MAXI J1910-057/Swift J1910.2-0546

わし座のX線新星

MAXI J1910-057/Swift J1910.2-0546は、2012年5月31日22時36分28秒(UTC)にわし座の方向に出現したX線新星である[1]

MAXI J1910-057
Swift J1910.2-0546
星座 わし座[1]
等級 (R) 15.9等級[1]
分類 X線新星[1]
天文学上の意義
意義 軟X線が強いX線新星[1]
位置
元期:J2000.0
赤経 (RA, α)  19h 10m 22.80s[1]
赤緯 (Dec, δ) −05° 47′ 55.9″[1]
発見
発見日 2012年5月31日
22時36分28秒(UTC)[1]
発見者 日本の旗 MAXI[1]
アメリカ合衆国の旗 スウィフト[1][2]
発見方法 自動検出
X線強度
日付 2012年5月31日
2-4eV 45±7ミリクラブ[3]
4-10eV 38±7ミリクラブ[3]
10-20eV 68±28ミリクラブ[3]
15-50eV 40ミリクラブ[2]
他のカタログでの名称
Swift J1910.2-0546/MAXI J1910-057[4],
MAXI J1910-0546,
Swift J1910.2-0546[4]
Template (ノート 解説) ■Project

MAXI J1910-057/Swift J1910.2-0546は、国際宇宙ステーションの実験棟きぼうに設置されている全天X線監視装置「MAXI」と、NASAのガンマ線バースト観測衛星「スウィフト」によってほぼ同時に発見された。この新星の検出の速報が、MAXI独自の新星速報システムから直接関係者に配信される電子メールの方が、国際天文電報に通報するより早かったため、名前はMAXIとスウィフトの連名となった。MAXIが発見したX線新星では8番目の発見となる。正確な座標はスウィフトと地上の望遠鏡観測から、明るさはパロマ・トランジェント観測装置によって観測された[1]

この新星のX線放射は、低エネルギーのX線領域で強いという特徴がある。発見以来像光しており、6月5日現在、低エネルギーのX線である2keVから4keV(一部軟X線に分類される事もある)の領域では、かに星雲の70%の強度を有している。ところが、高エネルギーのX線である10keVから20keV(一部硬X線に分類される事もある)の領域では、かに星雲の2%ほどしかない。また、2keVから4keVの領域は明瞭に像光している事が分かる。このように、低エネルギーに集中するX線を放出は珍しく、電波赤外線可視光と言った、さまざまな波長での観測が行われている。また、低エネルギー帯で長期にX線を監視できるのは、現在MAXIしかない。このため、MAXIの観測データは貴重であり[5]、世界の天文学者からの注目を集めている[1]

スウィフトの観測では、この位置では29日には観測されず、15keVから50keVのX線領域で、30日に25ミリクラブ、31日に40ミリクラブのX線強度が観測された[2]。31日のX線強度は、2keVから4keVで45±7ミリクラブ、4keVから10keVで38±7ミリクラブ、10keVから20keVで68±28ミリクラブである[3](1ミリクラブは2.4×10-14W/m2)。

この新星の天体は、中性子星ブラックホールであるかは判明していない[1]

出典 編集

座標:   19h 10m 22.80s, −05° 47′ 55.9″