N,N-ジイソプロピルエチルアミン

N,N-ジイソプロピルエチルアミンN,N-diisopropylethylamine, 略称 DIPEA または DIEA)はアミン化合物の一種。常温では無色で強いアミン臭を持つ液体。ほとんどの有機溶媒と任意の割合で混合するが、には不溶である。ドイツの化学者であるジークフリート・ヘルムート・ヒューニッヒにちなみ、ヒューニッヒ塩基 (Hünig's base) とも呼ばれる。

N,N-ジイソプロピルエチルアミン
識別情報
CAS登録番号 7087-68-5 チェック
PubChem 81531
ChemSpider 73565 チェック
UNII 5SIQ15721L チェック
EC番号 230-392-0
国連/北米番号 2733
MeSH N,N-diisopropylethylamine
特性
化学式 C8H19N
モル質量 129.24 g mol−1
外観 無色の液体
匂い 生臭い、アンモニア臭
密度 0.742 g mL−1
融点

-50 ~ -46  °C

沸点

126.6 °C

への溶解度 4.01 g/L (at 20 °C)
蒸気圧 4.1 kPa (at 37.70 °C)
屈折率 (nD) 1.414
危険性
GHSピクトグラム 可燃性 腐食性物質 急性毒性(高毒性)
GHSシグナルワード DANGER
Hフレーズ H225, H301, H314, H412
Pフレーズ P210, P273, P280, P301+310, P305+351+338, P310
引火点 10 °C (50 °F; 283 K)
爆発限界 0.7–6.3%
半数致死量 LD50 200–500 mg kg−1 (oral, rat)
関連する物質
関連するamines
関連物質
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

性質

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塩基性。似た構造のトリエチルアミンに比べてかさ高い置換基を持つため N-アルキル化を受けにくく、求核性が低いという特徴を持つ。代表的な非求核塩基の一つである。

用途

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求核性が低いことから、アルキル化反応などに共存させる塩基として多用される。特に生理活性化合物の全合成において頻繁に用いられる。

安全性

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引火点 10 ℃の可燃性液体である。皮膚に接触すると炎症を発生することがある。ラットでの経口毒性は 200–500 mg/kg 程度。消防法に定める第4類危険物 第1石油類に該当する[1]

脚注

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  1. ^ 法規情報 (東京化成工業株式会社)

関連項目

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