両
運用開始 1989年7月
主要諸元
編成 4両編成
軌間 1,067 mm
電気方式 交流20,000V 60Hz
架空電車線方式
最高運転速度 120 km/h
設計最高速度 120 km/h
起動加速度 2.2 km/h/s[1]
編成定員 0番台:510人(座席204人)
1500番台:597人
車両定員 クモハ810形:120人(座席48人)
クハ811形:118人(座席44人)
中間車:136人(座席56人)
全長 20,000 mm
全幅 2,950 mm
全高 3,670 mm
車体 ステンレス
台車 円錐積層ゴム式ボルスタレス台車
DT50QA・TR235QA
主電動機 直巻整流子電動機
MT61QA形 (150kW)(0・100番台)
かご形三相誘導電動機
MT405K形(150kW)(1500番台)
駆動方式 中空軸平行カルダン駆動方式
歯車比 5.6(0・100番台)6.53(1500番台)
編成出力 150kW×8 = 1,200kW
制御方式 サイリスタ位相制御(0番台・100番台)
SiCハイブリットモジュール素子採用IGBT-VVVFインバータ制御(1500番台)
制動装置 電気指令式
発電ブレーキ併用)(0番台)
回生ブレーキ併用)(1500番台)
保安装置 ATS-SKATS-Dk、EB装置、防護無線
備考 定員・質量は0番台のもの
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目次

車両解説編集

北九州・福岡大都市圏における快速列車の増発と、421系の置き換えを目的として1989年平成元年)に登場した。 1993年(平成5年)までに4両編成28本、合計112両が製造された。[2]1989年7月に開催された、アジア太平洋博覧会「よかトピア」の開催にあわせ、デビューした[3]。全車南福岡車両区に配属されている[4]

以下に0番台新造時の構造上の特徴を示す。番台区分ごとに異なっている仕様については、「番台区分」の節で記述する。

車体編集

車体は軽量ステンレス構造。両開き扉が片側3箇所に設置されている。全扉または中間扉のみの選択開閉(ドアカット)が可能である[4]。扉の間に任意の位置で窓の開口が調整できるバランサ付きの一段下降窓が3枚ある。車体の大部分は無塗装であるが、側面窓下部に青色と赤色の帯が互い違いに配されている。前頭部は白色塗装をした普通鋼およびFRP[3]となっている。これは、211系などの三面折れ形にカーブ面を取り付け、スピード感を出したデザインとなっている[3]。また、運転台直下には"■NEW RAPID TRAIN811"の赤いロゴが張られている。先頭車前面には貫通扉を設けているが、非常用のためも幌枠も設置されていない。通常時は編成間の貫通には使用されない。

車両番号は、登場当時の783系と同様の斜体フォントを使用している。なお、783系はリニューアルにより四角囲みとなったため、斜体フォントは811系のみとなっている。そして、車両番号の前にはJRロゴが描かれている。

主要機器編集

主回路制御方式は、架線からの交流20kVを主変圧器で降圧した上で、サイリスタで構成された複数のブリッジ回路により、整流制御された直流電源で直流電動機のMT61QAを駆動する、サイリスタ位相制御である。主幹制御器(マスコン)で力行の1-4ノッチ投入時は95%弱め界磁を行い[5]、5ノッチ投入時に70%弱め界磁制御を行う[6]。主回路接続は、4基の電動機をすべて直列に接続するしたものを1回路として、これを2回路並列させた (4S2P) [6]。25‰上り勾配でMM'カットにより1Mでも勾配起動できる能力を持つという[3]

MM'ユニットを採用し、M車(モハ811形)には主制御器と発電ブレーキ用の抵抗器が搭載されている。また、M'c車(クモハ810形)には主変圧器(TM401K)・サイリスタ・補助電源装置・集電装置が搭載される。

デビュー当初はTAc車を開発し2両編成にする構想や閑散時にT車を抜き3両編成とする構想もあった[7]

電気ブレーキは783系回生ブレーキから発電ブレーキに変更となった。これは783系の実運用時に発覚した、閑散線区において交流電化区間で回生ブレーキを使用した場合、沿線にある変電所力率を落としてしまい、電力会社からペナルティを受けることとなった。それが回生ブレーキによる節電効果を上回ってしまったことからである。また、コストの兼ね合いから電気ブレーキ制御は783系のような無段階制御ではなく従来の415系などと同じカム軸制御となった[8]。 また、120km/h運転に対応するため100km/h以上からブレーキを掛けた際に制動力を増加させる増圧ブレーキを備える。

サイリスタ(RS401KA) は主シリコン制御整流装置とも呼称される。1つのブリッジ回路に使用されているサイリスタ半導体素子 (2,500V, 4,000A) は4つ使用しており、8基の主電動機が接続される[6]。冷却方式としてフロン沸騰冷却方式を採用するが、今後はフッ化炭素冷却方式を採用予定であるとしている[6]

空気圧縮機 (MH1084-C2000MQ) はレシプロ式を搭載する。補機用の電源として静止形インバータ (SC400K) を搭載するほか、主変圧器の2次側にある3次巻線も使用する。

集電装置 (PS101QB) は、菱形パンタグラフである。上り方(門司港方)先頭車のクモハ810形の連結面寄りに設置している。

台車ヨーダンパ付いた、軸箱支持装置が円錐積層ゴム式の空気ばね式の軽量ボルスタレス台車のDT50QA(電動車)/TR235QA(制御車付随車)が採用されている[2]

非常時の救援用として全段読替式のブレーキ読替装置およびジャンパ連結器を搭載し421系、423系、415系、783系などの車両と併結し相互に制動および力行が可能である。

1両あたり消費電力は、415系を「100」とした場合、811系(登場時)は「約70%」(理論値)である[9]

車内設備編集

 
車内の様子(クハ810-106)

快速列車を中心に臨時急行列車にも用いることを想定して、座席は転換式クロスシートを採用した。モケットの色は青色(サニーブルー)と紫色(レイニーパープル)の2色で、各席とも左右で異なった色とされ、頭当ての部分は独立している。その後座席モケットについては紫色と黒の市松模様に張り替えられた。優先席は頭当ての色が他の座席のパープルに対しグレーとされている。さらに視認性を高めるために2006年(平成18年)末より「優先席」表示がされた枕カバー(白色)が装着された。当初喫煙車であった門司港方先頭車のクモハ810形では座席横の肘掛に灰皿を内蔵していたが、1995年(平成7年)にJR九州管内の普通列車が全面禁煙となったため現在は塞がれている。座席の間隔と窓配置は合っていない。これは415系1500番台と窓ガラス寸法を共通にしたため。各座席には指定席とするための席番号表示器もあり指定席として使用することも可能となっている。また乗務員室にオルゴールチャイム装置を備える。

運転台左側には簡易的なモニター装置を備え各車の故障の発見、ユニットカットやモーター開放などといった故障時の対応が運転台から行えるようになった。また、運転台にはATS-DKの装置も搭載されている。

冷房装置集中式のAU403K (42,000 kcal/h) を各車両の屋根上中央部に1基設置している。ラインフローファンによる配風方式としている。

トイレは下り方(荒尾宇佐方)先頭車のクハ810形に設置されている。便器は和式である。また従来の近郊形電車には設置されていなかった大形くずもの入れが車端部(先頭車1箇所、中間車2箇所)に設置されている。

また、運転台後ろには温度計が設置されている。

形式編集

  • クモハ810形(上り方先頭車。主制御整流装置・パンタグラフ設置)
  • モハ811形(中間電動車)
  • クハ810形(下り方先頭車。トイレ・SIV・電動空気圧縮機設置)
  • サハ811形

編成は八代方からクハ810形 - サハ811形 - モハ811形 - クモハ810形の4両固定編成である。サハ811形を抜いて3両編成を組むことも可能であるほか、機器類を若干変更してクモハ810形 - クハ810形の2両編成を組むことも可能な設計とされたが、2両・3両編成は実現していない。

車両番号は基本的には編成ごとに同じ番号で揃えられている。また編成自体にも「Pxxx」の番号が与えられている[4]。「P」は本系列を示し、「xxx」は車両番号に対応している。車両に表示される編成番号は「Pxxx」だが、正式な編成番号は「PMxxx」である。「M」は南福岡車両区所属であることを表す。また、先頭車前面に編成番号が表示されるが、他系列と異なりアルファベットと数字の間にはスペースが挿入される。

編成番号
← 八代・佐伯・早岐・長崎
門司港・佐世保 →
クハ810形
(Tc')
サハ811形
(T)
モハ811形
(M)
クモハ810形
(Mc')
P1 - 3, P5 - 10, P13 - 17 0番台 0番台 0番台 0番台
P101 - P104, P107 - P111 100番台 100番台 100番台 100番台
P105・106 100番台 200番台 100番台 100番台
P1504・1511・1512 1500番台 1500番台 1500番台 1500番台

番台区分編集

広告車両については別に記述する。

0番台編集

基本番台。車両両端部以外の座席がすべて転換クロスシートとなっている[10]。1989年(平成元年)にPM1-PM4、1990年(平成2年)にPM5-PM15、1991年(平成3年)にPM16、1992年(平成4年)にPM17の4両編成合計17本が製造されたが、PM2編成は2002年(平成14年)に列車衝突事故により電動車2両が大破し、復旧されることなく制御車付随車も含めてすべて廃車された[10]九州鉄道記念館にある本系列の運転シミュレーターはこの事故の廃車体を流用している。

PM17編成の座席仕様は次節の100番台と同一である。

100番台編集

 
100番台

1992年7月15日ダイヤ改正を前に製造されたマイナーチェンジ車である。扉寄りにある座席が固定式に変更したことで扉周辺の空間が拡がり混雑時の乗客の流動が改善され、定員が増加したが、座席数は変更されていない[11]。またつり革も増設され[11]、0番台より座席の厚みが薄くなった。

同改正までにPM101 - PM109の4両編成9本が製造され、1993年(平成5年)3月18日ダイヤ改正前にPM110, PM111の4両編成2本が増備された。

PM105, PM106編成はサハ811形200番台を組み込んでいるが、これについては次節で述べる。

サハ811形200番台編集

 
サハ811-201。写真手前の車端部にトイレがある

サハ811形のみの番台区分で、201, 202の2両が存在する。団体臨時列車や臨時急行列車などの長距離運用に使用することを考慮して車端部にトイレを設置している[11]。その関係で定員は140人で座席定員は52名に減っているが、その他の構造は他車と同一である。201はPM105編成、202はPM106編成に組み込まれ、この2本はクハ810形と合わせて編成中に2箇所のトイレを有する[11]。なお、PM105編成はPM8105編成にリニューアルされた際、サハ811-201はサハ811-8201となり、トイレは撤去された。

サハ811-105, 106は存在せず、PM107以降はサハ811-107のように編成番号と車両番号は一致している。

1500番台編集

 
リニューアル車
 
車内

新造から30年弱が経過したことを受け、機器の老朽化等によるリニューアル工事を施された車両。2016年7月に入場したPM4編成に対し小倉総合車両センターにて実施され[12][13]、元車番に1500をプラスした新車番区分となった。

機器類等はすべて刷新しており、制御方式はサイリスタ位相制御から、JR九州では初となる、日立製SiC素子ハイブリッドモジュールVVVFインバータ制御装置を内蔵した主変換装置(M'c車:PC408KA,M車:PC408KB)に変更された。それに伴い主電動機も直流電動機から誘導電動機(MT405K)に変更されており[13]、給電装置もシングルアーム式パンタグラフ(PS401K)に変更された。電気ブレーキ発電ブレーキから回生ブレーキに変更されている[12]。車内照明もLED化され、徹底的な省電力化が行われた。結果、811系従来車に対し3割の消費電力削減[13]、415系と比較して消費電力が49%[9]と、省電力化に成功した。

デザイン監修は水戸岡鋭治。水戸岡は、JR九州社内設計陣の訓練を兼ねた役割分担として、社内の設計者が練ったアイデアを最終的に仕上げる「監修」に留まった[14]「Old is New ~伝統と革新の電車~」のコンセプトのもと、従来のデザインを大きく変えたデザインとしており、最新機器を搭載した新しい車両であることを表現している[13]。車体は前面白色・側面ステンレス無塗装を維持しつつも、前面貫通扉および側面にはJR九州の近郊系・通勤形で定着したCTロゴを新規に配し、側面帯は、青一色に白線および、白抜き文字で"Commuter Train 811"と表記され、811系では表記されていなかった英字社名も追加されている。これらは、従来の帯やCTロゴとは異なり、布端のピンキング(ギザギザ)の縁取りがされている[13]。また、運転台窓の赤い"■NEW RAPID TRAIN811"のロゴも、青い"Commuter Train 811"ロゴに変更されている[13]

行先表示器は305系同様のフルカラーLEDを使用したものに交換されている。

車内は、座席が転換式クロスシートからロングシートへ変更された。これは、ラッシュ時の混雑が激しくなってきたことに対応するためである。座席生地は「博多織や小倉織などのような九州の伝統的な織物」[15]をイメージしたデザインの青いモケットとなった。なお、優先席のみ赤いモケットとなっている。[13]天井照明はLED照明に変更され、環境にやさしい設計となっている[13]。この他、窓ガラスはスモークガラスに変更され、カーテンは廃止された。連結部の仕切り戸には、813系1100番台と同様にシリンダーが取り付けられ、乗降扉に開閉予告チャイムと鴨居下部に開閉予告ランプが設置された。また、ガラスとボディーとの隙間を平らにする加工を施している。また、LEDスクロール式案内表示器を設置している。トイレは洋式化され、向かい側に介助者用のジャンプシート付の車椅子スペースが配置された。また、吊革も増設された。車両連結面には、転落防止幌も設置された。

2018年10月に、先頭車のクモハ・クハに営業列車検測装置を取り付けた車両が登場した。これにより+6000番となり、元番109+1500+6000のPM7609となった。なお、中間車のサハ・モハは元番109+1500の1609である。2019年3月には営業列車検測装置を取り付けた2本目の編成が出場した。この編成はこれまでの先頭車に加え、中間車のサハにも営業列車検測装置を搭載し、トイレのあった場所は機器室とされた。また、この編成は、クモハ・クハ・サハに車椅子スペースが配置された。車番は八代方から、クハ810-7605 - サハ811-8201 - モハ811-2105 - クモハ810-8105となり、編成内の各車両の番号が全て異なったものとなった。

リニューアル第1号はPM1504編成となり、2017年3月31日に本線試運転並びにデータ収集のため小倉工場を仮出場した[16]。南福岡〜肥前浜間での本線試運転を繰り返した後再度入場し、4月15日に本出場した。なお、4月27日より営業運転が開始された。

2024年までに、現存する全27編成がリニューアルされる予定である[13][15]。改造費用は27編成で81億円[12]

0番台

編成 竣工 メーカー リニューアル竣工 改造後の編成 備考
PM1 1989年6月30日 近畿車輛
PM2 1989年7月27日 2002年3月 事故廃車
PM3 1989年7月28日
PM4 1989年9月29日 日立製作所 2017年3月31日 PM1504 リニューアル第1号編成
PM5 1990年1月23日 近畿車輛
PM6 1990年1月23日
PM7 1990年1月24日
PM8 1990年1月29日 日立製作所
PM9 1990年1月29日
PM10 1990年2月21日 小倉工場
PM11 1990年4月5日 近畿車輛 2017年11月2日 PM1511
PM12 1990年10月8日 小倉工場 2018年3月 PM1512
PM13 1990年11月26日
PM14 1990年12月19日
PM15 1990年12月6日 近畿車輛
PM16 1991年3月9日
PM17 1992年3月10日

100番台

編成 竣工 メーカー リニューアル竣工 改造後の編成 備考
PM101 1992年4月2日 近畿車輛
PM102 1992年4月3日
PM103 1992年4月4日
PM104 1992年4月16日
PM105 1992年4月17日 2019年3月27日 PM8105 サハ811形検測装置付き第1号編成
PM106 1992年4月18日 サハ811形200番台組み込み
PM107 1992年4月28日 小倉工場
PM108 1992年6月12日
PM109 1992年7月22日 2018年10月12日 PM7609 営業列車検測装置付き第1号編成
PM110 1993年2月9日 近畿車輛
PM111 1993年2月24日 小倉工場

広告車両編集

スペースワールド号(PM11)編集

   
スペースワールド色(第2次)
車内の様子(モハ811)

PM11編成はスペースワールドPR車両として落成し、ラッピングのまま甲種輸送で近畿車庫をより出場した。当初、車体には水色の帯が全体にわたって配され、側面中央には「スペースワールド」のロゴが描かれた。スペースワールドのテーマに沿って宇宙空間をイメージした車内としており、座席はパイロットシートに似せた背もたれの高いダークブルーの転換クロスシートとし、荷物棚の色が青色であること、壁に小型の壁灯を設置しているのが特徴である。

1996年(平成8年)秋にリニューアルされ、側面はロゴの代わりに「スペースワールド」のマスコットキャラクターなどのステッカーが貼付され、前頭部は白色から赤色に変更され、座席モケットも張り替えられた。また、"■NEW RAPID TRAIN811"のロゴは、白字で貫通幕に張られた。

当初は快速「スペースワールド号」に優先的に使用されていたが、当列車が消滅したことにより、他の編成と共通運用となった。

2009年1月に標準色に戻されて小倉工場を出場し、スペースワールド色は消滅した[17]。ただしこの時点では内装は変更されることなくそのまま使用されていた[10]。その後、2017年に内外装ともにPM4→PM1504編成と同様の仕様にリニューアルされてPM1511となり、同年11月2日に出場した。

三井グリーンランド号(PM8・9)編集

 
三井グリーンランド色 (PM9)

1995年7月三井グリーンランドのPRを目的に外装が変更された。対象編成はP8・9編成で、車体全体に緑色の帯が配され、「三井グリーンランド」のPRステッカーが貼付された。内装は変更されていない。

排障器の色は外装変更の時点から両編成とも緑色だったが、P 9は排障器を強化型に交換した際に灰色となっている(2007年3月現在。右の写真とは逆)。現在はP 8も強化型の排障器に交換されているが、こちらは緑色とされた。車外スピーカー取付工事については後述する。

当初は快速「三井グリーンランド号」に優先的に使用されていたが、当列車が消滅したことにより、他の編成と共通運用となった。2007年7月に「グリーンランド」に名称変更された際、2編成とも車体側面の緑色の帯を廃し従来のオリジナルの塗装に戻され、広告・イラストステッカーも撤去された。ただし側面戸袋部の「NEW RAPID TRAIN 811」ロゴは存置された。P 9編成のみ先頭車前面下部の緑色の帯がそのまま残っていたが、2009年に消され完全に原色に復元された。

日本テレコム広告車両(PM101)編集

2006年、P101編成に日本テレコム(現・ソフトバンクテレコム)のラッピング広告を施したもの。福岡ソフトバンクホークスの選手(順番に鳥越裕介斉藤和巳松中信彦杉内俊哉)が描かれていた。運用は他編成と共通で2007年にラッピングが撤去され、元の塗装に戻っている。

門司港レトロ号(PM8)編集

 
門司港レトロラッピング(PM8)(前4両)

九州鉄道記念館の開館5周年を記念し、P8編成にラッピングを施したもので、2008年3月29日から運行されている[18]。主に九州鉄道記念館をはじめとする門司港レトロ地区の建物のイラストが描かれている。運用は他の編成と共通である。2013年8月からは同年8月9日に九州鉄道記念館が開館10周年を迎えた事を記念して、九州鉄道記念館10周年記念のラッピングが施されている[2][10]。ラッピングには主に九州鉄道記念館に展示してある列車や門司港地区の観光名所などが描かれている。10周年記念セレモニーでは隣接する電留線にて展示された[19]

わたせせいぞうラッピングトレイン(PM110)編集

2019(平成31)年3月10日、門司港駅グランドオープンに合わせて運行を開始した。北九州市のゆかりのある漫画家・イラストレーター、わたせせいぞう氏が描き下ろしたイラストを車体にラッピングした。運行予定期間は3ヶ月。[20]

その他の広告車両編集

上記の他にも、どーもくんCATS(P1編成に黒帯が塗装された)、ドラえもん のび太の恐竜2006ポケモンシリーズなど期間限定で広告ペインティング・ラッピングが施される事例がある。

現況編集

運用編集

2015年現在、以下の路線で運用されている[21]

基本的に、鹿児島本線門司港駅 - 荒尾駅間の快速列車・普通列車としての運用が大半を占めている。朝夕のみ日豊本線や長崎本線での運用も存在する[21]。過去には臨時急行「ひのくに」の運用末期(1993年ごろ)につき、小倉駅・博多駅 - 熊本駅・八代駅間での急行列車としての運用に充てられたこともある。

日豊本線での運用の南限は、現在は宇佐までとなっている。以前は佐伯までの運用も存在していた[22]。2016年には大分地区で代走営業運転した実績がある[23]

かつては佐世保線でも定期運用が存在していた[24]。一方、長崎駅へは定期運用では入線したことがない。臨時列車の「旅博ながさき号」として入線したことはある。また、八代駅まで、イベント時に臨時列車として入線することがある。

また、九州新幹線部分開業前の試乗会において、新八代駅のアプローチ線と在来線対面接続ホームに、813系と連結して入線した実績もある。

小規模な改造工事など編集

2008年現在では、全編成の排障器が813系と同様の乗務員室昇降ステップ組込み大型に交換されている。一部の編成では客室側窓の一部固定化改造も施工されているが、落成当初から扉間の中央と車端部以外の側窓が固定式とされている813系と異なるのは、車端部から一箇所おきに固定式とされている点である。

2005年(平成17年)春以降、車外スピーカーの設置が進められている。 また、落成当初はドア周辺のみであったつり革がドア間の座席部分にも増設されている。これに伴い干渉する一部の吊り広告枠が移設された。

脚注編集

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  1. ^ 九州鉄道記念館811系シミュレータ開発記2”. 音楽館. 2011年10月19日閲覧。[リンク切れ]
  2. ^ a b c 「811系」『普通列車年鑑 2015-2016』、イカロス出版、2015年8月、 102頁、 ISBN 978-4-8022-0030-1
  3. ^ a b c d 大隈 信彦「快速列車の新しい仲間I JR九州811系交流近郊形電車」『鉄道ファン』1989年9月号(通巻341号)p.51-55
  4. ^ a b c 鉄道ダイヤ情報, p. 20.
  5. ^ 電気車の科学 '89年10月号 「JR九州811系近郊電車」 九州旅客鉄道㈱運輸部車両課 立石祐輔
  6. ^ a b c d 諸星幸信、千崎文雄「JR在来線交流電車用電機品 (PDF) 」 『富士時報』第62巻第8号、富士電機、1989年。
  7. ^ 電気車の科学 '89年10月号 「JR九州811系近郊電車」 九州旅客鉄道㈱運輸部車両課 立石祐輔
  8. ^ 電気車の科学 '89年10月号 「JR九州811系近郊電車」 九州旅客鉄道㈱運輸部車両課 立石祐輔
  9. ^ a b 九州を走るエコ車両(JR九州 環境報告書2017)-九州旅客鉄道(2017年10月1日、10月2日にオリジナルをアーカイブ化。)
  10. ^ a b c d 鉄道ダイヤ情報, p. 21.
  11. ^ a b c d 鉄道ダイヤ情報, p. 22.
  12. ^ a b c JR九州「811系」リニューアル - 西日本新聞(2017年4月27日朝刊)
  13. ^ a b c d e f g h i 811系リニューアルして運行開始!(PDF) - 九州旅客鉄道(2017年4月25日。同日閲覧)
  14. ^ 「水戸岡さん離れではない」JR九州・青柳俊彦社長(4月25日) - 西日本新聞経済電子版(有料。2018年1月26日閲覧)
  15. ^ a b 初代車両リニューアル 通勤・通学用811系 - 毎日新聞(2017年4月26日付朝刊および電子版。同日閲覧)
  16. ^ 811系リニューアル車が試運転を実施 - railf.jp(2017年4月5日。)
  17. ^ 811系スペースワールド色が消滅”. 『鉄道ファン』鉄道ニュース(交友社) (2009年1月28日). 2012年10月16日閲覧。
  18. ^ 811系にラッピングトレイン「門司港レトロ号」”. 『鉄道ファン』鉄道ニュース(交友社) (2008年4月6日). 2012年10月16日閲覧。
  19. ^ 811系PM8編成に九州鉄道記念館10周年ラッピング”. 交友社 (2013年8月11日). 2015年12月24日閲覧。
  20. ^ JR九州811系「わたせせいぞうラッピングトレイン」門司港駅を発車”. マイナビニュース (2019年3月10日). 2019年3月10日閲覧。
  21. ^ a b 『普通列車年鑑 2015-2016』、イカロス出版、2015年8月、 147 - 148頁、 ISBN 978-4-8022-0030-1
  22. ^ 811系が佐伯まで乗入れ”. 『鉄道ファン』鉄道ニュース(交友社) (2009年3月17日). 2012年10月16日閲覧。
  23. ^ 【JR九】811系PM9編成が大分地区で代走 - RM News (2016年8月22日。2016年8月24日閲覧)
  24. ^ 臨時快速「有田陶器市号」運転の際には入線する。

参考文献編集

  • 『鉄道ダイヤ情報』第346号、交通新聞社、2013年2月。
  • 『レイル マガジン』第406号、NEKO PUBLISHING

関連項目編集