メインメニューを開く
Me 323
Me 323(着陸時)

Me 323は、メッサーシュミット社によって開発された、第二次世界大戦中のドイツ輸送機である。愛称はギガント(Gigant:ドイツ語で「巨人」の意)。

目次

概要編集

輸送グライダーMe 321に6基のノーム・エンジンをつけたものである。Me 321は巨大であるために、当時としては比類無き輸送力を誇ったが曳航が困難で、3機のメッサーシュミット Bf110によるトロイカ曳航や、曳航専用機であるハインケル He 111Z ツヴィリングが開発された。しかし、専用機を使う場合はともかく、それが実用化される前の3機組での曳航は危険であり曳航中の事故も多く、航続距離が短過ぎるという問題もあり、モーターグライダー化が施されMe 323として約200機が生産された。戦時の量産に向くように、スチール製の枠組みに羽布(はふ。密に織った軽い麻布)張りという構造をとっている。機首が左右に開くので、野砲を牽引車ごと搭載できる。1942年4月に試作機が初飛行している。

当時実用化されていた輸送機としては驚異的な輸送力を持っており、軽戦車程度の車両や100人の武装兵士などを運ぶことができた(資料によっては、25tもあるIV号戦車を輸送できたとするものもある)。1943年から運用され、北アフリカ戦線イタリアから物資を輸送する作戦に用いられたが、あまりの巨大さゆえに1,000馬力級のエンジンでは6発を搭載してもアンダーパワーであり、低速かつ鈍重なため連合軍戦闘機またはB-25 ミッチェルのような双発爆撃機からの襲撃を受け、多くの犠牲を出した。

ただし、撃墜するにはエンジンかコックピットに弾を当てる必要があり、羽布部分は貫通するだけである程度の攻撃を受けても飛行可能であったため、銃弾を撃ち尽くした連合軍機を尻目に悠々と飛行している、という事態も初期には珍しくなかった。また、後述通り輸送機にしては多くの機銃を備えていたため、襲ってきた敵機が返り討ちに遭ったこともある。もっとも、攻撃を受ければ飛行に影響はしなくても、輸送中であれば積荷に被弾することになるため無意味だったわけではなかった。

諸元編集

  • 乗員:5名
  • 全長:28.2m
  • 翼幅:55.2m
  • 全高:9.6m
  • 空虚重量:27,330kg
  • 全備重量:29,500kg(ドイツ語版によると、最大離陸重量は45t
  • エンジン:6×ノーム・エ・ローヌ 14N
  • 出力:950hp×6(資料により850hp-1,180hpと開きがある)
  • 最高速度:270km/h(資料により250-300km/hと開きがある)
  • 航続距離:800km(資料により700-1,100kmと開きがある)
  • 武装:18×7.92mm機関銃MG 81など(生産型によって数の増減あり。また、一部を13mm機関銃MG 13120mm機関砲MG 151/20と交換したものもある)
  • 輸送力:兵員60-80名(120名)もしくは20tまでの貨物(資料により15-25tと開きがある)

登場作品編集

漫画・アニメ編集

『タイムトルーパー』
小林源文によるSF劇画。作中で未来の傭兵部隊(タイムトルーパー)に乗っ取られたMe 323が登場するが、遭遇した連合国軍B-17編隊と交戦。レーザーガンで大損害を与えるものの、撃墜されてしまう。ドイツ軍もタイムトルーパー追跡のために使用するが、こちらは連合軍戦闘機に襲われて撃墜されている。
戦場ロマン・シリーズ
シリーズの一編「王者(ファラオ)の砂丘」に、北アフリカ戦線ティーガーII輸送用としてMe 323が登場。しかし、戦車は分割輸送されていたので、車体は無事だが、砲塔を運んだ本機が行方不明となってしまい、主人公達は砲塔を装備すべく、車体のみで砂漠の中を不明機を探索する羽目に陥る。

以下の作品にはMe 323そのものではないが、着想を得た飛行機が登場する。

バカガラス
漫画および映画『風の谷のナウシカ』に登場する輸送機。Me 323をモデルにしたと言われている。
未来少年コナン
大型の7発機「ギガント」が登場し、終盤の舞台となる。

ゲーム編集

コール オブ デューティ2 ビッグ レッド ワン
ストライカーズ1945II
日本ステージの中ボスとして登場。本作では爆撃機という扱いになっている。
バトルフィールド1942
MODForgotten Hope Secret Weapon』にドイツ軍兵器として登場。内部にトラック装甲車に加え戦車も搭載可能。機銃を大量に搭載したガンシップ型も登場する。