M5フランスが開発していた潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM 仏 MSBS)[1]フランス海軍が運用しているM4を更新するものとして、1990年代に開発が行われていたが、冷戦終結による環境変化と資金的問題により開発は中止、漸進的な発展型であるM51の開発に移行した。

概要 編集

フランスは、核戦力として潜水艦発射弾道ミサイルを重視しており、1970年代より戦略ミサイル原子力潜水艦を保持・運用してきた。SLBM及びその搭載核弾頭は継続的な改良・開発が行われており、M5は貫通能力を向上させた再突入体及び新型弾頭[2]を有し、射程を11,000㎞に延伸した新型ミサイルとして1993年より本格開発が開始された[1]MIRVであり、搭載弾頭数もM4より増加させる[1]。三段式の固定燃料ロケットであり、S3 IRBMの後継となる、陸上配備型の開発も検討されていた[1]

同時に、M4の改良型の開発も進められており、1996年には射程を5,000㎞から6,000㎞に延伸したM45が開発され、中間発展型として採用されている[2][3]

冷戦終結による環境変化と資金的問題により、1996年にM5の開発計画は中止され、M45と同じくTN 75核弾頭を最大6基搭載し、射程も8,000-10,000 km [4][5]に縮小されたM51の開発へと移行した[1][2]。計画が進捗していれば、ル・トリオンファン級原子力潜水艦(SNLE-NG)に16基搭載される予定であった[1][2]

脚注 編集

  1. ^ a b c d e f M-5 / M-51 fas.org
  2. ^ a b c d The Naval Institute Guide to World Naval Weapon Systems,Norman Friedman,P504,Naval Institute Press,2006
  3. ^ M-4 / M-45 fas.org
  4. ^ The New French Nuclear Posture
  5. ^ M51 Missile Nears First Test Launch; Will Equip Final SSBN in 2010