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251系電車(251けいでんしゃ)は東日本旅客鉄道(JR東日本)の直流特急形車両特急スーパービュー踊り子」を中心に運用されている。1990年平成2年)4月28日に営業運転を開始した。

JR東日本251系電車
251系 (2008年11月30日 / 蒲田駅 - 川崎駅間にて)
251系
(2008年11月30日 / 蒲田駅 - 川崎駅間にて)
基本情報
運用者 東日本旅客鉄道
製造所 川崎重工業近畿車輛
製造年 1990年 - 1992年
製造数 4編成40両
運用開始 1990年4月28日
主要諸元
編成 10両編成 (6M4T)
軌間 1,067 mm
電気方式 直流1,500V
最高運転速度 120 km/h
設計最高速度 120 km/h
起動加速度 2.5[1]km/h
減速度(常用) 3.5[1]km/h/s
減速度(非常) 4.2[1]km/h/s
編成定員 530(リニューアル後)
編成重量 358.1 t
全長 20,000 mm(先頭車)
19,500 mm(中間車)
全幅 2,950 mm
全高 4,070 mm
車体 普通鋼
主電動機 直流直巻電動機 MT61型
主電動機出力 120 kW
駆動方式 中空軸平行カルダンたわみ板継手方式
歯車比 1:4.82
編成出力 2,880 kW (6M4T)
制御方式 界磁添加励磁制御
制動装置 回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ
保安装置 ATS-SN、ATS-P
Wikipedia laurier W.png
第31回(1991年
ローレル賞受賞車両

カテゴリ / テンプレート

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設計経緯編集

「乗ったらそこは伊豆」をテーマコンセプトに、伊豆半島への観光輸送に特化した設計がなされている[2]伊豆急行2100系「リゾート21」に触発される形で設計・製造したとされることもあるが、旧来の「踊り子」に使用される185系の内装が、普通列車にも運用されることを想定していたために他の特急形車両に比して若干見劣りすることも、このようにハイグレードな車両を製造したきっかけの一つである[3]

走行機器編集

主回路は先に常磐線特急「スーパーひたち」用として登場した651系に続いて界磁添加励磁制御を採用し、定速制御機能も付加している。台車も651系に準じたボルスタレス式のDT56形・TR241形でヨーダンパ付である。ただし、最高速度は651系の130km/hに対し本系列は120km/hであり、歯車比は185系と同一の4.82である。主電動機は界磁添加励磁制御車に共通のMT61形であるが、冷却ファン構造を変更し、高速域での騒音を低減した「内扇形」を搭載する。制動方式は回生併用電気指令式空気ブレーキで、伊東線伊豆急行線に存在する連続急勾配に対応して抑速ブレーキも装備する。

 
PS27形パンタグラフ

集電装置(パンタグラフ)は車体断面が大きく、また専有面積を小さくして客室スペースを拡大させることから、JR東日本の在来線電車では初めて、折畳み面積の少ない下枠交差式PS27形を採用した。

形式編集

 
モハ251形
 
モハ250形0番台
 
モハ250形100番台
 
クハ251形
 
クロ250形
 
サハ251形
 
サロ251形

各車の乗降口には外開き式のプラグドアを採用し、2両に1箇所の割で通常の乗降を行うという方式を採用した。2・3・5・7・10号車の、窓が設置されているドアのみが通常の乗降口(開口幅1,006mm)で、普通車はモハ250形とクハ251形、グリーン車はサロ251形がこれに該当する。1・4・6・8・9号車の、モハ251形、サハ251形、クロ250形に設置の窓のないドアは終点まで開かない。ただし、「ホームライナー」として運行する場合は「おはようライナー新宿」での小田原、「ホームライナー小田原」での新宿駅渋谷駅を除く全駅で全部のドアを使用する。

モハ251形編集

0番台編集

パンタグラフ・主制御器・主抵抗器を装備するハイデッカー構造の中間電動車普通車。定員64名。6号車と8号車に連結され、6号車はモハ250形100番台・8号車はモハ250形0番台とユニットを構成する。トイレ・洗面所を設置。

100番台編集

パンタグラフ・主制御器・主抵抗器を装備するハイデッカー構造の中間電動車で普通車。定員64名。モハ250形0番台とユニットを構成する。東京方の連結器は検査時の編成分割に対応した密着連結器を装備する。4号車である。トイレ・洗面所を設置。

モハ250形編集

0番台編集

電動発電機 (MG) ・空気圧縮機 (CP) を装備するハイデッカー構造の中間電動車で普通車。定員56名。3号車と7号車に連結され、3号車はモハ251形100番台・7号車はモハ251形0番台とユニットを構成し、3号車・7号車だがうち7号車は2007年3月17日までは喫煙車であった。トイレ・洗面所・ミニロビー(7号車は喫煙コーナーを兼ねていた)を設置。通常、3号車(普通車)と2号車(グリーン車)の間の乗客の通り抜けは不可能となっている。

100番台編集

モハ251形0番台とユニットを構成するハイデッカー構造の中間電動車で普通車。定員48名。本番台は0番台と異なり、MG・CPは装備しない。伊豆急下田方の連結器は、モハ251形100番台に対応した密着連結器を装備する。5号車である。サービスカウンター兼売店テレホンカード公衆電話を設置。

クハ251形編集

東京方先頭車(制御車)でダブルデッカー構造の普通車。定員52名(登場時)。運転室後部に展望席(登場時16席)を備え、2階が登場時36席の普通席で、1階が子供用の遊戯ルームになっている。ワイパーは1990年製の1・2が大型貨物自動車で見られるトリプル式なのに対し、1992年製の3・4は中型自動車で見られる左右両スイング式になり、運転室と客席の仕切の縦桟を廃止して展望性の向上が図られている(1号車のクロ250形も同一形状)。10号車である。乗務員室、荷物置場を設置。かつてはテレホンカード式公衆電話も設置されていたが現在は撤去されている。

クロ250形編集

伊豆急下田方先頭車でダブルデッカー構造のグリーン車。運転室後部に展望席を備え、2階が定員14名のグリーン席、1階がグリーン車利用客専用のラウンジと売店である。1階と2階とを往来できる階段は展望席後ろの海側に螺旋階段が設けられているほか、非常用乗降扉の横にも1階と2階に繋がっている直線階段が設けられている。座席の配置は2+1アブレストで、本形式は山側が1人掛席となる。座席間隔は1,300mmで、レッグレストとインアームテーブルを備える。展望席はかつて座席間隔が1,000mmでリクライニングしなかったが、後述のリニューアル工事によりリクライニングシートに改められたほか、座席数も9席から6席(3列 → 2列)へと減らしたため前後間隔にゆとりができている。トイレ・洗面所、荷物置場を設置。かつてはクハ251形同様テレホンカード式公衆電話も設置されていたが、現在は撤去されている。

サハ251形編集

ハイデッカー構造の中間付随車で普通車。定員64名。9号車である。トイレは車椅子対応となっているが、車椅子対応座席は客室に設置されておらず、デッキに設置の多目的室を利用する事としている。

サロ251形編集

中間付随車でダブルデッカー構造のグリーン車。2階が定員25名のグリーン席、1階が定員4名のグリーン個室が3室である。階上席の座席は位置は2+1アブレストであるが、本形式は海側が1人掛席となっている。これは、個室を海側に設定すると1階の通路高さの確保が難しくなるためであり、2階席の座席のハイデッキ構造の部分に1階通路を設定することで通路高さを確保した。この際に、幅に余裕のある2人掛の席の下を通路に設定したため、海側を1人掛にせざるを得なかったものである[4]。個室の座席は電動リクライニングシートである。なお、1階は1号車寄りのみ階段が設けられているため、1階から3号車への通り抜けはできない。2号車であり、2007年3月18日までは喫煙車であった。トイレ・サービスカウンター・荷物置場を設置。

編成表編集

形式
← 東京・新宿・池袋・宇都宮
小田原・熱海・伊東・伊豆急下田 →
クハ251 サハ251 モハ251 モハ250 モハ251 モハ250 モハ251 モハ250 サロ251 クロ251
編成番号 RE-1 1 1 1 1 2 101 101 2 1 1
RE-2 2 2 3 3 4 102 102 4 2 2
RE-3 3 3 5 5 6 103 103 6 3 3
RE-4 4 4 7 7 8 104 104 8 4 4


編成概要編集

1990年と1992年に10両編成が2本ずつ製作され、4本(計40両)が大宮総合車両センター(2013年3月までは田町車両センター)に在籍する。

リニューアル工事編集

 
リニューアル工事前の251系

2002年(平成14年)より全編成のリニューアルが実施され、従来9号車および展望席を除く10号車の座席はグループ客の利用を考慮して大型テーブルを装備した583系のようなボックス式クロスシートとしていたが、その2両も含めて普通車の座席をリクライニング・座面スライド付回転式クロスシートに変更した。奇数号車はオーシャンブルー、偶数号車はハイビスカスピンクと色調を区別した。クハ251形の展望席は、これまでフランス製の座席を810mm間隔で4列配置(定員16名)としていたが、これを他車と同じシートに交換のうえシートピッチを1,000mmに拡大、4人×3列の定員12名に変更した。また一般席もシート交換で定員が減少し、登場時の52名から16名減の36名に変更された。グリーン車はシートモケットとカーテンの変更にとどめられたが、グリーン車を含む全席に装備されていたオーディオシステム(FMラジオ)と仕切ドア上部のモニターテレビとグリーン個室のビデオモニターを撤去したほか、塗装もアジュールブルー、フューチュアグレーの2色から飛雲ホワイト、エメラルドグリーン、間にライトブルーの帯(JR東日本の新幹線車両と同じパターン)に変更された。

一方2007年(平成19年)より1号車・2号車のグリーン席のリニューアルが開始された。座席・絨毯の取替などが行われ、展望席は3列から2列へ変更しリクライニングシートが装備された。これにより定員が6名となった。同年2月24日に改修済編成が運用を開始。4月中旬に改修を完了した[5]

このリニューアル工事が行われたことにより、2004年(平成16年)3月から「おはようライナー新宿」・「ホームライナー小田原」にも充当されるようになった。それに伴い方向幕にも「おはようライナー」「ホームライナー」が追加されている。

運用編集

通常運用では以下の運用に用いられる。

臨時運用編集

臨時列車や団体臨時列車でも251系が使用されたことがある(臨時列車は以下を参照)。団体臨時列車としては、上越線信越本線白新線経由で羽越本線村上駅まで、また外房線安房鴨川駅まで入線した実績がある。この他、中央本線武蔵野線京葉線等にも入線したことがある。

今後の予定編集

2020年春より、伊豆方面への新型観光特急列車としてE261系を導入することが発表されており[6]、公式発表はないが、新型観光特急列車の導入にあわせて「スーパービュー踊り子」を廃止する旨の報道がある[7]

脚注編集

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  1. ^ a b c 川崎重工業「川崎重工技報」第107号(1990年10月)「東日本旅客鉄道株式会社向け251系直流特急電車(スーパービュー踊り子)106-107P記事。
  2. ^ 「JR・国鉄 特急列車全カタログ」、成美堂出版、1999年、36p。
  3. ^ 「特急踊り子&JR東日本の新型特急電車」〈名列車列伝シリーズ〉、イカロス出版、2000年。
  4. ^ 鉄道ダイヤ情報』76号「251系設計日誌」の記述による。
  5. ^ 鉄道ダイヤ情報 新型車両掲載コーナー 2007/03/14更新・4月号より
  6. ^ 伊豆エリアへ新たな観光特急列車を運行します。 (PDF)  - JR東日本プレスリリース、2018年5月8日
  7. ^ 新型の観光特急列車 初の全車両グリーン席 毎日新聞、2018年5月8日

参考文献編集

  • 新型車両掲載コーナー 2007/03/14更新・4月号より”. 交通新聞社 (2007年3月14日). 2016年8月14日閲覧。
  • 川崎重工業「川崎重工業技報」第107号(1990年10月)「東日本旅客鉄道株式会社向け251系直流特急電車(スーパービュー踊り子)106-107P。

関連項目編集

外部リンク編集